「メーカーが行っているインターンに参加したいけど、具体的にどんなことをしているの?」
「インターンに参加すれば、どんなことを学ぶの?」
日本社会を支えているメーカー業界の幅は広く、自動車から化粧品、食品など様々なものを作っています。
学生からの人気も高く、毎年多くの学生がメーカー業界のインターンに参加して、社風や業務・業界について深く理解していきます。
そこで今回は、メーカーが行うインターンの内容と、参加するメリット、期間中に身につくスキル・経験、インターン選考を突破するポイントをご紹介します。
メーカーに属する業界・職種の幅
ここでは、メーカーに属する分野と、本採用の時メーカーが募集をかけている職種について解説します。
メーカーが取り扱っている分野
一言で「メーカー」と称していますが、その中身は多岐に渡り、各メーカー企業によって取り扱っている分野が全く異なります。
以下は、メーカーが取り扱っている分野の1例です。
【メーカー取り扱いの分野】
- 自動車メーカー
- 食品メーカー
- 化粧品メーカー
- 医療品メーカー
- 鉄鋼メーカー
- 生活用品メーカー
分野①自動車メーカー
国内外でハイブリッド車やエコカー、既存自動車の普及・改良など自動車産業の根幹を支えています。
また途上国の開拓事業にも力を注いでいます。
分野②食品メーカー
飲食店に発送する業務用食品や家庭に並ぶ食品の提供から、即席料理などの開発を行っています。
「生もの」を扱うため、衛生面、安全面には注意して実務に取り掛かっています。
分野③化粧品メーカー
大手から中小・ベンチャーまで多種多様な企業形態の会社が存在します。
その会社ごとにWeb販売や通信販売などの方法を用いて、消費者に売買しています。
分野④医療品メーカー
医療現場で使用される薬や、ドラッグストアなどで購入できる市販の飲み薬の開発、販売に加え、絆創膏や包帯などの医療キットの製造、販売も行っています。
分野⑤鉄鋼メーカー
自動車や電子機器、造船などで必要になる「鉄材」の生産をメインに行っています。
分野⑥生活用品メーカー
食器や衣類などで使用する洗剤や歯ブラシなど「生活」に欠かせない日用品の開発・販売を行っています。
ただし「開発」に関しては、企業規模によって大きな差があります。
大手に位置する企業は、開発を自社工場で生産、開発を進めています。対して中小に位置する企業は、外部委託などの対応を取って進めています。
各メーカーともに取引をする相手が必ず「企業」か「消費者」になるか決まっています。
企業間での取引を行う「BtoB」は、主に原料や副原料、製造に欠かせない材料やパーツをメーカーに届けます。
上記1例では「鉄鋼メーカー」がここに入ります。
そのほかにも素材メーカーや機械メーカーなどがあります。
もう一方は、一般消費者生産した商品を提供・販売する「BtoC」です。
上記1例では、食品メーカーや化粧品メーカー、自動車メーカーが入ります。
メーカーが募集している職種
メーカー業界では、主に以下の職種で人材を募集しています。
【募集している職種】
- 研究・開発
- 資材調達
- 広報
- 生産管理
- 営業
- 商品企画
職種①研究・開発
研究・開発部門では、メーカー取り扱いの分野に添った新商品の開発や市場に出回っている既存商品の改良などを行っています。
この部門では、後述する企画部門などと連携を組んで、商品開発を進めていくことが多いです。
そのため、就くには「専門的な知識」の他に、協調性やコミュニケーション能力が必要になります。
職種②資材調達
資材調達部門では、新商品の開発に欠かせない素材やパーツ、各種部品を調達することを目的にしている部門です。
調達してくる資材は、国内外問わず加工メーカーとやり取りをする機会が多く、必要に応じて新規取引先を見つけることもあります。
職種③広報
自社開発した商品を消費者の目に留まるようPR活動を行う部門です。
公式サイトの作成、新商品のキャッチコピーを検討、SNSを利用、CM撮影など、「広報」に関する業務を中心に行います。
職種④生産管理
生産管理部門は、文字通り、生産された商品の管理をメインに行っています。
生産管理の他にも、整備機器にトラブルが生じた場合の修理依頼を出すことや、生産プロセスの改善、コスト削減なども管理しています。
職種⑤営業
営業部門では、会社に利益をもたらすために自社商品を他の企業へ売る仕事をしています。
顧客の新規開拓や既存顧客には新商品の紹介をするなど、「商品」を持って顧客フォローを中心に活動します。
商品を売り込むためにも、自社商品の魅力を深く理解しておくことが望ましいです。
職種⑥商品企画
商品企画部門では、新商品の企画や既存商品の改良などをメインに行います。
商品企画以外にも、マーケティングや市場分析を行って、顧客が求めるニーズが何なのかを調査して商品企画を行います。
前述の開発・研究部門と共同で仕事をします。
メーカーが催すインターンの内容
ここではメーカーが催すインターン内容を、期間別にご紹介します。
