IT業界は近年人気が高まりつつある業界のひとつですが、数多くの就活生の中でも差別化を図りたいのなら就活の軸は非常に重要です。
最近では理系学生にとどまらず、文系学生もIT業界を目指す就活生は増えてきており、倍率も高くなっています。
反対に就活の軸が甘いと、志望動機や自己PRといった場面でも内容が薄くなるためなかなか内定獲得にはつながらないでしょう。
そこで今回は、IT業界を目指す学生が持っておくべき就活の軸や作り方、注意点などについて解説します。
これからIT企業への選考に進む方はもちろんですが、内定がもらえず「もう一度、就活の軸を見直したい」と考える方はぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも就活の軸を企業が聞く目的とは
そもそもなぜ企業は就活生に対して、就活の軸を聞くのでしょうか?
面接で企業や業界が求める人材であることをアピールするためにも、企業側の意図や目的などを把握することは非常に大事です。
おもにIT企業が就活の軸を聞く理由としては、以下のものが挙げられます。
IT企業が就活の軸を聞く理由
- 企業が求める人材かどうかを見極めたい
- 企業や業界について理解しているかを見ている
企業が求める人材かどうかを見極めたい
企業はまず就活生に対して就活の軸を聞くことで、自社が求める人材かどうかのマッチング率を見極めています。
就活では学歴やこれまでおこなってきた経験だけではなく、ひとりひとりの就活生の人柄や性格、価値観が社風に合っているかも重要です。
いくらすごい経歴を持っていても人間性に問題がある、もしくは会社にそぐわない人材と判断されればない手にはつながりません。
とくにIT業界ではひとりで作業することもありますが、チームで作業をおこなう場面も多くあるため、協調性やコミュニケーション能力は必須となります。
「なぜIT業界を目指そうと思ったのか」が知れる就活の軸は、個人としての学生の行動基準やモチベーションのきっかけ、考え方が顕著に反映されるため人となりを知るには充分です。
したがってIT業界だけではなく、企業ごとにどんな人物が求められているのかをしっかり把握し対策するのが大切です。
企業や業界について理解しているかを見ている
企業が就活の軸を聞くのは、就活生がそもそも企業や業界についてしっかりと理解しているのかどうかを見極めているといった目的も挙げられます。
やはりどれだけ自社や業界そのものに対して深く知識を持っていれば、「長く働いてくれそう」「仕事へのモチベーションが高そう」といったプラスのイメージにつながりやすいですからね。
また就活の軸を考えるにはそれなりに業界研究をしなければいけません。
ホームページに掲載されているようなものや、どんな就活生でもいえそうなテンプレートであれば、「そこまでIT業界に興味がないのかな」「すぐに転職してしまうのではないか」などのマイナスイメージになるおそれもあります。
つまり企業側としては、就活の軸で何を話すかだけではなく、就活の軸を固めるためにどんな過程や努力を重ねてきたのかなども見ているということです。
とくに「なぜIT業界でなければいけなかったのか」の部分を明確にしておくと、より説得力や再現性が高くなるでしょう。
IT業界を目指す学生が持つべき就活の軸5つ
では実際、IT業界を目指す学生が持つべき就活の軸とはどんなものがあるのでしょうか?
ここではIT業界にツようする集荷鬱の軸についていくつかご紹介します。
IT業界を目指す学生が持つべき就活の軸5つ
- 新しいサービスをつくりたい
- 成長したい
- 将来は海外で仕事がしたいと考えている
- 最新技術に触れたい
- ゆくゆくは独立を目指している
➀新しいサービスをつくりたい
IT業界は日々移り変わりが激しい業界のひとつであり、日々新しいサービスが生まれています。
就活の軸として「新しいサービス開発に携わりたい」「自分の手でヒットするサービスを生み出したい」といった就活生が来れば、採用担当者としても好印象です。
ただし、ただ漠然と新しいサービスをつくりたいといっても、良き王だけだと判断される可能性があるため、もし面接などで話すのなら企業に沿った具体策をいくつか用意しておくといいでしょう。
アイデアが浮かばなければ、「入社後にプレゼンしたいと思います」や「〇〇関連のサービスに興味がある」といった受け答えがあると安心です。
例
- 人の役に立つサービスや商品を広めたい
- 〇〇の価値をもっと広めたい
- 新しいスキルを得て社会貢献したい
- 〇〇の支援をする事業に関わりたい(具体的エピソードや人を述べる)
- IT技術を駆使して、世の中を豊かにするサービスを展開したいと考えている
②成長したい
IT企業のなかは、スタートアップやベンチャー企業も少なくなく、「とにかくモチベーションの高い若者を採用したい」「自分から主体的に学べる人材が欲しい」と考えるところが多い傾向にあります。
したがって、「なるべく早く社会人として成長し戦力になりたい」「成長市場で働くことで貢献したいと考えている」「大規模な事業に関わりたい」といったことを伝えれば、企業側も採用したいと考えるはずです。
ただし成長意欲の方向性をまちがえてしまうと、とく大企業などでは採用されにくくなる可能性もあるため、大企業志望の方は「組織の仕組みを学びたい」「安定した企業で基礎を固めたい」といった内容にしておくのがベストです。
例
- 実力で評価される会社で働きたい(ベンチャーなど)
- 挑戦できる環境に憧れがある
- 手に職をつけたい、スキルを獲得したい
- 若いうちから責任のあるポジションにつきたいと考えている
