「父が新聞記者だったから、自分も同じ道を歩みたい!」
「写真部に所属していて、そこで得たスキルを活かして報道カメラマンになりたい」
「マスコミ業界」に入っている「新聞業界」は、出版業界と肩を並べるほど学生から人気がある業界です。
そんな学生の皆さんが新聞業界に抱くイメージといえば、「新聞業界=記事作成」が強いのではないでしょうか?
しかし、これはあくまで、新聞業界の表の顔とも呼べる業務の1つです。
ほかにも業務は多々あります。
新聞業界を志望しているなら、まずはインターンに参加して業界・業務内容への理解を深めて、イメージとのギャップをなくすのがおすすめです。
そこで今回は、新聞社が実施されるインターンの内容と、インターン参加前に実施される「インターン選考」を突破するためのポイントをご紹介します。
新聞社の業種
ここでは、「新聞社」に属する業種をご紹介します。
【主な業種】
- 新聞記者
- 報道カメラマン
- 校閲記者
業種①新聞記者
まずは「新聞記者」です。
学生が一番イメージしやすい業種の1つです。
【主な業務】
- 取材
- 記事作成
上記2つをメインにしています。
新聞社は、「社会部」「経済部」「政治部」「文化部」などの組織から構成されており、新聞記者はそれぞれの部に所属して取材、記事作成を行います。
主催対象も所属する部によって異なります。
たとえば、「社会部」に所属すれば、警察や検察、裁判所が取材の対象になり、記事内容も事件・事故、裁判などが中心になります。さらに、事件・事故は突発的に起こるため、即対応できよう会社に泊まって仕事をすることもしばしあります。
業種②報道カメラマン
次は「報道カメラマン」です。
主な業務は「新聞・ニュースに掲載される記事の写真を撮影する」ことです。
「報道カメラマン」は、フォトグラファーや写真記者とも呼ばれており、東京を始め、大阪、名古屋、福岡などの主要都市を拠点に活動しています。
報道カメラマンの仕事は、事件・事故の状況が伝わる決定的瞬間を抑えるために駆け付け、写真に収めます。
その時、新聞記者と同行することがあれば、1人、あるいは複数人の報道カメラマン同士で仕事をすることがあります。
また突発的な事件や事故の状況が分かる写真を収めるのは、報道カメラマンのみでは不可能なため、新聞記者が代理で写真を撮ったり、外部のカメラマンや読者から写真の提供をお願いすることもあります。
業種③校閲記者
最後は「校閲記者」です。
主な業務は「新聞記者が執筆した原稿のチェック」です。
校閲では、以下のことをチェックしています。
【校閲内容】
- 字句・表現・事実関係の確認
- 「てにをは」の使い方
- 同音異義語の変換ミス
- 誤字脱字・文法
上記4つについて厳しいチェックを行います。
校閲記者は、新聞記者や報道カメラマンとは違って目立つことはありませんが、この2つの業種を輝かせる「陰の立役者」「縁の下の力持ち」というポジションにあります。
また新聞に掲載されている情報の質が高いのは、彼ら校閲記者の活躍があるからです。
新聞社で実施されるインターンの内容
ここでは、新聞社で実施されるインターンの内容についてご紹介します。
短期インターンの内容
新聞社で実施される1dayや2~5日間実施される短期インターンでは、以下のプログラムに沿ってインターンが実施されます。
【インターンの内容】
- 会社概要・業務説明
- 実務体験
- グループワーク
- 座談会・懇親会
- 質疑応答・フィードバック
上記5つのプログラムを中心に、インターンが実施されます。
新聞社によって異なりますが、インターン参加前に選択した業種の実務体験をこのインターン中に体験できます。
たとえば、「朝日新聞社」では、ジャーナリストコースという2日間実施されるインターンがあります。こちらでは、新聞記者のメイン業務である「取材」「記事作成」の実務体験ができます。
また現在は「コロナ禍」ということで、オンラインによるインターンを実施する会社が増えています。
しかし、オンラインインターンのプログラムにも、記事作成などの実務体験ができるよう組み込んでいるところが多々あります。
