最近では、大学を休学して長期インターンや課外活動をおこなっている学生も増えてきています。
しかし、やはり休学を選ぶ人はまだまだ少数派で、「本当に休学するほどのことなのか」「就活や復学などはできるの?」と不安に感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、休学して長期インターンに参加するメリット・デメリット、後悔しないためのインターン先の選び方などについてご紹介します。
休学が就活に与える影響についても触れるので、休学しようか迷っている方はぜひ参考にしてみて下さいね。
休学とは?
休学とは「復学を前提として、大学に籍を置いたまま一定期間の休み得られる」制度のことを指し、基本的にはどの大学でも適用されます。
休学が空け復学を希望する場合、復学届を提出し認めてもらってから再びキャンパスライフを送るスタイルとなっています。
期間や申し込み方法、受理されるまでの時間など休学の細かい規定は大学によって異なるため、必ず自分が通っている大学に問い合わせることが大事です。
ここでは、大学生の休学事情について詳しくご紹介します。
休学の期間
学校によっても異なりますが、一般的に休学では前期・後期の半期単位、あるいは1年単位で休める仕組みとなっています。
また休学期間は最大2年間としている学校が多いといわれています。
また休学に必要な申請期間についてですが、休学を希望する1~2ヵ月前までに申請を済ませておかなければいけないので、計画的に準備しておく必要があります。
よく申請した日から休学ができると思っている方もいますが、間違いなので注意しなければいけません。
もし申請で不備が合った場合、授業料の免除を受けられなくなるのおそれも。
先にも述べたように休学の定めは学校によって異なりますので、必ず事前に大学の休学条件をチェックするようにしましょう。
休学中の学費
休学期間中の学費については、国立大学と私立大学に通っているかよって金額が大きく異なるといわれています。
たとえば私立大学の場合、一部負担もしくは免除という形が一般的です。
授業料の一部を免除してもらえたり、授業料は免除対象でも在学費は支払うなど学校によってさまざま。
もちろん学校にもよりますが、休学費は10万円以下の学校が多い印象が強いです。
反対に国立大学は基本的に全額免除のケースがほとんど。
ただし休学期間中の学費の取り扱いは学校によって異なりますので、事前の確認は必要です。
さらに休学では学費だけではなく奨学金制度にも注目しなければいけません。
休学期間中は奨学金の受け取りができないため、もし入学の際に奨学金を申請しているのであれば、自分の意志だけではなく前もって家族ともよく相談するようにしなければいけません。
休学するおもな理由
休学する理由は人によってさまざまですが、「自分のやりたいことに集中したい」「興味のあることを突き詰めるのにまとまった時間が欲しい」といった理由であることが多いです。
遊びや趣味に没頭するのではなく、将来に役立つ経験を積むために休学期間を利用したいと考えるのです。
なお、具体的な休学の理由には以下のものが挙げられます。
- 長期インターンに参加して就活や企業に役立てたい
- 海外へ留学して語学スキルを身につけるため
- ボランティアなどを通じて社会に貢献する
- 世界一周旅行にチャレンジして新しい価値観に触れたい
休学制度は半期~2年といったかなりの長期休暇にあたるため、将来に向けた自分のベース作りをおこなうために実践する学生がほとんど。
なかでも長期インターンに関しては実践的な社会経験を積めるので、やりたい業界や職種が決まっている人は学生のうちに何かしらの結果や実績を作りたい方にはおすすめです。
実際、休学中に長期インターンへ参加する学生も徐々に増えてきています。
休学中に長期インターンに参加するメリット5つ
「休学をしてまで長期インターンに参加するメリットなんてあるの?」と気になる方もいるでしょう。
おもに長期インターンに参加するメリットには以下のものが挙げられます。
- 社会人経験・スキルが積める
- 社員と同じように働ける
- 自己分析に時間をかけられる
- 働くイメージが見える
- 就活で有利になる
➀社会人経験・スキルが積める
