合同説明会は、就活生にとって会社との「ファーストコンタクト」になる場であると同時に、説明会に赴いた社員の雰囲気や口ぶりから会社HPや就活サイトから得られない社風・内部情報を得ようと、真剣な思いで参加しています。
対して企業も自社に興味を持ってもらうために、「自社の魅力」をアピールします。
しかし、合同説明会に参加した就活生の中には
- 期待していたものとは違う
- 得たい情報が得られなかった
と肩を落とす学生もいれば
- 参加してよかった
- 見た目や雰囲気が良いイメージにつながった
など、就活生から高い満足を得た説明会の例があります。
そこで今回は、合同説明会で学生が会社に「何を求めている」のか…そのニーズについて解説すると同時に、就活生が「面白い!」と思ったユーモア溢れる採用事例についてご紹介します。
この記事が、説明会司会を任せられた人事様の力になれば幸いです。
就活生が求める合同説明会とは?
ここでは、就活生が合同説明会で求めているニーズ、会社の魅力が最大限伝わる瞬間3選をご紹介します。
合同説明会に出展する目的
合同説明会に出展する目的は
- 就活生とのファーストコンタクト
- 自社の魅力・情報を提供する
の2点です。
中でも、2つ目の「自社の魅力・情報を提供すること」を提供するとき、「将来的に自社で働きたい」と、就活生に思ってもらうことが重要です。
その考え方に至るために、企業側が取る行動が
- 就活生が説明会に何を求めているのかという「ニーズ」を探ること
- 説明会で感じてほしいこと
の2点を考えて合同説明会に出展しましょう。
会社概要よりも社風や社員の働く様子が知りたい
合同説明会では、会社HPに就活サイトなどに掲載されている「会社概要」をまとめた資料を用いて説明している会社が一定数います。
しかし、就活生が「合同説明会」の場で求めているのは、そうであってそうじゃないんです。
就活生が合同説明会の場でほしい情報は、会社HPや就活サイトに掲載されている「会社概要」や「事業内容」など、手段を用いれば誰でも手に入る情報ではありません。
【就活生が欲しい情報】
- その会社に勤める社員の人柄
- 働き方・社風・職場の雰囲気
- 入社後のキャリアモデル
など「人」にまつわる情報を知りたいという就活生が多いです。
自分が将来就く職場になるなら
- 現に勤めている社員と良好な人間関係を構築したい
- 自分が働いているイメージ像を想像しやすい
- この会社の社風・雰囲気は自分が理想とする働き方にあっている
と、入社後のギャップ、ミスマッチ防止に就活生自身の判断で努められます。
合同説明会が魅力的に感じる瞬間3選
ここからは、就活生が合同説明会に参加して、魅力的に感じる説明会に出会った瞬間3選です。
魅力①社員との交流会
就活生が説明会に参加して魅力的に瞬間の1つ目は「社員との交流」です。
合同説明会の場で、就活生が知りたい情報は「社風や職場の雰囲気」など、実際に会社を訪れない限り、得られない人にまつわる情報です。
会社概要を説明会開始の冒頭で「触り程度」で済ませて、説明会に参加してくれた就活生と交流、質疑応答などの時間を設ければ、就活生は社風・職場の雰囲気を間接的に得られるほか、その場で良好的な人間関係を構築できます。
魅力②ストーリー性がある会社説明
2つ目は「ストーリー性がある会社説明」を行うことです。
説明会で「会社概要」や「事業内容」をただ口頭で説明しても、自社の魅力が伝わりません。ましてや、就活生には「退屈」に感じる方もいれば、「印象」や「魅力的」を感じません。
説明するときは、その当時のエピソードを交えつつ、ブースに立ち寄ってくれた就活生が共感できるような「ストーリー性」を持たせて説明すると、印象に残ります。
魅力③スライドや映像を用いた会社説明会
最後は「スライドや映像を用いた会社説明会」です。
準備に手間を要しますが、文章だけではイメージがしにくい部分をスライドや映像を用いることで、補完できます。
さらに、映像を通して自分がその職場で働いているイメージが、社員から話を聞く以上にしやすくなります。
就活生のニーズ、印象に残る「説明会」にするポイントはココ!