インターン終了後は社員によるインターン全体のフィードバックがあるので、今の自分に何が足りないのかを知れます。
インターン参加で感じるやりがい
新聞社が実施するインターンで感じられるやりがいは、「新聞業界の表舞台に立つ新聞記者の実務体験ができる」ことです。
実務体験とはいえ、1人の記者として、どのような情報を取り扱って、どのような構成にするかなど、文章を書くことが好きな方にとって、このインターンは有意義活やりがいに満ち溢れたものになるでしょう。
また「スクープ」となる記事を書き上げた時の達成感や、記者本人が伝えたいことを読者に伝えられた時の喜びも、新聞社で働くことで感じられるやりがいです。
インターン参加で身につくスキル
ここでは新聞社のインターンに参加した時に、身につくスキルの紹介です。
【インターン参加で身につくスキル】
- 文章構成力
- 情報収集力
- コミュニケーション能力
スキル①文章構成力
まずは「文章構成力」です。
インターンで実施される「実務体験」では、新聞記者の業務体験ができます。その中の執筆業務を通して、文章構成力を身に付けられます。
紙面に掲載される情報には、あらかじめ何文字以内のように文字数が決められています。その字数以内で、正確な情報を読者に伝えるのが新聞記者の使命であり仕事です。
「正確な情報を伝える」とは、分かりやすく文章を書いて相手(読者)に伝えることが大切になります。
インターンは限られた時間内での実施になりますが、文章構成力の基礎は身につきます。
ここで得たスキルは、志望動機を書く時に役立ちます。
スキル②情報収集力
次は「情報収集力」です。
読者に正確な情報を伝えるためにも、新聞記者は情報を収集して整理する力が求められます。
1つの記事を作成するために、関係者各位を取材したり、時には専門家から話を伺ったりして情報を集めます。
そこから必要な情報を整理して、情報をまとめなければなりません。
インターン中も「取材」の実務体験を行います。
取材を通して得た大量の情報を整理してまとめる力を、ここで養っていきましょう。
養った「情報収集力」は、今後の就活や仕事をしていく中で役に立ちます。
スキル③コミュニケーション能力
最後は「コミュニケーション能力」です。
新聞記者は、取材対象者を取材して情報を得ます。その後、事実確認を行ってから記事にまとめて読者に報道します。
情報を得るための初手である「取材」では、コミュニケーション能力が必要です。
ただし、取材対象者も必ず記者からの質問に答えなければならないという義務はありませんし、黙秘する人の方が多いでしょう。
それでも、情報を引き出すためにも、対象者との良好な関係を築くことが大切になります。
インターン中は、先輩社員との交流が主になります。
その状況から自身のコミュニケーション能力を、養っていきましょう。
インターンの参加倍率は高い!インターン選考面接対策
ここでは、新聞社が実施するインターンの様子や、参加前に行う「インターン選考」を突破するポイントをご紹介します。
倍率が高い理由
「新聞社」は、学生から人気がある業界に部類します。
インターン開催となれば、数カ月前から応募が殺到するほどです。その倍率は会社規模にもよりますが、数倍から数百倍に達します。
なぜ参加倍率が高いのかというと、「インターン参加募集人数を絞っているため」です。
インターンを開催する会社としても、本業の合間を縫ってインターン生に会社概要や業務内容の説明、さらに実務指導を行うのは大変です。
無給とはいえ、インターン生が大きな戦力になるわけでもありません。
特に「新聞社」での仕事は、社員1人1人が「締め切り」を抱えながらその日を送っています。
社員の負担を少しでも軽減するためなら、参加人数を絞ったり、選考を設けたりしてもいいといえます。
学生側からすれば、不服に思うかもしれません。
しかし、会社側も「ボランティア」でしているわけではありません。あくまで、インターン生の成長と「仕事」というものを学ぶ機会として実施しています。
そのことを理解したうえでインターンに臨みましょう。
インターン選考突破は「志望動機」
