とくに大学3年あたりになると、3ヶ月以上の長期インターンに参加する学生も増えてきます。
長期インターンでは短期インターンや一日で完結する者よりもより深く、業界や企業についての理解が深められます。
しかし長期インターンを開催する企業のなかには、「無給で長期間学生を働かせる」「後悔している情報と実際のぎ業務や条件が異なる」などの悪質なものもあります。
上記のような一部の怪しい企業があることで、長期インターン全体のイメージが悪くなっているケースも少なくありません。
そこで今回は、怪しい長期インターンの特徴や見分け方などについてご紹介します。
これから長期インターンに参加する方や、信頼できる企業を探している方はぜひ参考にしてみて下さいね。
怪しい長期インターンのタイプは3つ
全てのインターン先が怪しいというわけではありませんが、一部には学生だからと理不尽な条件を課してくる企業もあります。
長期インターン先はたくさんあり、おもに怪しいインターンだとされる企業には以下の3つのタイプに分けられます。
- 無給タイプ
- 規定時間外・残業が多い
- 早期離職率が高い
➀無給タイプ
社員と変わらない労働を求められるにも関わらず無給の長期インターンは注意しなければいけません。
ここでいう労働者とは、おもに企業に対して利益を生み出す仕事のことを指します。
企業が働いている人を労働者とみなす場合、その労働に対して最低賃金を支払わなければいけない決まりとなっています。
反対に短期インターンや1日で完結するような「職場見学」「ワークショップ」は会社の本来的な業務には含まれません。
たとえば、「通常業務が会社の指示・管理に基づいている」「勤務時間や場所が決まっており、特定の時間拘束されている」「上司の承認がないと仕事が進められない」「遅れた場合には減給など制裁がある」などは社員と同等の扱いなので、インターン生であっても労働者となります。
また、会社の経営に必要な営業活動の一部をインターンとして経験している場合でも、労働者扱いになります。
具体的にはコンサル系や営業系のインターンといった、企業の売り上げに直結する仕事などが挙げられます。
上記の職種を取り扱う企業のなかには「やりがい搾取」と呼ばれるものや、学生の知人や友人に契約をあっせんすることを強要する企業もあるため慎重に見極めなければいけません。
電話対応やテレアポ、会社の営業活動のためのイベント設営などは本来的な業務に該当するため、労働者であるにも関わらず賃金が支払われない場合、企業として怪しいとみたほうが良いでしょう。
②規定時間外・残業が多い
無給であるnも問題ですが、規定時間外での業務や残業が多い長期インターンも怪しい企業に含まれます。
基本的に長期インターンの求人には、働く時間帯が募集小康に記載されているものです。
長期インターンでよくあるケースとしてはたとえば、「平日は9:00~18:00の間で5時間」「休日は9:00~15:00の間で4時間」など。
学生は学業もあるため、ほかの社員と同様の8時間ではなく無理のない時間帯や曜日をシフトとして提出します。
しかし働く時間が決まっているにも関わらず、「頻繁に定時を超える」「労働時間よりも早く来ることを強いられる」「残業が多い」といった場合は要注意。
なぜなら、時間外労働に対する給与が発生しない場合があるからです。
通常社員の場合だと、残業をした際は残業手当がつくものですが、悪質な企業の長期インターンだと学生を使いやすい労働力だとみなし、給与が支払われないといったケースもあるといわれています。
とくに企業の口コミなどで「時間外労働が多かった」「残業代が出ない」といった社員の評価があれば、インターン先としても就職先としてもおすすめできません。
もし参加してから気づいたといった場合は、まず会社に改善を求め、直らないようなら早めに離れるようにしましょう。
上記のような特徴があれば、就活でもインターンを辞めた理由として正当なので安心して伝えられます。
③早期離職率が高い
やたらと早期離職率が高い企業は、インターン先としてもおすすめできません。
なぜなら、長期インターンは多くの場合だと3ヶ月以上続けるものですが、1ヶ月も立たない内に辞めてしまう人が多い長期インターンには何かしら企業側に問題がある可能性が高いからです。
よくあるケースとしては、「インターンの募集要項に掲載されていた内容と違うことが多い」「学業を優先させてもらえない」といったものが挙げられます。
