ヘアカットやヘアカラー、パーマなど髪の毛への施術を中心に、お客様が求めるヘアスタイルにしてくれる美容師。
美容師になるためには美容学校で基礎的な知識・技術を身につけて「美容師免許」という国家資格を取得して、美容室に就職…という長いキャリアを歩んでやっとなれる仕事です。
しかし、「美容師になる」と高い志を掲げる前に、まずは業界のことを知らないと後々手ひどい後悔をする羽目になります。
業界や施術以外の実務、社風がどうなっているのかを知るためにも、まずは美容室が催しているインターンに参加してみましょう。
そこで今回は、美容室が催しているインターンの内容と美容師になるために学生のうちから積んでおく経験・スキルについて解説をします。
美容師のインターン内容
ここでは、美容室が催しているインターンの内容をご紹介します。
美容師インターンの内容
美容室で催されているインターンでは、期間を問わず以下の実務を体験します。
【インターンの内容】
- 受付・お見送り
- 清掃業務
- お茶出し
- 終業後の勉強会に参加
- 道具整理・タオル絞り
上記の「接客業務」と「雑務」をメインに体験します。
実務①受付・お見送り
美容室に来店されたお客様をお出迎えすること、施術を受けたお客様をお見送りするのはインターン生の仕事です。
美容学校で学んだあいさつや接客の心得を持って「笑顔」でお客様をお迎えしましょう。
お見送りの際は、手荷物のお返し、帽子や上着などの忘れ物がないように気を配り、「笑顔」でお見送りしましょう。
「笑顔」でお見送りしてもらえれば、お客様も「またこの美容室に通いたい」と思うはずです。
実務②清掃業務
施術後床に落ちた髪の毛やゴミの掃き掃除を含め、店内の掃除はインターン生の仕事です。
ヘアカットを行うスタッフやアシスタント、そしてお客様の邪魔にならないよう気を付けながら掃除をしましょう。
実務③お茶出し
ヘアカラーやパーマ待ちのお客様へのお茶出しやヘア雑誌などの差し入れもインターン生の仕事です。
ここでは、「接客」の基礎を学べる絶好の機会です。
実務④終業後の勉強会に参加
1日の業務を終えた後、インターン先によってはその年のトレンドや接客術などを学べる勉強会を催しているところもあります。
インターン生にとってこの勉強会は、美容学校では学べない物を学べる貴重な機会なので、参加をおすすめします。
実務⑤道具整理・タオル絞り
カットバサミなどの道具の整理や洗髪で使用したタオルの絞りなどの雑務も、インターン生に任さるところがあります。
タオルやカットバサミなどの道具は、美容師にとって大切な商売道具です。
整理を任された時は、丁寧に扱いましょう。
美容師の免許がないと施術はできない?
前節で美容師インターンの実務内容をご紹介しましたが、その多くが「接客業の基礎」となるものであったり、雑務がメインであったりします。
インターンといえば、「その業界が取り組んでいる実務を体験できる機会」という認識ですが、美容師という職業には、「美容師免許」という国家資格を取得していないとヘアカットやヘアカラーの施術、施術アシストが行えません。
仮に資格を持っていても3~5年以上は「下積み期間」として、業務アシストに徹します。
そのため、インターン期間中は「接客業務」に徹することが多いです。
しかし、インターン期間中に学んだ接客の基礎は、今後美容室に就職して以降、役に立つモノばかりなので決してムダにはなりません。
インターン参加のメリット6選
ここでは、美容師インターンに参加するメリットをご紹介します。
【参加するメリット】
- 美容室の雰囲気が学べる
- プロから技術を学ぶ
- 終業後の勉強会に参加できる
- 接客の基本を学べる
- 就職に結びつく可能性がある
メリット①美容室の雰囲気が学べる
この点に関しては、インターン最大のメリットでもあります。
「美容師」の1日の業務内容やその流れを、実務をこなしながら観察して自分がインターン参加までに抱いていた「美容師」という仕事に対するイメージと現実とのギャップをなくす絶好の機会です。
またスタッフ1人1人の連携や雰囲気を見る機会にもなります。
メリット②プロから技術を学ぶ
施術は行えませんが、現場でプロの技を間近で拝見できる絶好の機会です。
学校では、まず教わらないプロならではの技やテクニックを見られるかもしれません。
メリット③終業後の勉強会に参加できる
「美容師」という仕事は、業務終了後、講習会や勉強会を催す機会が多いです。
インターン中に勉強会や講習会が催される場合、もしかするとインターン生も参加OKということもありますのでぜひ参加しましょう。
ここでは、美容学校では学ばないトレンドや新しいスキル・技術を取得できるかもしれません。
メリット④接客の基本を学べる
「接客業」の基礎ともいえるあいさつや、礼儀作法・マナーは美容学校でも学びます。
学校で学んだことをアウトプットする場として、インターンは絶好の機会です。
実務を通して、自分には今何が足りないのかを、ここで見極めましょう。
メリット⑤就職に結びつく可能性がある
インターンを開催した美容室にそのまま「就職する」という事例もあります。
お互いのことを知っていることは、両者にとって大きなメリットになりますので、チャンスを得たら逃さずモノにしましょう。
美容師を志すうえで大切なこと
ここでは、これから「美容師」を志すうえで大切なことをご紹介します。
現役美容師が推す美容師に必要なスキル5選
以下は、現役美容師が推す「美容師に必要なスキル5選」です。
