就職活動が本格的に始まる前に、「少しでも有利に進められるように資格を取りたい!」と考える人は多いはずです。
では実際、どんな資格を取得すれば有利になるのでしょうか。
資格といっても世の中にはたくさんありますし、希望業界や企業で通用しない資格をやみくもにとっても意味がありません。
そこで今回は、就職に有利な資格について業界ごとにご紹介します。
「できれば簡単に取れる資格ってあるの?」「資格を持っていることをどうアピールすればいいの?」といった方は参考にしてみてくださいね。
就職活動において資格を取得するメリット3つ
そもそも就職活動において、資格を取得するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
就職活動で資格を取るメリットには以下のものが挙げられます。
就職活動において資格を取得するメリット3つ
- 仕事で必要な能力があると示せる
- 入社後に取得が義務付けられている資格だと周囲と差をつけられる
- 業界への興味をアピールできる
➀仕事で必要な能力があると示せる
資格取得をしていると、社会人として必要な基礎的なビジネススキルや実務に関連する能力、スキルなどを証明できるといったメリットがあります。
一般的な大学生の場合、アルバイト経験の有無をアピールすることがほとんどのため、それ以外の業界に関する知識などを持っていないケースは実は少なくありません。
なかには、ビジネスマナーや基本的なPC操作なども身についていない学生も多くいるほどです。
もし、ビジネスマナーや実務に関わるスキルなどが資格によってアピールできれば、「社会人として必要なものが備わっている」と判断されることもあります。
②入社後に取得が義務付けられている資格だと周囲と差をつけられる
新卒での就職活動では基本的に個人のポテンシャル採用であることが多く、業務に関連する資格については内定後もしくは入社後に資格取得を義務付けられることがほとんどです。
つまり就職活動においてすでに必要な資格を持っていた場合、周囲との差別化が図れたり、その業界への志望度の高さなどを直接的に強調できます。
たとえば不動産業なら、宅地建物取引士といった資格が義務付けられますので、「絶対に就職したい!」「永くその業界で働きたい!」といった方は取っておくといいでしょう。
さらに「〇〇の部分が面白いと感じた」など資格取得時のエピソードや自分の考えなどを一緒に伝えるとなお熱意が伝わります。
③業界への興味をアピールできる
就職活動では、志望動機や自己PRがとくに重視される傾向にあります。
そこで業界に関連する資格があると主張すれば、業界そのものに対する興味や志望動機などの説得力を効果的に伝えられるのでおすすめです。
業界が推奨する資格があれば一番ですが、とくにないケースでも地検が広がるような検定や資格を持っていると業界への本気度をアピールできますよ。
就職活動に向けて資格取得するうえでの注意点
就職活動を有利に進めるために、学生時代に資格取得に力を入れる大学生は多くいます。
しかしだからといって、やみくもに資格を取って回るのは非効率的ですしおすすめしません。
そこでここでは、大学生が就職活動に向けて資格取得するうえで陥りがちな落とし穴についてご紹介します。
就職活動に向けて資格取得するうえでの注意点
- 志望企業・業界に関係ない資格を取ってしまう
- 資格勉強にばかり時間を取られて、就職対策が不十分になる
志望企業・業界に関係ない資格を取ってしまう
資格取得は「目標に向けて計画的に努力できる」といった人間性をアピールする材料にはなりますが、あまりにも希望業界や職種からかけ離れた資格だと効果はありません。
就職活動を目的とした資格ならとくに、せっかく長い勉強時間をかけて努力してきたのに、効果的なアピールでなければもったいないですよね。
たとえば外資系の企業に勤めたいのに、TOEICではなく普通自動車第一種運転免許をアピールしても、即戦力として認めてもらえない可能性が高いです。
もし学生時代に「まだ業界は決まっていないけれど、何かしらアピールできる資格が欲しい」といった方は、前業界・全業種で通用する資格取得を目指すといいでしょう。
資格勉強にばかり時間を取られて、就活対策が不十分になる
就職を有利に進めたいといった目的なのに、資格取得への勉強時間に捧げすぎて業界研究や就活対策が不十分になってしまうと本末転倒です。
つまり、資格取得が必ずしも就職に有利に働くというわけではないということ。
資格があるのはあくまで加点要素であることを念頭に置いたうえで、エントリーシートや履歴書対策はきっちりおこなうようにしましょう。
全業界・全業種で有利になりやすい資格
では実際に、就職活動において有利になりやすい資格にはどんなものが挙げられるのでしょうか?
