企業で就業体験ができるインターンでは、憧れていた業界の実態や内情を知る絶好の機会です。
きらびやかで華やかなイメージが強いアパレル職でも、「多くの学生に業界のことをもっと知ってもらいたい」ということで、インターンを実施する企業が増えています。
しかし、学生の中には「アパレル職のインターンって、先輩スタッフと一緒に店頭販売をするのがメインなんじゃない?」や「販売職のバイトと変わりない気がする」など、「アパレル職インターン=店頭販売のスタッフとして就業する」というイメージが、学生の中では強い傾向にあります。
しかし、実際は店頭販売の他にも、企画やマーケティングなど「経営」に関わることをインターン期間中に挑戦できます。
そこで今回は、アパレル職が行っているインターンの内容と、面接・インターン参加中に気を付けることのご紹介します。
アパレル職のインターン内容
ここでは、アパレル職が実施しているインターンの内容をご紹介します。
インターン内容
アパレル職のインターン実施期間は、1dayのものと長期インターンのパターンがあります。
インターン期間中に実施されるプログラム内容は、両パターンともに以下のものが共通して実施されます。
【インターン内容】
- 会社概要・業務説明
- 仕入れ・販売業務体験
- 座談会
上記3つを基本ベースに実施しています。
「仕入れ・販売業務」では、先輩社員のアシストに徹しながら実務を体験していきます。
長期インターン特有のプログラム
通常アパレル職の長期インターン実施期間は、最短1ヶ月のものから最長3ヶ月以上のものまであります。
インターン中は実店舗で「販売の仕事をする」ことがメインにしている企業が多いです。
しかし、一部のアパレル職のインターンでは、以下のことをインターン期間中に体験できる場合があります。
【長期インターン特有のプログラム】
- 企画・マーケティング
- SNSマーケティング
- 営業
特有①企画・マーケティング
長期インターン特有のプログラム1つ目は「企画・マーケティング」体験です。
「マーケティング」は、販売戦略の要です。
そのため、柔軟な発想が販売戦略立案の場で求められます。
【マーケティングの流れ】
- 国内外でのトレンドをリサーチ
- ターゲットにする消費者層を絞り、ニーズを調査
- 調査内容を持って分析、変化の把握
の3工程をインターン期間中に業務経験できます
また「企画」では、販促やTwitterやInstagramのフォローにつなげるための施策を考える機会があります。
以下は、過去にあった企画・マーケティング体験の内容です。
【企画・マーケティング体験の内容】
- 企業のブランド価値を高めるための施策、イベント企画の立案
- 利益を上げるにはどのような方法が望ましいかを議論
- 集客数・売上向上を目指すためのマーケティング施策
特有②SNSマーケティング
アパレル職では、自社のことを世の中の人に認知してもらうために、TwitterやInstagramなどのSNSに力を入れているところが多数存在します。
SNSを活用することも、販売促進や集客数の向上につながる施策の一環であり、マーケティングにも活用できます。
SNSを活用したマーケティングでは、販売戦略の立案から分析までを一貫して行えます。
【施策の流れ】
- 自社ブランドのファンをつくる
- SNSを通してファンを見つける
- 発信した情報を持ってファンを育てる
- 実行するイベントにファンを巻き込む
上記4つの流れをSNS活用で組めます。
また最近は、SNSを通じて既存商品や新商品を購入する方が増えています。
もはや、アパレル職にとってSNSは縁が深い物であることが伺えます。
特有③営業
アパレル職の長期インターン中に「営業業務」を体験できるところもあります。
【業務内容】
- 自社商品を百貨店などの商行施設においてもらえるよう交渉の場に同伴する
- 実店舗の集客・売り上げにつながる施策を考える
など、実際現場に立ち入り、同伴する機会があります。
百貨店などの商行施設に実店舗を置いてもらえるかは、営業の交渉にかかっていると言ってもいいでしょう。
ただし、インターン生が交渉の場に出るというよりも、現場まで同伴して見学して営業業務がどのような流れで進んでいくかを学習するのが「営業体験」の目的です。
