私たちが日常生活を送る中で欠かせない日用品を、自宅まで安全にお届けしてくれる「運送業界」に対して、家具性の皆さんはどのようなイメージを持たれていますか?
「県から県へ長時間トラックを運転して物資を運ぶイメージが強い」「体力ありきで、ガタイがいい人が就いているイメージ」など「運送業界=物資の運搬」を思い浮かべる学生が多いです。
しかし、運送業界の仕事は、荷物を運ぶだけではとどまりません。
加えて、私たちが生活を送っているうちは、仕事がなくならないなど、非常に高い需要と将来性を秘めているため、当業界を志望する学生が多いです。
業界の動向や実務を知るなら、まずはインターンに参加してみるのがおすすめです。
今回は、運送業界が催しているインターンの内容と、実務体験を経て感じるやりがいや業界の動向について解説します。
運送業界のインターン内容
ここでは、実際に運送業界で実施されているインターンの内容をご紹介します。
短期インターンの内容
1~3日間という限られた時間で開催される1day・短期インターン、ZoomやSkypeを用いて実施されるオンラインインターンでは、以下のプログラムに沿ってインターンが行われます。
【インターン内容】
- 会社概要・業務説明
- グループディスカッション
- 施設・業務見学
- 座談会・懇親会
- 質疑応答
上記5つのプログラムをメインに、インターンが進行します。
1day・短期インターンでは、基本「セミナー・ワークショップ型」のインターンを催しており、会社によって施設内を見学しながら、社員の働く姿を目の当たりにできます。
また一部の企業では、採用選考に関する情報をインターン生に公開しているところもあります。
参加された学生の声
以下は、運送業が催すインターンに参加された学生の声です。
『初めて大型トラックに乗車しました』
私は今回、運送業の1dayインターンに参加しました。
オリエンテーションと会社概要・業務説明のセミナーを終えた後、実務体験として街中を走っている「大型トラック」の乗車体験というものを今回のインターンで経験しました。
初めて乗る大型トラックから見る景色は、爽快であると同時に死角が多くて運転するときは細心の注意を払って運転すべきだと思いました。
これを自分の手足のように運転できるドライバーさんの経験値が計り知れません。
また、「運送業」といえば、体育会系でガタイがいい人ばかりなイメージを思い浮かべますが、そんなことはありません。
人当たりもよく、会社の雰囲気はすごくよかったです。
またそのほかの業務体験でも、そこで仕事をしている先輩社員さんから様々なお話を聞くことができました。
充実したインターンを過ごせました。
――大学3年生・女性
『運送業に対するイメージが変わりました』
私はまだ働きたい業界が絞り切れていなかったため、身近にある仕事の中で、私たちの生活を陰で支えている「運送業」のインターンに参加しました。
「運送業」といえば、店舗からお預かりした荷物をトラックに積んで運ぶという部分しか見えていませんでした。
しかし、実際は検品や商品別、行先別など事細かい仕分けを行って、荷物を積んでいるといった1つの業務に多くの社員の手があって私たちの自宅に届けられていることを知りました。
また営業所では、フォークリフトの乗車や熱中症対策など、社員の安全を第一考えた安全施策が徹底されていました。
運送業って安全面は徹底されていても、職場環境が劣悪…っていうイメージが強かったです。しかし、今回のインターンで訪れた会社からは、真逆のものを感じました。
――大学3年生・男性
運送業界で仕事をするとどんな経験を得る?
ここからは運送業に就いたとき、実務を通して得られる経験・スキル、やりがいについてご紹介します。
実務を通じて得られる経験・スキル
以下は、運送業の実務を通して得られる経験・スキルです。
【得られる経験・スキル】
- ドライビングテクの向上
- コミュニケーション能力
- 語学力
スキル①ドライビングテクの向上
運送業で「ドライバー」という職種に就いた場合、大型、中型、準中型、特殊などの自動車を扱いします。
たとえば、県から県へ大量の荷物を運ぶ場合は、大型自動車を扱い、県内の営業所や店舗には大型や中型を扱って荷物を配送します。
さらに、自宅への配送となれば準中型をメインに扱い、営業所ではフォークリフトなど特殊自動車を扱って荷物の移送を行います。
ドライバー職に就けば、四六時中ハンドルを握って仕事をしますので、自然とドライビングテクが向上します。
また日本各処を巡るので、自然と土地勘も強くなります。
スキル②コミュニケーション能力
運送業でもコミュニケーションは欠かせません。
社員通しで安全を確認して荷物の移送をしたり、客先まで荷物を配達したりするときなどの場面でコミュニケーションが欠かせません。
また営業所などでは、フォークリフトなどが常に稼働しているほか、死角になる場所が多く大けがにつながる恐れがあります。
1日を無事故で過ごすためにも、社員1人1人が声掛けや安全確認を徹底することが求められます。
スキル③語学力
運送業は、「荷物を目的地まで運ぶ」ことのみではありません。
人を車やバスに乗せて目的まで運ぶ「旅客」も、運送業に含まれています。
またドライバーがみな日本人ということはなく、中には海外から働きに来た方がドライバーを務めていることもあります。
ドライバー同士のコミュニケーションを通して、語学が達者になることもしばしあります。
特に、空港や大型の駅などを拠点にしている「旅客輸送」のドライバーは、海外からの観光客を目的地にお届けすることが多く、移動中のやり取りを通して語学が達者になるケースが多いです。
運送業界に適性がある人は?