ここでは、就活生のニーズを満たす、印象に残る「説明会」にするポイントを解説します。
説明会は「誰のために」「なんのためにする」のかを考える
会社説明会を行うとき、「誰のために」「何のためにするのか」を常に考えて行いましょう。
当然、会社説明会は「就活生のため」であり、「何のためにするのか」は「自社の魅力を知ってもらうため」です。
「会社説明会」は、「会社」という商品を就活生に売り込むための「営業活動」です。
A.「「就活生」にとって「為」になる自社の魅力をお届けする」ことだけです。
その「為」になる魅力的な情報というのが前述した
- その会社に勤める社員の人柄
- 働き方・社風・職場の雰囲気
- 入社後のキャリアモデル
などの「人」にまつわる情報です。
この情報を伝える時も口頭ではなく、映像やスライドを用いり、就活生がイメージしやすいようにするなどの配慮を心掛けましょう。
会社説明会で就活生のニーズを満たす説明内容3選
内容①就活生のニーズに即したもの
合同説明会に参加する就活生にとってほしい情報は、会社の概要や事業内容などのHPを見れば得られる情報ではなく、社風や社員のキャリアモデル、働き方などの情報です。
説明会に参加する就活生の多くが、この情報を求めている一方で、会社側は「会社説明会=会社のことを伝える場」という考えから、誰もが得られる情報を時間いっぱい伝えているケースが目立ちます。
そこには
- 会社の魅力
- 就活生のニーズを満たしている
とは言い難いです。
また就活生にとって社風や社員のキャリアモデル、働き方などを聞くのは今後の選考に関わるという考えから聞きにくい側面を有しています。
就活生のニーズを満たすためにも、担当者が積極的に話していくなど、オープンな雰囲気で説明していきましょう。
「人柄がいいこと」を雌雄活性に印象付けできれば、向こうも質問や話をしやすくなります。
内容②説明テーマを絞る
就活生は合同説明会参加を含め、短期間で数十社もの会社説明を受けます。
次から次へと新しい情報が入ってくれば、古い情報が新しく得た情報によって上書きされてしまい、印象が薄くなってしまう恐れがあります。
会社の印象を忘れてもらわないためにも、説明会で話す「説明テーマ」を決めましょう。
説明テーマを絞ったら、そのテーマに即した内容を詳しく説明するのではなく、「ここは覚えてほしいポイント」など説明会で1番伝えたいことに的を絞りしょう。
仮にも会社概要、事業内容を事細かく説明するのは、就活生のニーズを満たしているとは言い難いです。
内容③他社との差別化
最後は同業他社との差別化です。
業界を絞れたなら、就活生はその業界に属する会社の説明会を中心に回ります。
同業他社なら情報が混同してしまう恐れがあります。
他社との混同を防ぐためにも、他社との差別化を図れる自社ならではの魅力に絞って説明することです。
【差別化できる要素】
- 自社の特徴・持ち味
- 組織カラー
- 社員の特色
就活生にウケたユーモア溢れる採用活動の成功例
ここからは、「面白法人カヤック」さんが、組織戦略の一環で企画したユーモア溢れる採用活動成功事例です。
いちゲー採用(2017年3月〜)
「いちゲー採用」は、「部活やバイト同様に時間を費やしたゲームにどれだけの情熱を注いだのか」をコンセプトに「発想力」「問題解決」など、ビジネスシーンでは欠かせない力を、遊んできたゲームを通してどれだけ磨いてきたかを評価する採用方法です。
この採用方式で2019年6月では応募数360名以上、書類選考通過者280名以上、内定・入社数9名を博しています。
またBS日テレの「WBS」や「電ファミニコゲーマー」、ゲーム雑誌「ファミ通」でも取り上げられた経歴を持っています。
エゴサーチ採用(2015年6月〜)
2つ目の成功例は「エゴサーチ採用」です。