ここでは、全業界・全業種において好印象を残しやすい資格について5つご紹介します。
まだ志望業界が決まっていない方や、複数の業界のうちで迷っているという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
全業界・全業種で有利になりやすい資格
- TOEIC
- MOS
- 日商簿記検定
- FP技能検定
- 中小企業診断士
➀TOEIC
TOEICは外資系企業に限らず、あらゆる業種や業界において英語力があることを示せるのでおすすめの資格です。
英語に関するコミュニケーションやビジネス能力を測定する民間資格なので、知名度も高くそこで高得点を獲得した実績があれば採用担当からの印象も変わってきます。
具体的には990点満点のうち、履歴書や書類に記載できて就職活動でアピールできるのは600~650点以上だとされており、とくに英語力を求められるようなところであれば800点以上あれば安心です。
TOEICは月に1回は開催されるものなので、資格のなかでは比較的受けやすいものにあたります。
アピールする場合は、単にスコアの高さを強調するのではなく、「なぜ勉強しようと思ったのか」や企業への志望理由、この能力やスキルをどう活かしていきたいかなどにつつなげるとベストです。
②MOS
MOSとは、「Microsoft Office Speciaist」の略でおもにWordやExcelなどといったほぼすべての業界・業種で通用するスキルの証明ができる民間資格です。
こちらも知名度は高く、事務や営業、研究職などほとんどの企業ではPCを操作するため基礎的なPC知識があることをアピールできます。
全国一斉試験なら月1回、随時試験なら地域によっては毎日開催されており、なお合格率も資格の中ではかなりたかいので「何かしら今後も役立つ資格を取っておきたい!」といった方は取っておいて損はないでしょう。
ただし、試験から結果が届くまでの間は約4~6週間程度かかるため、就職活動で記載したい場合は数か月前までには受験を終わらせておくようにしなければけません。
③日商簿記検定
日商簿記検定とは、おもに経済取引によって発生する資産や負債、収益や費用といった会社の財政状態などを記録する簿記に関する知識を測定する試験のことを指します。
日商簿記検定の資格を取得するメリットは、営業職や商社、金融業界を含むあらゆる業界で喜ばれるだけではなく、自分自身も日々のニュースやビジネスに関する知見が広がるといったことも!
実務に適用するレベルは3級以上、よりアピールになるのは2級以上だといわれていますが、2級になると難易度が高くなるため自分の志望業界や就職活動までの期間などを踏まえて計画的に勉強しましょう。
④FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定
FP技能検定は、投資や相続といったライフプランで必要不可欠となるお金に関する知識やスキルを証明するための国家資格です。
お金を日常的に取り扱う金融や保険業界などではなく、不動産やコンサルティング業界、税理士といった幅広い業界に通用するためまだ業界が絞れていない人にもおすすめです。
なお一般企業でもFP技能検定を受けていれば、財政管理や経理部門といった配属先に影響することも少なくありません。
試験は年に3回、勉強時間も必要なのでこちらも履歴書や面接でアピールしたいのなら就職活動時期の数か月前までには受験を終わらせておくといいでしょう。
⑤中小企業診断士
中小企業診断士とは、企業の抱える経常教の分析や診断、課題策などを提案する専門家であり、その能力を証明するための資格です。
おもに仕事内容が似ているコンサルティング業界にとどまらず、それと似た営業職やマネジメント職といった配属を希望する場合など業界・業種を選ばずに活かせます。
資格の中では難易度は高いですが、大学生でこの資格を持っている人は少ないため、企業側への印象を残せますしほかの学生との差別化も期待できるでしょう。
業界別!就職に有利な資格
学生のなかには、もう志望する業界や業種が決まっている人も多くいるでしょう。
より有利に就職活動を進めたいのなら、企業が求める人物像やスキル、能力をアピールするのが一番です。
そこでここでは、以下の業界別に就職に有利になりやすい資格についてご紹介します。
「目指したい業界は決まっているけれど、具体的に何の資格を取ればいいのかわからない」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
業秋別!就職に有利な資格
- 商社
- メーカー
- 金融関連
- 小売
- サービス・インフラ系
- 広告・マスコミ関連
- 通信・IT関連
- 不動産業界
商社
