学生の中には、小学館や講談社、そして集英社などの名高き出版社に就職したいと考える方もいるでしょう。
業界や業務内容、社風などを知るなら、インターンに参加するのがおすすめです。
しかし、「出版社」のインターン募集は、他業界と比べて数が少なく、仮に実施しても、参加人数がかなり絞られています。
加えて人気がある出版社でインターンが催されたなら、日本各地から応募が殺到してインターン選考突破の倍率は数百倍にもなります。
インターン選考面接を突破するためにも、自己分析や業界・企業研究が絶対です。
そこで今回は、出版社で催されるインターンの内容に触れながら、インターン選考を突破するポイントをご紹介します。
出版社の主な職種
ここでは、出版社の主な職種とその業務内容についてご紹介します。
【出版社の主に職種・業務内容】
- 編集者
- 営業職
- 管理部
職種①編集者
まずは「編集者」です。
出版社の仕事といえば、この職種をイメージする方が多いでしょう。
【主な業務】
- 作家から郵送された小説や漫画などの原稿のチェック(誤字脱字・語法など)
- 出版物の企画・構成・レイアウトを考える「記事構成」
- 構成に添って自ら執筆するかライターへの依頼
- インタビューの場所取りやスケジュールの時間確保
- インタビュー内容の用意
など多岐に渡る業務を、編集者はこなしていきます。
また近年は、雑誌と連動したWebメディアの運営も編集者が行っているケースがあります。
職種②営業職
次は「営業」です。
出版社の営業は2パターン存在します。
【広告営業】
こちらの営業は主に、雑誌に掲載する「広告主」を探してくることです。
直接提携を組んでいる企業や広告会社に赴き、自社で出版している雑誌のスポンサーになってもらえるよう交渉します。
出版社にスポンサーが付けば付くほど会社利益は上がり、スポンサーもまた自社製品の宣伝にもなるので、双方にメリットがあります。
【書店営業】
こちらは、本屋や取次店を巡って、自社出版物をより多く発注してもらえるよう交渉することをメインにしています。
出版した新刊を店頭や誰の目にも留まるように並べてもらえるよう、陳列の交渉もします。
また書店企画として、著者のサイン会やトークショーなどのイベント企画の交渉も当営業が行っています。
職種③管理部
出版社でいう「管理部」とは、以下の部署を総括しています。
【管理部に含まれる部署】
- 経営企画部
- 人事部
- 総務
- 経理
上記4つの部署をまとめて、出版社では「管理部」と呼んでいます。
その中でも、「経営企画部」という部署は、その会社の柱に当たる重要な部署になります。
主な業務は「経営戦略を立てて実行に移す」ことです。
立てた目標を達成するために、自社や市場から得た情報を基に経営方針の進言も行います。
いわば、会社経営の舵を切る操舵者と航海士のような存在です。
出版社が行っているインターンの内容
ここでは、出版社が催すインターンの内容を、期間別にご紹介します。
短期インターンの内容
1dayや2~5日間という限られた時間で実施される短期インターンでは、以下のプログラムでインターンが実施されます。
【インターンの内容】
- 会社概要・業務説明
- グループワーク
- グループディスカッション
- 座談会・懇親会
- 質疑応答
上記5つのプログラムを1day・短期インターンで実施します。
この期間に実施されるインターンの目的は、「編集の仕事とは何か?」や「出版業界全体の現状や動向」などの基礎的内容を学ぶことをメインにしています。
そのため、業界・企業研究を行ってきた仲で足りない点を補完する機会として時間を有効活用できます。
そのほか、編集者の実務に繋がる簡単なワークショップや事業説明を取り入れているところもあります。
数日間実施される短期インターンの中には、雑誌や書籍の企画会議、編集者・営業の実務体験ができることもあります。
とはいえ、出版社が催すインターンは「セミナー・ワークショップ型」が多いです。
長期インターンが催された時の内容
出版社で2週間~1ヶ月以上にも及ぶ長期インターンが催されるのは、かなり少ないです。
しかし、催されれば以下のプログラムをインターン中に体験できます。
【インターンの内容】
- 編集アシスタント
- ライター業務
- メディア担当
- 営業アシスタント
- 運営サポート事務
などの5つの中から特定の役割を、会社側から任されます。
「出版社」の代表的な業務といえば「編集」ですが、インターン生に雑な編集をされれば作品の持ち脚そのものを損ねる恐れがあるため、当業務を任せることは基本ありません。
しかし、編集アシスタントや営業アシスタントなどの実務からも、出版社の雰囲気や働く社員の姿を観察して、実際の業務がどのよう流れで進行していくかを学べる機会です。
もし「編集」業務を体験してみたいという学生は、大手出版社に固執せず、中小・ベンチャー・スタートアップ企業を視野に入れることや、メディア媒体も紙だけじゃなくWebにもこだわってみましょう。
出版社インターンの魅力
出版社のインターンに参加することで感じる魅力は、出版物を作っている現場の裏側の姿を目の当たりにできることです。
普段私たちが手にしている出版物は、編集者や営業など多くの社員の力があって形になっています。
業務はハードですが、無形のものを有形にする苦労を、インターン参加を通じて「出版社の仕事が楽しい」と思える人もいれば、「出版社の仕事ってこんなにも大変なのか!」と思う人がでてくるでしょう。
またインターン参加で、その出版社の社風や社員の人柄などを知ることができます。
出版社のインターン倍率は高く、突破は超難関!