- 大学の研究や学びを活かせる職場につきたい
- 責任感のある仕事ができると感じた(給料が高いところなど)
- 事業が大きくなるところに自分も携わりたい
③将来は海外で仕事がしたいと考えている
IT企業は海外でも通用する技術であることから、海外企業の支部として日本にも拠点を持つ企業があったり、将来的には海外への展開も視野に入れている中小企業もたくさんあります。
とくに海外志向の強い企業志望であれば、社員に対してもグローバルな人材を求める傾向にあります。
そんななか、「海外で仕事をするのが夢」といった就活生は注目されやすく、語学能力や海外留学経験がある就活生もまた重宝されやすいですよ。
ただし、単に「世界で活躍できる人材になりたい」とアピールしても現実的ではないので、海外で働くためにどのような努力をしてきたのかも盛り込まなければいけません。
たとえば、TOEICで800点以上などの高得点を取ったことがあるなどであれば、より説得力も増すでしょう。
例
- 海外で働きたい(企業の海外拠点場所をチェックしておく)
- 多様性のある社風に惹かれた
- 海外の働き方を取り入れているところに共感した
④最新技術に触れたい
先にも述べたように、IT業界はつねに技術がアップデートしているので、「最新技術に触れたい」「IT技術で支えたい」といった内容を就活の軸にするのもひとつです。
とくにIT業界のなかでも成長企業や新しい事業に挑戦し続けている企業にとっては、IT技術に熱中したいタイプは欲しい人材であるといえます。
もし技術面から就活の軸を考えるのであれば、「自分が現時点でどれだけのIT知識やスキルがあるのか」などを一緒に伝えるのがおすすめです。
たとえば、すでに修得しているプログラミング言語やプログラミングスクールに通っていること、「ITパスポート」などの資格を持っているなど。
採用担当者からも「実際にどんなことができるの?」「自社のどんな技術に魅力を感じたの?」と聞かれることもあるので、きちんと答えられるようにしておきましょう。
例
- 技術力の高い現場で働きたい
- 幅広い業界や業務に携われる
- 〇〇という分野に興味がある
- 顧客と直接触れ合えるのがいいと思った
⑤ゆくゆくは独立を目指している
意外に思うかもしれませんが、独立心の高さも企業によっては評価されることもあります。
しかし数年後といった短期間で退職し、いきなり独立したいと言われても企業側としては採用したいとはなりにくいので要注意です。
やはりどの企業も、基本的にはできるだけ長く会社で働いて利益を生み出してほしいと考えていますからね。
とくに大企業や有名企業であればあるほど、早期退職者は出したくない傾向にあります。
しかし過去にも独立した先輩がいたり、変化の激しいベンチャー企業であれば、社内ベンチャーにチャレンジしたいといった目的をもって入社する人も少なくありません。
もし「ゆくゆくは起業したいと思っている」「社内ベンチャーを狙っている」思いがあるのなら、具体的なアイデアや事業内容を考えておくといいでしょう。
実際に採用担当者から「どんな事業をしたいと思っているの?」と聞かれるケースもあるので、「〇〇を対象にしたサービスなどを考えています」と簡単なプレゼンテーションができる状態にしておくと説得力も増します。
例文
- 将来は〇〇を対象とした事業をしたいと思っている
- 経営層との距離が近いところに魅力を感じる
- 風通しのいい環境で技術面や経営面を学びたい
- 専門性の高いスキルを習得して企業に活かしたい
IT業界を目指す学生が就活の軸をもつメリット
どんな業界を目指すにしても就活の軸は必要ですが、IT業界でもエントリーシートや面接対策などを作成するうえで役立ちます。
- IT業界での希望職種や分野を絞り込める
- 志望動機に活かせる
IT業界での希望職種や分野を絞り込める
就活の軸を確立させておくことで、分野の広いIT業界からある程度の職種の方向性が見えてくるメリットがあります。
IT業界ときくと、どうしてもエンジニアやプログラマーといったイメージが強いですが、さまざまな職種や分野があります。
たとえばIT業界でも、一般企業と同様にITのサービスや商品を提案する営業職やコンサルタント職、プロジェクトなどを管理するマネジメント職などはそれぞれの企業に必ずそなわっています。
なんとなくIT業界を目指していると入社してから、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースも少なくありません。
就活の軸をはじめに立てることで、「自分がどんな仕事をしたいのか」「どのような活躍をしていきたいか」が見えるため、ミスマッチも防げます。
志望動機に活かせる
就活の軸とは自分の理想に合う企業を探す判断ポイントにもなるので、志望動機に活かせるというメリットもあります。
そもそも就活の軸から自分の受けたい企業の方向性が決まってくるので、志望動機を必ず聞かれるエントリーシートや面接でも大いに役立ちます。
したがって就活の軸を考える際は、なるべく具体的にしておくことが大事です。
就活の軸と志望動機の内容に一貫性があるかどうかも、実は企業がチェックしている部分であるともいわれていますからね。
また実際に企業側から、「あなたが就活の軸としているポイントはどこですか?」「なにを基準にして企業を選んでいますか?」を聞かれることもあります。
志望度の高さをアピールするためにも、ブレない就活の軸を早い段階から持っておくといいでしょう。
IT業界を目指す学生が就活の軸を考える際のポイント4つ
就活の軸は人によってさまざまですが、IT業界を目指す学生は何を基準に就活の軸を考えていけばいいのでしょうか?