休学して長期インターンに参加するメリットには、社会人経験やスキルが積めるといったものが挙げられます。
「休学しなくてもインターンには参加できるでしょ」と思う方もいるでしょうが、ほかのインターン生よりも長い時間仕事に従事できるので得られるスキルも多いです。
たとえば休学せずに長期インターンに参加した場合、1日4時間程度を週に3日参加するのが限界ですが、休学をすればフルタイム勤務ができます。
長い時間働けば働くほど実績も作りやすくなり、任される仕事の裁量も広がるので周囲のインターン生との差別化もはかれます。
またエンジニアやデザイナーといった専門的な職種の場合、就活でもポートフォリオの提出や経験の有無が必要となることも多いので、学生のうちに学んでおくことをおすすめします。
②社員と同じように働ける
休学では時間が充分確保できることから、社員と同じスタイルで働けるといったメリットがあります。
学生という立場で社員と同等の仕事量や時間で働くことによって、ビジネス的成長や専門的スキルも身につけられます。
インターンでは、営業や企画、マーケティングなどを経験できますが、やはりはじめは事務処理的な作業が多いです。
しかし、休学をして長期インターンに参加すれば、ほかの就活生よりも研修もスピーディに済むので、早い段階で戦略的なことを考える仕事を任せられるケースも。
さらに長期インターンでは、仕事に求められるパフォーマンスや社会人として必要なビジネスマナーを学べるメリットもあります。
③自己分析に時間をかけられる
休学して長期インターンに参加するメリットには、自己分析に時間をかけられるといったメリットがあります。
インターンでは、「自分の得意なこと」「自分の適性」を判断することができます。
就活では、スキルや興味関心・価値観といった自己分析が何よりも重要であり、おろそかにしてしまうとミスマッチや早期離職につながる可能性もあります。
実際の業務を体験しておくことで、本当に自分に合った仕事かどうかを見極められるので、将来のキャリアを考える上ではかなり有効だといえるでしょう。
④働くイメージが見える
長期インターンに参加することで、よりリアルに自分が働くイメージが見えます。
とくに長期インターンでは実際の業務について体験できますし、職場の雰囲気なども把握できます。
どれだけ志望度が高い業界や職種であっても「思ったのと違った」「自分がしたい仕事ができなかった」といったケースは実はよくあること。
せっかく入社できたとしてもすぐに辞めてしまうともったいないので、インターンに参加することで事前に知っておくべきなのです。
したがって、進路に悩んでいる方や周りに流されてしまいやすい人こそ、積極的にインターンに参加するようにしましょう。
⑤就活で有利になる
大学生のうちに長期インターンを経験している人は実はかなり少数派なので、休学して長期インターンに参加すれば就活でもかなり注目されます。
たとえばガクチカではアルバイトや短期インターン、サークル活動などを取り上げる人が多いですが、休学してまで長期インターンに参加しているともなると仕事へのモチベーションの高さをアピールできます。
さらにほかのインターン生よりも長い時間を費やしてきたことから、より具体的でかつ再現性の高いエピソードを話せるメリットもあります。
なかにはインターン先で何らかの実績や結果を残せたら、そのまま早期選考ルートを案内してもらえる企業も。
ただし必ずしも休学して長期インターンに参加したからといって就活が成功するとは限らないため注意が必要です。
ただ何の目的もなくインターンに参加するのではなく、主体的に動くことや結果を出すことが何よりも大事なのです。
長期インターンの参加率は3%!?参加する学生の特徴とメリットも解説
休学中に長期インターンに参加するデメリット4つ
休学中に長期インターンに参加することはたくさんのメリットがありますが、反対にリスクやデメリットなどもあるため注意しなければいけません。
そこでここでは、休学中に長期インターンに参加する際に考えられるデメリットについてご紹介します。
- 場合によっては無駄な時間を過ごしてしまう
- 学年が離れて同級生とつながれなくなる
- 卒業までに時間がかかる
- 復学への意欲がなくなる
➀場合によっては無駄な時間を過ごしてしまう