商社は就職活動においても学生のなかでは特に人気の業界のひとつであり、それだけ選考を突破するハードルも高いといわれています。
商社はあらゆる商材を扱い、売り手と買い手の間に立って取引の仲介をする仕事。
もし商社として働きたいのなら、以下の資格を持っておくと差別化を図れるでしょう。
- 英検・TOEFL
- 通関士
英検・TOEFL
英検はおもに、コミュニケーションやライティング、スピーキング、リスニングなどの要素からなる英語の資格試験のひとつです。
おもにビジネスシーンで求められる最低限のレベルとしては2級以上、さらに商社を目指す学生のなかで印象づけたいのなら準1級、1級を目指すといいでしょう。
またTOEFLに関してはTOEICと一緒に紹介されることが多く、おもに海外留学に行くための基準などにされやすいですが就職活動でもアピールポイントになります。
おもに120点満点中80点以上あれば、英語力があるとみなされるでしょう。
通関士
通関士とはあまり聞きなれない言葉ですが、おもに通関書類の審査や記名・捺印といった税関を通過するために必要な業務ができることを証明する資格です。
通関士の資格は持っている学生の方が少ないことから、ほかの学生との差別化を図れるといたメリットがあります。
ただし商社は英語力を重視する傾向があるため、優先度的には先に述べた資格を取ってから余裕のある人が補足的に取るのがおすすめです。
メーカー
メーカーといっても多岐にわたり、「食品」「電機」「自動車」「化学」「鉄鋼」などありますが、以下の資格はどのメーカーでも通用するものだといえるでしょう。
- 危険物取扱者
- 品質管理検定
- 衛生管理者
危険物取扱者
危険物取扱者は薬品や化学品といった危険物の取扱や、その取扱いに立ち会うために必要な資格のことを指します。
実務で役立つと判断されるのは乙種4類なので、とくに工場への配属の可能性がある企業であれば目指してみるといいでしょう。
品質管理検定
品質管理検定は通称「QC検定」とも呼ばれるもので、メーカーにおいても重視されやすい資格だといわれています。
具体的には品質管理に関わる手法や考え方、実践、改善能力などの知識を問われるもので、理系の学生だけではなく文系の学生にもおすすめです。
もし就職活動でアピールしたいなら、2級以上を目指してみてください。
衛生管理者
衛生管理者とは、働いているなかでの労働災害や労働者の健康障害を防止するためのスキルを示す資格です。
50人以上の労働者がいる場合、健康障害を防止するために必ずこの事業場専属の衛生管理者をつけることが義務付けられています。
薬品やガスといった危険物、危険な操作が必要な機械を使用する可能性のある企業や業界を希望するなら、ぜひ目指してみてください。
また今回ご紹介した上記の資格以外だと、「CAD利用技術者試験」もおすすめです。
CAD利用技術者試験は、ものづくりの現場で図面を書くのに使用されるCADというシステムに関する知識や操作ができることを証明する資格です。
こちらもまた、現場では即戦力だととらえられるので余裕のある方は検討してみてくださいね。
金融関連
金融業界はおもに銀行や保険、証券、クレジットなどあらゆる形でお金に携わる、人気業界のひとつです。
金融業界は高学歴の人もたくさん目指す業界なので、以下の資格を持っておけばアピールになります。
- 証券アナリスト
- 証券外務員
- ビジネス会計検定試験
証券アナリスト
証券アナリストは金融業界を中心とした多くの人が挑戦している資格で、市場を分析したり調査することの能力を証明するものです。
銀行や証券関連の業界を目指すひとだけではなく、金融や資本市場の知識を身につけられるメリットがあります。
ただし試験は年に2回、受験費もそう安くはないので自分の状況などを踏まえて考えてみてくださいね。
証券外務員
証券外務員は、金融にかかわる商品の販売や勧誘をおこなうための円門的な知識をアピールする資格です。
難易度もそこまで高くなく、金融を含める分野において最低限の金融に関する知識があると認められるものなので、持っておいて損はありません。
ビジネス会計検定試験
ビジネス会計検定試験は財務諸表の理解力を問う検定です。
よく簿記検定と一緒にされることが多いですが、簿記は記録・計算・整理・財務諸表の作成の知識を問われるのに対し、ビジネス会計検定試験では企業の良否歓談などより実践的な分析力が求められます。
金融業界を目指すのなら上記の資格もおすすめですが、同時にITへの知識もアピールできるMOSの資格も取っておくといいでしょう。
金融業界での実務では必ず数値分析の作業をしなくてならないため、とくにExcelといった表の作成は押さえておくのがベストです。
小売
