大学生になるとよく耳にする、「インターン」「インターンシップ」という言葉。
どちらも同じ意味なのか、それともそれぞれ違いがあるのか、疑問に思ったことはありませんか?
そもそも何のことなのかよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「インターン」と「インターンシップ」の違い、そして大学生が参加するメリットを解説していきます。
現在の就活市場ではインターンとインターンシップは同じ意味
就活を意識し始めるとよく耳にする、インターンとインターンシップ。
就活の場で使われている場合には、同じ意味と捉えて問題ありません。
インターンシップと言うのは長いので、略してインターンと呼ぶ人も多いのではないでしょうか。
インターンシップを略してインターンと呼ばれている
就活市場でインターンと呼ばれているものは、インターンシップの略だと考えて問題ありません。
どちらの言葉も目にしたり耳にしたりする機会があるかと思いますが、どちらも同じ意味と捉えましょう。
インターンシップは言葉が長く言いにくいため、インターン略されている場合が多いです。
英語の“internship”と“intern”は意味が異なる
就活市場で使われているインターンとインターンシップは同じ意味ですが、元々の言葉の意味は異なります。
二つの言葉の違いやインターンシップが始まった背景なども、ここで覚えておきましょう。
“internship”は「実習」「職業体験」「仕事」自体のこと
Internshipの意味は以下の通りです。
Internship:実習,職業体験,仕事,研修
言葉の意味の通り、企業等での実習訓練期間のことを指します。
学生が在学中に企業に体験入社する制度で、企業が主体となり実習内容等を作成します。
大学の単位としては認定されません。
(インターンシップと似ているものに、「コーオプ教育」と呼ばれる制度もあります。
学生が自分の専門分野に関連した職業体験ができる制度としてインターンシップと似ていますが、大学などの教育機関が主体となりカリキュラムを作成することや、大学の単位として認定される点がインターンシップとは異なります。)
Internshipの始まりは、遡ること1906年。
教育制度の一環としてアメリカで始まったとされています。
産業界と大学が連携して工業教育を行うという試みとして、アメリカのシンシナティ大学工学部長ヘルマン・シュナイダー博士が創案しました。
一方、日本のインターンシップの始まりは1997年のこと。
「経済構造の変革と創造のための行動計画」の普及推進が決定したことにより、徐々にインターンシップ制度が日本中に広がっていくことになります。
“intern”はインターンシップをしている人のこと
Internの意味も見ていきましょう。
Intern:教育実習生,医学研修生,見習い生
Internshipが実習や職業体験、仕事そのものを指すのに対し、internはインターンシップをしている人、つまり実習生や見習い生、研修生などを指すことが分かります。
また日本では、1946年~1968年に日本の医学教育で行われていた臨床実地研修制度や、美容師・理容師になるための実習訓練(現在のように国家資格として制度化される前までのこと。平成10年に廃止。)をインターンと呼んでいました。
インターンシップの在り方は少しずつ変わってきている
1997年以降、日本でもインターンシップが広がりつつありますが、その在り方は少しずつ変化しています。
今では就活の一環としてポピュラーとなったインターンシップですが、元々は高度な技術と知識、そして教養を身に付けた専門家を育てるために始まったものでした。
インターンシップは元々職業体験の場
前項ではinternshipの言葉の意味を解説しましたが、その言葉の意味の通り、インターンシップは元々職業体験の場を設けるために作られた制度でした。
技術と知識だけでなく、幅広い教養を持った専門家が求められるようになったことを受けて、企業と大学が連携して優秀な人材を育てようとしたのです。
スキルアップや内定獲得が主な目的
職業体験の場としての意味合いが強かったインターンシップですが、時代の流れとともに、個々のスキルアップや内定獲得を目的としたものに変化しつつあります。
社会人との接点を持つことで、人脈を広げるという目的も含まれています。
学生の間に社会人との関りを持っておくことは、就活に限らず、個々の成長としてとても重要です。
パソコンやスマートフォンがあればすぐに情報を得られ、簡単に人と繋がることができる時代になりました。
自分の時間が作りやすい学生のうちに、スキルアップしておこうと考える学生も多いです。
また、インターンシップに参加することが内定獲得に有利になるという考えから、インターンシップに参加する学生も大勢います。
特に長期インターンはより実践的な職業体験ができる貴重な機会です。
場合によっては、卒業後にそのままインターン先の企業に就職する人もいます。
直接的でなくても、インターンシップでの経験は、面接でのアピールポイントになります。
自信をつけるという意味で、インターンに挑戦する学生も多いです。
インターンの選び方完全ガイド!あなたにおすすめのインターンはコレ!
長期インターンからそのまま就職するメリットとデメリットとは?経験から解説します
インターンシップとアルバイトの違い
給与が発生するインターンシップの場合、「アルバイトと何が違うの?」と感じる人も多いのではないでしょうか?