短期インターンの内容
1dayや数日間催される短期インターンでは、以下のプログラムでインターンが進行します。
【インターン内容】
- 会社概要・業務説明
- グループディスカッション
- 施設・工場見学
- 座談会・懇親会
- 質疑応答
の5つのプログラムをメインに実施しています。
1day・短期インターンでは、主に業界・業務に関する理解を深めてもらうことを目的に開催している企業が多いです。
長期インターンの内容
2週間~1ヶ月以上催される長期インターンでは、以下のプログラムで進行します。
【インターンの内容】
- 営業
- マーケティング
- 企画
上記3つの職種の実務体験を中心に、インターンが実施されます。
実務体験①営業
まずは営業の実務体験です。
【体験できる実務内容】
- 既存取引先に赴いてリピート活動
- 新規顧客の開拓
などを中心に行います。
いずれも、営業として活動されている先輩社員同伴の下で行われることが多く、実際の営業活動の様子を目の当たりにできる絶好の機会です。
また「営業」を軸に据えたグループディクカッションを催す企業もあります。
この実務体験を通して、「コミュニケーション能力」や「対応力」の2つを養えるほか、他業界を志望しても役に立つ考え方、営業ノウハウを学べます。
実務体験②マーケティング
次に、マーケティングの実務体験です。
【体験できる実務内容】
- 新商品の開発
- 販売戦略の立案
- 市場調査・分析
などをインターン期間中に行います。
インターンで「マーケティング」の実務体験を選択した場合、インターン初日から数日間は「マーケティング」に関する基礎知識を身に着ける研修の実施に加え、グループディスカッションを通して業務理解を深めていくことが多いです。
この実務体験を通して、「論理的思考」と「分析力」の2つを養えます。
実務体験③企画
最後は企画の実務体験です。
【体験できる内容】
- マーケティングで導き出した結果に基づいて新商品の開発
- パッケージのデザイン
- 価格設定
- PR方法
などをインターン期間中に体験できます。
インターン中は、実際の企画会議の現場に参加するほか、「グループワーク」として業務体験を行うことが多いです。
企画は、柔軟な発想力と想像力を持ち合わせている方におすすめの部門です。
メーカーインターンに参加するメリット
メーカーインターンに参加するメリットは、以下の4点が挙げられます。
【参加メリット】
- 業界・企業への理解・関心が深まる
- 実務体験を通して得たものが蓄積する
- 本選考で有利に進むこともある
- 他業界でも活かせるスキルが身につく
メリット①業界・企業への理解・関心が深まる
インターン参加最大のメリットです。
インターンで得られる情報は、会社HPに記載されている情報の補完に当たるものもありますが、それ以前に、職場で働く社員の姿や社風、雰囲気など内部の情報を理解できる絶好の機会です。
また長期インターンでは、その企業が取り組んでいる実務を体験できるので、より業務や業界に対する理解を深められます。
さらに実務を通して、先輩社員との交流もあるので、第三者からの意見を持ってミスマッチやイメージとの齟齬を防ぐこともできます。
メリット②実務体験を通して得たものが蓄積する
インターンで体験した実務や社員からのフィードバックを通じて、得た経験は今後の就職活動や社会人経験で役に立つことが多いです。
またインターンで得られるものは、実務経験だけではありません。
先輩社員との交流を持って、今まで自分にはなかった新たな考え方や価値観の開拓、視野の広がりを感じられます。
メリット③本選考で有利に進むこともある
外資系のメーカーインターンでは、後の本選考に直結するケースがあります。
企業によって、インターン参加が本選考へのエントリーにしている企業があれば、インターン中に人事から高い評価を得られれば就職活動を迎える前に内々定を頂くことが稀にあります。
日系のメーカーインターンでは、あまり用いられません。
しかし、インターン期間中に高い評価・成績を収めれば後の本選考が有利に働きます。
メリット④他業界でも活かせるスキルが身につく
メーカーインターン参加で、以下のスキルを身に付けられます。
【身につくスキル・経験】
- 発想力
- ヒアリング・コミュニケーション能力
- 戦略的思考・分析力
いずれのスキルは「長期インターン」で実施される「営業・マーケティング・企画」の実務体験を通して得られます。
たとえば、営業の実務体験をしたならば、インターン先が提供しているサービス自社商品に関する魅力を伝える「交渉術」や「理解」を、如何にして自分のものへとするかという考え方、営業ノウハウを身に付けられます。
またここでは、「傾聴力」「ヒアリング力」などの「コミュニケーション能力」が発揮されています。
このように、インターンで得た経験・スキルは、他業界の職種に就いても活かせられるものが多いです。
メーカーインターンの選考面接を突破するには?
