「会社説明会」では、その会社が取り組んでいる経済活動、事業内容、社風などを口頭で説明してくれる機会です。
会社のことを人事の方が大方説明し終えた後、「何か質問はありませんか?」と、就活生に質問をしていきます。
志望する会社のことをより深く知れる絶好の機会ですが
- 「どんなことを聞いたらいいのだろうか?」
- 「人前で質問するのが恥ずかしい」
などの理由から、せっかくの機会を不意にする就活生が意外と多いです。
会社説明会後に設けられた「質疑応答の時間」は、企業研究の過程で生まれた疑問・不明点を補完できる絶好の機会です。
そこで今回は、会社説明会で設けられている「質疑応答」の時間では、「積極的に質問すべきか?」を解説すると同時に、説明会で質問すべき質問例・マナーをご紹介します。
会社説明会で質問はするべき?
ここでは、会社説明会の終盤に設けられている「質疑応答」の時間では、「積極的に質問すべきか?」を解説すると同時に、この時間に隠された意図を解説します。
結論:質問はするべき!
数十人単位から数百人単位の就活生を、一箇所に集めて行う「会社説明会」の終盤に設けられている「質疑応答」の時間。
大学の就活セミナーや就活サイトでも言われているように、「積極的に質問するべき」です。
説明会で設けられている「質疑応答」では、自分が知りたい情報を、志望する会社で仕事をしている社員から聞き出せる絶好の機会だからです。
就活生にとって志望する会社の内情だけは、OB・OG訪問、インターンに参加しない限り、得られない「貴重な情報」です。おまけに、社員と直接話をする機会も早々ありません。
そのため、人前で質問するのは気恥ずかしいかもしれませんが、知りたい情報を得るためなら積極的に質問するのがベストです。
人事評価の有無
説明会終盤で設けられている「質疑応答の時間」で、積極的に質問する学生を人事担当者は高く評価しています。
「積極的に質問する」行為には
- 自分をアピールできる
- 説明会に参加した企業の志望度・関心の高さを見せられる
など、人事担当者に自分の顔と名前を覚えてもらう絶好の機会を得られます。
加えて「積極的に行動する」ことは、社会人にとって大切です。
ただし、顔と名前を覚えてもらったからと言って、この先の本選考の1次、2次面接と採否に関係しません。
しかし、大人数の中から突出した姿勢を見せられる点では、積極的に質問する方がいいでしょう。
質問タイムは不明点・疑問を補完するためだけの時間じゃない
会社説明会の終盤に設けられている「質疑応答の時間」は、企業研究を進め行く中で生まれた疑問・不明点を補完するために設けられた時間というイメージが強いでしょう。
しかし、この「質疑応答の時間」は、不明点・疑問を補完するためだけの時間じゃありません。
会社側には、「選考後のミスマッチ、内定・選考辞退を防ぐ」目的も兼ねて、「質疑応答」を行っています。
会社が新卒採用にかけるコストは高く、1年もしないうちに新卒が離職を決めてしまった場合、これまでかけた時間、労力のすべてを溝に捨てるようなものです。
そのため、選考実施の前にミスマッチを可能な限りなくして新採用にかかるリスク軽減を図っています。
質問するときのマナー
人事担当者に質問をするときのマナーは、以下の3点を守れば、どの会社の説明会に参加しても問題ありません。
【質問するときのマナー】
- 大学名と氏名を名乗る
- 質問内容は、簡潔
- 回答を頂いたら必ずお礼
マナー①大学名と氏名を名乗る
「何か質問はありませんか?」
と、人事担当者が就活生に投げかけたタイミングで、手を挙げて当てられたら、静かに立ち上がり、大学名と氏名を名乗りましょう。
この時、学部名・学科名をいうと長くなってしまうので割愛して問題ありません。
マナー②質問内容は、簡潔
大学名・氏名を名乗ったら、すぐに質問をしましょう。
プログラムの都合上、質疑応答の時間は長く設けられていません。
後の学生のことも考えて、質問の内容は要点をまとめて簡潔に言いましょう。
マナー③回答を頂いたら必ずお礼
回答を頂いたら、最後は「ありがとうございました。」と、お礼を述べて着席しましょう。
たとえ、質問の意図とは異なる回答だったとしても、お礼を述べて着席しましょう。
質問するときのマナーには、「その日の感想を述べる」というものもあります。
しかし、これを行った場合、質疑の時間そのものを削るほか、以降のプログラムに支障をきたす恐れがあります。
加えて、質問したい学生はあなた以外にもいます。その方たちのことも考慮して感想は述べず、すぐに質問に移るのがベストです。
人事担当者から評価される質問例
ここからは、質疑応答の時間に就活生が聞いておくべき質問例と、これは聞くべきじゃない質問例、質問するときのマナーについて解説します。
説明会で聞くべき質問例
