「秘書」という仕事を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
「女性しかなれない職業」
「社長や上長につきっきりで大変そう」
などのイメージがパッと思いつくかもしれません。
しかし、「秘書」という仕事は、会社によって異なりますが、男性でも就くことができる職業なのです。
加えて、インターンには、「秘書」の職業体験を設けている企業が多数存在します。
任せてもらえる業務は多岐に渡りますが、いずれも、自身の成長になるものばかりです。
そこで今回は、将来「秘書」として仕事をしたい学生のため、企業等が募集を募っている「秘書インターン」の内容についてご紹介します。
秘書インターンの種類
ここでは、「秘書インターン」の種類についてご紹介します。
一般企業秘書インターン
まずは、商社やメーカー企業など「一般企業」が募集をかけている秘書インターンです。
期間は1dayで終わるものから、2週間から4週間、最長で半年以上のものまであります。
それぞれの期間内に実施されるインターンの内容は以下のようになります。
【1day・オンライン形式のインターン内容】
- 会社概要・業界説明
- グループワーク
- 座談会
- 質疑応答
インターン内容は企業によって異なりますが、基本となるベースは上記のものが多いです。
インターンの型も「セミナー・ワーク型」を軸にしています。
対して、短期・長期間に及ぶインターンの場合は、業務の一部を任されたり、社長や上長の秘書補佐として業務にあたります。
「秘書」として濃い時間を過ごしたいという方は、短期・長期のインターンに参加するのがおすすめです。
ただし、参加要項に「何カ月以上出社できる方」などの条件がありますのでご注意ください。
弁護士秘書インターン
「弁護士秘書」とは、上記の一般企業の秘書とは異なり、事務所の事務・クライアント対応、担当弁護士の業務補佐を一身に受け持つ専門職です。
「秘書インターン」の募集の中には、一般企業秘書のインターンに加えて弁護士事務所から「秘書インターン」の募集があります。
「弁護士インターン」のインターン内容をまとめると、以下のようになります。
【インターン内容】
- 会社概要・業務説明
- グループワーク
- 1day弁護士秘書業務体験
上記3点をメインに行っています。
期間は1日で完結するものもあれば、2日間にかけてインターンを行う事務所もあります。
また最近はオンラインで「弁護士秘書」のインターンを実施しているところもあります。
ただし、こちらの場合「セミナー・ワーク型」のインターンプログラムを設けていることが多いです。
議員秘書インターン
最後は「議員秘書」のインターンです。
一言で「議員秘書インターン」といっても、インターンの形式は様々です。
以下は代表的な「議員秘書インターン」になります。
【代表的な議員秘書インターン】
- 政党秘書インターン
- 議員事務所秘書インターン
- NPO法人所属秘書インターン
政党秘書インターン
「政党秘書インターン」では、首都圏を中心に地方の大学生・専門学生を対象に開催しているインターンになります。
首都圏在住の学生であれば、実施期間4月~7月と10月~12月の年2回行われるインターンに参加でき。地方在住の学生は2月~3月の春休み期間中の10日間実施されます。
インターンの内容は主に「秘書業務の実習」「現役大臣の表敬訪問」などを行います。
議員事務所秘書インターン
「議員事務所秘書インターン」では、議員の個人事務所で実施されるインターンになります。
インターンの内容は、インターン先の事務所によって異なります。
仕事の割り振りは議員お抱えの秘書から頂くものが多く、内容も学生の能力に見合ったものを渡されることが多いです。
また議員との距離が近いため、政界を間近で見学できる絶好の機会です。
NPO法人所属秘書インターン
最後は「NPO法人所属秘書インターン」です。
こちらのインターンは、春休みや夏休みなどの「長期休暇期間中」の2ヶ月間に及ぶ長期インターンとして実施されます。
「NPO法人所属秘書インターン」は、インターン開始前に以下のことを行って以降本格的なインターンが開始します。
- 参加説明会
- 議員交流会
- 選考会を経てインターン先が決定
- オリエンテーション
の4つの工程を終えてからが、インターン本番になります。
インターン参加中のサポート体制は万全を期しているので、安心して参加できます。
また、インターンの行く先は、国会議員だったり、地方議員の秘書体験だったり様々です。