ここでは、IT業界を目指す学生が就活の軸を考える際のポイントについていくつかご紹介します。
IT業界を目指す学生が就活の軸を考える際のポイント4つ
- 自己分析を徹底的におこなう
- IT業界への理解を深めておく
- 「なぜIT業界でないといけないか」を考える
- IT業界で働く未来をイメージしてみる
➀自己分析を徹底的におこなう
就活の軸を考える上ではまず、自己分析を徹底的におこなうことが大事です。
なぜ大事なのかというと、自己分析をおこなうことで「自分がIT業界でどんな仕事をしたいのか」「そもそもなぜIT業界を目指しているのか」がはっきりとしてくるからです。
また、自己分析をおこなって自分の性格や特性がIT業界の求める人材にマッチしていれば、企業側からも注目してもらいやすくなるメリットもあります。
とくに自己分析の中でも重要になってくるのは、「自分の行動原理やきっかけ」や「モチベーションの高め方」の部分です。
長所や短所を見るだけでは終わらず、IT業界を目指す目的や入社後にやりたいことなども一緒に応えられるよう自己分析をおこなってみてください。
②IT業界への理解を深めておく
就活の軸を考えるなら、そもそもIT業界への理解を深めておくことも忘れてはいけません。
先にも述べたようにIT業界といっても幅広く、それぞれでサービス内容や事業なども変わってきます。
たとえば「システムエンジニアになりたい!」とひとくちに言っても、エンジニアの中には設計・開発・保守・運用などに分かれています。
さらにクライアントが、BtoBなのかBtoCなのかによっても働き方が大きく異なる可能性もあります。
IT業界の知識や資格をもっていれば面接などで自己アピールにもつながりますし、企業側へも業界への真剣度やモチベーションの高さなどを伝えられるのでおすすめです。
もし業界・企業研究を深めたいのであれば、OB・OG訪問やインターンに参加するといいでしょう。
企業のホームぺージやネット上での口コミでは知りえない情報や、企業の内情、社風などを知れるので就活の軸を確立させたい方はぜひ参加してみてください。
③「なぜIT業界でないといけないか」を考える
就活の軸を考える際は、「なぜIT業界でないといけないか」のポイントを踏まえることでより採用担当者からの印象は変わってきます。
重要なのは「なんとなくIT業界が合うと思ったから」ではなく、「IT業過でいないといけない確固たる理由がある」かどうかです。
自己分析の時点で社会に出てやりたいことや理想の働き方がIT業界で叶えられることをアピールできれば、説得力も増します。
反対に企業側から「IT業界でなくてもいいのではないか?」「IT業界である理由があいまいである」といったイメージを与えてしまうと、不採用となる可能性が高くなるので要注意。
IT業界を目指すきっかけとなった出来事やエピソードなどを盛り込んで、いかにIT業界や企業にマッチングした人物かどうかをアピールしましょう。
④IT業界で働く未来をイメージしてみる
IT業界における就活の軸を考える際は、IT業界で働いている未来の自分をイメージすることも大事です。
数年単位ではなく、5年や10年などできるだけ中・長期的な将来まで考えてみるといいでしょう。
たとえば、「入社した企業で責任のあるポジションにつきたい」「転職してどこででも通用する人材になりたい」「起業したい」など。
すぐに叶えられる目標について考えていくとIT業界を目指す目的にもなるので、自然と就活の軸は固まっていくはずです。
入社してから達成したいことやなりたい人物像などをが具体的に把握できれば、あとは目的や目標が叶えられる職場を選べばいいだけですからね。
企業が求める人物像にマッチすれば、それだけ志望が高いことのアピールにもなりますので、難しい作業ではありますがぜひ取り組んでみてください。
IT業界を目指す学生が就活の軸を考える際の注意点4つ
就活の軸は企業選びのポイントだけではなく、企業の志望動機にも役立てられます。
IT業界を目指す学生は以下の注意点をふまえて、就活の軸を固めておくといいでしょう。
IT業界を目指す学生が就活の軸を考える際の注意点4つ
- 志望動機と矛盾しないようにする
- 受ける企業の情報をしっかり把握しておく