休学中に長期インターンに参加することは確かにメリットがありますが、何の目的や目標もなくただ何となく参加してしまうと無駄な時間を過ごしてしまいます。
そうなると、わざわざ休学してまでインターンに参加する必要はなく、短期インターンやアルバイト、サークル活動のほうがかえって経験を積めることも。
選考の際でも、「なぜインターンのために休学したのですか?」と理由や目的などを質問されるので、きちんと答えられるようにしておかなければいけません。
したがって、「〇〇のスキルを身に着けるため」「会社の構造について知るため」など目核な目標や目的を決めておきましょう。
②学年が離れて同級生とのつながれなくなる
休学をすることで、これまで仲の良かった同級生とのかかわりがなくなることもまた、人によってはデメリットに感じるようです。
学年もずれてしまうため復学しても授業でも会わなくなったり、話題もズレて孤独を感じるといったケースもあります。
さらに休学すれば、当然ですがほかの同級生が自分よりも早く卒業してしまうため、学業へのモチベーションが下がることも。
しかし休学中でもサークル活動などを継続していれば、少なくともサークル内での人間関係は続きます。
もし復学後の孤独感や少しでも同級生と繋がっておきたいのであれば、定期的にサークル活動に参加してみたり、プライベートで会う頻度を増やしてみるといいでしょう。
③卒業までに時間がかかる
休学中は単位の取得ができなくなるので、卒業までに同級生との差が生じてしまいます。
休学した期間によっても異なりますが、おおよそ1~2年近くずれるので精神的負担が伴います。
さらに一人暮らしの場合、在学期間が延びることから生活費などの捻出が難しくなり、金銭的な問題が発生することもあります。
先も述べたように休学期間中は奨学金の受け取りができませんので、奨学金をもらっている方は注意しなければいけません。
ただし奨学金に関しては、復学後に申請をおこなえば再び受給できるので、必ず事前にチェックするようにしましょう。
④復学への意欲がなくなる
休学によくあるケースですが、復学への意欲がなくなるといったリスクもあります。
とくに長期インターンに参加した場合、「復学するよりも実戦的な経験がつめるインターンの方が有益」「復学の手続きが面倒」「学費を払うのが負担」といった理由でそのまま大学を中退してしまうケースも。
したがってインターンに参加する際は参加する目的を考えることも大事ですが、そもそも大学に通っている意味や復学のタイミングなどについても考えておくようにしましょう。
休学が就活に与える影響とは?
休学中に長期インターンに参加するのはメリット・デメリットがありますが、なかには「学業よりも優先すべきなの?」と心配する方もいるでしょう。
ここでは、休学が就活に与える具体的な影響について解説していきます。
長期インターンのために休学するかどうか迷っている方はぜひ参考にしてみて下さいね。
休学が原因で就活が不利になることはない
結論から言うと、休学が就活の評価に直接的な影響を与えることはないといわれています。
逆に学校以外ので培った経験や具体的なエピソード、実績などがあれば、評価の対象になる可能性が高く、ほかの就活生との差別化をはかれるメリットもあります。
しかし、休学中にインターンへ参加した経験が評価されるかどうかは目的とその成果次第によって変わってくるため要注意です。
とくに日本国内ではまだまだ休学が浸透していないことから、「なぜ休学してまでインターンや課外活動に力を入れたのか」「大学に通いながら両立する方法はなかったのか」といった質問をされる可能背Uが高いです。
したがって、休学という選択自体は間違いではないものの、「成し遂げたいことは何か」「休学中のインターンで学んだこととや身につけたこと」を明確に伝えられる準備をしてくことが大事です。
休学理由によっては就活が有利になることも
休学中に参加したインターンで得た経験や休学理由がしっかり伝えられれば、就活の選考において有利に働く可能性が高いといわれています。
なぜなら、インターンによって身に付けたビジネス的な思考力やスキルは企業側にとって即戦力として魅力的にうつるからです。
もしアピールしたいのなら、インターン期間中どのようにプロセスを踏んでどういった実績を残したのかを、より具体的に伝えられるように数字やエピソードを盛り込むのがコツです。