インターンの内容・得られるスキル
ここからは、秘書インターンを通して得られるスキルやインターンの具体的取り組みについて解説します。
秘書インターンで行う仕事
秘書インターンで行う仕事は、上記でご紹介したインターン先によって異なりますが、基本的には以下の仕事を任されることが多いです。
【インターン中に取り組む仕事】
- 上長のスケジュール管理
- 事務処理
- メール・電話応対
- 来客対応
業務①上長のスケジュール管理
「スケジュール管理」は、秘書業務の中で最も大切な業務です。
インターン中に担当する上長が多忙極める方であれば、日によって様々な予定が舞い込んできます。
秘書は、その予定1つ1つに対応して、社内外に連絡を取り繕って予定を調整していかなければなりません。
必要に応じて、会議のセッティングや運営、出張先の手配など事細かいところまで任せられることがあります。
業務②事務処理
秘書は、お付きの上長が作成した書類・資料の確認、修正に加え、書類の作成、整理、ファイリングなどの事務処理も行います。
これら書類・資料の確認、修正、整理などはPCを使用して行うため、ある程度のPCスキルを身に着けておくのがいいでしょう。
【取り扱う書類・資料の種類】
- 取引先に送る請求書・注文文
- 会議の議事録
- プレゼン資料
- 競合他社、業界内サービスのリサーチ資料
など、任せられる書類・資料は、インターン先によって様々です。
業務③メール・電話応対
上長宛に来たメールや電話応対も秘書インターンで行います。
取り次ぎをするか否かの判断は、インターン初日から数日は見極めが難しいでしょう。
しかし、日をまたいでいくうちに、社外との関係性や上長の仕事スタイルが日に日にわかってくるようになります。
業務④来客対応
上長との会談のために訪れた来客対応も、秘書が行います。
ここでは、応接室への案内からお茶出しが主になります。
また、来客対応時の印象は、上長の印象に直結することがあります。
来客対応の時は、適切な言葉遣い、立ち振る舞いを心掛けましょう。
秘書インターンに参加する利点
秘書インターンに参加する利点は2つあります。
【利点】
- 社会人の働き方を学べる
- やりがい
利点①社会人の働き方を学べる
1つ目の利点は「社会人としての働き方」を学べる点です。
秘書が行う業務のすべては、「事務を中心に、人を支えるのが仕事」です。
加えて、任せてもらえる仕事の量は多いので、仕事に順位付けができるようになります。
また、来客対応や電話応対を通じて、社外の人間関係が構築されていきます。
結果として、秘書としての立ち振る舞いから、どの業界に進出しても通じるビジネスマナーが身につきます。
利点②やりがい
秘書インターンでは、自身のちょっとした気遣いや相手を支えたいという行為から成り立つ「ホスピタリティ」を、業務上で発揮できます。
人によっては、できて当然、当たり前のことのように思われても、小さな積み重ねが功を成すこともあります。
得られるスキル3選
秘書インターンを通じて、以下の3つものスキルを身につけることができます。
【得られるスキル3選】
- コミュニケーション能力
- 情報処理
- 語学・異文化に対する知識
スキル①コミュニケーション能力
「秘書」は、上長と社内外の社員をつなぐ「中継者」のような役割を担っています。
秘書が良好な人間関係を構築していけば、上長の人間関係構築に役立てます。
良好な人間関係を築いていくためにも、その場しのぎの会話や調子で会話を成り立たせるのではなく関係者各位の名前、顔、専門分野などを考慮したコミュニケーションを取ることが「秘書」に求められます。
「上長の代理」「中継者」という立場になりますが、社外の人間と会話をしていく中で自身のコミュニケーション能力を高められます。
スキル②情報処理
書類や資料、プレゼン資料の作成、確認・修正では、「Word」「Excel」「PowerPoint」などを取り扱う機会が多く、誤入力しない正確性が求められます。
ここで得られるものをまとめると
- 基本的なPC操作
- 情報の取捨選択
- まとめる力(要約力)
の3つを同時に養えます。
スキル③語学・異文化に対する機会
インターン先によっては海外との取引を行っているところもあります。
もし、上長が海外の取引先との連絡を取り繕うことになれば、それも秘書インターンで参加している学生に任せる場合があります。
任せてもらえれば、語学や異文化に触れる機会を得た同然です。
インターン参加に伴って積んでおく経験はある?
