定期的なスクーリングだけで大学で学ぶことのできる通信制大学ですが、学費の負担が正直気になりますよね。
通信制大学は通学型のカリキュラムとは異なり、自宅で学習を進められるため社会人が働きながら通うことも多いのです。
大学で学ぶ費用はこれまでの義務教育や高等教育よりも高くなりますから、出来るだけ授業料の安い大学を選びたいですよね。
そこで今回は通信制大学の中でも、学費免除制度を備えている大学やそのほかにも学費を安くする方法について、徹底的に解説していきます。
通信制大学ってどんなところ?
通信制大学はその名の通り、大学のカリキュラムをオンラインや郵送されるテキストでこなしながら、卒業を目指していくものです。
通常大学に進学するとなると、履修状況にもよりますが毎日大学に通うことになるので、交通費も時間もかかります。
入学後に大学から配布される教科書を元に勉強をすすめて、定期的に対面授業を受けるスクーリングをこなすことで単位を取得していきます。
通学スタイルの大学よりも、施設利用等も少なくコストもかからないため、学費が比較的安く抑えられているのが特徴です。
学費免除制度のある通信制大学を紹介
通信制大学の中には、通常の通学課程に加えて通信教育課程を置いているところもあります。
通学・通信課程両方を備えている通信制大学の場合、大学独自の学費免除制度を設けているところもあるのです。
以下では学費免除制度を採用している通信制大学を3つ紹介していきます。
日本大学通信教育部
日本大学通信教育部は、東京都にある日本大学が学内に設置している通信制大学です。
下記の8つの学科・専攻を設けており、興味のある分野や今後取得したい資格に合わせて選択できます。
- 法学部法律学科
- 法学部政治経済学科
- 文理学部文学専攻国文学コース
- 文理学部文学専攻英文学コース
- 文理学部哲学専攻
- 文理学部史学選考
- 経済学部経済学科
- 商学部商業学科
また入学に必要な納入金は148,500円、年度学費が108,500円です。
また講座1つ当たりスクーリングやメディア授業料がかかります。
日本大学通信教育部では下記の学費免除制度を用意しています。
日本大学特待生
日本大学特待生制度は、2年次以降から申し込める特待生制度です。
昼間の全学部、通信教育部・短期大学部内で学業成績が優れている人を対象にしています。
甲種と乙種にわかれており、下記の金額及び人数制限が設けられています。
年額 | 人数 | |
---|---|---|
甲種 | 授業料1年分相当額の半額・図書費12万円 | 67名 |
乙種 | 授業料1年分相当額の半額 | 401名 |
通信教育学部奨学金
通信教育学部奨学金は、2年生以上の学生を対象にした奨学金制度です。
こちらも学業評価・人物評価をもとに判断され、経済的理由から修学が困難な学生に対して給付されます。
授業料相当額を限度として支給され、年間11名の制限が設けられています。
通信教育部坂東奨学金
通信教育部坂東奨学金は、坂東長光氏による基金を元に設けられている奨学金です。
こちらも通信教育学部2年生以上の学業優秀者に対して支給されます。
年間1名が限度となり、授業料相当額の半額を限度として支給されます。
法政大学通信教育部
法政大学通信教育学部は、法政大学内に設置されている通信制大学です。
下記の6つの学部が設置されており、文系学問に特化しています。
- 法学部法律学科
- 文学部日本文学科
- 文学部史学科
- 文学部地理学科
- 経済学部経済学科
- 経済学部商業学科
1年次の入学制で入学金合計で12万円、その後年間教育費として8万円を支払うことになります。
また入学後には口座ごとにスクーリング受講料、科目登録料、学内情報システム料等を支払う必要もあります。
法政大学通信教育部では、下記の学費免除制度を利用できます。
法政大学通信教育部奨学金
法政大学通信教育部奨学金は、創設50周年を記念して設立された返還不要の奨学金制度です。
給付金額はスク―リングの受講料上限6万円までで、年間15名程度が対象になります。
申込対象者は在籍している2年生以上の学業成績が優れている学生です。
また前年度の取得単位数が20以上であるという条件も設けられており、在学中に最大4回まで受給が可能です。
法制大学通信教育部村山務奨学金
法政大学通信教育部村山務奨学金は、勤労学生を対象にしている奨学金制度です。
給付金額は教育費相当額で返還不要となり、毎年3名程度が採用されます。
応募資格は学業成績が良く、2年生以上、在職証明書があることです。
また1年間の習得単位数が20以上である必要があるので、きちんと積極的に学ぶ姿勢がある学生が受給できます。
武蔵野美術大学通信教育課程
武蔵野美術大学通信教育課程は、東京にある武蔵野美術大学にある通信制大学です。
下記のコースを設けており、通学コースでも選択できる科目が用意されています。
- 油絵学科絵画表現コース
- 油絵学科日本画表現コース
- デザイン情報学科
- 芸術文化学科
年間の授業料は年間で30万円、登録料から講義科目1単位につき料金がかかります。
また武蔵野美術大学通信教育課程では、下記の学費免除制度を用意しています。
通信教育課程奨励奨学金奨励生
武蔵野美術大学通信教育課程奨励奨学金奨励生は、通信教育課程に在籍する学生を対象とした奨学金制度です。
第1種と第2種の2つが用意されており、1種は授業料が全額免除、2種は後期の授業料が免除になります。
1種が5名、2種が10名以内の制限が設けられており、2年生以上が申請できます。
注意!通信制大学の学費減免は2年生以上がほとんど