- IT業界以外でもできそうな軸は控える
- 企業の待遇面については軸にしないほうが良い
➀志望動機と矛盾しないようにする
就活生がよく陥りがちなところではありますが、志望動機と就活の軸が矛盾してしまわないように注意しましょう。
志望動機や就活の軸に大きな差が生じてしまうと、企業側から「一貫性がない」「そこまでIT業界や企業に興味や熱意がないのでは?」と思われてしまう可能性が高いです。
実際に「あなたの就活の軸は何ですか?」と直接聞かれる場面もあるので、必ず志望動機と整合性が取れているかを確認するようにしてください。
なお、自分から「企業を選ぶ時の基準は〇〇です」と述べたうえで志望動機を話すのも効果的な手段のひとつです。
採用担当者にとっても、就活の軸を明示してくれれば話も進みやすいですし、志望度の高さも同時にアピールできます。
②受ける企業の情報をしっかり把握しておく
当然ではありますが、受ける企業の情報は事前にしっかりと把握しておかなければ落とされる可能性が高くなります。
とくに業種や職種の幅広いIT業界では、企業によっても取り扱うサービス内容や事業、社風などが大きく変わってきます。
さらに企業の中でも、プログラマーや営業職、システムエンジニア、コンサルタントなどもあるので、自分が何になりたいのかを事前に決めておきましょう。
人によっては、「IT企業をいくつか受けるから、志望動機や自己アピールも似たようなもので良い」と思う方もいるでしょうが、企業側には準備不足であることが必ず伝わります。
企業のホームページのチェックはもちろんですが、実際にインターンなどに参加してみるのもおすすめです。
IT業界に就職したい人におすすめの就活サイト15選!選び方のコツとは?
③IT業界以外でも出来そうな軸は控える
先にも述べたように「なぜIT業界で働かないといけないか」を考えることは重要なので、「IT業界でなくてもいいのでは?」と思われないように注意しましょう。
なぜならIT業界に限った内容だと、面接官から突っ込まれる可能性があるからです。
よくあるIT業界に限った内容でない例としては、福利厚生面や企業としての安定度、年収の高さなどが挙げられます。
確かに企業を選ぶときは、収入の高さや福利厚生面を重視する方は多く、考え方自体は決して悪いことではありません。
しかし実際、上記の内容をそのまま話してしまうと「企業での業務には関心がないのか」「自分の欲求しか考えていないのか」「モチベーションが低いのでは?」ととらえられます。
必要以上に評価を下げてしまわないようにも、希望企業だからこそできることなどについて話すようにしましょう。
④企業の待遇面については軸にしないほうが良い
企業の待遇面についても「IT業界でなくてもいいのでは?」と思われる可能性があるため、就活の軸としてはあまりおすすめできません。
とくに最近では、「リモートワークができる」「副業ができる」「残業が少ない」といった面をアピールポイントとしている企業も増えてきています。
しかし上記のような待遇面の良さを就活の軸としてしまうと、あまりにも個人的な希望によるものとして企業に移るので、基本的には企業の業務内容などを話すのが無難です。
~まとめ~IT業界を目指すなら、就活の軸を第三者に見てもらおう
今回は、IT業界を目指す学生が持っておくべき就活の軸や作り方、注意点などについて解説してきました。
IT業界は情報や技術の発展が目まぐるしい業界なので、変化に対応できる人材であったり、そもそもITに対する興味や関心があるタイプが向いているといえます。
就活の軸は志望動機や企業・業界研究に役立つもので、自己分析がかなり重要なポイントとなってきます。
もし現在、自己分析や就活の軸について「これでいいの?」「もっとよくするにはどうすればいいの?」と悩む方がいれば、第三者に見てもらうのがおすすめです。
第三者とはおもに、エージェント型の就活サイトや学校のキャリア課、就活生を対象としたイベントなどでやってもらえます。
自分以外の人から客観的なアドバイスをもらえますし、希望業界の人事担当者なら業界で通用するより実践的な助言を得られます。
今回の記事を参考に就活の軸を固め、IT業界への就活に役立ててみてくださいね。