「将来、旅館で仕事をしたいけど仕事を始めるにはどうしたらいいの?」
「お出迎えや食事の配膳などの仕事以外に、旅館ではどんな仕事をするの?」
宿泊施設の1つにして、日本ならではの「おもてなし」の心を大切にしている旅館業界で、将来仕事をしたいと考えている学生がいます。
当業界での仕事といえば、お出迎えからお見送り、朝夕の配膳、布団敷などの仕事がメインにと考えている学生もいますが、旅館業界の仕事はこれ以外にもあります。
そして業界の実態を知るなら、インターンに参加して内情を知るのが一番ですね。
そこで今回は、「旅館業界」が催しているインターンの内容と、参加して得られる経験・スキルをご紹介します。
旅館業界で行われるインターンの内容
ここでは、旅館業界が催しているインターンの内容について各機関別にご紹介します。
短期インターンの内容
1~2日間にかけて実施される短期インターンや、ZoomやSkypeなどのコミュニケーションツールを用いて実施されるオンライン形式の1dayインターンでは以下のものが催されます。
【インターン内容】
- 会社概要・業務内容
- 施設案内
- グループディスカッション
- 座談会・懇親会
- 質疑応答
上記4つが短期・1dayのインターンでは、共通して実施されます。
加えて、短期インターンでは基本1泊2日でインターンが実施されますので、簡単な実務をインターン生に任せます。
そのため、会社概要・業務説明を触り程度で終えた後、1~3時間ほど実務・礼儀作法研修を設けて午後から実務体験を任せるインターンが多く存在します。
【体験できる業務】
- フロントスタッフ
- ウルカムドリンクの提供
- お出迎え
- お見送り
- お部屋までのご案内
- 朝夕の配膳体験
- 布団敷
- ルームメンテナンス業務
就業体験では、主に「中居」の実務をメインに体験します。
長期インターンの内容
次は2週間~1ヶ月以上の実施期間を設けている長期インターンでは、以下のものが催されます。
【インターンの内容】
- 会社概要・業務説明
- 実務・礼儀作法研修
- 実務体験
- 座談会・懇親会(最終日)
上記4つのプログラム構成で実施されます。
長期インターンに参加している間は、社員寮に住み込みで参加しますので、参加を検討されている学生の多くが学業との折り合いを見越して長期休暇中に参加されるケースが多いです。
インターン中に任せられる業務は以下のものになります。
【体験できる業務】
- フロントスタッフ(お出迎え、お見送り、チェックイン・アウトの受付)
- ウェルカムドリンクの提供
- お部屋までのご案内
- 朝夕の配膳体験
- 布団敷
- ルームメンテナンス業務
など、中居業務に加えて、裏方業務、厨房業務など幅広く受け持ちます。
またインターン中、旅館周辺の商業施設のインタビュー、アポ取りなどの「取材業務」やSNS・HP更新、書類整理などの事務処理をインターン生に任せるところもあります。
旅館業界のインターン参加のメリット、得られる経験、スキル
ここでは、インターン参加のメリット、参加することで得られる経験・スキルを解説します。
参加のメリット
旅館業界のインターンに参加するメリットは、以下の点が挙げられます。
【参加メリット】
- 人との関わり
- インターンを通じて、やりたい仕事が見えてくる
メリット①人との関わり
旅館業界では、フロントでの受付からお部屋までのご案内、朝夕食の配膳、お見送りにかけてお客様の関わりが深い業界です。
業務を通じて、観光地に遊びに来られたお客様との出会いから始まって、お部屋に案内するまでの間の会話を持ってコミュニケーションを図ったりするなど、人との関わりが絶えません。
メリット②インターンを通じて、やりたい仕事が見えてくる
日本の「おもてなしの心」を重んじる旅館業界のインターンに参加した学生の中には
「イメージしていたものとなんか違った」
「自分は地道にコツコツと、積み上げていくのが向いている」
など、実務体験を通じて「自分が本当にやりたいことがこれなのか?」ということに気が付けます。
得られる経験・スキル
以下は、インターン参加で得られる経験・スキルです。
【インターン参加で得られる経験・スキル】
- コミュニケーション能力
- 礼儀作法、言葉遣い
スキル①コミュニケーション能力
旅館で仕事をするスタッフや、来館されたお客様との関わりが絶えない旅館業界のインターンに参加することで、自身のコミュニケーション能力を養えます。
来館されるお客様の年代層は幅広く10代から5,60代の方など幅広い方々と接する機会が多いため、年代に応じたい対応の引き出しを築けます。
またここで養ったコミュニケーション能力は、他業界を志望しても通用します。
スキル②礼儀作法、正しい言葉遣いが学べる
「礼儀作法・正しい言葉遣い」は、旅館業界をはじめとする接客業全般で大切なことです。
特に「おもてなしの心」を重んじる旅館業界では、「座学」として「礼儀作法・正しい言葉遣い」を学びます。
最初はぎこちなくても、先輩社員の身のこなしを見ていくうちに、自然と身についていきます。
旅館業界のインターンを通じて得た経験・スキルは接客業をはじめとする他業界、就職活動でも活かせます。
旅館業界インターンに参加して感じるやりがい・魅力
ここでは、旅館業界インターンに参加して感じる、やりがいや魅力をご紹介します。
お客様からの感謝の言葉
旅館に滞在されているお客様の身の回りのお世話をすべて行う中居の実務にあたっている間、お客様から「ありがとう」などの感謝の言葉を頂く場面が多々あります。
朝夕の配膳や布団敷、お見送りの場面で、お客様から感謝の言葉を頂けるのは、この仕事の魅力ならではです。
自分らしさの追求
お客様に「サービスを提供する」のが接客業ならではです。
しかしその形、やり方は業界で様々です。
旅館業界のインターンに参加すれば、初日に座学として「礼儀作法・言葉遣い」を学びますが、これはすべての業務に行っていく上で欠かせない「ツール」であり「土台」の役割です。
来館されたお客様をお出迎えしてからお部屋まで案内するまでの間に、どのような会話をするかなど、与えられた業務をこなしながら、「自分らしさを追求」したサービスができるようになります。
変化に満ちた日々
日によって来館されるお客様が違えば、その日に起こりうる出来事に毎日同じというわけではありません。
閑散としている時期もあれば、1日に何百ものお客様が来館される日があったり、時には、修学旅行で参られた学生をお出迎えするなど、時期や日によって違う日常を「旅館」という舞台で体験できます。
ホテル業界との違いはどこにある?
