一般的にIT業界はほかの業界よりも内定が出る時期が早いことから、就活が始まるタイミングも早いといわれています。
「できるだけ早く内定が欲しい」と考える就活生のなかには、あえてIT業界を目指す人もいるほどです。
たしかに学業との両立やほかの選考状況などをふまえても、1社でも内定が決まっていれば安心ですよね。
そこで今回は、IT業界の就活が早い理由や就活スケジュール、選考前にやっておくべきことなどについてご紹介します。
「IT業界に興味があるけれど、具体的にいつから始めたらいいの?」と悩む就活生はぜひ参考にしてみてください。
IT業界の就活が早く決まる理由とは?
IT業界は、大学3年次(前年)の10月あたりから冬にかけてなどで、すでにエントリー受付を始める企業も少なくありません。
一般企業の多くは、大学4年の3月1日を皮切りに就活が解禁し、各企業でエントリー受付が始まります。
また6月ごろになれば面接を含む本選考と呼ばれるものが始まり、6月から9月あたりで内定が決まるのがほとんどです。
ではなぜIT企業の就活は早く決まるのでしょうか?
IT業界の就活が早く決まる理由には以下のものが挙げられます。
IT業界の就活が早く決まる理由
- つねに人材不足の業界だから
- 経団連に属していない
➀つねに人手不足の業界だから
IT業界は業界そのものの発展が著しいことから、つねに人手不足の業界であるといわれています。
なんなら情報技術の進歩に対応できる人材の育成が間に合っていないともされています。
またIT業界は非常に専門性の高い分野であるからこそ、一人前になるまでに時間がかかるため今後も人が足りない状況が続くと予想されています。
つまり、IT業界を目指す就活生そのものがかなり貴重な存在であるということですね。
企業側は優秀な人材を確実に獲得したいと考えているため、ほかの業界に流れてしまう前に選考そのものを早めに設定して動き出すのです。
企業によっては、早めに内定を出すことで入社までに研修を受けさせ、入社後から仕事ができる状態にさせておくところもあります。
②経団連に属していない
IT業界の就活が早い理由には、経団連に所属していないからというものもあります。
経団連というのは「日本経済団体連合会」の略で、おもに就職活動のスケジュールやルールを決めている組織のことです。
世間で出回っている「3月から就活解禁日。6月からは本選考が始まる」流れについては、経団連が定めている独自の就活スケジュールといわれています。
経団連に所属している企業については原則、就活スケジュール前からエントリー開始などの動きができない決まりとなっています。
しかしIT業界の場合、とくにベンチャー企業や中小企業に至っては経団連に加入しておらず、いつから選考を始めたり内定を出すのかについては企業の意志に委ねられています。
したがってIT業界はほかの業界に比べて、就活スケジュールが前倒しになっているケースが多い傾向にあるのです。
IT業界の就活スケジュール
では実際、IT業過の就活スケジュールはどのような流れで進むのでしょうか?
もちろんすべてのIT企業が同様に進められるというわけではありませんが、あくまで一般的な基準として参考にしてみてください。
IT業界の一般的な就活スケジュール
- 1月中旬~…企業・合同説明会開始
- 2月中旬~3月中旬…エントリー開始
- 3月中旬~末頃…一次選考終了
- 4月~…本選考
1月中旬頃は企業説明会
IT業界は早いところだと大学3年次の秋から冬にかけて、もうすでに企業説明会をおこなっているところもあります。
ほかの業界や一般企業では3月からやっと説明会を実施するため、やはりIT業界はかなり早い時期から動き出しているといえるでしょう。
とくに中小企業やベンチャー企業になると、企業側も早く人材を獲得しておきたい思いがあるのでそのまま選考という流れも少なくありません。
ただしIT企業でも、大企業だと一般企業と合わせたタイミングで選考を始めるケースもあるため必ず希望企業の情報を確認するようにしてください。
2月中旬~3月中旬頃にエントリー受付
IT企業の中でも大企業になると、2月中旬から3月中旬を中心に選考エントリーの受付が始まります。
エントリーシートは履歴書とは異なり、おもに企業への志望動機や自己PRなどを書くものです。
さらに企業によっては、エントリーシートの提出と同じ時期に適性検査の結果を提出しなければいけないところもあります。
IT企業ではSPIのほかに、CABやGAB、WEB-CABと呼ばれるものが導入されているケースもあるため、適性検査の対策なども早いうちからやっておくことがおすすめです。
とくにIT業界のなかでもシステムエンジニア職にいたっては、一般職でおこないがちなSPI以外の適性検査も必須というところもあるため、注意が必要です。
3月中旬~3月末までには一次選考が終わっている
3月中旬から3月末にかけては、大手企業のほとんどがエントリーシート・適性検査の受付を終了しているので、そのまま一次選考の結果も分かるようになってきます。
一般企業であれば3月はエントリーシートの受付をし始めるころに当たるので、ここでIT企業の一次選考に通過していれば精神的な余裕が生まれてくるでしょう。
一次選考は基本的に一度に就活生をふるいにかける選考なので、集団面接やグループディスカッションなどがおこなわれることがほとんどです。
またIT業界でも中小企業やベンチャー企業であれば、3月の時点でも徐々に内定の枠が埋まってきます。
エントリー自体は受け付けているところもあるでしょうが、その分競争率が高まってきているので、やや内定獲得へのハードルは高まると思っておいたほうが良いでしょう。
4月からは本選考が始まる
4月からは大手企業を中心に本選考がおこなわれます。
もちろん企業にもよりますが、基本的には数回程度の面接であることが多く、5月上旬ころには大企業でも内定を出し始めるところが出てきます。
また中小企業やベンチャー企業でも4月になると、ほとんどの採用枠が埋まるので少しずつエントリー自体できなくなってくる企業も増えていきます。
「早めに内定獲得したい!」「とにかく1社でも内定して安心したい!」といった方は、大企業よりも中小企業の方がIT業界でも選考が早い傾向にあるので、早いところ基準にスケジュールを組み立てるのが無難です。
IT業界の就活状況とは?