ここではメーカーインターン参加前に行われる「インターン選考」を突破する方法をご紹介します。
「メーカー」は学生の中でも人気がある業界です。
そのため、大手ともなれば、インターン参加者数に制限を設けていることがあります。
会社側もミスマッチ防止などの意図があって行っています。
インターンに参加するためにも、これからご紹介することは選考前までに済ませておきましょう。
自己分析と業界・企業研究は必ず済ませること
最初にすべきことは「自己分析」と「業界・企業研究」の2点です。
この2点は、インターンを含めて就職活動そのものを行っていく上で欠かせないことです。
準備①自己分析
就職活動の要になる「自己分析」では、「なぜメーカー業界を志望するか?」という問いに対する答えを言語化しましょう。
自己分析は、基本的に「自分が何をしたいのか」などを軸にして言語化します。
しかし、メーカーを志望する場合は、この問いに対する答えを言語化するのがベストです。
この問いに対する答えの考え方は2つです。
- メーカーに就職して、どんなことをやりたいのか?
- 就職先・インターン先を選ぶうえで、欠かせないことは何か?
上記2点を踏まえて、導き出された答えが「就職先を選ぶうえでの価値観」となり、就職活動の軸になります。
準備②業界・企業研究
次に進めることは「業界・企業研究」です。
これらを進めていく上で、以下の2つを考えましょう。
- なぜこのメーカーを志望したのか?
- 数ある業界分野の中でも、なぜその企業を選んだのか?
さらに、この2つの考えに対する答えを導き出すときは、「ビジネス目線」で物事を考えるのがおすすめです。
【ビジネス目線の例】
- 消費者に自社商品やサービスの、ココをアピールするといい
- 今はこんなサービスをユーザーは求めている
などといった「この商品・サービスは、こういう意図があってこのユーザーをターゲットにしている」という視点で考えていきましょう。
志望動機はここに注意!
前節でご紹介した2つの準備を済ませたら、いよいよ「志望動機」を考えていきます。
志望動機を書くときは、3つの要点を抑えてシンプルに自分の思いを伝えましょう。
【抑えておく3つの要点】
- なぜ、メーカーを志望したのか?
- なぜ、その業界を選んだのか?
- この企業を選んだ、決め手はどこにあったのか?
要点①なぜ、メーカーを志望したのか?
ここでは、「メーカーを志望するきっかけや将来像」を書きましょう。
ポイントは「メーカーに就職をしたい理由」から深堀したものを書くことです。
- 人々の生活を支えたい
- ユーザーに愛されるような商品を開発したい
要点②なぜ、その業界を選んだのか?
2つ目は「なぜ、その業界を選んだのか」です。
ここでのポイントは、「業界別にある社会的価値観から、自分が感銘を受けた体験」を交えて考えるのがおすすめです。
参考になるものは、自分の経験や性格です。
要点③この企業を選んだ、決め手はどこにあったのか?
最後は「この企業を選んだ、決め手はどこにあったのか?」です。
ここでのポイントは、「企業研究で得た情報から、ここで働きたいと思ったこと」を深堀して話すことです。
シンプルなポイントにはなりますが、志望動機の中では最も重要なところになります。
面接を前に簡易テストを設けることもある
インターン選考では、事前に簡単なWebテストを行うところもあります。
「テスト」という言葉を聞いて、「前もって勉強しておくのがいいのか」と、身構える学生がいますが、ここでいうテストとは「適性診断」です。
簡単な質問の回答から、業界・企業の適性度を測ります。
この適性診断には、「ミスマッチ防止」の意図があります。
また、インターンは就業体験の場です。そこには、学力は関係ありませんので、力を抜いてインターン選考を受けましょう。
まとめ
以上が、メーカーが行うインターンの内容と、参加するメリット、期間中に身につくスキル・経験、インターン選考を突破するポイントをご紹介でした。
メーカー業界は、学生からの人気が高く、インターンを通じて得られる経験やスキルは他業界を志望しても通じるものが多いです。
またインターン参加がきっかけに、後の本選考に影響することもしばしあります。
メーカーを志望されている学生は、ぜひインターン参加して業界・企業への理解を深めましょう。
ただしインターン参加の前に「インターン選考面接」を設けている企業が多いです。
選考を突破するためにも、自己分析や業界・企業研究は済ませ、万全な状態を作ってから選考に臨みましょう。