勤務先で明らかにパワハラ行為を受けていて、怖い思いをしたという人もいるのではないでしょうか。
パワハラによるトラウマが消えず、克服しようにも難しくて、その後上手く働けなくなってしまう場合もあります。

ここでは、トラウマの後遺症の症状についてまとめパワハラによるトラウマの克服方法トラウマのせいで働けなくなってしまった場合の対処法について紹介します。

無理せず、一歩踏み出すための参考になれば幸いです。

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職種
オールマイティー
公開求人数
200,034件
対応地域
全国
おすすめ年代
20代~

夢に出るほど怖いトラウマ、モラハラ・パワハラの後遺症とは?

フラッシュバックは自分でコントロールしにくい

トラウマは、日本語では「心的外傷」と訳され、このトラウマが心に与える影響としては、一過性の不安や抑うつ状態が最も一般的です。
このような不安や抑うつ状態を一時的に示したとしても、フラッシュバックを起こさない人もいます。しかし、一部の人はトラウマとなる出来事を体験した後に、フラッシュバックを体験することになるのです。

フラッシュバックとは、心の傷を思い出させるような体験をきっかけとして、トラウマの記憶の一部が何度も繰り返し生々しくよみがえる体験を指します。
本人はフラッシュバックをコントロールできないため、日常生活に支障をきたすことが多いのです。

(参考書籍:小此木啓吾・深津千賀子・大野裕編 心の臨床家のための必携精神医学ハンドブック 1998 創元社)

職場でのパワハラがトラウマになることもある

トラウマとひとことで言っても、非常にさまざまな種類があります。
一過性のものの場合は、津波や地震のような災害、事故、暴行を受けることなどが挙げられます。慢性的に繰り返されるものの場合は、性的虐待、長期にわたる監禁や戦争体験が挙げられます。

職場で発生する可能性があるトラウマは、一過性の「暴行を受ける」ことも含まれますが、慢性的に職場で暴行を受けていたり、それに準ずるような暴行・暴言が繰り返されている場合もトラウマが発生する可能性があります。

フラッシュバックで不眠症・過呼吸になることも

トラウマ後にPTSDが発症することもある

フラッシュバックは時と場所を選ばず、自分がトラウマと似たような状況や環境にあった時に発生します。

暗い場所で暴行を受けていた場合は、寝室の暗さでフラッシュバックを起こすこともあり、寝室では眠れずに不眠症になることもあります。
さらにトラウマの後遺症であるPTSD(心的外傷後ストレス障害)になれば、トラウマと関連する環境ではなくとも、不意にフラッシュバックや過呼吸が起こります

トラウマを故意に深く考えないようにする

このような症状はコントロール不能であるため、「またフラッシュバックを起こしてしまった…」と反省する必要はありません。また、トラウマの元になっているハラスメント体験について深く考えることも、トラウマを呼び起こすことになるため、避けた方がよいでしょう。

フラッシュバックを起こすあなたが悪いのではなく、ハラスメント体験でトラウマを作らせた相手が悪いと考えることをおすすめします。

トラウマで働けない。ニート生活になることも

トラウマの原因になる人物は上司とは限らず、同期だったり、少し年上の先輩社員だったり、いわゆるお局様であったりとさまざまです。
人を精神的に追い詰めるような人がどこにでもいることは、非常に大きな問題ですが、もっと現実的に大きな問題となるのは、トラウマがあるために働けなくなってしまうことです。

トラウマができるほどのハラスメントを体験し、それがきっかけで休職・退職した人は、「また同じような目に遭うのが怖い」という理由で復職・転職するのが困難になることがあります。
しかし、生活がかかっている以上働かないわけにもいかず、働かなければならない状況と働けないくらいのトラウマの間で身動きがとれなくなる人もいるのです。

仕事でパワハラされたトラウマを克服することは可能?