秘書インターンに参加するにあたって、事前に学習しておくことや経験しておくことが1点あります。
それは「Word」や「Excel」など、PCの基本操作ができることです。
秘書インターンでは、来客対応や電話・メール応対などよりも、書類・資料の作成、確認・修正などの「事務処理」を行うことが多々あります。
基本的に資格所持を問わず、業界・職業完全未経験者を募っていますが、応募条件中には「基本的なPC操作ができること」を必須条件にしているところがあります。
このことを踏まえて、ある程度のPC操作ができるよう練習しておきましょう。
また、インターン参加のためにPC操作関連の資格取得をする必要はありません。
面接のときに、「普段PCを用いてこのような作業を行っている」という話をすれば問題ありません。
秘書インターンに参加!志望動機で周りに差をつける
「秘書」を目指している学生は多く、その足掛かりとして「秘書インターン」に参加志望を出しています。
参加志望の他の学生と差を付けるなら、ESや面接で問われる「志望動機」です。
具体的に「志望動機」のどの点で差をつけるべきかというと
【差をつけるポイント】
- なぜ秘書になりたいのか?
- なぜその企業なのか?
- 自身の強み
の3点です。
ポイント①なぜ秘書になりたいのか?
数ある職業の中から「なぜ秘書になりたいのか?」を最初に説明しましょう。
「自分は表舞台に立つよりも、誰をサポートする方が向いている」
「周囲に気配りをするのが好き」
などを述べてから、過去にどのようなサポート、裏方回り、気配りをしてきたのかを「具体的なエピソード」を添えて簡潔に説明しましょう。
ポイント②なぜその企業なのか?
「秘書」と一言で言い表しても、企業によって求めている秘書の特色は大きく異なります。
たとえば、社長や部長などのお役職持ちに1人付く秘書の場合は、「その付き人の色にあった対応」を重視して選んだり、チーム単位で受け持つグループ秘書の場合「仕事に優先順位を付けられる判断力」を重視しています。
企業が求める「秘書」の特色は、企業によって大きく異なります。必ずしも同色のものを求めているとは限りませんので、ご注意ください。
ポイント③自身の強み
上長の「秘書」として仕事をするために、アピールポイントになるものは以下の4つです。
【アピールポイント】
- コミュニケーション能力
- 気配り上手と言われる所以
- 計画性
- 基礎的なPCスキル
のいずれかをアピールテーマにして具体的な話をしてみましょう。
まとめ
以上が、企業や弁護士事務所などが募集を募っている「秘書インターン」の内容のご紹介でした。
秘書インターンで任せられる仕事は、参加先によって大きく異なりますが、基本は
- スケジュール管理
- 事務処理
- メール・電話応対
- 来客対応
の4点をベースに進行していきます。
インターン生であると同時に、上長の秘書という立場で社内外の社員から見られるため、人によっては重度のプレッシャーに感じるでしょう。
しかし、このプレッシャーの中で業務を遂行し、付き人をしっかりサポートできれば、大きな成長をもたらすきっかけになります。
インターン参加にずば抜けた才能を持ち合わせている必要はありません。
何事も「経験」として、まずは気楽に参加してみましょう。