小売業界とは、スーパーやコンビニ、百貨店、アパレル店など、物を売ることを目的とした場所であらゆる商品を取り扱う仕事です。
さまざまな商品を扱う可能性がたかいため、販売や物流に関する以下の資格を持っておくと有利になりやすいでしょう。
- 登録販売者
- 販売士
- 貿易実務検定
登録販売者
登録販売者とは、法律でつくられた一般用医薬品販売にかかわる資格で、おもに医薬品や医療機器などの品質や安全性などを問われます。
もしこの資格を取れば、市販薬を含める一般市薬品のうち、第二医薬品や第三医薬品を販売する権利が認められるので、将来薬局やドラグストアなどで働きたい方は即戦力としてアピールできます。
またこのほかにも、コンビニやスーパー、ホームセンターにもこの資格をもった人が在籍しているので、場所を問わず勤務地の選択肢が増えるのもメリットです。
販売士
販売士とは販売に必要な商品知識や販売技術、マーケティングなど販売にかかわる専門的な知識があることを証明できる資格です。
実践的な接客スキル、仕入れや在庫管理といった商品管理、店舗運営などがあるとアピールできるのでおすすめ。
また企業によっては、入社後に販売士の資格取得を義務付けているところも多いので、就職活動で伝えれば即s年力として採用される確率がアップします。
もし目指すなら、2級以上だと有効に働く可能性が高いですよ。
貿易実務検定
貿易実務検定とは貿易に関する知識や実務能力について問われる試験で、小売業界では知名度か高いことから就職活動でも有効的に働くケースが多いでしょう。
とくに海外との輸出入を伴う小売業界であれば、マーケティングや商談、契約、クレーム対応など実際の貿易業務をおこなう際にも役立つはずです。
貿易実務検定にはA・B・C級とありますが、もし就職活動を少しでも有利に進めたいのならB級以上を目指すのが望ましいでしょう。
サービス・インフラ系
サービス・インフラ系の業界もかなり幅広く、一部であっても以下の業種が挙げられます。
サービス・インフラ系の業種一覧
- 人材サービス
- コンサルティング
- 医療・福祉
- 飲食関連
- 電力・ガス・エネルギー
- 鉄道・航空関連
- 不動産
- 冠婚葬祭
- レジャー関連
- ホテル・宿泊施設
サービス・インフラ系の業種は幅広いからこそ、以下にあるすべての資格を取る必要はなく自分の目指す企業とのマッチングを優先させることが大事です。
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- ガス主任技術者
中小企業診断士
中小企業診断士とはおもに中小企業を対象に、企業が抱える課題を見つけ解決に向てのプランや成長戦略などをアドバイスする能力があると証明する資格です。
おもにコンサルティング業界を目指す学生であれば、経営全体の視点を養えますし、経営企画や経営戦略といった部署への希望も叶えられやすくなります。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、他T口建物取引業法に基づいて作られた国家資格で、不動産会社では達店業従事者5名に対して1名、この宅地建物取引士の設置が義務付けられています。
とくに不動産業界や住宅を取り扱う企業がこの資格を持っていれば、即戦力として履歴書や面接でアピールできるのでおすすめ。
企業によっては入社後に宅地建物取引士として資格取得を義務付けているところもあるので、難易度の高い国家資格ではありますが強い意思があれば目指してみるのもひとつです。
ガス主任技術者
ガス主任技術者とはガス工作物の工事やメンテナンスといった、現場にかかわる保安や監督ができることを示す国家資格です。
この資格を持っていれば、工場内のガス設備やメンテナンスなどもできるため、ガス関連会社や電力やガス、水道といったライフラインを支える企業を目指す学生であれば持っておくといいでしょう。
ほかにもサービス・インフラ系を目指す学生であれば市場や顧客の動き、ニーズを把握できる「マーケティング検定」と呼ばれるものもおすすめです。
広告・マスコミ関連
広告・マスコミ関連も幅広く、インターネット・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌といったあらゆるメディアに関わるものを担当します。
企業にもよりますが、一般的に学生にとっては人気の業界なので倍率も高め。
先にご紹介した商社と同様、差別化を図るには資格があることをアピールするのが有効です。
- DTPエキスパート認証試験
- ウェブ解析士
- 校正技能検定
DTPエキスパート認証試験
DTPエキスパート認証試験の「DTP」とは、書籍や新聞といった印刷物を制作する際、印刷できる状態のデータをつくることです。