アパレル職インターン参加のメリット・デメリット
ここからはアパレル職のインターンに参加するメリット・デメリットについて解説します。
参加するメリット
以下はインターンに参加するメリットです。
【参加メリット】
- アパレル職への適性判断
- 就活におけるアピールポイント
- ファッションセンスに磨きがかかる
メリット①アパレル職への適性判断
アパレル職に興味がある学生のほとんどが「ファッションが好き」「コーディネートに興味がある」など、自身の興味関心を軸にこの仕事を選ぶかと思います。
しかし、「イメージとは全く違った!」と、声を上げる学生もいます。
インターンは、イメージとのギャップやミスマッチをなくす機会であり、実務体験を通して自分にはアパレル職が向いているか、適性があるかを判断する機会でもあります。
「興味・関心」を軸にして選んだ仕事を長く続けていけるかどうかを確かめるためにも、インターンに参加するメリットは大いにあります。
メリット②就活におけるアピールポイント
インターンに参加して得た経験やスキル、業界への理解は就職活動でアピールできます。
アパレル職のインターンでは店頭販売の他にも、「経営」という裏方の仕事も体験できるため、業界の表舞台と裏舞台の両面を詳しく知れます。
さらに、経営に関する就業体験で得た経験は、他業界に行っても通じるものがありますので、就活では大きなアピールポイントになります。
メリット③ファッションセンスに磨きがかかる
アパレル職は、流行の発信地です。
そのため、常に世の中のトレンドを細かくチェックしておく必要があります。
この実務を通して、最新のトレンドが何なのか、流行がどうなるかを知れます。
またアパレル職に就いている社員は、おしゃれな服装をしている方が多いです。コーディネートの仕方を見聞き行ったりすることで自身のファッションセンスに磨きがかかります。
参加のデメリット
以下はインターンに参加するデメリットです。
【参加デメリット】
- 学業とアルバイトの両立が難しい
- 実務に責任が伴う
- 社風が掴めない場合がある
デメリット①学業とアルバイトの両立が難しい
1ヶ月以上のインターンに参加する場合、「最低でも週何日、何時間以上は出勤すること」のように、出勤日数・勤務時間に指定がかかっていることが多いです。
拘束時間があまりにも長いと、学業や本命のアルバイトに支障をきたす恐れがあります。
長期インターンに参加する際は必ず「授業の時間割、本命アルバイトのシフトを考慮して参加すること」を心掛けで参加しましょう。
また有給インターンに参加する学生の中には、本命のアルバイトを辞めてそっちに専念する学生もいます。
デメリット②実務に責任が伴う
責任を伴うごとは基本社員が行い、アルバイトには、雑務などの簡単な業務を任せることが多いです。
しかし、インターンに参加する時は、あくまで1人の社員として見られています。
そのため、インターン生でも、責任ある仕事を振られることが多いです。
実店舗の中には、先輩社員同様に「販売ノルマ」や「締め切り」を課しているところもあります。
デメリット③社風が掴めない場合がある
アパレル職インターンの中には1dayタイプのものや1,2週間程度で終了する短期インターンを実施しているところもあります。
こちらのインターンでは、説明会やワークショップ形式をインターンプログラムに組み込んでいるため、社風が掴みにくいデメリットがあります。
中には、短時間ながら実務業務に携われる機会を設けているところもありますが、長期インターンのように社風や自身の適性を見極めるのが難しいです。
結果、イメージとのギャップを埋めきれない学生が続出するケースがあります。
アパレル職のインターン面接は他の面接とは異なる?
ここでは、アパレル職のインターンに参加する前に設けている面接について解説します。
面接は「私服指定」
アパレル職のインターンの面接では、「私服でお越しください」という文章を提示している企業が多数存在します。
そこには明確な意図があってこの文章を設けています。
【意図】
- 自社ブランドのイメージと合致しているか
- TPOを弁えた服装か?