ほかにも「時間外労働や残業が多い」「給与が求人情報より少ない」「テスト期間に休みを取らせてもらえない」など、柔軟性に欠けることもあります。
したがってインターン先を探す際は、必ず他のインターン生がその企業でどのくらいの期間インターンを続けているのかをチェックしておくようにしましょう。
注意すべき怪しい長期インターンの特徴7つ
長期インターンをおこなう企業はたくさんありますが、なかには先ほど紹介したような悪質な企業もあります。
そこでここでは、注意すべき怪しい長期インターンの特徴についてご紹介します。
以下の特徴に当てはまる企業は、怪しい長期インターンである可能性が高いため注意するようにしましょう。
- SNSの勧誘がやたらと多い
- 会社の口コミが少なすぎる
- 法律が遵守されていない
- 募集要項と実際の仕事が違う
- 大量採用をおこなっている
- やたらと高時給である
- 完全歩合制
➀SNSの勧誘がやたらと多い
最近では、就活やインターン先もSNSを使って企業を探す方も少なくありません。
しかしやたらと「長期インターンの相談乗ります」「長期インターン先紹介します」など、先輩や知人、SNSから勧誘が届くといった場合は注意しなければいけません。
もちろん上記のメッセージを送ってくる企業が全て怪しいとは言えませんが、「強引に長期インターンをすすめてくる」「やたらとしつこいメッセージが続く」のなら警戒した方がいいです。
なぜならOB・OGの立場を使ってメッセージしてくる人のなかには就活生と面談することで成功報酬もらっている可能性が非常に高く、企業としての社会的信用度はかなり低めだからです。
もしSNS経由で長期インターンを紹介してもらった際は、運営会社が信用できる場所なのかや具体的な事業内容、業務などが明らかにされているかをチェックするようにすることをおすすめします。
②会社の口コミが少なすぎる
長期インターンを募集している企業は、スタートアップ企業やベンチャー企業など、比較的従業員数や事業規模が小さいといった傾向が強いといわれています。
したがって、「社会的知名度が低い」「会社名で検索しても口コミや評判が出てこない」といったこともすくなくありません。
しかし、「企業の公式ホームページサイトらしきものが見つからない」「口コミがひとつも見つからない」場合、運営している可能性自体が低いので警戒が必要です。
さらに選考中にも「なかなか連絡が返ってこない」といったケースも、企業としての信用問題に関わるためできるだけ避けたほうが良いでしょう。
③法律が遵守されていない
労働基準法や最低賃金制度など、基本的な法律が守られていない企業は言うまでもなく怪しいです。
長期インターンシップは短期インターンや1日型のインターンと異なり、企業内で社員同様の業務や仕事量を求められるため、労働基準法が適応されます。
さらに給料についても短期インターンとは違い、働いた分だけ有給ですし、都道府県ごとの最低賃金を下回らないことが決まりとなっています。
したがって口コミサイトなどを見て「やたらと給料が低い」「未払いの経歴がある」「拘束時間が長すぎる」といった評判がある企業は要注意です。
また長期インターンを斡旋している就活エージェントなどが、きちんと有料職業紹介免許を取得しているかもチェックしておくといいでしょう。
なぜならエージェントといった人材紹介業を行う企業は、一般的な業種と異なり、「有料職業紹介免許」を取得する必要があるためです。
大手の就活エージェントなら基本的に問題ないでしょうが、なかには悪質なところもあるのでぜひ参考にしてみて下さいね。
④募集要項と実際の仕事が違う
悪質なインターンをおこなう企業は、「求人内容と実際の仕事内容が違った」といったことがほとんどです。
たとえば、「インターンに参加したら求人内容に書かれていなかった違う仕事を任せられた」「募集要項に記載されていた額よりも少ない給料だった」「長時間労働を強いられた」という企業もあります。
ほかにも、「アットホームな職場」「他では学べないことが学べる」など、やたらと学生を期待させるような求人の出し方をしている企業は要注意。
「こんなはずじゃなかった」「持ったのと違った」といったミスマッチを防ぐためには、企業のHPや口コミサイト、実際に働くインターン生のインタビュー記事などを参考にしてみるといいでしょう。
