「グループディスカッションではどんなテーマを聞かれるの?」「企業はどんなところを見ている?」「グループディスカッションの対策って何をすればいい?」と気になる方も多いのではないでしょうか?
確かに、グループディスカッションは学校でおこなうことも少ないですし、初対面の人と話すこと自体に苦手意識を感じる方も多くいますよね。
そこで今回はグループディスカッションで扱われがちなテーマや対策、企業が評価するポイントなどについて解説していきます。
これから就職活動やインターンの選考を受ける方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。
グループディスカッションとは?
グループディスカッションとは、与えられたテーマについて1グループ5~10人程度で、時間内に意見をまとめる選考方法を指します。
一般的に、応募書類や面接では評価されづらい個人の性格を企業が判断する方法として利用されています。
グループディスカッションでのコミュニケーションなどを見て、実際の仕事での振る舞いにつながる姿勢として選考に取り入れる企業はたくさんあります。
また企業側としては、一度にたくさんの応募者を評価できるといったメリットも!
多くの場合、いかに優れた案を出せるかどうかよりも、グループ内で個人がどのような役割を果たし貢献できたか、限られた時間の中でどれだけ密度の濃いものを生み出せたかを評価しています。
ですので、自分一人だけが一生懸命になりすぎてはいけませんし、逆にまったく会話に参加しないというものもよくありません。
グループ内のメンバーはライバル同士ではありますが、お互いに強調する姿勢が大事なのです。
グループディスカッションでよく出るテーマは大きく6つ!
グループディスカッションでよく出るテーマには以下の6つがあります。
ここでは、それぞれで扱われる具体的なテーマや対策についてご紹介します。
➀課題解決型
課題解決型とは、一つの課題や問題をテーマとして提示し、それについての解決策について話し合うものです。
企業によっては実際の業務にかかわるテーマを扱うケースも多くあります。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
課題解決型のテーマ
- 自社商品をより多くの人に知ってもらうには?
- 〇〇の商品の売り上げを伸ばすには?
- 〇〇代をターゲットにどんなサービスを提供すべきか
- 他社商品との差別化を図るには?
- 海外で流行った商品を国内に普及させるには?
課題解決型のグループディスカッションではおもに、問題に対する分析力や提案力などが求められます。
現状の把握や問題の背景をしっかり見極めること、そして解決策への論理的な根拠を述べることが大事です。
②選択肢型
選択肢型とは事前に選択肢を提示され、どれもしくはどちらを選ぶのがベストなのかをディスカッションするものです。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
選択肢型のテーマ
- 都心と地方どちらに住みたいか
- 晴れと雨のどちらがいい気候だと言えるか
- 東京以外の首都を決めるなら、大阪・京都・福岡のうちどれか?
- 新店舗を出店するならどこか
- 寿司とそばならどちらを世界に売り出すか
選択肢型のグループディスカッションでは、「なぜその選択肢なのか」を説明するプレゼン力や異なる意見に対する柔軟性、人の意見を尊重する協調性などをチェックされます。
グループディスカッションでは最終的に一つの結論にまとめる必要があるため、自分とは違う意見が出たときに真っ向から否定してしまったり、聞くときの態度などが悪かったりすると低評価につながるため要注意です。
③自由討論型
自由討論型では、おもに正解がないテーマをグループ内で結論を出すグループディスカッションです。
自由度が高いがために、グループ内で結論がまとめにくく、話の方向性や論点がずれやすい傾向にあるので非常に難しいといえます。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
自由討論型のテーマ
- 10年後に流行していそうなものとは?
- いい会社とは?
- 冒険に出るなら何が必需品なのか
- 「喜び」を色で表すと何色?
