就職活動

コロナ禍の就活でも問われる「ガクチカ」に答えられない学生が続出

2020年から今なお猛威を振るっている「新型コロナウイルス」の影響は社会全体多大なる影響をもたらしました。生活様式、働き方の見直し、教育形態など様々な箇所で変化と対応が求められました。

同様に新卒生にとって今後の人生を大きく左右する「就職活動」にもその波紋は広がっています。従来通りとは全く異なる就活様式に戸惑う学生も少なくはありません。この影響は新卒生のみならず企業側にも影響が及んでいます。

今回はどのような点で影響を受けているのかをご紹介します。

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1.従来とは異なる就職活動

1-1.感染防止の観点からオンラインで活動してみて

第一に新型コロナウイルス感染防止策として、企業と就活生のやり取りが対面式ではなく、完全オンライン形式に移行したことです。

2年目となるオンラインでの就活に慣れてきた頃といってもいいです。しかし、オンラインならではメリットがあればその逆にデメリットがあります。
まずメリットとして以下の点が挙げられます。

  • 自宅に居ながら会社説明会、選考面接を受けることができる。
  • 交通費を掛けず、遠方の企業が出している求人にエントリーすることができる。
  • 移動時間と講義の時間が被っても自宅で選考と講義を受けるため、その心配がなくなった。

などが挙げられます。中でも、「交通費を掛けず遠方の企業にエントリーができる」ことはオンライン就活ならではのメリットといえます。

一方でオンラインならではの問題や不安がこの「オンライン就活」ではデメリットとなっています。

  • インターネット回線への接続状況。
  • 画面越し故に採用担当者との距離を感じる。
  • 社内雰囲気が掴みにくい。

などがあります。インターネットへの接続状況は個々人で使用している機種によって左右されるため、この機会に買いなおして環境を整えておくなど対策を講じておくべきといえます。

企業の雰囲気はインターンや実際に出向いて知ることができる貴重なものです。しかし、それが今ではオンラインで掴みにくいというのは、社会を知らない学生にとっては大きなデメリットです。「就活」は、本人の人生を左右する大切なことであり、企業や社会を知る機会でもあります。

このようにオンラインだからこそのメリットの裏では、学生の不安がそのままデメリットとして成り立っているため、対面式の就活とは根本的に違う側面を持っています。

2.就活のやり方が変われば質問も変わる

2-1.ガクチカ問題

コロナ禍の就活の中で2年目となった今でも問題となっていることがあります。それが「ガクチカ」です。「ガクチカ」とは企業側が学生側に「学生時代にどんことに取り組んでいたのか」という質問のことです。それがなぜ問題になっているのかというと、やはり「新型コロナウイルス」の感染防止から、サークル活動やアルバイト、ボランティア活動といった課外活動の自粛や中止によって書く内容がないということから問題となっています。
中でも課外活動は大学2年生、3年生といった学生生活の半ばに行われるのが、セオリーといえます。

しかし、政府や自治体からの自粛制限と相まって課外活動が行えない状況が続いていき、いざ企業側から問われればどう受け答えすればいいのか分からない学生も多く、問う側もまたこの問題とどう向き合うべきか意識改革の途中段階といえます。

2-2. 「ガクチカ=課外活動」という風潮にあるのか

「ガクチカ=課外活動などを通して得た経験」という風潮に、今なお固執しているのかは、学業における「緩さ」が原因となっている。

実際の傾向として「講義に出席せずとも単位取得ができる」「勉強せずとも大学卒業ができる」などが挙げられる。この指摘を受け取った企業の多くは「学業に対する緩さから社会人としての資質が培われることはない」と、いう先入観から「ガクチカ=課外活動を通して培われた資質はどんなことか」を学生側に問いて、そこから得られた回答を判断材料にしています。

それに呼応するようにして学生側は「ガクチカは必ず課外活動を題材にしなければならない」という考えが就活における考え方の1つとして定着してしまったといえます。

2-3.「ガクチカ」はなにもサークルやバイト経験に絞る必要ない

確かに「学業に対する緩さ」から「ガクチカ=課外活動」という風潮にあります。しかし、学生である以上誰しも「学業に励んだ」という結果があります。

企業が聞きたいの「ガクチカ」から導き出される「資質」です。「資質」といってもそこに正解といえるものは存在しません。例えば、履修した講義の中には1つや2つ「苦手」とする分野があります。その苦手分野に対して「どう対処してやりぬいたのか」といった「取り組み方」からも「資質」というものを見極めることができます。
同様に試験や論文の対策から準備からその人の「計画性」というものが見えてきます。