さらに大卒が条件の企業であれば、卒業できる見込みなども伝えておくとよりいいかもしれません。
また日本では休学して長期インターンに参加するケースは極めてまれなので、就活の選考の場でもやはり相手には強い印象を与えます。
せっかくほかの就活生とは違った経験をしてきたからこそ、企業で活かせる能力やスキルがあることをしっかり伝えられるようにしましょう。
後悔せずに休学中に長期インターンに参加するコツ3つ
休学中に長期インターンに参加するとなると、やはりリスクはつきものです。
またそもそも長期インターンではほかの短期インターンに参加するよりも、期間や任される責任が重いため生半可な気持ちでの参加はおすすめしません。
そこでここでは、後悔せずに休学中に長期インターンに参加するためのコツやポイントなどについてご紹介します。
インターンへの参加は事前準備が重要なので、以下のポイントを意識してみて下さい。
- 明確な目的や目標をもって参加する
- 復学の期限を事前に決めておく
- 家族とよく相談する
➀明確な目的や目標をもって参加する
先にも述べたように、何の目的や目標を持たずに休学中に長期インターンに参加すると、実績や結果を得られず後悔してしまうおそれがあります。
実際に長期インターンに参加する前には、必ず「何のために休学をして長期インターンに参加するのか」「インターン先でどんなスキルや能力、結果を得たいのか」を明確に決めておくようにしましょう。
さらに、得たスキルや能力を入社後にどのようにして活かしていきたいのかや、起業の意志があるなど具体的に何に繋げたいのかまで考えておくのも大事です。
その方が復学した後も自分がやるべきことがわかるので、スムーズに就活で役立てられます。
②復学の期限を事前に決めておく
もし長期インターンをきっかけに休学をするのであれば、復学までの期限を事前に決めておくようにしましょう。
あらかじめ期限を決めておくことで、復学や学業へのモチベーションをなくさないままインターンに集中できるはずです。
先にも述べたように休学から復学するのには手続きも必要となりますし、インターン先の方が有益だと思えば復学すらしないケースも珍しくはありません。
休学を許可した家族にとっても、そのまま大学中退となってしまっては残念だと感じるため、計画性をもってインターンに参加することが大事です。
インターンに対して参加することを目的とするのではなく、そこで得た経験を学生生活や就活にも活かせるようにするのがベスト。
締め切りを設けることで中途半端にならず、よりインターンにも学業にも力を入れられることでしょう。
③家族とよく相談する
休学は自分の意志だけでは通用しません。
無断で休学をした場合、大学の学費を払ってくれている家族との信頼関係も崩れるおそれがあります。
だからこそ長期インターンだけではなく、休学を検討しているのであれば事前に家族に相談し、納得してもらうようにしてください。
また家族と相談する際は、「長期インターンに参加する目的」「休学する期間」「復学のタイミングや見通し」などをしっかり説明することがポイントです。
途中まで学費を払っている家族にとっては、「いつまで休学するのか」「学業との両立はできるのか」など不安だらけです。
インターンに参加するのであれば、せっかくなら家族にも応援されながら経験を積めるようにしておきましょう。
しっかり情報収集をして休学中に長期インターンに参加しよう!
今回は、休学して長期インターンに参加するメリット・デメリット、後悔しないためのインターン先の選び方などについてご紹介してきました。
短期や授業を受けながら参加できるインターンもありながら、休学して長期インターンに参加するのはかなり大きな決断です。
ほかの学生では経験できないスキルや能力を獲得できるメリットもありますが、卒業のタイミングがずれるなどのリスクもあるため慎重に判断しなければいけません。
休学する際はとくに「長期インターンに参加する目的や目標」「今後どうしたいのか」「復学のタイミング」など、事前にしっかりと計画性を持って取り組む必要があります。
周囲に休学してインターンに参加する人は少ないと思いますが情報収集をおこない、そして家族ともきちんと話し合って決めるようにしましょう。
今回の記事を参考に、有意義な長期インターンを目指してみてくださいね。