ここからは、質疑応答の時間に聞くべき質問例です。
質疑応答の時間に聞くべき質問例は、以下の5点から考えられることを聞くのがおすすめです。
【説明会で聞くべき質問例】
- 業務に関する質問
- キャリアに関する質問
- 採用活動・求める人物像に関する質問
- 会社の強み・業界に関する質問例
- 会社の雰囲気や働き方に関する質問
質問例①業務に関する質問
会社説明会に参加する以上、その業界・職種に属する会社が取り組んでいる業務に惹かれるものがあったからこそ、説明会に参加します。
「業務に関する質問例」を挙げると、
- 仕事にやりがいを感じる瞬間について教えてください。
- 今まで行ってきた業務で、一番印象に残っているものを教えてください。
- 気になる部門・部署の1ヶ月のスケジュールについて教えてください。
など、公式サイト上にはないこと、会社の内情に関することを中心に聞いてみるといいでしょう。
質問例②キャリアに関する質問
終身雇用が崩壊した今、1つの企業に長く留まる社会人は少なくなりました。
就活生にとって「新卒採用」は、長い社会人生活を送る中で形成されていく「キャリア」第一歩です。
今自分が思い描いているキャリアプランと、合致しているか否かを「キャリアに関する質問」で判断しましょう。
「キャリアに関する質問例」を挙げると
- 御社の研修制度について具体的に教えてください。
- 評価制度について具体的に教えてください。
- 入社後、最短でリーダー職に就いた方はいますか?
など、上の役職に就くための条件やそのポジションに付くために要する時間など、入社に対する意欲がアピールできる質問がおすすめです。
質問例③採用活動・求める人物像に関する質問
企業が求める人物像や採用活動に関するものは、会社HP上に記載されていることが多いですが、具体的なイメージを掴みにくく、中には抽象的な人物像を掲載しているところもあります。
入社した時、その会社ではどのような人物像を持った方が仕事しているのか、現場の前線で活躍しているのかを質問してみるのもいいでしょう。
「採用活動・求める人物像に関する質問の例」を挙げると
- 御社で現在活躍されている方の中には、どのようなスキル・資質を持った方が多いですか?
- どのような取り組みが会社では評価されますか?
- 新入社員に求められる働き方は何ですか?
など、HPではピックアツプされていない社員の人物像を聞いて、その会社で働くための志を理解しましょう。
質問例④会社の強み・業界に関する質問例
同じ業界に属する会社にも、経営活動、事業取り組み方は様々です。
いわば、その会社にしかない「個性」です。
同業他社でも、似たような部署・部門名でも、具体的な中身は、会社によって大きく異なります。
「会社の強み・業界に関する質問の例」を挙げると
- 同業他社と比較していることは何ですか?
- 今後力を入れていこうと考えている事業とその理由を教えてください。
- 業界トップを目指していくためには、何が必要ですか?
など、その業界に属する以上、時代の変化とともに変わっていく業界の形にどう対応していくかが質問をしていく中で得られます。
質問例⑤会社の雰囲気や働き方に関する質問
同じ業界に属する会社でも、働き方から社風まですべて「同じ」というわけではありません。
たとえば、積極的にリモートワークを導入して時代にあった働き方を取り入れている会社もあれば、一部社員にのみリモートワークを取り入れて残りは時差出勤させるなど、その会社によって「働き方」は様々です。
この質問では、自分に合った「働き方」や「社風がマッチしているか」を見定めるための判断材料です。
「会社の雰囲気や働き方に関する質問の例」を挙げると
- 職場の雰囲気を教えてください。
- 入社後に感じるギャップはありますか?
- 御社の「特長」を教えてください。
など、自分が思い描く働き方を実現できるか、説明会で聞くと、ミスマッチがなくなります。
説明会で聞くべきじゃない質問例
ここからは説明会で聞くべきじゃない質問例について解説していきます。
聞くべきじゃない質問例は主に
- 残業やノルマに関する質問例
- 説明会で話内容と重複するもの
- 調べたらわかるもの
- 「自分だけが得をする」質問
- Yes or Noで回答できる質問
などが挙げられます。
いずれも、「仕事への熱意が感じられないもの」や「待遇面ばかり気にする」など、聞き手がマイナスに受け止められるような質問を説明会で聞くのは控えましょう。
また「福利厚生に関する質問」は、どちらにも属さないグレーな質問例です。
学生にとって「福利厚生」は、一番知りたい内容ですが、新卒の段階で聞くのは控えるべきとされています。
もし「福利厚生」に関する質問をするなら
- 繁忙期はどれくらいの忙しさですか?