- 学生のファッションセンス
の上記3点を確認するために設けています。
私服選びのポイント
以下は、アパレル職のインターン面接に伺うときの私服選びのポイントです。
アパレル職が提示する「私服でお越しください」という文章には、3つの意図があり、確認項目の中には、服装はもちろん、髪形などの身だしなみのチェックも含まれています。
それを踏まえたポイントです。
【私服選びのポイント】
- ブランドイメージに合うもの
- トレンドを取り入れている
- 清潔感漂う身なり
ポイント①ブランドイメージに合うもの
アパレルブランドには、その企業独自のコンセプトがあり、それに沿った商品を取り揃えています。
【ブランドイメージに合う服装:例】
- キレイめブランド:ジャケットや革靴を着用
- カジュアル系ブランド:ジャケットの着用は控える
など、希望のブランドイメージに合わせた服装を心掛けましょう。
また、実際に働いている社員の服装をヒントに服装をコーディネートするのもありです。
当日着て行くアイテムは、そのブランドが出しているもので全身を固めていく必要はありません。かといって競合相手のブランドアイテムを使用するのも避けましょう。
ポイント②トレンドを取り入れている
流行・トレンドの発信地でもあるアパレル職では、「トレンド」に対する感度の高さを高く評価しています。
面接当日、トレンドを取り入れた着こなしができれば、自分のファッションセンスを相手にアピールできます。
ただし、いくらセンスがいいものを着こなしても、ブランドイメージに合致していない服装は意味がありません。
ポイント③清潔感漂う身なり
会社に赴く以上、清潔感ある身だしなみは最低限のマナーです。
清潔感がない髪型や服装は「TPOを弁えられない非常識な方」として見られます。
ここで気を付けるべきことは3つあります。
【服装】
ブランドイメージに合った服装でも、デニムやブーツ、帽子などは「ビジネス」の場でふさわしいとは言えません。
ただし、ブランドによっては着用可としていますが、面接の場では避けましょう。
【髪型・メイク】
アパレル職では、服装の他に、髪形やメイクもチェックされています。
他業界とは異なり、自由度があるアパレル職ですが、髪形・メイクは何でもありというわけではありません。
【髪型で気を付けること】
- 派手な髪色(金や赤はNG)
- ブランドイメージに合った髪型を心掛ける
- 寝ぐせや頭髪の色の違いは避ける
【メイクで気を付けること】
- 厚化粧、カラコンの使用は避ける
- ナチュラルメイク、トレンドを意識したメイクをベースにする
面接やインターン中、この服装は必ず避けること
前節でご紹介したことに注意しながら、面接当日に向けた準備を進めていきますが、ここでは面接やインターン参加中は避けるべき服装をご紹介します。
【避けるべき服装】
- インターン先のブランドで固める
- ラフすぎる服装
避けるべき服装①インターン先のブランドで固める
インターン先のブランドで全身を固めていくことは、会社側からすればうれしいことですが、面接の場では逆効果です。
かといって、競合相手のロゴが目立つアイテムを着て行くのも避けましょう。
避けるべき服装②ラフすぎる服装
インターンに参加する時は、デニムやスニーカーなどを用いた服装はさけましょう。
しかし、企業ブランドやインターンの内容によっては、着用可をしている場合があります。
判断に迷ったときは、先輩社員の服装を参考にするのがおすすめです。
インターン参加で得られる経験・スキル
アパレル職のインターンを通じて得られる経験は2つあります。
それは以下の2点です。
- コミュニケーション能力の向上
- 経営に携われること
アパレル職のインターンでは、「店頭販売」をメインにしているところが多いです。
店頭販売では、来店されるお客さんとの交流が絶えません。
実際、コミュニケーション能力はアパレル職をはじめとする「接客業」問わずあらゆる業界で必要不可欠なものです。
アパレル職のインターンで培われたこの能力は、他業界を志望しても通じるものです。
2点目は経営に携われることです。
自社取り扱いの商品の売れ行きや市場動向から、どのような経営戦略が立てられているのかを実務を通して体験できます。
また、オフィスにインターン生を招いて、実際に企画・マーケティングがどのように立てられているのかを知る機会もあります。
インターンで学んだ企画・マーケティングの立て方もコミュニケーション能力同様、他業界の経営に携わったときに役立つものです。
さらに、将来木々用を考えている学生には、至近距離で経営のノウハウを学べる現場になります。
まとめ
以上が、アパレル職が行っているインターンの内容と、面接・インターン参加中に気を付けることのご紹介でした。
インターンに参加することで、イメージとのギャップ、ミスマッチの防止になるほか、自分はこの職業に適性があるかどうか判断できます。
さらに、実務を通して得た経験は、今後の就活や社会人生活を送る中で大きな財産にもなります。
将来、アパレル職に就きたいと考えている学生は、ぜひ長期インターンに参加して多くのことを学んでいきましょう。