学生コラム

学歴ロンダリングとは?メリット・デメリットを解説

大学生活を送っている人は、「学歴ロンダリング」という単語を一度は耳にしたことがあると思います。

なんとなくネガティブな印象を持たれがちな学歴ロンダリングですが、思い切って学歴ロンダリングをした人には良いこともたくさんあります。

今回は、学歴ロンダリングについて詳しく知りたい方向けに、学歴ロンダリングの方法やメリット・デメリットをご紹介します。

なんとなくは知ってるけど、実際学歴ロンダってどうなの?と疑問に思っている方は必見です。

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学歴ロンダリングとは?

学歴ロンダとは「学歴ロンダリング」を略した言葉で、「大学院進学の際に自身の出身大学よりも更に上のレベルの大学院に進学すること」を指します。

元々はインターネットスラングから広まった言葉であり、ネガティブな文脈や意味で使用されることが多いです。

例:MARCH大学学部卒 ⇒ 東京大学大学院修了

就職活動等でESに記入する最終学歴ですが、学歴ロンダをすることで記入する大学名が修了した大学院になります。

そのため、資金洗浄という意味で使われる『マネーロンダリング』にかけて、学歴をごまかすという意味合いで『学歴ロンダリング』と言われてしまっています。

学歴ロンダはネガティブな印象なの?

学歴ロンダに関しては、元々がインターネットスラングの言葉であるので、インターネットで見られる学歴ロンダについての意見は辛辣なものも多いです。

しかし「学歴ロンダをした」と言われている人は全員大学院の試験に合格して入学してきている人達です。

一定の能力レベルは担保されているはずです。学歴ロンダをしていない内部生からそこまで責められることはまずありませんし、ネットの印象を気にせずに行動した方が良いです。

また、学歴ロンダの数字を表す例として、東京大学の大学院入学者の内訳を見てみましょう。

東京大学からそのまま院に進学した学生と、他大学から院に進学した割合は以下のようになっています。

理学系:本学から181人、他大学から171人(48.5%)
工学系:本学から590人、他大学から251人(29.8%)
農学生命科学:本学から142人、他大学から154人(52.0%)
引用元:大学院学生の入学状況(修士課程・専門職学位課程・平成30年5月1日現在)

以上のデータを見ると、理系学部の東京大学院生は他大から来た人もたくさんいることが分かります。学歴ロンダを引け目に感じずに、まずは自分の将来を前向きに考えて行動しましょう。

学歴ロンダリングの目的は?

では、学歴ロンダをする一般的な理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

大きく分けると「就職のため」と「研究のため」の2点を主な理由に学歴ロンダをする人が多いようです。次に詳しくご紹介します。

就職のため

学歴ロンダによって就職活動を有利に進めたいと考える人もいます。

前述したように、学歴ロンダをすると、就職活動の書類審査でESに記入する最終学歴の欄に、学部生まで通った大学よりもレベルアップした大学を記入することができます。

俗にいう「学歴フィルター」も突破しやすくなるため、書類審査は通りやすくなるでしょう。

また、進学した大学院で人脈を広げられれば、元の大学よりも様々な人と連絡をとることも可能になるでしょう。例えば有名企業に就職した先輩にOB訪問する、なんてことも容易いと思います。

以上のように、就職活動で有利な環境に身を置くために学歴ロンダをする人もいるでしょう。

研究のため

実際に大学院に通っている人に話を聞いてみると、学歴ロンダをしようと思う目的はほとんどが研究・ゼミにあるそうです。

「この研究をしたいんだ!」と新しい研究室に進んでいる人は、私の周りにも多くいました。

そもそも大学院は研究に時間を費やすところですし、就職活動のみをモチベーションに進学するには、2年間は長すぎますよね。

自分のやりたい研究のために研究室を選んだ結果学歴ロンダになり、その副産物として就職に有利になった、という人がほとんどだと考えてよいでしょう。

学歴ロンダリングのメリット3つ

ここまでの文章を読んで、学歴ロンダについてのネガティブな印象が変化した人も多いのではないでしょうか。

次に、学歴ロンダのメリットについて詳しくまとめます。今の大学より上の大学院に行こうか迷っている人は、是非ご一読ください。

  1. 就職に有利になる
  2. 学歴コンプレックスを解消できる
  3. レベルが上での大学院でも合格しやすい

➀就職に有利になる

前述したように、学歴ロンダをすると、就職活動の際に「学歴フィルター」を突破しやすくなったり、人脈を駆使して有名企業に入社した先輩へのOB訪問が容易くなったりします。