⑤大量採用をおこなっている
通常、インターンシップの募集人数が多い企業は、そもそも企業規模や従業員数が多く、知名度が高いといった傾向にありますが、そこまで規模が大きいわけでもないのにやたらと大量募集している企業は要注意です。
なぜならそもそも募集人数が多いのは、「大量に辞める前提で大量に採っている」「慢性的な人手不足に陥っている可能性が高い」ためです。
途中で辞める人が多かったり、短期辞めてしまう人が多いということは、インターン先としても企業としてもよくありません。
インターンは入社にもつながりますが、万が一、上記の特徴に当てはまる企業に入社すると、ブラック企業であることも。
したがって、企業規模に対してやたらとたくさんのインターン生を募集しているなと感じたら、応募先の企業の口コミや会社情報を事前に徹底的に調べて判断するようにしてください。
⑥やたらと高時給である
長期インターンを探すうえで、「どれくらいの時給なのか」といった給与の高さなどをチェックする学生は少なくありません。
しかし未経験の大学生を募集しているのに、やたらと高時給で募集しているインターンは基本的に怪しいといえます。
なぜなら、長期インターンで発生する相場の給料よりもやたらと高い企業は、「よほどの人手不足」「募集や採用が上手くいっていない」「任される仕事の責任や労働時間が長い」といったブラック企業である可能性が非常に高いからです。
確かに内容よりも時給がいいと魅力的に感じてしまいますが、やたらと好条件・高時給の企業だと失敗する恐れがあるため警戒しなければいけません。
ただしプログラミングやデザイナーなどといった専門的なスキルを求められる業界や経験者を募集している企業だと、即戦力としてインターンの時点でも高時給で採用されるケースもあります。
自分が希望する業界や職種のインターンがどれほどの給料でインターンをおこなっているのかを把握するか、いくつかの企業を比較検討しておくと安心です。
⑦完全歩合制
完全歩合のインターンは基本的に怪しいため避けたほうが良いでしょう。
なぜなら完全歩合のインターンは、利益を産み出すための道具としてインターン生を酷使しようとしている企業がほとんどだからです。
なかには「稼げる」「就活や仕事に対してモチベーションの高い人募集!」などのうたい文句で、真面目な学生をだますようなことをする企業も少なくありません。
企業側としては、「利益や結果のいい人だけ残ってくれたらいい」という考え方で採用をおこなっているので、インターン生を簡単に切るといったことも。
とくに教育体制や研修、詳しい仕事説明がなく、「成長できる」「スキルを身に着けられる!」というようなことばかりをアピールする企業は避けるべきでしょう。
長期インターンとは?
長期インターンとは簡単にいうと、3ヶ月以上など中長期的に企業の実際の仕事を体験できる機会のことを指します。
おもな目的としては、企業や業界へのさらなる理解や企業の社風などを知るためにおこなわれます。
ほかにも学生が長期インターンに参加するメリットには、入社してから「思っていた仕事と違った」「社風が自分と合わない」といったミスマッチや早期離職などを防げるといった面もあります。
インターンには長期と短期(数日~1週間程度)、1日で完結するものなどさまざまなタイプがありますが、長期インターンは、労働の成果として給与が発生するといった点でほかのインターンとは異なります。
希望業界や企業によって多少差はあるものの、おおよそアルバイトと同等程度の給与がもらえることがほとんどです。
またアルバイトとの違いとしては、長期インターンの場合だと「社員と同等の扱いなので、責任のある仕事を任される」「就活に影響しやすい」といったものが挙げられます。
企業によってはインターンでの成果が良ければそのまま内定につながる、「ガクチカ」としてアピールできるなどのメリットも。
しかし一方で、長期インターンには気を付けなければいけない点もあります。
ほとんどの長期インターンでは、「週〇日以上」「1日〇時間以上」といった最低勤務条件があるため、学業やサークル、ほかのアルバイトとの両立などには気を付けなければいけません。
友達との遊びの時間やプライベートな時間がなくなるため、事前のスケジュール管理を徹底しておく必要があります。
インターンとアルバイトの違いとは?あなたはどちらを選ぶべき?