先にも述べたようにIT業界はつねに人手不足の業界なので、基本的にはかなり売り手市場であるといえるでしょう。
業界全体も日々急速に成長しており、国内では少子高齢化の影響もあってなかなか人材が追い付いていないといった問題もあります。
捉えようによっては業界そのものは今後も発展していく、キャリアアップのしやすい環境であることがいえます。
しかし、エントリーすれば必ずしも受かるとは限らないので注意しなければいけません。
とくに最近では、IT業界でもグローバル化も進んでいるので、海外から優秀な人材を採用する傾向にあるといわれています。
IT業界はさまざまな知識が得られ、自分から積極的に学習したい人であれば向いていますが、覚えることが多いので軽い気持ちで目指すのはかなり危険です。
またIT企業は早期選考であることから、「とりあえず内定が欲しい!」と考える就活生が多くいます。
ただしほかの業界にも興味があるのなら、IT企業によっては内定辞退を受け入れてもらえないおそれもあるのでスケジュール管理にはくれぐれも気をつけましょう。
そもそもIT業界にはどんな業態があるの?
IT業界は一般的に、インターネットメインのサービスを提供している企業やBtoB・BtoCをターゲットにしたシステムの開発をおこなう企業を指します。
しかしIT業界といっても、さまざまな業態があります。
ここではIT業界にある、基本的な業態についてご紹介します。
IT企業で就活をする際も絞れるので、職種や業種を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
IT業界にある業態
- インターネット
- 情報処理サービス
- 通信業界
- ハードウェア
- ソフトウェア
- SIer
インターネット
インターネット業界とはおもに、インターネットを利用してサービスを提供する企業のことを指します。
具体的には検索エンジンだったり、ショッピングサイトの運営、WEBサイト制作、インターネット広告など事業内容は多岐にわたります。
SNSやソーシャルゲームなどが発展した現在、比較的インターネット業界はかなり将来性のある業界のひとつだといえるでしょう。
またサービスの開発や運用など、企業によっては在宅やフリーランスといった選択ができるのも魅力です。
情報処理サービス
情堀サービス業界はおもに、情報システムの導入や設計、開発、運用、保守などを担う仕事です。
なかには金融機関や公共交通機関などといった大規模なシステムを依頼されることもあり、非常にやりがいを感じられる業界です。
また、クライアント先に対して業務効率のためのシステムの提案をおこなうコンサルティングのような仕事もします。
情報処理サービス業界で働くなら、かなりの専門知識や最新技術についていけるスキルなどが必要となってくるでしょう。
通信業界
通信業界とはおもに、電話やインターネット、光ファイバー、無線などの通信サービスを提供する、いわゆる「通信インフラ」とも呼ばれる業態です。
生活に欠かせないサービスですし、「5G(第5世代移動通信システム)」の発展も注目されているので、今後も続く将来性のある業界といえるでしょう。
通信業界もつねに最先端技術の実用化や普及に向けて成長し続けているため、知識や技術に対して貪欲に学び続けられる人が向いています。
ハードウェア
ハードウェアはそもそも、パソコンやスマートフォン、周辺機器などをあらわし、ハードウェア業界では製品の設計や開発、販売を担う仕事です。
最近ではゲーム機や家電製品などのなかにも、IT技術を搭載した商品も増えており、今後もますます博大していくことが予想されています。
ハードウェア製品は不具合の改善が難しいと言われており、商品によっては大規模な事故にもつながる可能性も充分あります。
高度なスキルや知識はもちろんですが、小さなミスも許されないので正確に仕事をおこなう能力なども必要です。
ソフトウェア
ソフトウェアはWindowsやMacなどのオペレーションシステム、さらにWord・Excelといったアプリケーションシステムなどを取り扱う業界です。
ほかにもスマートフォンアプリケーションの開発なども、ソフトウェアがおこなっています。
ソフトウェア業界の仕事には、プログラマーとシステムエンジニアがあり、職種によって必要なスキルや知識が変わってくるため下調べが必要です。
ソフトウェア業界で働くには、人々やクライアントのニーズに応えられるサービスをつくるための技術が必要です。
SIer
そもそもSIとは「システムインテグレーション」の略で、SIerの仕事はコンピューターやソフトウェア、ネットワークを一つにした利便性の高いシステムを構築から導入を請け負う人たちを指します。