旅館業界は、よく「宿泊施設で仕事をする」という理由から「ホテル業界」と一色淡にされがちです。
来館されたお客様に最高のおもてなしとサービスを提供するという、共通の思いや考え方がある両業界ですが、実は実務内容やお客様との関わり方は全く異なります。
ここでは、両業界の違いを解説します。
【両業界の違い】
- 顔を合わせる回数
- 接点を築く頻度
- サービスの基準
違い①顔を合わせる回数
まずはお客様と顔を合わせる回数に違いがあります。
【旅館の場合】
ほとんどの旅館には、部屋に備え付けられた風呂を利用するよりも、別棟に設けられた温泉を利用されます。
そこでは、浴衣を着て館内を散策されたり、ロビーや娯楽フロアで各々自由な時間を過ごされます。
館内を散策していれば、中居とすれ違います。その瀬戸際に挨拶をするなど、旅館ではお客様と中居の距離感が近しい雰囲気に包まれています。
また旅館の朝夕食は、大部屋の場合もあれば、部屋で食事をします。
中居は、その都度お部屋に上がって食事の配膳、料理の説明を行うので、顔を合わせる回数が非常に多いです。
【ホテルの場合】
対してホテルの1室は、防音完備がされた個室です。
ルームキーのセキュリティも高く、「お客様のプライバシー保護」を徹底しています。
お客様の中には、仕事関係で利用されている方もいるため、館内を散策される方は少ないです。
また旅館のように部屋食というシステムが設けられていないため、必要以外、スタッフが部屋を訪ねることはありません。
違い②接点を築く頻度
両業界でも、チェックイン・チェックアウトでお客様と関わることに違いはありません。しかし、それ以降の関わりの築き方に違いがあります。
【旅館の場合】
旅館の場合、お出迎えのチェックインから、翌日のチェックアウトの時間までお客様と接する頻度が多いです。
お客様が来館された後は、お手荷物をお部屋までもって案内して、その場でお茶出しのサービスをしたり、部屋食の準備、提供、片付け、布団敷など客室を訪ねるので、お客様と接点を築く頻度が多いです。
【ホテルの場合】
対してホテルの場合、フロントスタッフがお客様のお出迎え・お見送りを承った後はベルスタッフが客室まで案内して以降は、接点を築くことがありません。
万が一、お客様から緊急を伴う連絡がきたときやルームサービスを受け付けるときのみ、客室を訪れますが、基本的には、フロントでのお出迎え・お見送り、客室までの案内の身となります。
違い③サービスの基準
最後は「サービスの基準」です。
【旅館の場合】
旅館のサービス基準は「日本の伝統的なおもてなし」を基準に、来館されたお客様をお出迎えします。
日本伝統のおもてなしとは、細やかな気配りから心配りを持って、お客様に寄り添ったサービスを提供することです。
旅館業界では、この心を持って「温かみがある」接客サービスをお客様に提供しています。
【ホテルの場合】
対してホテル業界では、「おもてなし」の心を尊重しながら、「お客様のプライバシー」を守ることを前提にした「世界基準」でサービスを提供しています。
お客様とは、節度ある距離感を保ちながら、安全性と快適さをお届けするのがホテル業界のおもてなしです。
まとめ
以上が、「旅館業界」が催しているインターンの内容と、参加して得られる経験・スキルをご紹介でした。
旅館業界のインターンに参加している間、幅広い年代層のお客様で関わりを築く機会が多く、年相応の会話術やコミュニケーション能力を養えます。
当業界が催すインターンで得た経験・スキルは、他業界を志望しても恥ずかしくないモノばかりです。
特に「接客業」を志している学生は、一度旅館業界のインターンに参加してみてはいかがでしょうか?
「日本由来のおもてなし」を、インターン参加を持って1つの経験・スキルとして体験できます。