働きながら大学へ通える方法はないかと考えている皆さん、通信制大学というものをご存じですか?
通信制大学では、通学の機会を最低限にしてテキストやWeb上の授業を受けることが可能で、きちんと単位を取得すれば大卒の認定資格を受けられます。
しかし通信制大学にはどんな大学があって、どんなことが学べるのか今イチ判断がつかないという方も多いことでしょう。
そこで今回は有名な通信制大学や、通信制大学の選び方・注意点まで徹底的に解説していきます。
通信制大学ってどんな特徴があるの?
通信制大学と聞いても、実際にどんなことができる大学なのか、今イチイメージが付かないという方も多いでしょう。
通信制大学の特徴は以下の通りです。
- 自宅で勉強しながら大学卒業ができる
- 3つの授業形態を併用して勉強を進められる
- 通学制よりも入学が簡単
- 年間の学費が比較的安い
以下で詳しく解説していきます。
自宅で勉強しながら大学卒業ができる
通信制大学では、自宅で勉強をしながら大学卒業を目指すことが可能です。
通常大学で卒業を目指す場合は、指定されたカリキュラムに沿って自分で組んだ履修に沿って通学する必要があります。
しかし通信制大学の場合は最低限の投稿日数があれば、大学にまで足を運ばなくても単位取得が可能です。
後述しますがスクーリングの回数を最低限に抑えられるので、遠方にある大学でも入学しやすくなります。
3つの授業形態を併用して勉強を進められる
通信制大学では下記の3つの授業形態を導入しており、単位の種類によって併用していきます。
- テキスト学習
- メディア学習
- スクーリング(対面授業)
テキスト学習はあらかじめ送られてきているテキストを元に、自分で学習を進めていくスタイルです。
メディア学習はオンライン授業のようなもので、講師が登壇して説明している様子を見ながら学習を進めていけます。
スクーリングは土日祝日や大型連休を活用した、対面授業のことを指します。
単位の種類によってどの授業形態が選択されるかは変わるので、シラバスをよく確認しておきましょう。
通学制よりも入学が簡単
通信制の大学は通学制よりも入学が簡単なことで知られています。
通学制の場合は皆さんもご存じの通り、共通テストを利用した入試か、大学独自のテストを受験する一般受験に合格する必要があります。
しかし通信制大学の場合には、願書の提出だけでOKな場合や、大学の職員との面接や簡単なテストだけで済むケースが多いです。
高卒あるいは高卒認定資格があれば受験できるので、通常の入試よりも対策することは少ないでしょう。
年間の学費が比較的安い
通信制大学は通学型の大学とは異なり、年間の学費が比較的安いです。
通常大学には施設の利用費等雑費がかかるため、授業料以外にかかるお金が非常に多いです。
一方で通信制大学の場合は年間でかかる費用も半分程度に収まることもありますので、働きながらでも通える低コストで大学の授業を受けることができるでしょう。
【2022年最新】人気・おすすめの通信制大学6選
2022年時点で人気・おすすめの通信制大学は、以下の通りです。
- 中央大学
- 法政大学
- 日本大学
- 日本女子大学
- 帝京大学
- 放送大学
以下で詳しく解説していきます。
中央大学
中央大学は東京都にある私立の大学です。
通信制大学としては、法学部のみが開講されています。
レポート学習を中心として、オンライン授業を含めたスクーリングを行うことになります。
科目試験は年4回開催され、全国各地に試験会場が設置されているのがポイント。
東京にある私立大学は基本的に全国規模で学生が集まるので、サポートが充実しているのがポイントです。
中央大学の法学部は国内でも有数の名門として知られているので、法学を専門に学びたいと考えているなら通って損はありません。
また入学金等を含めて、初年度の学費が比較的安く、入学金が2万円、基本授業料が8万円と計10万円で授業を受けられるのも経済的であるといえるでしょう。
法政大学
法政大学は東京にある通信制代が気宇です。
学べる学部の種類が豊富で、下記のとおり3学部6学科の中から選択できます。
- 法学部法律学科
- 文学部日本文学科
- 文学部史学科
- 文学部地理学科
- 経済学部経済学科
- 経済学部商業学科
通信学習地してリポート作成を行ったりスクーリング・メディアスクーリングを行い、単位取得を目指していきます。
他の通信制大学と異なる点として、地方でもスクーリングを実施していますので、該当する科目であれば近くの地域で受講できるのも大きなメリットでしょう。
また通信制大学で学びを深めたあとには、法政大学の大学院まで進学することも可能です。
入学後の納入金は、入学金や教育費等雑費を含めて、12万円です(1年次入学)。