この項では、インターンシップとアルバイトの違いを解説していきます。
インターンシップに参加するかアルバイトをするか、迷っている人はぜひ参考にしてください。
アルバイトの代わりになるのは「長期インターン」
インターンシップの中でも、給与が発生することの多いのが長期のインターンシップ。つまり、「長期インターン」です。
企業や地域によって時給に差はありますが、都心部にある企業の場合1000円前後が相場です。
アルバイトの時給と比べても、同じくらいかそれ以上の報酬が得られる場合もあります。
アルバイトでも責任を持って仕事をすることが求められますが、長期インターンでは、より実践的に社員に近い形で仕事に関わることになります。
時給が高い反面、企業の一員として、これまで以上に責任感と自覚を持つことが求められます。
インターンシップとアルバイトは企業と学生の目的が異なる
企業にとって、インターンシップは早い段階で優秀な学生と接点を持つことができる貴重な機会です。
企業と学生の相互理解を深め、入社後のギャップを軽減することができるため、お互いのミスマッチや内定辞退を防ぐ効果も期待できます。
つまり、「将来企業のために力となってくれる人材」を確保する場と言えます。
一方アルバイトは、社員だけでは補いきれない労働力を確保するためだけでなく、業務内容も比較的責任の重さがないものがほとんどなので、より気軽に採用し仕事を任せることができます。
必要な時に必要な時間だけ仕事を任せることができるのが、アルバイトの大きなメリットです。
企業にとってアルバイトは、「今企業の力となってくれる人材」と言えるでしょう。
学生がアルバイトをする目的の多くは、生活費や学費、貯金、趣味や社会経験です。
一方、インターンシップに参加する学生の多くが、そこでの経験を就活に活かすことを目的としています。
インターンシップは経験になるだけでなく、企業研究や業種・職種の理解を深める、自己分析になる、社会人との接点が持てる、などの効果が期待できます。
似ているようにも思えるインターンシップとアルバイトですが、企業と学生の目的は大きく異なるのです。
インターンとアルバイトの違いとは?あなたはどちらを選ぶべき?
アルバイトよりもインターンシップが向いている人の特徴
アルバイトかインターンシップか…迷っている人も多いのではないでしょうか?
この項では、アルバイトよりもインターンシップが向いている人の特徴を、解説していきます。
スキルアップを目指している人や企業についてより理解を深めてから働きたいという人は、アルバイトよりもインターンシップがおすすめです。
責任感や裁量権をもって働きたい人
アルバイトに比べ、より責任のある仕事を任されることも多いインターンシップ。
より責任感があり、裁量権をもって働いてみたいという人には、インターンシップがおすすめです。
同時に、企業の一員として働くという自覚を持つことも求められます。
実際に企業で働いてから就職先を決めたい人
就活中の学生の中には、実際に興味のある企業で働いてから判断したい、気になっている業種や職種を経験してみたい、という人も大勢いるのではないでしょうか?
そういった人には、アルバイトよりもインターンシップがおすすめです。
頭の中で思い描いているだけよりも、実際に企業と近い距離で働いてみることで、自分の向き不向きも見えてきます。
成長やスキルアップを求めている人
今よりもさらに成長したい、スキルアップをしたいというひとにもインターンシップがおすすめです。
インターンシップの良い点は、社会人になる前に、より実践的な仕事を経験できるということ。
将来に向けて何か新しいことにチャレンジしようと考えているのであれば、インターンシップに参加してみてはいかがでしょうか?
短期インターンと長期インターンの違い
インターンシップには、大きく分けて短期インターンと長期インターンがあります。
同じインターンシップでも、短期と長期では内容が大きく異なります。
短期インターンと長期インターンは内容が全く異なる
短期インターンは、半日や1日、長くても1週間という短い期間のものがほとんどです。
事業説明やグループワーク、グループディスカッションがおもな内容です。
説明短期間で集中して企業研究ができるため、他の企業のインターンにも参加しやすいというメリットがあります。
一方長期インターンは、3ヵ月~半年程度のものが多く、より実践的な仕事をしながらスキルアップを目指すことができます。
内容は職種により異なりますが、責任を伴う仕事を任されることもあるため、企業の一員として働くという自覚を持つことも求められます。
短期インターンのメリットとデメリットって?無意味に参加しないためのコツを紹介
インターンシップに参加するメリット
インターンシップに参加するメリットは、大きく分けて3つあります。
就活で活きることはもちろん、これから社会人になるために必要な知識が身に付くという点も、インターンシップの大きなメリット。
価値観や視野を広げたいという人にも、インターンシップはおすすめです。
業界研究・企業研究ができる
インターンシップは、企業やそこで実際に働いている人たちと近い距離で話すことができる貴重な機会です。
企業の理念や考え方、業界について理解を深めることは、自分の将来を考えるうえでもかなり重要な要素となります。
就活をする中で、業界研究や企業研究は必ず必要です。
企業や職種について深く知るということは、自分のことを知ることにもつながります。
同じ業界を目指す学生とつながりがもてる
就活をするうえで、企業や社会人だけでなく、同じ年代の学生とつながりを持つことはとても大切です。
同じ業界を目指す者同士、お互いに心強い存在になることでしょう。
自分の価値観や視野を広げるという意味でも、多くの人とつながりを持てるインターンシップはおすすめです。
色々な人と会話をすることで多くの刺激を受け、自分の原動力となります。
面接で話せる経験が手に入る
特に長期インターンでの経験は、面接の自己アピールでも役立ちます。
アルバイトだけでは得られない経験やスキルアップを実感できると、自分の自信にもつながりますよね。
より実務に近い経験をしていることが、企業にとって大きなメリットになることもあります。
自己アピールの内容に不安がある人は、インターンシップで自信をつけてみてはいかがでしょうか?
インターンとインターンシップは同じ意味!就活ではどちらで呼んでもOK
就活市場では同じ意味のインターンとインターンシップですが、言葉が違うと混乱してしまうこともありますよね。
就活を意識し始めると、これまであまり耳にすることのなかった言葉に触れる機会も多くなります。
新しい言葉に慣れておくということも、就活ではとても大切です。
経験値を上げるという意味でも、インターンシップは絶好のチャンスです。
ぜひ、挑戦してみてはいかがでしょうか?