ここでは、出版社のインターンがなぜ少ないのかという理由に合わせて、選考突破のポイント、本選考の難しさについてご紹介します。
高倍率な理由
出版社インターン参加者の倍率が高い理由は2つあります。
【倍率が高い理由】
- インターン募集をかけている企業が少ない
- 学生から人気がある
理由①インターン募集をかけている企業が少ない
出版社でインターンを実施している企業はかなり少ないです。
実施が少ない理由は「業務内容が複雑」「ある程度の社会人経験とスキルを持ち合わせている」という点にあります。
2~5日間の短期インターンを実施しても、業務を任せるには力不足であったり、逆に長期インターンでは、参加者に責任ある仕事を任せられなかったりするためです。
他の理由として「出版社」の母体数が少ないことも、インターン実施が少ない理由に絡んでいます。
理由②学生から人気がある
2つ目の理由は「学生から人気がある」ことです。
「出版社=編集者」という先入観が、学生の中では根強いです。
その先入観から「本をつくるなら出版社に就くのがベスト」という考えに至って、当業界を志望する学生が多いのです。
加えて、業界を知るならインターンに参加することとなり、インターン募集倍率が高いのです。
インターン選考は狭き門!突破のポイントはココ!
出版社が催すインターンに参加するためにある「インターン選考」を突破できるのは、高い倍率を勝ち抜いた限られた学生のみです。
他の志望者と差をつけるなら、エントリーシートやインターン選考面接で述べる「志望動機」で差をつけましょう。
志望動機作成のポイントは2つです。
【志望動機を書く時のポイント】
- なぜ、出版業界で仕事がしたいのか
- 数ある出版社からなぜうちを選んだのか
ポイント①なぜ、出版業界で仕事がしたいのか
最初に書くとは「なぜ、出版業界で仕事がしたいのか」その理由を述べることです。
当然他の志望者も同様の理由を述べてきます。
加えて、出版社側も何百、何千枚ものエントリーシートを1枚ずつ丁寧に読んでいません。
ここで大切なことは、「なぜ、出版業界で仕事がしたいのか」その理由を具体的に述べることです。
志望動機の冒頭部分は必ず読みます。
ここで読み手側の印象に残る理由を述べることができれば、参加意欲が伝わるはずです。
ポイント②数ある出版社からなぜうちを選んだのか
2つ目は「数ある出版社からなぜうちを選んだのか」という理由を述べることです。
出版社の母体数そのものは少ないですが、会社によって経営理念や専門とする領域が異なります。
この問いに対するポイントは、「その出版社にしかない魅力や感銘を受けたこと、きっかけ」を軸に据えて書くことです。
出版社のインターン募集はどうやって探すの?