通信制大学の学費減免制度は、基本的にどこの大学でも2年生以上がほとんどです。
そのため初年度納入金などはあらかじめ用意しておく必要があります。
どうしても金額が足りない場合には、教育ローンや貯まるまで入学を先延ばしにするなどの対応が必要になることもあるでしょう。
通信制大学で安く学びたい人向けの負担軽減方法
通信制大学では大学独自の学費免除制度を用意しているところもありますが、中には条件に当てはまらない人もいますよね。
学費免除制度以外にも、通信制大学の学費負担を軽減する方法は、以下の3つです。
- 公的・民間の奨学金制度を活用する
- 教育訓練制度を活用する
- 学費の安い通信制大学を選ぶ
以下で詳しく解説していきます。
公的・民間の奨学金制度を活用する
今すぐにまとめて学費を支払うのは難しい…という方は、公的あるいは民間の出している奨学金制度を利用することをおすすめします。
例えば住んでいる自治体によっては、大学進学の際に利用できる貸与型の奨学金制度を用意しているところもあります。
また民間企業の中でも奨学金制度を取り入れているところもありますから、活用してみるのも一つの手でしょう。
また独立行政法人日本学生支援機構でも、通信制大学に通う学生に対して奨学金の貸与を実施しています。
ただし既に日本学生支援機構から奨学金を借りた経験がある方の場合、借りれる限度額が制限されることもありますので注意が必要です。
教育訓練制度を活用する
通信制大学のカリキュラムの中で、指定された講座を選んでパスすることで利用できる制度です。
自治体の公的な職業紹介所であるハローワークが、かかる学費の2割を支給してくれるので、学費の捻出に困っている方には非常に嬉しい制度でしょう。
ただし上限額は10万円、企業で働いている人に限定されているので、社会人と両立しながら大学に通いたい方向け制度です。
一時的に皆さんで金額を立て替えて、指定講座の学習が完了して認定を受けた後に還付される仕組みです。
学費の安い通信制大学を選ぶ
根本的な解決策は、学費の安い通信制大学を選ぶことです。
有名な私立大学の通信制課程は、通学よりも安く済むものの学費が高くなりがちです。
どうしても大卒資格だけでも欲しい!という方は、学費の安い通信制大学を選んでみる事をおすすめします。
もちろん学びたい大学であることが大前提ですので、様々な条件を加味したうえで進学先を決めましょう。
注意!国立の通信制過程は大卒資格にはならない
「私立大学の通信制課程が高いなら国立のほうがいいじゃん」と考えているそこのあなた。
実は国立には通信講座はあるものの、他の通信制大学のようにカリキュラムを完了しても大卒認定を受けることはできません。
あくまで教育機関の授業を受けられるだけになりますから、大学を中退後あるいは高卒で働いている社会人で大卒認定の欲しい方にとっては魅力がありません。
大学の課程に通信制大学と記載されていても、きちんと大卒認定が取得できるかも同時に確認しておくことをおすすめします。
学費免除以外にも通信制大学を選ぶ時のポイント
通信制大学はあくまで学ぶために利用する者ですから、学費だけではなく他のことも考慮しながら進学する教育機関を決める必要があります。
学費免除・負担軽減以外にも通信制大学を選ぶときのポイントは、以下の通りです。
- できるだけ卒業率が高いところを選ぶ
- スクーリングに通える地域の大学を選ぶ
- 学習サポートが充実しているか
以下で詳しく解説していきます。
できるだけ卒業率が高いところを選ぶ
通信制大学を選ぶときには、学費以外にも卒業率に着目して、できるだけ高いところを選ぶようにしましょう。
上述した通り通信制大学は自宅学習がメインになりますから、働きながら学習を進めるとなると自制心やスケジュール管理能力が必要になることもあります。
実は通信制大学は通学制よりも卒業率が低く、せっかく入学したとしても挫折してしまう人が多いのです。
そのため通信制大学を選ぶときには卒業率をチェック、自分でも本当に継続できるのかを考えながら学校選択を行いましょう。
スクーリングに通える地域の大学を選ぶ
通信制大学は勉強を自宅で進められるものの、定期的に大学の本キャンパスに足を運んで対面式で授業を受ける必要があります。
つまり定期的に通学することになるので、自宅から距離が離れて居たりアクセスの悪いところにある場合はスクーリングすら面倒になってしまうこともあります。
最近では新型コロナウイルスの影響でスクーリングを廃止しているところもありますが、今後感染が落ち着いてスクーリングが再開したときに対応出来なくなる可能性があります。
通うことは少ないと考えていてもアクセスをした調べしておくなど、きちんとチェックが必要です。
学習サポートが充実しているか
通信制大学は学習サポートが充実しているかも、事前にチェックしておくことが重要です。
自宅学習を進めるとはいえ、やはり自分ひとりでカリキュラムを進めていくのは難しいでしょう。
大学側で用意している学習サポートが、きちんと学生のニーズにあっているか、自分が利用したいと思えるかをきちんと資料を読んで確認しておきましょう。
学費免除のある通信制大学を探して自分に合った教育機関を見つけよう
いかがでしたか?
通信制大学は通学の時間的・金銭的コストを最大限に減らしながら、大卒としての資格を得られる教育機関です。
通学制の大学よりも学費は抑えられているものの、働きながら学びたいという人にとってはできるだけ学費は抑えたいもの。
今回紹介したような学費免除制度のある大学を選んだり、そのほかの公的な支援制度を活用して自分に合った通信制大学で学びを深めてみませんか?