具体的にデザインや編集、印刷、加工といった知識や技術があることを証明できるので、おもに出版業界や印刷業界を目指す方にはおすすめです。
ほかにも、illustratorやPhotoshopといったソフトを使いこなせる技術も得られるので、仕事や企業の選択肢が増えるといったメリットもあります。
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、ホームページなどのアクセス解析をする際に必要な知識やスキルを示す検定です。
とくにアナリストやそれに関わる業務をしたい場合、入社後に資格取得を勧められる可能性もあるので時間のある学生時代に取得しておくのが効率的です。
ただしウェブ解析士の資格は、資格取得後に年会費6,000円が必要となるため要注意。
多少お金がかかっても取る必要があるのか、事前によく吟味するようにしてください。
校正技能検定
構成技能検定とは、校正者(原稿の誤字や脱字などを修正する仕事)になるための基礎的な技能や知識があることを証明する資格です。
テレビ業界などでは直接業務に関わることは少ないですが、出版物(雑誌や本)の伴う企業では「DTPオペレーター」「校閲者」といった名称で募集されることが多いですよ。
また中途採用においても校正技能検定の資格を持っていれば、近い仕事ができるので持っておいて損はないでしょう。
通信・IT関連
通信業界では、電波を活用したさまざまなサービスを提供することから、ITに関する知識があることを証明できる資格があればアピールになります。
理系学生であれば学校でIT関連の知識を学べることもおおく、そのなかで戦いたいという文系学生ならより以下のような資格があると心強いでしょう。
- 基本情報技術者試験
- ITパスポート
- 応用情報技術者試験
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、ITエンジニアなどに必要な基礎知識や実践的な能力を示す資格のことです。
「IT技術者への登竜門」と呼ばれるほど最も基本的な資格なので、将来システムエンジニアや往路グラマー、WEBデザイナーになりたい学生であれば持っておくといいでしょう。
ITパスポート
ITパスポートもまた、ITに関する基礎知識をアピールできる資格のひとつ。
社内外の情報システム部門や転職時にも役立つので、ITエンジニアやプログラマー、WEBデザイナー、WEBディレクター、事務といった幅広い業界に通用します。
また経済産業省後任の国家資格ではあるものの、ほかの国家資格に比べる都市圏の難易度が低いため挑戦しやすい資格といえるでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験とはIT人材が目指す資格の中でもレベルが高く、基本情報技術者試験の上位に位置づけられる資格です。
おもにシステムエンジニアには必須の資格であることが多いので、業界への志望度が高くよりアピールにつなげたい方はぜひチャレンジしてみてください。
このほかにも「プロジェクトマネーシャー試験」と呼ばれるものは、プロジェクトの最高責任者を目指す人を対象とした難易度の高い試験のひとつとされています。
この資格を持っていれば、より早い段階からプロジェクトマネージャーとして働ける確率が高まりますし、年収アップも目指せるので入社後からでも勉強してみるといいでしょう。
不動産業界
不動産業界では、以下の資格の有無によって基本給が変わってくるケースも少なくありません。
また、入社後に資格取得を義務付けているところも多いので、学生時代のうちにとっておき、即戦力としてアピールするのもおすすめです。
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
宅地建物取引士
不動産業界では宅地建物取引士の資格を持っていることが義務付けられており、そもそも業務のなかにこの資格を持っていないとできない作業があります。
具体的には、宅地建物取引士の資格を持っていれば、住宅購入者や借主と貸主との間で契約内容や取引条件などの説明などです。
また不動産業を営む事務所に5人以上の従業員がいた場合、5人にうち1人の割合でこの資格を持つ人を設置しなければいけない決まりがあります。
学生でも中途採用者でもこの資格を持っているかいないかで、基本給がアップしたり資格手当が付与されるといったメリットもあります。
不動産鑑定士
不動産鑑定士とは、家や土地を鑑定して適正な価格をつけるために、土地や建物に関する法律やさまざまな環境や状況に応じて価値を判断する能力を問われる資格です。
先に述べた宅地建物取引士の資格のように必須としている企業は少ないでしょうが、多角的な視点を身につけられるので不動産関連のコンサルティング会社でも通用するでしょう。