意外に思うかもしれませんが、自由討論型では論理的思考能力が必要です。
答えや正解がないなか、答えを出さないといけないので理由付けや一貫性が重要になってきます。
また、自分と同じ意見が出る方が珍しいため、制限時間内で一つの答えにたどり着くための協調性や時には方向性を正すリーダーっぽさもあるといいですね。
④ディベート型
ディベート型とは、賛成と反対のように相反する立場の役割が事前に与えられ、ひとつのテーマについて話し合うグループディスカッションです。
自分の本心とは違う役割を担う可能性もあるので、そういった意味では難易度は高いといえます。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
ディベート型のテーマ
- 24時間は必要かどうか
- 幽霊はいると思うか
- パン派かご飯派か
- 住むなら日本か海外か
ディベート型では、論理的な根拠や理由をベースに相手を以下に納得させられるかどうか、また過度にヒートアップしすぎない冷静さのバランスが必要となります。
⑤フェルミ推定型
フェルミ推定型とは、すぐに答えが出ないような問題に対して話し合うグループディスカッションです。
その場で明確な答えはでないものの、自由討論型ほど突拍子のない答えもないので、これまでの知識やヒントなどを参考にする必要があります。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
フェルミ推定型のテーマ
- 国内にある電柱の数
- 東京で1日に飲まれるコーヒーの数
- スニーカーをはいている人の数
- アメリカに住んでいる赤ちゃんの人数
すぐに答えが出ない問題だからこそ、必要な情報はどんなものがあるのかの見極めやすぐにあきらめない気持ち、数ある情報を組み立てていく能力などが問われます。
⑥実物作成型
実物作成型とは、グループで協力してひとつのものを作成するグループディスカッションです。
目に見えるものを組み立てたりして、最後にグループごとに高さや完成までのスピード、完成度の高さなどを評価します。
実際に議論するテーマ例は以下のものが挙げられます。
実物作成型のテーマ
- コピー用紙を使ってよく飛ぶ飛行機を作ってください
- パズルをなるべく早く完成させてください
- できるだけ高いタワーを作ってください
仲間と一緒にひとつのものを完成させなければいけないので、言わずもがな協調性やコミュニケーション能力が必須です。
また、作っている最中に失敗や上手くいかない場合もあるので、「予定通りにできないこと」「耐久力」「PDCAサイクルを回す能力」などが求められてきます。
内容別グループディスカッションのテーマ
グループディスカッションのテーマはほかにもあります。
ここでは、グループディスカッションで企業が取り上げがちなテーマについて4つ取り上げ、具体例についてご紹介します。
仕事について
とくに就職活動などでは、仕事や働くこと、働き方について聞かれることが多くあります。
具体的なテーマ例は以下のものがあります。
仕事についてのテーマ
- 社会人と学生の違いとは?
- 働くこととは?
- 社会人として働く上で大切なことは?
- 理想の上司のタイプとは?
- 部下のモチベーションを上げるには?
- どんな会社で働きたいと思うか
- 10年後の業界はどうなると思うか
発想力を問うもの
自由討論型では、個人の価値観や新しい発想を問うようなテーマも頻繁に扱われます。
正解がない分、発想の面白さやそれに伴う論理的根拠などが必要です。
具体的なテーマ例は以下のものがあります。
発想力を問うもののテーマ
- 幸せとは?
- 無人島にひとつだけ持っていくなら?
- 女性と男性ならどちらとして生きるのが得だと思うか
- やる気がない時にするべきこととは?
- 人は見た目か内面、どちらが大事?
- 自分が採用担当者ならどんな人を採用したいか
- 新しいオリンピック種目に追加するとしたら?
時事問題系
面接だけではなく、グループディスカッションのテーマでも時事問題や社会問題を取り上げる企業はたくさんあります。
具体的なテーマ例は以下のものがあります。
時事問題系のテーマ
- 日本の少子高齢化を食い止めるには?
- 感染症を収束させるには何が必要か
- AIの導入で社会はどう変わる?
- 日本の就職活動の問題点は?
- 日本の総理大臣には何を求めるか
制作系
半日など長時間にわたるグループディスカッションでは、口頭での発表ではなくプレゼンテーションや制作を伴うものもあります。
方向性を固めるだけではなく、ひとつひとつの作業を分担しいかにズレをなくすかが重要です。
制作系のテーマ
- 自社のイメージキャラクターを作ってください
- 新製品を効果的にアピールしてください
- 新しいサービスを紹介する動画やアプリを作成してください
- とある地方のイベントを企画してください
グループディスカッションの流れ
ここでは、グループディスカッションの基本的な一連の流れについてご紹介します。
グループディスカッションの流れは以下のものになります。
- テーマ説明
- 自己紹介
- 役割分担・時間配分の相談
- グループでの討論
- 意見をまとめて発表
- フィードバック
制限時間にもよりますが、グループディスカッションをする際のほとんどは初対面であることが多いので、いきなり本題に進むことはあまりありません。
基本的には、名前や年齢などちょっとした自己紹介から始まり、そこから書記や発表者などディスカッション内での役割を最初に決めてから進みます。
一般的なグループディスカッションの制限時間は30~1時間程度であることが多く、選択肢型などある程度結論が決まっているものほど短くなっていく傾向にあります。
発表では、始めに決めたリーダーや代表者が口頭でおこなうケースもありますが、紙やパワーポイントなどを使用するタイプも!
