就職活動

オワハラとは?パターン別の対処法について詳しく解説

就活を進めていくと、「オワハラ」という言葉を一度は聞いたことがあるはずです。

オワハラとは簡単に言うと、就活生に対してほかの企業に流れないよう選考辞退を勧めたり、強要することなどを指します。

本来オワハラは許される行為ではありませんが、とくに就活生を確実に確保したいと考える企業を中心に実は少なくないといわれています。

そこで今回は、オワハラの実態とタイプ別の対処法などについて詳しくご紹介します。

ぜひ参考にしてみて下さいね。

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オワハラとは?

「オワハラ」とは「就活終われハラスメント」の略で、企業が内定を出した就職活動生に対し、他社の選考辞退を促して圧力をかける行為のことを指します。

もちろん内定を出したからといって、必ずしも入社しなければいけないということはありません。

オワハラという言葉は、2015年のユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされたことで、おもに就活栄を中心に企業などにも広まりました。

また直近の文部科学省による調査においては、おおよそ32.9%の学校が就職活動生からオワハラの相談を受けたと回答しているといわれています。

参考:文部科学省 

オワハラが起きた原因とは?

オワハラは決して珍しくないですが、そもそもオワハラはなぜ起きてしまったのでしょうか?

そこでここでは、オワハラが起きた原因についてご紹介します。

選考解禁時期がおそくなった

一般的に経団連加盟企業は、採用選考の開始時期は前年までは6月とされていました。

しかし近年、政府が学生が学業に専念できない状況があるとして、採用選考の開始を8月にスライドするように要請しはじめました。

つまり経団連加盟企業が内定を出すタイミングが遅れたことにより、それよりも前に内定を出している中堅企業やベンチャー企業が内定辞退を防ぐためオワハラ行為が多発したといわれています。

企業側の人材確保が難しくなった

オワハラが起きた原因には、人材獲得競争が激化したことも背景にあるといわれています。

とくになかでも優秀な学生は意識が高く、早くから就職活動を開始し複数の企業から内定をもらっています。

しかし企業側にとっては内定を出した優秀な学生に辞退されると、再度追加募集をしなければいけません。

だからこそ、ほかの企業を就活生が受けないようにするためにも引き留めに必死になるということです。

選考においてほかの企業の選考状況や内定状況などを聞いてくることはあっても、あまりにも強引な方法で引き留める行き過ぎた行為についてはオワハラとなってしまいます。

学生側の不適切な内定辞退も原因のひとつ

オワハラの原因Iは学生側の不適切な内定辞退も原因に挙げられるといわれています。

一般的に複数の企業から1社を選ぶ際は、できるだけ早く辞退の申し入れをしなくてはなりません。

しかし一部の就活生には、内定を複数キープし入社間際の2月や3月などかなりギリギリのタイミングで内定辞退を申し出るといった非常識な行動をとる人もいます。

さらになかには、内定を出した後まったく連絡がつかなくなるといったケースもあるといわれています。

企業は入社すると想定したうえでさまざまな準備をしていますし、場合によっては追加して募集をしなければいけないのでこすとがかかってしまいます。

上記の事態を回避したい企業が、学生に対し強い姿勢に出てオワハラに発展したケースが考えられます。

第一志望の企業に受かったから断りたいといった状況は仕方のないことですが、一度選考を受けて内定をもらった企業である以上、学生側もモラルをもって早めにはっきりと辞退の意思表示をすべきでしょう。