その後2~4年生までは教育費8万円に加えて、各科目ごとのスクーリング費用が必要になります。
日本大学
日本大学は東京にある私立大学で、国内でも有数のマンモス校として知られています。
下記の通り全4学部8学科が用意されており、他の大学にはない哲学系の学問を学ぶこともできます。
- 法学部法律学科
- 法学部政治経済学科
- 文理学部文学専攻(国文学)
- 文理学部文学専攻(英文学)
- 文理学部哲学専攻
- 文理学部史学専攻
- 経済学部経済学科
- 商学部商業学科
初年度の学費は148500円と他の大学よりは納入金額が高く設定されています。
しかし他の大学よりはスクーリング専用の施設があったり、全国の学習センターで職員からの指導を受けられる等、学習サポートが充実しています。
自分ひとりでレポート作成や単位認定試験が難しいと感じている場合には、サポートの手厚い日本大学通信教育部がおすすめです。
日本女子大学
日本女子大学の通信教育課程は、東京にある女子大学です。
通信教育課程では、日本で唯一家政学を学べ、下記の学科が用意されています。
- 児童学科
- 食物学科
- 生活芸術学科
他の大学とは異なり、独自の学科が用意されていることに加えて、取得できる資格の種類も豊富に用意されています。
- フードスペシャリスト
- 繊維製品品質管理士
- 二級建築士
- 木造建築士
女子大のため女性しか入学できないため、異性のいない環境で学びを深めたいという方に向いている大学であるといえます。
1年次入学の場合、授業料15万円と雑費を含めて191480円です。
授業料の中にはテキストや科目終了試験受験等の費用が含まれます。
その後2~4年生の場合は授業料と保険料を含め、150340円が1年間の納入金額になります。
帝京大学
帝京大学は国内各所にキャンパスを置く大学です。
通信教育課程では、他の大学とは異なり理系の学部で学ぶことができます。
理工学部情報学科通信教育課程と、理工学研究科情報科学専攻の2つから選択できます。
理工学部では、情報技術や情報通信技術を専門に取り扱う学部で、最先端の技術や知識を学ぶことができます。
最近では情報技術の発展により、IT業界が盛り上がりを見せています。
大学は常に新技術の開発に着手していますから、社会人として働きながら勉強するには最適の環境であるといえるでしょう。
初年度納入金は選考料・入学金・授業料を含めて194,760円です。
テキストは別途購入が必要なので、注意が必要です。
放送大学
放送大学は通信制の専門の大学です。
基本的に授業はBSテレビ・ラジオ・インターネットで進めていき、授業によってはスクーリングを実施することもあります。
用意されている学部は教育学部、下記の通り6つのコースが用意されています。
- 生活と福祉コース
- 心理と教育コース
- 社会と産業コース
- 人間と文化コース
- 情報コース
- 自然と環境コース
単科大学ではあるものの、様々なコースが用意されているので、興味のあるコースを選択して学びを深めることができます。
入学料は目的によって異なり、大学卒業を目指すのであれば、24,000円、キャリアアップや科目のみ学びたいという方は、1年間在籍で9,000円、半年間の在籍で7,000円となります。
また授業形態によって追加で授業料がかかります。
基本的に1科目11,000円となり、学期が始まる前に一括納入を行います。
スクーリングは全国にある学習センターを活用して開講されるので、遠方に住んでいる方でも安心です。
通信制大学を選ぶ時のポイント
通信制大学は国内に様々ありますが、どの通信制代大学を選んでいいのか判断がつかないこともありますよね。
通信制大学を選ぶときのポイントは、以下の通りです。
- 学びたい分野の科目が履修できるか
- スクーリングの期間
- 科目ごとにかかる費用
- 卒業率
- 取りたい資格が取得できるか
以下で詳しく解説していきます。
学びたい分野の科目が履修できるか
通信制大学を選ぶ基準の一つとして、学びたい分野の科目が履修できるかが重要です。
通信制大学では法学や文学、史学など様々なジャンルの科目を用意しており、各大学で学べる履修科目が異なります。
基礎科目は同じだとしてもその他の専門科目でカリキュラムが異なることもあり、自分の学びたいことに沿わないこともあります。
各通信制大学の公式サイト上では、各学科のシラバスが公開されています。
シラバスをチェックして学びたい科目があるかを確認しておきましょう。
スクーリングの期間
通信制大学を選ぶ時には、スクーリングの期間も調べておきましょう。
上述した通り通信制大学ではスクーリングを行いますが、科目と同様に通信制大学ごとにスクーリングの期間は異なります。