- 1日の仕事の流れについて教えてください。
- 資格取得の援助はありますか?
など、当たり障りのない質問がベストです。
ただし、「残業」や「有給」などの質問は控えましょう。
質問で心掛けること4選
ここでは、企業に質問をするときに心がけることです。
質問タイムは「自己PR」などの場ではない
質疑応答の時、大学名・氏名の他、「自分がどういう自分物でこういうことをしてきました」などの自分の資質を語る学生がたまにいます。
質疑応答の場は、決して「自己PR」や「自己紹介」をする場ではありません。
あくまで、学生が抱く会社への不明点・疑問点の補完、ミスマッチ、イメージとのギャップをなくす時間として設けられています。
大学名・氏名の2つを名乗ったら、すぐに質問をしましょう。
説明会で聞いた内容を「振り返る」「被る」質問はNGだが、内容を深堀する質問はOK
説明会で聞いた内容を振り返る意味で質問する行為は、人事担当者にとって「話を聞いていない」ものとしてマイナスのイメージを持たれます。
しかし、説明会で聞いた内容を「深堀する質問」をするのは、OKです。
人事担当者も、「話を聞いたうえでより詳しく内容を知りたいんだな」と好印象を残せます。
ただし、「深堀する」といっても、無理やりこじつけた「支離滅裂な質問」にならないよう注意しましょう。
質問はなるべく具体的にすること
人事担当者に質問をするときは
- 「XXとはどういう感じですか?」
- 「XXについてどう考えていますか?」
など抽象的な質問をされると、回答がしにくく、意図せぬ回答をいただく結果になります。
質問するときは、質問の意図が汲み取れる「具体的内容」でしましょう。
質問は1人1回まで
質疑応答の時間は長くても精々10~15分程度です。
その間に多くの学生から寄せられる質問に、人事担当者は答えなければなりません。
多くの就活生に質問の機会を与えるためにも、質問は「1人1回まで」を心がけましょう。
もし2個以上質問がある場合は、質問をする前に「お聞きしたいことが2つありますがよろしいでしょうか?」などの断りを添えてから質問しましょう。
オンライン形式の会社説明会でも質問はするべき?
最後はオンライン形式の会社説明会で「質問する」ときのルールです。
形式が異なっても質問はするべき
会社説明会の形式がオンラインになっても、積極的に質問するべきです。
理由は、直接会場に赴いて行われるオフライン形式の会社説明会と同じです。
ただし、オンライン形式の場合、参加者1人1人が画面に映し出されるため、質問するとき、顔と名前をオフラインの時よりも覚えてもらいやすいメリットがあります。
また参加する以上、カメラ機能はONにして参加するようにしましょう。
誰かが質問しているときはマイクをOff
オンライン形式の会社説明会では、人事担当者がしゃべっている間や自分以外の参加者が質問をしている間はマイクをミュートにしておきましょう。
「私語厳禁」というのもありますが、マイクがオンになっていた場合、外界からの音を拾ってしまう恐れがあります。
また、実家暮らしをしている学生であれば、突然親が部屋に入ってくるケースがあります。
そのため、誰かがしゃべっている間は、極力マイク機能をミュートにして、自分が質問をするときだけミュートを解除するようにしましょう。
この時、カメラもオフにしていいの?と、思う学生がいますが、カメラ機能はオンにしておきましょう。
オンライン形式で質問しても採否には影響しない
会社説明会は就活生に弊社のことを知ってもらうために実施する場であり、決して就活生に優劣をつける場ではありません。
また質問をしても、今後の選考が有利にはたらくことや、採否に関わることはありません。
ただし、「選考」には影響しないだけであって、人間性や個人の印象という点では、プライ・マイナスがはたらくかもしれません。
これはオンラインに限らず、オフライン形式の会社説明会でも同じことが言えます。
まとめ
会社説明会で設けられている「質疑応答」の時間では、「積極的に質問すべきか?」を解説すると同時に、説明会で質問すべき質問例・マナーのご紹介でした。
説明会終盤に設けられている「質疑応答の時間」は、自身が積み上げてきた企業研究で生まれた不明点・疑問点、想像と現実のギャップをなくすためにある絶好の機会です。
質問を通して得た有益な情報は、その会社の本選考の場で大きな力になります。
絶好の機会を不意にしないためにも、説明会前日までに聞きたいことを用意しておきましょう。