しかし、注意してほしいのが「有名企業から必ず内定をもらえる」わけではないということです。

有名企業の選考に進みやすくなるのは確かですが、そこから内定につなげるためには自分の実力が必要です。

大学院に進学できたからと言って油断していると後悔する結果になるので、必ず努力しましょう。

②学歴コンプレックスを解消できる

大学生のなかには、大学受験で失敗してしまい今の大学に不満があるという人もいるでしょう。そんな人が抱えがちなのが「学歴コンプレックス」です。

学歴コンプレックスを抱えていると、自分に自信が持てなくなってしまいますよね。

学歴コンプレックスによって就職活動等人生の大事な局面においても消極的になってしまう場合があり、あなたの人生全体にも悪い影響をもたらす可能性があります。

学歴ロンダでレベルが上の大学院に進学することは全く問題のない行動ですし、学歴ロンダのおかげで自分の学歴コンプレックスが少しでも緩和されるのであれば、学歴ロンダを真剣に検討しましょう。あなたの人生がプラスになることを祈っています。

③レベルが上の大学院でも合格しやすい

大学院への進学を希望する人は、大学受験をする人よりかなり少ない人数です。

倍率が高くないという意味では、大学受験よりはレベルが上の学校を受験しても合格する可能性が高くなります。しかし大学院の試験自体が簡単であるという訳ではありません。

しっかり対策して試験に臨まなければ確実に不合格になります。

油断に注意しましょう。

学歴ロンダリングのデメリット6つ

一方で学歴ロンダにはデメリットもあります。

次にデメリットを詳しくご紹介するので、学歴ロンダをする必要があるかどうか冷静に判断しましょう。

  1. お金がかかる
  2. 人間関係に苦労する可能性がある
  3. 文系の学歴ロンダは就職活動に有利でない場合もある
  4. 学歴ロンダに失敗する可能性もる
  5. 社会人としてのスタートが遅れる
  6. 授業のレベルについていけないおそれがある

➀お金がかかる

大学院の学費はやっぱり高いです。大学院に入学するために、受験費用や入学金の支払い等も必要になります。

まだ学生のうちは高い費用を支払うことは出来ませんので、院進学を決意したら一刻も早くご両親に相談しましょう。

経済的に厳しい場合は、奨学金を借りて進学する方法も考えなければいけません。

大学院からは進学を希望する人が少ないため、他の人より社会に出るまでにお金がかかってしまうことをきちんと自覚して、それでも進学するのかをよく考えましょう。

②人間関係に苦労する可能性がある

新しい研究室に進むということは、また一から新しい人間関係を構築する必要があります。

学部生の時の仲間はいませんし、もしかしたら周りは学部生時代からの知り合い同士という人ばかりかもしれません。

その中に入って馴染んて行くというのはなかなか大変だと思います。

それでも、新しい研究室でやりたいことがあるなら、もちろん新しい研究室に進んだ方が良いですし、極端なことを言えば新しい人間関係に期待しなければどうにでもなります。

人間関係で苦労するかもしれない、ということだけ覚えておけばそんなに心配しなくても良い、と個人的には思います。

③文系の学歴ロンダは就職活動に有利でない場合もある

ここまで話してきた学歴ロンダですが、実は就職活動に有利なのは主に理系の学生です。

文系の学生は、卒業後専門職に就職する人や就職活動に有利な資格をとる目的で院進学する人を除けば、院進学自体がかなり就職活動におけるリスクが高いといえます。

学歴ロンダをした場合でも同様です。それでも院進学をしたい、研究したい分野があるというならもちろん応援しますが、就職に有利になると思い込んで学歴ロンダを考えている場合は、考え直した方が良いでしょう。

④学歴ロンダに失敗する可能性もある

前述したように、大学院入試は倍率が低いだけで試験自体が簡単というわけではありません。

受験して不合格になることも十分に考えられます。

大学院の試験は大学4年生の夏休みまでに実施されるのが一般的です。

それまで、院進学することだけを考えていると不合格になった時にどうすれば良いか分からなくなってしまいますよね。不合格になってしまった人の進路は主に5つあり、

  1. 諦めて就職活動
  2. 来年就職活動をするため留年
  3. コネで(志望していない)大学院を紹介してもらう
  4. 後期試験を受ける
  5. 大学院試再度受験のため浪人

があります。

失敗しないためにも併願で受験をしましょう。大学受験だと併願はできませんが、大学院試では国立大学でも日程が被らなければ併願可能です。

他の国立大や私立も受けてみるなどして不合格を回避しましょう。

それでもすべて不合格になってしまった場合に、自分の進路をどうするのかを事前に決めておくことも必要です。

不合格にならないことが一番ですし、あまり考えたくはない事柄ですが、自分の大事な進路だからこそ進学できなかったときのことも考えて色々な人に相談してみるのが良いでしょう。