新聞社のインターン選考は主に、「エントリーシート」の提出を持って合否が決まる場合が多いです。
中には、エントリーシートの提出+選考面接を実施するところもあります。
とはいえ、インターン選考を突破するカギは、「志望動機」にあります。
以下は、インターン選考で書く「志望動機」で抑えておく要点です。
【志望動機で抑える要点】
- その新聞社でならない理由
- 入社後に成し遂げたいこと
- 「新聞社」の中でも興味がある業種・職種は何か
- インターンに参加する目的
要点①その新聞社でならない理由
志望動機を書く時に抑えておきたいポイントは、その企業に「入社したい」や「インターンにぜひとも参加したい」という「熱意を伝える」ことです。
- その新聞社でしか挑戦できないこと
- その新聞社にしかない事業に関わりたい
など、「その新聞社でなければならない理由」を述べましょう。
その理由を述べるに値する「根拠」「裏付け」も添えましょう。
理由+根拠・裏付けを明確に伝えられれば、あなたの熱意は会社側に伝わります。
要点②入社後に成し遂げたいこと
インターンは、就活の前座のようなものですが、ここで得た経験やスキル、見知ったことは後の就職活動や社会人として生活を送る中で役に立つものばかりです。
さらにインターンでいい成績を収めれば、会社側にあなたのことを覚えてもらえることがあります。
とどのつまり、インターンの段階から就職活動は始まっていると言ってもいいでしょう。
よって、インターンに参加したい理由を述べた後、その新聞社に入社した後、成し遂げたいこと、会社にどのような形で貢献できるかを述べましょう。
面接は自分という商品を売り込む場でもありますので、インターンのエントリーシートの志望動機に自分を採用するメリットを書いて会社にアピールしましょう。
要点③「新聞社」の中でも興味がある業種・職種は何か
新聞社のインターンは、業種・職種別に実施されることが多いので、予め自分が興味・関心を抱いている業種・職種を選択する必要があります。
もし決まっているならば、その業種・職種を志望する理由を明確に述べてアピールしましょう。
また、インターン参加で体験した業種・職種を本選考でも志望しなければならないという決まりはありません。
インターンを通してイメージしていたものと違ったなら、別の業種・職種を体験してみるのも一興です。
要点④インターンに参加する目的
インターンの参加は個々人の任意です。
任意だからこそ、インターンに参加する「目的」を明確にしておく必要があります。
志望動機は、志望度のアピールでもあります。
- スキルアップ
- 第一志望だからこそ、参加したい
- 実務体験をしたい、知りたい
などの目的を持ってインターンに参加しましょう。
新聞社内定を得るためのロードマップ
ここでは、新聞社を志望する学生が志望する新聞社から「内定」を頂くまでにすべきことをまとめたロードマップです。
1年生から3年生春までにすること
大学生1年生の時点で「新聞社」を志望している学生や、大学3年生に上がるまで、新聞社を志望するようになった場合は、「自己分析」と「業界・企業研究」を始めましょう。
この2点は、就職活動を行っていく上で欠かせないものです。
早い段階から手を付けておくことで、後の就職活動をスムーズに進められます。
また新聞社によって本選考で実施される試験が免除になったり、加点される資格があります。
時間に余裕がある学生は、資格取得を目指してみましょう。
3年生春から3年生冬までにすること
大学3年生の春から冬にかけてすることは多々あります。
【この間にすること】
- インターンに参加
- 筆記試験対策
【インターンに参加】
この時期からインターンに参加していましょう。
インターン開催は主に、夏と冬の長期休暇時期に実施されることが多いです。中には、講義がある春や秋に実施されることもあります。
応募はインターン開催の2カ月前から参加者を募っていることが多いので、前もって行ってきた自己分析と業界・企業研究を参考に、エントリーシートを作成しましょう。
【筆記試験対策】
新聞社の本選考では、筆記試験が必ず実施されます。