プレゼンテーション力やアピール力、まとめたものの完成度なども評価基準に含まれていたり、制限時間内にすべてを終わらせなければいけないグループディスカッションもあるため注意が必要です。
グループディスカッションにおける評価ポイント5つ
グループディスカッションで評価されるには、企業がどこを見ているのか評価されるポイントを掴むのが大事です。
ここでは、グループディスカッションで評価されるポイントについて5つご紹介します。
- 協調性
- 臨機応変な対応
- コミュニケーション能力
- 論理的な思考力
- 積極性
協調性
グループディスカッションでは、不規則に選ばれたさまざまな価値観や考え方を持つ人が集められています。
そしてそのなかで、ひとつの答えや結論を制限時間内にまとめなければいけません。
ですので、自分と違う意見にぶつかった際でも丁寧に相手の話を聞いたり、相槌をうって受け入れる姿勢を見せることがアピールになります。
反対に、ディベート型でも相手の意見を真っ向から否定したり、相手が話している途中に割り入ってしまったりすると協調性のない人だと評価されるため要注意です。
意見を話す際は、先に「なるほど」「確かに」と一旦受け入れてから、自分の主張を述べるのがベストですね。
臨機応変な対応
グループディスカッションでは、思考の柔軟性やその場の流れで臨機応変に対応していく力が大事。
とくに何かひとつのものを作り上げたり実物作成型ともなると、途中で上手くいかなくなってしまったり、時間配分を失敗して急遽まとめないといけない場面になることもあります。
どれだけ気を付けていても、初めて出会った人たちが集まっているので全てが上手くいくとは限りません。
不測の事態に陥っても落ち着いて行動できる、グループ内で盛り上がりすぎたら軌道修正できる冷静な行動ができると高評価につながります。
コミュニケーション能力
グループディスカッションにおいて、コミュニケーション能力は必須です。
なんとなくその場を仕切るリーダーに目が行きがちですが、話す回数が多ければ多いほどいいというわけではありません。
コミュニケーション能力では自分が話すばかりではなく、他人の話を聞く態度なども実はかなり大切。
例えば、グループ内で話す回数が少ない人に話題を振る、メンバー内で自分がいいと思ったことや納得できたことはしっかり褒める、反対意見でも柔らかく伝えるなど。
必ずしも全員と仲良くする必要はありませんが、意見が出しやすい良い雰囲気づくりを意識するのはできそうですよね。
論理的な思考力
グループディスカッションでは自由度の高いテーマも多く、面白い発想力が問われることもあります。
そこでは、必ず採用担当者に「なぜそう思ったのか」「どのようにしてその結論に至ったのか」を聞かれるため、物事に対して論理的な思考力を持っていなければいけません。
さらにどれだけ綿密な相談や理由があったとしても、長々と話してしまうと相手が理解しづらくなってしまうので、短く伝えるのもポイントです。
採用担当者であっても同じグループ内であっても求められる能力なので、もし苦手な方は「〇〇だと思います。なぜなら、~」というようにはじめに結論から伝えることを意識してみましょう。
論理的な思考力に関しては、なかなか1日で身につけられるものではないため、普段の会話やニュースをチェックしておくな度事前に対策するのもいいですね。
積極性
やりすぎもあまりよくありませんが、基本的にテーマに対する意見を積極的に発言できる人は評価されやすい傾向にあります。
なぜなら、このような積極性がある人がグループ内にいると、議論自体をスムーズに進めやすいからです。
やはり初対面で集まったメンバーなので、お互いに気を遣いはじめに誰が話すのかを気にしたり、人によっては自分から意見を言うのが苦手な人もいます。
そんな中、誰かが話し始めるだけでそのグループの空気も変わりますし、前向きだと意見もまとめやすくなります。
ただし、自分の積極性をアピールしたいがために自分ばかり話しすぎたり、否定的な人に対して感情的になると逆にマイナスポイントになる可能性があるため、注意してください。
~まとめ~グループディスカッションのテーマは対策が大事!
今回は、グループディスカッションのテーマについて対策を解説していきました。
グループディスカッションのテーマはさまざまなタイプがあり、それぞれで評価されているポイントや対策は異なります。
しかしそもそもグループディスカッションというのは、どんな結論を出したかというよりもひとりひとりの役割を自覚し、それに準じた行動ができているかが大事です。
企業は、仕事をする上で重要なコミュニケーション能力があるかをチェックしています。
ですので対策としては、自分ばかり話していないか、相手から理解されやすいような説明ができているのかなどを客観的に見つめてみるのが有効でしょう。
ほかにも個人で結果を出そうと意識するのではなく、チームとして貢献することを考えて動くとよりベスト!
また、もし志望する企業への熱量が高く対策をしたいのであれば、過去にどんなグループを取り扱っていたのか、タイプやテーマを調べておくのもおすすめです。