出版社のインターンの探し方は様々です。
【代表的な探し方】
- 会社HP
- 就活サイト
- 会社SNSの情報(TwitterやFacebookなど)
- 雑誌の裏面
などの方法を用いて探してみるのがいいでしょう。
それでも出版社がインターンを実施しているのは、他業界に比べるとかなり少ないです。インターン生を募集していても、その多くが1dayや2~5日間開催の短期インターンが主です。
長期インターンに関しては、募集すら稀です。加えて、名高い有名出版社ではインターンそのものを実施していないことが多いです。
しかし、中堅や中小規模の出版社では、1day・短期インターンを実施するところが増えていますので、情報を見つけたら大手や志望先にこだわらずインターンに応募してみましょう。
インターンに就職!出版社入社の難しい!
ここでは出版社に就職する場合の難易度についてご紹介します。
インターン選考同様本選考の倍率も高い
出版社へのインターン倍率同様に、採用倍率も非常に高いです。
もともと採用条件が厳しいうえ、採用枠も会社に寄りますが日本全国から1~10名ほどの採用枠しか設けていません。
最大手ともなれば、倍率は数百倍にも膨れ上がります。
最終学歴・文理系は採用に関係しているのか?
出版社の多くが募集要項に「4年制大学卒業以上」という条件を掲げていますが、文理系による有利性は基本求められません。
しかし、出版社の中には、専門知識を必要とする専門書の出版をメインに行っているころもあります。
そのような出版社を志望される場合は、卒業した学部で培った知識が役に立つかもしれません。
また編集業務に就けば、毎日たくさんの文章を読むことになります。
日ごろから本を読んでいる方や書くことに抵抗がない方にとっては苦痛になりませんが、近年若者の活字離れが目立つため、本を読むのが苦手、抵抗意識が働く方には向かない仕事でしょう。
中途採用枠を狙って入社してみる
出版社によって、早急に人手が欲しいという状況があります。
そのため、ある程度の実務経験を積んだ社会人や第2新卒を採用するケースがあります。
理由は、業務が複雑であり、教育に時間をかける余裕がないためです。
社会経験がある社会人を採用する方が、業務効率的にも、状況緩和が望ましく、何より教育に時間をかけなくて済むというメリットから中途採用枠の方が新卒よりも多く設けられていることが多いです。
結果として、新卒採用の枠が少ないのも、ここでの理由が影響しているとも言えます。
出版業界に適性がある方の特徴3選
最後に出版業界に適性がある方の特徴を3つご紹介します。
【特徴3選】
- 本や雑誌が好き
- 好奇心あり
- 言語能力が高い
特徴①本や雑誌が好き
出版業界に勤めるにあたって、本や雑誌が好きであることは大きな強みです。
理由は、エントリーシートの提出やインターン選考面接・本選考面接の場で「作品を出版することへの熱意」や「出版物に対する思い」を、熱烈に語れるからです。
志望している出版社から出版された書籍がある場合は、積極的にアピールしましょう。
特徴②好奇心あり
出版社の中には、特定のジャンルに絞って刊行物を出版しているところもありますが、基本はジャンルに縛りを設けず、多種多様なジャンルやテーマを設けて業務にあたります。
自分が好きなジャンル飲みに固執するのではなく、今まで触れてこなかった未開拓のジャンルに触れた時でも、興味・関心を持って取り組める人材を出版社では求めています。
ついては、どんなジャンルを勧められても好き嫌いせず、好奇心を持ってどんどん開拓できる人に向いています。
特徴③言語能力が高い
最後は言語能力が高い方です。
日ごろから本(漫画以外の刊行物)を読んでいる方や、文章を書くことが好きな方は出版業界に就いたときその才能を発揮します。
業務によっては、1日に大量の文章に目を通すことがあります。
文章を読むことに抵抗がない方や書くことが好きな人に、うってつけの仕事ですが、活字を読むことに抵抗がある方は苦痛になるかもしれません。
まとめ
以上が、出版社で催されるインターンの内容に触れながら、インターン選考を突破するポイントをご紹介でした。
出版社で実施されるインターンに参加できる人数は、毎年限られています。
倍率も数十倍のところから数百倍まで、会社規模によって場合率が異なります。
この激戦を勝ち抜くためにも、自己分析や業界・企業研究を入念に行いながら、常に志望する企業のHPやSNSに目を配りましょう。
出版社での仕事はハードですが、やりがいに溢れた仕事です。
もし出版社がインターン参加者を募集していたなら、ぜひインターンに参加してみましょう。