⑤社会人としてのスタートが遅れる

大学院に進学すると、学部卒の人と比べて2年程度社会人としてのスタートが遅れます。

2年後に新入社員として自分は働きながら、ほかの同世代は先輩などになってしまうので人によっては疎外を感じることも。

ほかにも企業によっては人件費の高い修士卒をあえて取らないところもあるので、自分が目指す業界や職種、企業が修士卒でも募集をおこなっているかどうかチェックしておくといいでしょう。

⑥授業のレベルについていけないおそれがある

希望していた大学院に進学したはいいものの、あまりにも自分の学力と合わないところや研究内容が異なれば、入学後についていけないなんてこともあります。

ほかの学生はずっとその学校で学んできただけあって慣れていますが、モチベーションの維持が大変になってしまうリスクもあります。

またほかの人よりも研究期間が短くなり、修士論文の作成に苦労するケースも少なくありません。

修士1年の時点でかなりの研究期間や知識量に差が開いているとなると、労力が必要となるため相当な覚悟がいります。

学歴ロンダリングで気を付けるべきこととは?

先にも述べたように、学歴ロンダリングにはメリット・デメリットがあります。

ここでは、学歴ロンダで気を付けるべきことについていくつかご紹介します。

企業や業界、アピールの仕方によっては学歴ロンダリングが不利に働く恐れもあるので注意してください。

大学院のネームバリューを優先しすぎる

大学院のネームバリューばかりを優先しすぎると、本来の目的を見失い敬遠されるおそれもあるので要注意です。

そもそもは研究や学問への理解を深めるためなのに、肩書のみを求めて失敗する大学生は実は少なくありません。

肩書ばかりを優先しすぎる学生はモチベーションが低く、担当している教授から思ったような評価を受けられないこともあります。

学歴ロンダリングの目的が就活のみになっている

就活のためのみので学歴ロンダリングを考えているのなら気を付けなければいけません。

選考時にも「なぜ院に進学したのですか?」「〇〇から〇〇に学校を変えたのはどうしてですか?」と企業に聞かれることもあります。

目的のない院進だと判断されれば、人事や採用担当者にも悪い印象を与えてしまいます。

しっかり説明できるようにする程度には、学歴ロンダリングの目的を明確にしておくようにしましょう。

文系・理系別!学歴ロンダリングの就活への影響

一般的に学歴ロンダリングは、文系・理系問わず企業にとって好印象を与えるケースが多いとされています。

ここでは、文系・理系別に学歴ロンダリングが就活に与える影響について解説します。

文系の場合

分家の場合、法律や経済の知識が必要な公務員だと学歴ロンダリングが通用するケースが多いとされています。

しかし文系でも専門性を重視しない企業はたくさんあります。

実際に採用実績のある学校や学科などを公表している企業もあるので、チェックしておくといいでしょう。

あらゆる学部・学科の採用実績があれば、学歴ロンダリングはそこまで影響しないと考えられます。

理系の場合

理系の場合、特に研究職や技術職だと院進しているかの最終学歴を重視する傾向が強いでしょう。

中でも研究開発職などだと、少しでもレベルの高い学歴があれば有利に働きやすいです。

しかし理系の企業であっても、企業の社風や職種のニーズによっても異なります。

たとえば、「学歴の高さではなく業務に近い研究をしていたかや出身学部」「院進よりも少しでも社会人経験を積んでいるほうが良い」といった企業もあります。

自分と似たような研究をしてきた先輩や、希望企業がどんな人材を募集しているのかを見ておくと参考になります。

学歴ロンダリングは必ずしも就活で有利になるわけではない!

今回は学歴ロンダリングが企業に与える印象について詳しくご紹介し、メリットやデメリットをまとめました。

学歴ロンダには最終学歴を少しでも良く見せるといった、ややネガティブな印象を与える言葉として使われていますがメリットもあります。

異なる学校に通って学ぶことでより学問や研究の知識を深められますし、企業によっては好印象を残せたりもします。

しかし、学歴ロンダリングを就活の目的としてのみにするのはよくありません。

面接時にも院進の理由は聞かれますし、すべての企業が学歴ロンダリングを重視しているとは限らないからです。

あくまで学歴は武器のひとつとして考え、自分が入社後にどんな仕事をしていきたいかをアピールすることが大事。

今回の記事を参考に、自分の将来のキャリアプランを考えたうえで院進を判断してくださいね。

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