手軽に取得できるおすすめの資格4つ
「資格を取りたいけれど、なかなか時間が取れない」「就活までに時間がない」といった方も多いはずです。
そこでここでは、比較的手軽に取得しやすい資格について4つご紹介します。
手軽に取得できるおすすめの資格4つ
- 秘書検定
- ビジネス法務検定
- 日経TEST
- 普通自動車第一種運転免許
➀秘書検定
秘書検定とはおもに秘書になるために必要な知識について問う試験ですが、秘書だけではなく一般企業でも社会人としての常識があることを示せる資格でもあります。
具体的には、電話応対や身だしなみ、人柄といった要素に加えて、実践的な接遇やビジネス文書といったことを問われる試験内容となっています。
秘書検定を受けるのなら2級以上のレベルなら、アピールポイントとして使えるので持っておくといいでしょう。
②ビジネス法務検定
ビジネス法務検定は法務部門への部署希望に限らず、営業・販売・総務・人事などざまざまな職種で需要があるのでおすすめです。
企業側へは、ビジネスパーソンとしてコンプライアンス意識があることの証明にもなりますし、昇進・昇給の対象になる可能性もあります。
③日経TEST
日経TESTは、日本掲載新聞社が実施する経済知識や思考力を問う試験です。
知名度は低いですが、経済や社会への関心の強さや知識力をアピールしたい学生にはおすすめです。
さらに就職活動の面接では、時事問題などの質問をされることが多いので、より効率的に情勢や市場理解などを深められるといったメリットもあります。
受験費もそこまで高くなく、勉強時間も資格のなかでは短いので時間がなくてもチャレンジしやすいでしょう。
④普通自動車第一種運転免許
普通自動車第一種運転免許は、就職活動対策だけではなく日常的な面においてもすでに資格取得している学生も少なくありません。
とくに営業職や不動産関連の業界では車の免許を必須としている企業も多く、入社後にとってもいい企業があってもなかなか忙しくて取れない人もいます。
「車の免許なんて時間がかかるのでは?」と思う方もいるでしょうが、免許合宿に行けば最短2週間程度で取得できるので学生時代に取っておくのがベストです。
ただし普通自動車第一種運転免許はそう簡単にできるものではありませんし、継続的に運転しなければ危険を伴う可能性があるため、そもそも必要な業界でないといけないのかを考える必要があります。
今回は4つの資格についてご紹介してきましたが、ほかにも「個人情報保護実務検定」「ビジネス実務マナー検定」「漢字検定」などもおすすめです。
また「時間がない!」といった方は、オンラインでも受験できるしかくや試験頻度が高い資格を目指してみるのもひとつ。
試験の開催時期や希望業界とのマッチング、費用、勉強時間などを踏まえて、自分に合った資格を選んで計画的に進めてみてくださいね。
周囲と差別化を図れる難易度の高い資格5選
なかには、「どうしても目指したい業界がある」「就職活動までにはある程度の時間がある」といった学生もいるはずです。
とくに高学歴の学生が集中しやすい業界や、人気の業界だとどれだけ周囲と差がつけられるかが重要。
そこでここでは、難治度は高いものの周りとの差別化が図りやすい資格についてご紹介します。
周囲と差別化を図れる難易度の高い資格5選
- 宅地建物取引士
- 行聖書士
- 公認会計士
- 社会保険労務士
- 弁理士
宅地建物取引士
宅地建物取引士の資格はおもに不動産業界で有利とされている資格です。
試験は50点満点で、7割以上の正答率で合格として認められるので、資格の中では難易度が高めだといえるでしょう。
もちろんもともとどれだけの知識があるかによっても異なりますが、宅地建物取引士の資格を取るにはおおよそ3~5カ月程度の勉強時間が必要だとされています。
行政書士
行政書士はおもに官公署に申請する際の会計記帳や決算、財務諸表の作成といった会計業務に関われる国家資格です。
行政書士の資格を持っていれば、さらにレベルの高い社会保険労務士の資格を目指せる条件も満たせます。
おもに法律系の資格のなかでは取得しやすい部類に入りますが、それでも範囲の広い試験となり合格率は約10%未満と一般的な資格の中では難しめ。
しかし将来、「独立したい!」「新しく開業したい」といった希望がある方は目指してみるといいでしょう。
公認会計士
公認会計士は会計のスペシャリストとして、公正な経済活動や発展に向けて重要な役割を持つ専門家であることを示す国家資格です。
医者や弁護士に続く難易度の高い資格であり、これはトップレベルの国公立大学に引けを取らないとされています。
公認会計士の資格を持っていれば、将来経営者のパートナーとして働きたい人だけではなく、グローバルに活躍したい人に向けてもおすすめです。