記憶を消すことは出来ないが受け入れることは出来る

記憶から受け取る印象を変える

仕事でできてしまったトラウマの元となる記憶を抹消できればどんなにいいか…と思う人も多いでしょう。
残念ながら既に実際に体験した記憶を消すことは不可能ですが、記憶はそのままに記憶から受け取る印象を変えることで、受け入れることはできます。

心理学では主に以下の2つの技法でトラウマに対処することが可能です。

リフレーミングでトラウマとなった出来事の肯定的な側面を見つける

1つの出来事にはさまざまな側面があります。心理学の専門用語では、このように否定的な意味を肯定的なものに変える技法を「リフレーミング」といいます。

この方法は一定の判断や考え方で枠づけされた出来事の枠組みを変え、その結果事実を変えることなく事柄の意味づけや価値判断を変えようとするものです。
たとえば「あなたの一挙手一投足に文句をつけてきた人がいた」という事実なら、「あの人は私にものすごく関心があった」というように、もう1つの角度からとらえてみるのです。

フォーカシングで「学べた」ととらえる

まずはトラウマの原因となった出来事に関する記憶を紙に書きだしてみます。次にその出来事があったからこそ「学べた」ことを書きだしてみます
たとえば、「あの時嫌がらせをされたからこそ、自分は新人に優しくしようと思えた」ということや、「あの時見えないところでひどい目に遭ったからこそ、こんなヤツに負けないようにと強くなれた」という考え方です。

事実を曲げずにとらえ方を変えるリフレーミングに対し、フォーカシングはトラウマの原因となる事実自体をよかったものととらえるための方法なのです。

トラウマ自体もつらいがトラウマへの執着が一番の原因

トラウマがあると、ふとした瞬間にフラッシュバックとしてよみがえったり、不眠症、過呼吸などの症状があり、非常に辛いものです。
しかし、実はトラウマを記憶に定着させ続けているのは自分自身のトラウマを忘れたいという気持ちへの執着でもあります。

「あんな嫌な記憶、忘れたい!」と強く思えば思うほど、「あんな記憶」という部分とともに仕事で経験したトラウマは再定着を繰り返し、皮肉なことに忘れるどころかより深く心に刻まれてしまうのです。

仕事でのトラウマなら産業医にカウンセリングしてもらう

プライベートでのトラウマであれば、個人的に心療内科や精神科を受診することをおすすめしますが、会社で発生したトラウマの場合は産業医にカウンセリングしてもらうことができます。

産業医に話すと、上司や同僚などに話の内容をバラされてしまうのでは…と不安になる人もいるでしょう。
しかし、産業医には守秘義務があるため、以下のようなケースを除いては周囲に相談内容が漏れることはありません。

1.労働者が自傷行為に及ぶ可能性が高い場合
2.健康診断や人間ドックの結果、伝染病が発覚し、他の労働者に健康被害が生じる危険がある場合

また、明らかに経歴や有しているスキルに合わない業務を任されている場合、適材適所に配置してもらうために医師から報告してくれることもあります。
産業医に相談することで、働きやすい環境を手に入れることができるかもしれません。

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仕事のトラウマで働けない・・・退職?それとも環境を変えて働く?

トラウマは時間が解決してくれるが・・・

何年か経てば少しずつ記憶が薄れていく可能性が高いので、トラウマもある程度は時間を置くことで解決することができます。
しかし、長期にわたって休職できない場合もありますよね。そのように、今すぐにフラッシュバックを何とかしたい場合は、トラウマを忘れるというよりも、トラウマと向かい合うことも必要です。

ひどい体験をしたことを受け止め、それで今私は悩んでいるんだという事実に向き合うことで、具体的な策が見えてくることもあります。

今の職場がトラウマの原因なら、転職も視野に入れる

フラッシュバックで悩んでいる場合、トラウマが発生した場所が職場であるなら、出勤するたびにフラッシュバックが生じる引き金を引いていることになります。そのため、トラウマは消えにくくなるでしょう。

このような場合は、転職も視野に入れたほうがよいです。相性の良し悪しもありますし、転職先ではフラッシュバックが起こらないという保証はありませんが、探さないより気持ちが楽になることが予測されます。

新しくトラウマになるような出来事に遭遇しない限りは、それまでの職場環境を変えることで、嫌な記憶を忘れやすくなるかもしれません。

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まとめ

仕事でのパワハラによるトラウマを克服するためには、リフレーミングやフォーカシングなどの技法を使ってとらえ方を変えてみたり、あえて向き合うという方法もあります。

また、企業に産業医がいる場合は、カウンセリングを受けることで異動させてもらえるように取り計らってもらえる場合もあります。

しかし、トラウマによるフラッシュバックが続く場合は、転職をして引き金となっている職場から離れるという手段もおすすめです。