オワハラのタイプと対処法

ひとくちにオワハラと言っても様々なタイプがあります。

ここではオワハラのタイプと対処法についてそれぞれご紹介します。

「これってオワハラかどうかわからないけどどうなの?」「オワハラを受けたけどどうすればいい?」と悩む方はぜひ参考にしてみて下さいね。

  • 交渉型オワハラ
  • 束縛型オワハラ
  • 脅迫型オワハラ
  • 同情型オワハラ

交渉型オワハラ

オワハラには「交渉型オワハラ」といったものがあります。

交渉型オワハラとはおもに、自社での内定を出す代わりにほかの企業の選考や説明会を受けないようにするよう確約させる行為を指します。

ほかにも、企業の研修などにおいて入社承諾書の提出を義務付けるような企業もあるといわれています。

もし交渉型オワハラにあったとしても、就活生は企業の指示に従う必要はまったくありません。

上記のような方法で入社をすすめてくる企業は、入社後も何かと強引に仕事などを押し付けてくる可能性が非常に高いです。

ほかの企業への志望度も高いといった場合、きちんと自分の意志を伝えて断ることも大事です。

束縛型オワハラ

オワハラには「束縛型オワハラ」といったものがあります。

束縛型オワハラはたとえば、内定者で集まるイベントを頻繁に開催する、研修や課題などをやたらと出してほかの就活の妨げをする行為などが挙げられます。

もちろんすべての行為がオワハラとは言えませんし、逆に志望度が高い企業だとより早く先輩や社員との仲を深められるといったメリットもあります。

しかしほかの企業も受けてみたい気持ちがあるのなら、邪魔だと感じるでしょう。

ただし基本的には企業のイベントなどはスケジュール調整ができるようになっていますし、強制して企業が参加させることはできません。

不参加の意志を伝えたことで内定取り消しなどになれば違法性もあるため、注意が必要です。

脅迫型オワハラ

オワハラには「脅迫型オワハラ」といったものがあります。

脅迫型オワハラとは、内定辞退したら今後は出身大学から採用しないと伝えたり、「義理がない」「誠意がない」といったように高圧的な態度を取られることを指します。

先にも述べましたが、内定辞退に関しては退職時と同様、就活生の意志が優先されるべきことにあたります。

つまり企業側は就活生に考え直すように促すことはできても、内定辞退そのものを強要することはできないということです。

もし上記のように内定辞退を拒まれたり、脅迫めいた行為を取られたりしたのであれば、大学の就職支援センターなどに問い合わせてみるといいでしょう。

同情型オワハラ

オワハラには「同情型オワハラ」といったものがあります。

同情型オワハラとはやたらと内定者フォローなどを実施したりすることなどを指します。

また同情型とは少し異なりますが、あえて初めに聞いていた選考や面接よりも回数などを増やすなどしてほかの企業を受けにくくすることもオワハラ行為のひとつにあたるので要注意です。

もし同情型オワハラやほかの企業を並行してまだ受けているのであれば、「〇月〇日には予定があります」「ほかの企業の選考も受けている」といったように状況を素直に伝えるようにすることが大切です。

オワハラの種類についてご紹介してきましたが、実は厳密にいうとオワハラはほかのパワハラやセクハラなどのハラスメント行為と同様にハッキリとした区別がありません。

一番大切なことは、本当に自分がその企業で働きたいと思っているのかということ。

オワハラを断れなくてつい入社してしまうとストレスにもなりますので、しっかりと慎重に見極めるようにしてください。

オワハラをすることで起きる企業側のリスク

オワハラは就活生にとって悪影響を及ぼすものではありますが、一方でオワハラをおこなう企業側にとってもリスクが高い行為です。

そこでここでは、オワハラをすることで起きる企業側のリスクについて解説していきます。

就活生や社会的なイメージダウン

まずオワハラをおこなった企業は就活生や社会に企業のイメージダウンを余儀なくされます。

オワハラだと感じた就活生のほとんどは大学のキャリアセンターに相談します。

そうすると大学内でオワハラをおこなった企業の事例として共有されるため、次年度の就活生に注意喚起や情報として伝わります。

その結果、企業をうける就活生自体が減って企業は人材獲得の機会を失ってしまうということになるのです。

訴訟される

とくに上記紹介した脅迫型オワハラに当たる行為については、法的に強要罪や脅迫罪として扱われる可能性もあり、場合によっては訴訟されるリスクもあります。

また交渉型オワハラについてもあまりにも度が過ぎたものであったり、就活生に精神的苦痛を与えたものだと損害賠償を請求されるといったケースも。

そうなると人材を確保することで得られるメリットよりも就活生に支払う金額などの方がかえって多くなるため、オワハラをおこなうメリットはありません。

SNSで拡散される

昨今では就活状況などをSNSで掲載する就活生も多く、もし企業がオワハラ行為などをしていれば社名などを公表して拡散されることも少なくありません。

SNSでの拡散ではたとえ脅迫などをしていなくても、書き方次第で企業へのマイナスイメージを全世界の人に与えることになるため、採用人数に影響が出るといったリスクがあります。

実際に投稿を見た就活生や次年度に就活をおこなう学生は、「企業を受けたくない」「入社したくない」「ブラックなのでは?」と警戒してしまうため、グレーゾーンのオワハラについても注意する必要があります。

企業側も辞退する就活生に対しては必要以上に引き留めたりするのではなく、去る者は追わない精神で速やかに辞退を受け入れることが企業としてのイメージを維持することを理解しておきましょう。

新卒採用は一度きり!後悔しないように就活を成功させよう!

今回は、オワハラの実態とタイプ別の対処法などについて詳しくご紹介してきました。

オワハラはすべての企業が行っているというわけではありませんが、どうしても人材確保した企業などではまれにおこなわれることがあります。

できることならオワハラに遭遇しないことがベストですが、もし企業からオワハラに近い行為が行われた場合は冷静な対処をおこなうことが大事です。

まずは大学のキャリアセンターなどに相談してどのように対応すべきかを聞いてみましょう。

また選考中に「なぜ内定辞退したのですか?」と聞かれることもあるため、第一志望ではない場合やほかの企業も受けているのであればしっかりと理由などを伝えられるよう準備しておくと安心です。

オワハラに近い行為をされるとどうしても入社しなければいけないのかと迷ってしまいますが、新卒カードが使えるのは一度きりなので、今回の記事を参考に後悔のない就職活動をおこなってくださいね。

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