たとえば身近なものでいえば、銀行のオンラインシステムなどが挙げられます。
最近では、「SIer」と検索すれば職種や業種が絞られる就活サイトも増えてきています。
IT業界の就活でやっておくべきこと
IT業界は就活が早いだけではなく、さまざまな面でほかの業界と異なるため、就活の進め方も工夫が必要です。
IT業界を目指す方の中には、ほかの業界も並行しておこなっている方もいるかもしれませんが、同じ方法で就活していると失敗するおそれもあります。
そこでここは、IT業界を目指す方に向けて就活でやっておくべきポイントについてご紹介します。
IT業界の就活でやっておくべきこと
- 自己分析
- 業界・企業研究
- インターンへの参加
- 面接練習
自己分析
就活でまず始めにやっておくべきことは自己分析です。
これまでの自分の経験や長所・短所を振り返るのは難しいですが、自己分析を怠ると企業とのミスマッチや就活の軸が定まらなくなるので必ずしっかり準備するようにしましょう。
就活サイトによっては自己分析ができるものがあるので、りようしてみるのもおすすめです。
自己分析は時間をかけておこなう必要があるので、IT業界を目指す方はより早い段階から始めておくと安心です。
IT業界を目指す学生が持つべき就活の軸とは?考え方や注意点を解説
業界・企業研究
自己分析が終わったら、つぎは業界・企業研究を始めましょう。
IT業界といっても先にも述べたように、さまざまな業態や職種、業種があります。
「そもそもどんな業態があるのか」「自分はどんな働き方がしたいのか」「自分はどんなことに興味があるのか」から企業の方向性を絞っていきましょう。
また、企業研究の際は企業の理念や経営者の考え方もチェックしておくと、志望動機にも活かせるのでおすすめです。
IT企業のなかでもとくにベンチャー企業は経営者の価値観が色濃く反映されるため、入社後のミスマッチを防ぐのにも役立ちます。
IT業界には秋ごろからエントリーを開始している企業もあるため、気になるところから早めにエントリーしておくといいでしょう。
インターンへの参加
IT業界はほかの業界よりも選考時期が早いため、インターンに参加すればより効率的に情報収集ができるのでおすすめです。
とくに長期インターンでは実務経験がつめますし、企業によってはインターンへ参加することで特別選考が受けられるところもあります。
「IT業界に興味があるけど、実際はどんなことをするの?」という方から「絶対にIT業界に関わる仕事がしたい!」といった方までインターンには参加しておいた方がいいでしょう。
面接練習
就活では面接練習も大事です。
「実際にどんなことを聞かれるのか」「自分の経験や自己PRをどのように伝えるか」を考えて、事前に準備しておきましょう。
思ったよりも伝わっていないケースもあるため、面接練習は友人や就職エージェントなどの第三者からアドバイスをもらえるものがおすすめです。
さらに最近ではオンラインでの面接を採用している企業も増えているので、カメラに自分がどう映っているのかのシミュレーションなどもしておくといいでしょう。
就活エージェントを利用するのもおすすめ!
「IT業界の就活ってどう進めていけばいいの?」「自分に合う企業や業種の方向性が分からない…」と不安に感じる方は就活エージェントを利用するのがおすすめです。
就活エージェントは企業を紹介してくれるだけではなく、書類添削や面接対策などもおこなってくれるので安心です。
またIT業界に特化した就活エージェントもあるため、業界の内情や早期内定獲得へのルートを教えてくれることもあります。
自己分析の仕方など初期段階の悩みからでも受け付けてくれるので、IT業界を目指す方は特に就活エージェントを使ってみるといいでしょう。
IT業界に就職したい人におすすめの就活サイト15選!選び方のコツとは?
~まとめ~IT業界への就活は早めの行動が大切!
今回は、IT業界の就活が早い理由や就活スケジュール、選考前にやっておくべきことなどについてご紹介してきました。
IT業界は、「経団連に所属していない」「つねに人材不足である」といった理由から早期選考・早期内定が一般的です。
したがってもし、IT業界を目指す方はほかの業界を目指している学生や業界よりもスケジュールに余裕をもって早めに動き出す必要があります。
「IT業界ってどんなところなの?」「IT業界への就活って何から始めたらいいの?」といった方は、インターンへの参加や主勝エージェント利用がおすすめです。
業界や企業への知識が深まるほかに、選考につながるメリットもあるので、IT業界を目指す方はぜひ検討してみてください。