以下は、運送業に適性がある方の特徴です。
【適性がある方の特徴】
- 責任感を持って仕事に取り組める方
- 体力がある方
- 協調性を持って仕事ができる方
特徴①責任感を持って仕事に取り組める方
運送業では、小さなミスが大きな事件へと発展することがしばしあります。
配達先の誤認や配達時間のズレなどで、品出しの時刻に間に合わなかったりするなど、お客様に迷惑をかけて会社としての信頼を貶める行為に繋がります。
よって、社員1人1人が与えられた仕事に責任を持って取り掛かることが大切です。
また限られた時間内で、梱包から仕分け、荷物の個数確認、品質維持など、限られた時間内でこなす業務が多いため、責任と同時に高い集中力も必要になります。
特徴②体力がある方
運送業では、頻繁に荷物を積み下ろしすることが多いです。
そのため、ある程度の体力が必要になります。
積み下ろしする荷物にもよりますが、重たい荷物を取り扱う機会が多ければ、比較的軽い荷物を頻繁に積み下ろす機会もあります。
体力がないと、足腰を痛めて大けがを招く恐れがあります。
特徴③協調性を持って仕事ができる方
運送業の仕事は、社員1人1人の働きがあって大きなことを成し遂げています。
つまり、仕事に連携が取れていないと、後の仕事に支障をきたす恐れがあるということです。
加えて、限られた時間内で1つの業務を完遂させなければならないため、社員間での連携が肝になります。
もし、後のことを考えず自分本位に業務を遂行すれば、配達の遅れや業務全体の遅延を招く恐れがあります。
運送業では、同僚や同じ部署に所属する社員の他に、関連性がある他部署との連携も重要になります。
仕事のやりがいはどこにある?
運送業に就いたとき、仕事のやりがいは、以下の時に感じられます。
【感じられるやりがい】
- 業務効率を飛躍させたとき
- 配達後にダイレクトに言われる感謝の言葉
やりがい①業務効率を飛躍させたとき
運送をメインに任されるドライバーは、個々人の裁量よって作業効率を変えられます。
たとえば、お盆や年末年始などの繁忙期の残業時間を数分単位で削ることができたり、土地勘に強くなれば、移動時間を大幅に短縮することもできます。
ドライバーは基本1人で業務をこなすことが多いため、行動や工夫次第で業務効率をよりよいものへと変えられます。
やりがい②配達後にダイレクトに言われる感謝の言葉
長距離・長時間の移動の末、目的地に荷物を届けた時、荷物を受け取った方から感謝の言葉をダイレクトに受け取ります。
この瞬間が運送業で仕事をする方たちにとって、最高にやりがいを感じる瞬間といってもいいでしょう。
運送業界の需要・動向
ここでは、運送業の需要、業界全体の動向について解説をします。
今後とも需要は高い
運送業の仕事は、各シーズンを通して仕事がなくなることがまずないので今後数十年は安定した仕事といえます。
近年はネットショッピングの需要から、ネットオークションなどの個人間での売買も増えてきているため、業界全体を通してより高い需要と将来性を帯びている業界です。
ただし景気に左右されることがしばしありますが、淘汰されることはありませんし、安定した収入の確保も容易です。
運送業界が抱える問題
運送業はEコマース市場の拡大によって現在、慢性的な人手不足問題に悩まされています。
特にドライバーなどの現場職を中心にしている職種や、事業運営に携わる営業職などで深刻化しています。
この問題を受けている職種では、長時間労働を強いられているところが多々あり、体調を崩す方や退職を希望する人が後を絶ちません。
現在、この問題を少しでも解消するため、ドライバーや事務職の積極採用や労働環境の改善などの動きがあります。
「巣ごもり需要」によって状況が悪化
2020年から現在にかけて感染拡大を見せている「新型コロナウイルス」の影響によってAmazonや楽天などの自宅に居ながら買い物ができるネットショッピングの需要が高まりました。
その結果、大量の物資・荷物が各営業所に届き、既存社員だけでは回らない状況に陥りました。
配達を各世帯に届けますが、共働き世帯や1人暮らし世帯の増加によって日中は自宅にいないなどの事態で、状況はより悪化しました。
現在は社員にかかる負担を軽減するためにも、宅配ボックスの利用や最寄りのコンビニや営業所での受け取り可能サービスの実施などを行っています。
また、今後のことを踏まえて業界全体で人手を増やすことや、ITの活用、オートメーション化を進めるなど、業界全体で様々な対策が講じられています。
まとめ
以上が、運送業界が催しているインターンの内容と、実務を経て感じるやりがいや業界の動向について解説しました。
運送業は、私たちの生活を支える中で欠かせない存在です。
それをインターンの実務体験や業務見学を通じて学ぶことが多いでしょう。
さらに、運送業は物品を各所に運送するだけではありません。バスやタクシーなど、旅客を目的に運ぶのも含まれています。
基本1人で仕事をすることが多い仕事ですが、実務を通して業界に携わる方たちと深い関係性が築けるなどやりがいに溢れた仕事です。