この採用法は、「Google」の検索結果を基に就活生の選考を行う方法です。
その方法に履歴書は不要です。
採否は「エゴサーチ」の結果のみで判断しています。
日ごろからSNSを通した情報発信や、ブログ・YouTubeなど活動に精通している世代の特徴をうまく捉えた方法です。
この採用方式で2019年6月では、応募数820名以上、書類選考通過者200名以上、内定・入社数7名を博しています。
エイプリル採用(2013年〜2016年 4月1日)
3つ目は4月1日限定で実施した「エイプリル採用」です。
毎年4月1日はうそをついても許される「エイプリルフール」に因んだ採用活動です。
「ウソをつくのも、1つの才能」をコンセプトに経歴詐称OKの書類選考を実施した例を見ない採用活動です。
採用基準はいたってシンプル。
「ウソの内容が被った時点で即不採用」のみを遵守して、ユーモア溢れるアイデアを会社にツイートするだけです。
2016年に実施した「エイプリル採用」では、3000名もの応募が殺到し、書類選考通過者は50名以上、最終的に入社した人数はたった1名でした。
※参照:面白法人カヤック…https://www.kayac.com/recruit/campaign
YouTubeネイティブ世代の就活生!面白い採用動画の成功例
ここからは、「YouTubeネイティブ世代」と言われている現在の就活生が魅力的に感じた動画を取り入れた成功例です。
株式会社ポケラボ
まずは、スマホ向けソーシャルゲームアプリの企画、開発、保守・点検を務める「株式会社ポケラボ」が説明会の場で出した採用動画です。
形式は「面接を受ける学生VSポケラボの面接官」といった「格闘ゲーム」をモチーフに動画が進行していく動画です。
ゲーム会社ならではの「遊び」が詰まった1作なので、本選考の流れが分かりやすくイメージしやすいです。
株式会社ロフト
2社目は文房具・コスメ・キャラクター雑貨などを取り扱うバラエティショップ「LOFT」を運営している株式会社ロフトです。
「LOFT」では、「台本がない座談会」を題して、現在職場で仕事をしている先輩社員が自身の経験、職場の雰囲気、仕事内容を本音で語り合う動画です。
学生が説明会で最も知りたい情報を、動画内に取り入れているだけじゃなく、見る側を意識せず、自然体かつ本音で語り合う社員の姿が印象的です。
株式会社博報堂/株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
日本有数の広告代理店である「株式会社博報堂」では、「絶対に本音を話さざるを得ない説明会」という就活生の興味を惹くタイトルでスタートする動画の内容は、「建前」ではなく、「本音」を知りたいと思う就活生のニーズを満たすつくりをしています。
就活生から来るぶっとんだ質問に答える社員の様子を、舞台裏から確認する身内や同僚。
そして説明会の途中で、その社員にとって身近な存在に当たる方がサプライズで登場するなど、エンターテインメント性溢れる説明会を楽しみ就活生の姿が印象的です。
まとめ
以上が、合同説明会で学生が会社に「何を求めている」ことに関する解説と、就活生が「面白い!」と思ったユーモア溢れる採用事例についてご紹介でした。
「合同説明会」は、限られた時間で就活生が、会社で働くイメージを形作るための時間であると同時に、その会社に入りたいと思う「品定め」の場です。
説明会に出展する際は、就活生の為になる自社の魅力を売り込んでいかなければなりません。
そのための工夫として、スライドや動画などを用いて会社の魅力を伝える方法があります。
当然工夫としてこれらツールを用いたからと言って、就活生に会社の魅力が伝わるとは限りません。
会社の魅力を印象深く残すには、「面白い」と感じるユーモアなアイデアがあってこそです。