この筆記試験の内容は、直近1年以内の時事ネタを軸にした問題が出題されます。
対策方法は、志望する新聞社が発行する新聞を読み込むこと、他の新聞社と内容を比較してスクラッピングする方法があります。
また新聞社によって過去問を用意しているところもありますので、対策の一環として解いてみるのもいいでしょう。
4年生春から就活終了まで起きること
次に就活解禁から就活が終わるまでに起きることです。
【起きること】
- 本選考に向けたエントリーシートの作成
- 本選考の筆記試験開始
- 面接当日まで何回か模擬面接をしておく
- 模擬取材対策
【本選考に向けたエントリーシートの作成】
就職活動が解禁されてから一か月後の4月を目処に本選考実施に伴うエントリーシートの提出が解禁されます。
この日を境に新聞社志望の学生は、エントリーシートの作成に追われる日々を過ごすことになります。
1枚作成するのに半日以上もの時間を費やします。添削に要する時間を加えると、1日以上はかかるでしょう。
会社によって締め切りはまちまちです。その間にも、合同説明会や個別の会社説明会に参加するなど、就職活動が活発化します。
エントリーシートの作成は、余裕を持って作成していきましょう。
【本選考の筆記試験開始】
エントリーシートの提出が終わり、突破すれば、筆記試験のお知らせがすぐに来ます。
新聞社を志望する学生は時事ネタと漢字に重点を置いて試験に臨みましょう。
試験直前の追い込みをかけるなら、スクラッピングしたファイルを見直すこと、または、幹事を1つでも多く覚えることに力を入れましょう
【面接当日まで何回か模擬面接をしておく】
新聞社を含め「マスコミ業界」では、志望動機が大切になってきます。
面接で問われる質問は、以下のものが多いです。
【質問の内容】
- なぜ、記者になりたいのか
- 数ある新聞社からここを選んだ理由
- マスコミ業界の中でも、なぜ新聞を選んだのか
などの質問を面接で問われます。
エントリーシートでも問われている内容にはなりますが、面接本番に備えて何回か模擬面接を経験しておきましょう。
受け答え方や質問の意図を捉えられているかなどを、客観的に見てもらえるほか、回答の改善点が見つかることもあります。
【模擬取材対策】
新聞社によっては、本選考の中に「模擬取材」というものを設けている場合があります。
模擬取材のパターンは2つあります。
1つは街頭インタビューを想定した模擬取材です。
こちらの場合は、事前にテーマを就活生に与えられます。
就活生はそのテーマに沿って街頭インタビューを行って情報を集めていきます。
もう1つが事件・事故を想定した記者会見形式の模擬取材です。
こちらは社員が警察役に徹して、あたかもそこで記者会見が実施されているものとして選考が実施されます。
就活生は、会見に添って質問をしていきます。
以下は「模擬取材」の対策ポイントです。
- 質問の内容
- 傾聴する姿勢・態度
この2点を軸にして、模擬取材の対策を行っていきましょう。
中でも「質問の内容」においては、聞き手に鋭い質問ができているか、答えやすい質問ができているかなどの工夫を凝らして取材してみましょう。
まとめ
以上が、新聞社が実施されるインターンの内容と、インターン参加前に実施される「インターン選考」を突破するためのポイントをご紹介でした。
新聞社が実施するインターンの倍率は、非常に高く誰でも気軽に参加できるというわけではありません。
志望するからには、前もって自己分析と業界・企業研究を済ませておくことが必要です。
この2つを済ませておくことで、インターン選考に提出するエントリーシート作成がスムーズに行えます。
高い倍率を勝ち抜くためにも、余裕を持って準備しておきましょう。
さらにインターン参加後は、インターン全体を通したフィードバックが頂けます。
今の自分に何が足りないのか、どういうところが至らなかったのかなど、頂く意見は様々です。
悪いところは本選考が始まるまでに改善をして、いいところはこれからも伸ばしていきましょう。
インターンで得たことは今後の就職活動、社会人生活の中で役に立ちます。