【必要スキル】
- 傾聴力
- 施術技術全般
- コミュニケーション能力
- 接客術
- 常識・雑談
スキル①傾聴力
傾聴力は、お客様が求める「ヘアスタイルのイメージ」や「悩み」などを理解するために必要なスキルです。
ポイントは、お客様の考えに寄り添う形で話を聞くことです。
もし「傾聴力」がないと、お客様が求める要望や悩みの意図をくみ取れず、迷走してしまいます。
お客様が満足いくサービスを提供するためにも、「傾聴力」は必要なスキルです。
スキル②施術技術
「施術技術」は、ヘアスタイル提供からヘアカラーなど、美容師として必要不可欠な技術全般を指しています。
お客様からの要望を形に起こすため、このスキルは美容師になるなら「必須」といってもいいでしょう。
具体的なスキルの中身は、以下のようになっています。
【スキル】
- ヘアカット
- シャンプ
- ヘアカラー
- パーマ
スキル③コミュニケーション能力
来店されたお客様との交流やスタッフとの連携を組むためにも、「コミュニケーション能力」は必須です。
当スキルは、「傾聴力」の1つでもあります。
このスキルがあれば、お客様との距離感を縮められるほか、要望を忠実かつより深くかなえられます。
スキル④接客術
「接客術」は、接客業をなりわいにしている美容師にとって必要不可欠なスキルです。
【接客術の中身】
- 言葉遣い
- 接客態度・マナー
- 清潔感
- 施術技術
- コミュニケーション能力
- 察する力
などを総合的にとらえたものを指します。
スキル⑤常識・雑談
美容室では、社風に応じてさまざまな年代の方が来店されます。
年代が違えば当然、趣味や興味ある事、物事への価値観などあらゆる観点で違いがあります。
美容師は、年代に応じた対応ができるよう、幅広い知識と常識を備えておく必要があります。
情報の引き出しは、ネットやニュース、お客様からの会話などから収集していきましょう。
美容師に適性がある人の特徴
「美容師に適性がある人のイメージ」と問われれば、多くの学生が「手先が器用な人」をイメージされるでしょう。
しかし、美容師という仕事に適性がある人の中に、「手先が器用な人」というものはいません。
対極的存在として「手先が不器用な人」でも、これからご紹介する適正ありとも呼べる特徴を持ち合わせていれば、美容師になれます。
【適性がある人の特徴】
- オシャレが好き
- 向上心がある
- 忍耐力がある
特徴①オシャレが好き
「美容師」は「美」に関する仕事を生業とします。
店舗に立つ以上、ヘアスタイルはもちろん、ファッションなどにも興味・関心を抱いている方の方が美容師の仕事は楽しめるはずです。
トレンドは時代を経るごとに流行り廃りを繰り返します。
服装に合わせてヘアセットができることも、お客様からの視点では「できる美容師」として見られています。
特徴②向上心がある
美容師は、ヘアカットやヘアカラー、パーマなどの施術を持ってお客様の要望にお応えする「美」を専門とする「技術職」です。
技術職として籍を置く以上、常に自身が持つスキルやテクニックに磨きをかけてレベルを上げていく向上心を持ち合わせていることが望ましいです。
スキルやテクニックのレベル向上に、「上限」はありません。
お客様が満足いくサービスを提供することを旨に、高みを目指す向上心を持ち合わせた方に適性があるといえます。
特徴③忍耐力がある
美容室に入社して3~5年以上は、下積み時代として仕事を送ります。
業務中はずっと立ちっぱなしで、施術をしている美容師の補佐として立ち回ったり、接客に回ったりなど、カットパサミに握らせてもらえるまで数年はかかります。
さらに、終業後には、講習会や勉強会が催されますので、自由と呼べる時間はあまりないです。
しかし、これら業務に耐えてこそ1人前の美容師になりますので、この期間を耐えられるだけの「強い忍耐力」を持っていることが必要です。
美容師免許を取得しても3~5年はアシスタント時代
美容師免許を取得して間もなくは、下積み期間として、美容師のアシスタントとして仕事をする日々が3~5年、店舗によってはそれ以上かかることもあります。
じれったいと思いますが、現役で活躍されている美容師の多くが、この辛く厳しい下積み時代を乗り越えてきた猛者です。
この下積み時代では、美容師の指示を受けながらヘアカラーの用意や道具の整理などのサポートに徹するほか、来店されたお客様の受付など接客業全般を任されます。
サポート業務は、下積み事態の中では貴重な経験です。
スタイリストの接客術や施術スキルを観察して自分のものへとできる絶好の機会です。
ただし、下積み期間の労働環境は、とても恵まれているとは言い難いです。
まとめ
以上が、美容室が催しているインターンの内容と美容師になるために学生のうちから積んでおく経験・スキルについて解説しました。
平成7年を機に美容師の教育体制は大きく変わり、1年間のインターン参加義務がなくなったことで、インターンを催す美容室の数が減っています。
しかし、「美容師」という職業がどのようなもので、職場雰囲気、自分にはその適性があるかをも極める機会としてインターンが催されているところには積極的に参加しましょう。
インターンの多くが接客業に関する実務や清掃などの雑務をメインとしますが、実務をこなしながら、プロの技を観察できる絶好の場です。
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