具体的な就職先には監査法人が挙げられますが、ほかにも一般事業やコンサルティング会社、税理士法人などもあるので就職先の選択肢も広がります。
社会保険労務士
社会保険労務士とは労働保険や社会保険諸法令にのっとって、行政機関に出す書類や申請書などを依頼者に代わって作成できる資格のことを指します。
雇用や労働問題、社会保険などの分野では唯一の国家資格であることから需要が高いですが、一方で合格率5~7%と先に紹介した行政書士よりは難易度は高め。
試験に合格するために必要な勉強時間はおおよそ1,000時間以上、つまり1年以上かかるとされており、なかなか独学では難しいので専門学校や通信講座などを受講する人がほとんどです。
社会保険労務士の資格を持っていれば、社労士資格を持っている者としておもに社労士事務所や経営コンサルティング会社への就職が期待されます。
社労士資格を取得するには以下の条件を満たす必要があるため、事前にチャックしておくようにしましょう。
社労士試験を受ける条件
- 大学において62単位以上、もしくは一般教養科目36単位以上の修得
- 専門教育科目などの単位修得に加えて、合計48単位以上の卒業要件単位を修得
弁理士
弁理士とは、法人企業から個人事業主まで幅広く、依頼主からの新規の発明品の知的財産権の申請を代行したり、万が一、知的財産権に関わるトラブルが起きたときに解決する能力があることを証明する資格です。
つまり、特許権や実用新案権・意匠権・商標権といった知的財産権に関する専門家ということですね。
弁理士の試験は、平均して3~4回ほど受検して合格するほどかなり難易度の高いものだとされており、「短答」「論文」「口述」の3段階でひとつずつの試験をパスしなければ次に進めないスタイルとなっています。
弁理士の資格を持っていると、入社後の配属部署への希望が通りやすくなるだけではなく、国内外問わず通用する資格なので、海外に興味のある学生にはおすすめです。
就活で資格を効果的にアピールするコツとは?
就職活動のために資格取得したことを前面に押し出しても、実際に採用担当者には届きません。
かえって「業界や職種に興味がないのでは?」と逆効果になってしまう恐れも。
そこここでは、就活で資格を効果的にアピールする際のコツやポイントについてご紹介します。
就活で資格を効果的にアピールするコツ
- 資格取得のきっかけや目的を明確にする
- 資格取得によって、「会社にどんな影響をもたらすか」を述べる
- 資格取得にあたっての具体的なエピソードを加えるとなおよし
➀資格取得のきっかけや目的を明確にする
就職活動で資格取得をアピールするのならまず、「そもそもなぜその資格を取得しようと思ったのか」のきっかけや目的を明確にしましょう。
なぜなら企業は新卒を取る際、その人自身の価値観や目的意識、興味、関心といったものを重視するからです。
例えば、「〇〇に以前から興味があってもっと知識をつけたいと考えたから」「将来は〇〇になりたいから勉強した」「〇〇を克服したいと思ったから」など、自分が何をモチベーションに目標に向けて努力できるかをアピールするのがいいでしょう。
②資格取得によって、「会社にどんな影響をもたらすか」を述べる
資格を取得しても企業での再現性がなければ、なかなか選考を突破するのは難しいでしょう。
したがって資格を持っている場合、「その資格や経験をどう企業に活かしたいと考えているか」まで伝えることが大事です。
たとえば、「語学力や英語力を生かしてグローバルな事業や部署で働きたい」「財務に関する知識でさまざまな企業のニーズに応えたい」など。
資格で得た知識やスキルをそのまま活かしたいとアピールするのもひとつですが、資格を取得するまでのプロセスなどを交えるとより効果的でしょう。
もし資格取得へのプロセスを述べるのであれば、勉強時間やスケジュール、「〇〇点から〇〇点まで上がった」など、なるべく具体的な数字を使って伝えるのがおすすめです。
③資格取得にあたっての具体的なエピソードを加えるとなおよし
資格の難易度にもよりますが、ほとんどの資格取得に向けての勉強では何かしら苦労した時期や困難にぶつかったときもあるでしょう。
とくに大学などで学んできた分野でなく、新しい分野について勉強するとなった場合、なかなか結果が思わしくないなんてこともあったはずです。
資格取得にあたって、「〇〇の部分がつらかった」「しかし、自分は〇〇をして克服した」「勉強方法を改善した」といったエピソードがあれば採用担当者への説得力も増します。
企業側は、「学生を採用した際、入社後にどんな働きをしてくれるのか」「学生の気質が会社の社風に合っているか」などを見ているので、困難にぶつかった際の取り組み方を軸に述べるといいでしょう。