また原則スクーリングは勤労学生のことも考慮して、土日祝日や大型連休、夏休み期間を活用します。
ただし勤務先の休みとうまく被るか、繁忙期に当たらないかはやはり大学ごとに異なります。
通信制大学の相談窓口に連絡してみて、大体のスクーリング期間を確認しておきましょう。
科目ごとにかかる費用
通信制大学では授業料のほかにも、科目ごとに費用が掛かります。
テキスト代やメディア授業料、またスクーリング費用等、授業形態によって支払う金額が異なります。
また実習やフィールドワークがある場合や、卒論の考査費用もかかります。
学年ごとに年間で取得が推奨されている単位数が決められているので、1年でどのくらいの費用がかかるのかも計算しておくといいでしょう。
ちなみに一般的には初年度が一番納入金も取得単位数も多くなる傾向にあるので、通信制大学に入学するのであればある程度まとまったお金がある方が安心です。
卒業率
通信制大学を選ぶ時には、卒業率も確認しておきましょう。
通信制大学は学生個人のやる気によって単位の取得状況が変化します。
そのため途中で自宅学習を投げ出してしまう学生が多く、卒業率が低いです。
しかし卒業率が低い傾向の中でも、比較的高い水準を保っている大学もあります。
卒業率が比較的高い大学は、学習サポートや継続して学習できるようにきちんとカリキュラムが組まれている可能性が高いです。
通信制大学は学費が安いとはいえ、4年間通い続けるとなると高額な出費になります。
自分が卒業できそうな大学を選ぶことも重要なのです。
取りたい資格が取得できるか
通信制大学の中には、学芸員や教員資格が取れる大学もあります。
大学でしか取れない資格も多数ありますから、資格取得が本当にできるかをよく確認しておく必要があります。
また合わせて、資格取得に必要な単位数や授業についても調べておきましょう。
大学に通いながら資格を取得するには、教育実習などの実習科目や、特定の履修科目を選択する必要があるのです。
履修を忘れてしまうとせっかく通えたとしても、時間とお金の無駄になってしまいます。
通信制大学に進学するときの注意点
通信制大学は自宅で勉強を進めながら大卒資格が得られるため、大学を出ていない社会人からすると、働きながらでも通えるメリットを強く感じるかもしれません。
しかし通信制大学は下記のような注意点もあります。
- 科目履修生だと大卒資格は手に入らない
- 1年次から始める必要がない場合も
- 理系科目が学べる大学が少ない
以下で詳しく解説していきます。
科目履修生だと大卒資格は手に入らない
通信制大学の中には、正科生だけではなく科目履修生制度を導入しているところもあります。
科目履修生はあくまで大学の授業を一時的に受けられる状態を指しますから、正式な学生として扱われません。
そのため科目履修生として単位を取得しても、大卒資格は手に入らないのです。
そもそも科目履修生は社会人が大学の特定の科目を履修できるように開設されているため、目的が全く異なります。
1年次から始める必要がない場合も
大学を中退して既に持っている単位がある場合等、通信制大学を1年次から始める必要がない場合もあります。
実は大学の中には単位互換制度を導入しているところもあり、既に取得している単位数を他の大学で活かせることもあるんです。
途中編入ができる場合もありますので、大学側に確認しておくことをおすすめします。
理系科目が学べる大学が少ない
通信制大学では文系学部が多く、理系科目が学べる大学が少ない傾向にあります。
理系科目の場合、大学での実習が必要になることが多く、自宅学習だけで進められることが少ないのです。
理系科目を学びたい場合には、ひと段落してから通学制のだいがくにはいることをおすすめします。
通信制大学でも奨学金制度は利用できる
通信制大学は上述した通り学費が安い傾向にありますが、やはり社会人として生活を送りながら学費を支払うのは難しいという方もいるでしょう。
実は通信制大学でも学校独自の奨学金・学費減免制度や、日本学生支援機構の奨学金を利用できるのです。
大学独自の奨学金や学費減免制度の場合、2年生以上で学業成績が優秀な学生という条件が設けられています。
日本学生支援機構の場合は、第一種・第二種の各条件をきちんと満たせていれば、申し込みが可能です。
どちらも申込期限が設けられているので、きちんと期限を確認して申し込みを行う必要があります。
気になる通信制大学を探して学びを深めよう
いかがでしたか?
通信制大学は自宅に居ながらでも学習を進められるので、社会人でも学びの場を提供できます。
学費も通学制より安く設定されていることが多いですから、自分に合った学校を見つけていきましょう。
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