怪しい長期インターンを見分ける方法3つ
怪しい長期インターンによくある特徴についてご紹介してきましたが、実際に怪しい長期インターンを見分けるとなるとかなり難しいのも事実です。
そこでここでは、怪しい長期インターンを見分ける方法についていくつかご紹介します。
自分に合ったインターンを見つけたい方や、怪しいインターン先を避けたい方は以下の方法を試してみて下さいね。
- 求人情報を詳しくチェックする
- 企業情報や口コミを見る
- 信用できる人や機関に相談してみる
➀求人情報を詳しくチェックする
長期インターンを探す際、多くのひとは仕事内容や給与の高さなどを重点的に見てしまいがちです。
しかし、怪しい企業を見分けたいのなら就業時間や給与形態など詳しい企業情報をチェックしておくことをおすすめします。
そこでもし、求人情報なのに働く時間や残業手当などの各種手当、研修についてなどの記載がない、もしくは明確に表記されていない場合は避けたほうが良いでしょう。
応募する前に、担当者の方に問い合わせしてみるか、口コミや評判などをみてください。
入社後に「思っていたのと違った」といったミスマッチを未然防ぐためには、耳障りのいい情報だけではなく細かいところなども見て判断することが大事でU。
②企業情報や口コミを見る
長期インターンを選ぶ際、企業の公式サイトだけではなく、口コミを調べることをおすすめします。
なぜなら、企業のホームページでは基本的に自社のいい部分しか書いていなからです。
「実際にインターンに参加した人の声とは違った」「実は労働環境が良くない」といったケースも実は少なくありません。
特に口コミの情報は信憑性も高いですし、求人情報からは知れないリアルな意見も知れるメリットがあります。
あまりにもいい評判や口コミが少ないといった場合、インターン先としてはふさわしくない可能性が高いです。
③信用できる人や機関に相談してみる
周りに先輩や既に長期インターンに参加している友人がいれば、相談をして話を聞いてみるのもひとつです。
また「インターン生がいない」場合は、大学のキャリアセンターやキャリアアドバイザー、就活エージェントなどに相談することもおすすめ。
エージェントやキャリアアドバイザーの方々はキャリアのプロなので、インターン参加に伴って不安なことや疑問なども相談できます。
業界や職種、インターン情報などにも精通しているので、より自分にあったインターン先を紹介してもらえる可能性も高め。
大手の就活エージェントだと、そもそも優良企業しか取り扱いがないので怪しい企業を避けられるメリットもあります。
「〇〇の企業について知りたい」「自分に合ったインターン先を紹介してほしい」「怪しいインターン先を避けたい」方こそ、積極的に利用すべきだといえるでしょう。
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怪しい長期インターンは口コミで判断しよう!
今回は、怪しい長期インターンの特徴や見分け方などについてご紹介してきました。
「長期インターンって怪しいの?」と思った方もいるでしょうが、基本的に長期インターンは優良企業が多く、一部の企業が悪評を立てているにすぎません。
選び方さえ間違えなければ、長期インターンは企業や業界について知れる最大のチャンスですし、自分の将来について考えるきっかけにもなります。
また、「こんなはずじゃなかった」「怪しい企業のインターンに参加したくない」といった方は、今回の記事でご紹介した特徴などを参考してみるといいでしょう。
怪しい企業でよくあるのは、「企業についての情報が少ない」「参加しているインターン生の期間が短い」「口コミ評価が悪い」などがほとんどです。
ほかにも、「やたらと高待遇・高時給である」「やりがいなどを全面的に押し出している」といった企業も要注意。
自分に合ったインターン先を見つけてみて下さいね。