資格取得を効果的にアピールすためには、どんな資格をとったかよりもその中身が重要です。
もし「学生時代に力を入れたこと」や「自己PR」で資格取得をアピールしたいのであれば、以下の流れで説明するといいでしょう。
資格取得をアピールする際の流れ
- 何の資格を取得したのか(結論)
- なぜその資格取得に興味を持ったのか、何を目的として資格取得を目指したのか(きっかけ)
- 資格を取得するにあたって、苦労した点や乗り越えたエピソード(結果)
- 資格取得によって得た知識や経験を今後どう生かしていきたいか(展望)
就職で資格をアピールする際に注意すべきこと
就職活動で資格取得をアピールしたい気持ちが先行してしまうがゆえに、間違ったアピール方法やつい見逃してしまいやすい点もあります。
せっかく資格を取っているのに、企業に伝わらないともったいないですよね。
そこでここでは、就職で資格をアピールする際に注意すべきことについていくつかご紹介します。
就職で資格をアピールする際に注意すべきこと
- 会社が求めるレベルではないものだとアピールにならない
- 有効期限の切れたものを記載しない
- 勉強中のものがあればそれも書いてよい
会社が求めるレベルではないものだとアピールにならない
資格によっては合格だけではなく、「〇級」や「〇点」など段階別に用意されているものもあります。
これは企業や業界の人気度といったものにもよりますが、会社が求めるレベルではないものであれば記載しないほうが良いケースも存在します。
「業界や企業にマッチングす資格って何?」と気になる方は、以下の方法で探しみてください。
業界・企業にマッチングする資格の探し方
- 募集要項などに記載されている「企業が求める人物像」を調べる
- 業界や企業の今後の動向をチェックする
- 企業が定まている場合は、実際にそこで働いている人に直接聞く(OB・OG訪問)
募集要項に「〇〇以上」と記載があればそこを目指すといいですが、記載されていない時は注意が必要です。
つまり資格を記載するときはまず、自分の持つ資格のレベルが「ビジネスとして最低限のレベル」なのか「ハイレベルな業種・職種にも通用するものなのか」の見極めが重要に!
資格があるからといって、むやみやたらと書けばいいというわけではないことを念頭に置いておきましょう。
有効期限の切れたものを記載しない
基本的に簿記や語学関連の資格には有効期限はありませんが、免許制のものであれば無期限ではないので注意しましょう。
期限が切れてしまうと資格としてアピールできないため、それを知らずに記載してしまうと虚偽の情報となってしまいます。
また学生に多いTOEICに関しては有効期限こそないものの、結果の証明書を再発行するには2年以内だとされているため、書類での提出が必要な場合は気を付けなければいけません。
ほかにも先ほど紹介した宅地建物取引士の資格も、資格自体の有効期限はありませんが業務上での取引主任者証の有効期限は5年間なので要注意。
就職活動で資格取得をアピール際は必ず、「これまで自分が獲得してきた資格に有効期限がないか」「更新が必要なものはないか」をチェックするようにしましょう。
勉強中のものがあればそれも書いてよい
もしまだ資格を正式に取得しておらず、何も書けないといった学生はこれから取得する予定があるものや現在勉強中のものを記載するのもひとつです。
取得予定というのは受験済みであり合否の結果待ちの状態のことを指し、履歴書やエントリーシートには「〇年〇月 取得予定」といったように示します。
また、まだ受検していないもしくは何カ月後かに受験する予定のあるものに関しては、「〇〇の試験合格に向けて勉強中」と記載するといいでしょう。
あるいは、資格欄の最下部に年月を空欄のまま提出するという方法もあります。
いずれにせよ、目標を定めて努力しているのであれば、向上心の高さや企業・業界への興味があることをアピールできるので伝えきるのがいいでしょう。
まとめ
今回は、就職に有利な資格について業界ごとにご紹介してきました。
資格取得は企業や業界に関わるものや入社後に必要となるものであれば、採用担当者にとっては知識の有無だけではなく、「意欲がある」「困難にも立ち向かえる人物である」と証明できるメリットがあります。
しかし、資格を持っているからといって必ずしも内定に直結するわけではありません。
また、資格取得にとらわれすぎてやみくもに関係のないものばかり取ったり、数ばかりを優先するのはおすすめしません。
もし資格取得をアピールする場合でも、あくまで加点要素のひとつだととらえ、「自分がどんな働き方をしたいか」のキャリアプランを踏まえたうえで有効な資格を取るようにしましょう。
今回の記事を参考に、自分の目標に合った資格取得を目指してみてくださいね。