形はどうあれ、学業に対する意識の向け方、取り組みの姿勢からもその学生が持つ「資質」というものを見極めることができます。

3.コロナ禍が書くガクチカ

3-1.ネタを出すためにも「自己分析」が大切となってくる

ここからは実際に「ガクチカ」に取り組んでいきます。従来通りのやり方同様に今回は「学業」を題材とした「ガクチカ」を記述していくものとします。しかし、いきなり書き出すと、書き終えた後結局何を伝えたかったのかという意図が見えてきません。そのためにも、まずは「自己分析」を行うことが大切です。

一見して遠回りのようなことをしていると思えますが、「自己分析」を行うことで自分がどういう人間であるのかといった「人間性」、過去になぜこの分野について履修したのか、履修しようと思ったのかといったその時の考えやどのように取り組んだのかという「行動」などの情報を書き出すことができます。

書き出した情報から自分というものが客観的に見えてきます。そこから取り組みに対する姿勢が導かれ、相手にこういうことを知ってもらいたいという話の骨組みが見えてきます。

3-2. ガクチカの書き方・注意点

自己分析を終え、話したい内容がまとまったらいよいよ文章を書いていきます。

書き方は例に倣って「結論、理由、根拠、そして経験から得られた学び」の順に書いていきます。

この書き方に倣って書いていきますが、時として「ありきたりな経験だけど大丈夫かな」と心配になる方がいますがそのような心配をする必要はありません。

ここで大切なのは「何を頑張った」という自慢や武勇伝を語る場ではなく、「何をどう取り組んだか」といった「姿勢」であり「取り組んだことによって何を得たのか」「その経験が社会に出た時どのような形で活かすことができるのか」が重要になってきます。

これを自分の言葉で伝えることができれば、その経験はありきたりで片づけられるものではなくなります。

 

4.Withコロナ就活における不安

4-1.社内雰囲気掴みにくい

新型コロナウイルス感染防止の観点から、連年開催されている就活サイト主催の大型イベントが相次いで中止となっていく中、Web利用によるオンライン説明会から選考面接を実施する企業が多く見受けられるようになりました。

今では学生も企業側もZoomやSkypeなどのコミュニケーションツールを用いて話をしていくというのが通です。しかし、話をした、聞けただけでその企業に入りたいなと思えるかというのはまた別の話しになってきます。

学生の中には志望する業界を軸にして選んだ企業の「社風」を鑑みて選考を受けるか否かを考えている方もいらっしゃいます。これは「ミスマッチ」をなくすことや、仮に自分がその企業に入社した時、先輩社員とうまくやっていけるのかなどをイメージするための判断材料として見ています。しかし、オンラインが主流となった今、画面越しという一枚の壁を隔てられた以上その雰囲気を掴むというのは非常に難しいものです。

少しでも社風を知るために面接の場では「逆質問」というものがあります。その場で聞いて知ることもいいものですが、返答としてくるものはいずれも「面接担当者からの視点で語られる社風」です。実際に見て得た社風と聞いて得た社風の間には必ず齟齬が起きます。

疑いを持たず入社して聞いた社風と実際に入社して見る社風にギャップを感じることが必ずあります。この不安をすこしでもなくすためにも、対面による面接の実施を希望する学生が後を絶ちません。

 

4-2.先が見えない就活から来るストレスで「就活鬱」という病気になるケース

いざ解禁された就活も数カ月経てば少なくとも1社からは内定を頂くことがあります。しかし、今のコロナ禍では業績の悪化から内定取り消し、内定切りの連絡が来た日を境に振出しへと戻され再び決まらない日を過ごすことに不安になるあまり「就活鬱」に陥る学生もいます。

「就活鬱」になってしまう主な要因は、先の見えない就活から感じる不安や同時期に就活をしていた他の学生の進捗状況から来る焦りが挙げられます。
この病気にかかりやすい人の特徴は以下の通りです。

  • 周りの目が気になってしまう人
  • 自尊心が低い人
  • 根がまじめすぎる人

がかかりやすい傾向にあります。

このような病気にならないための対策はあります。

まず「就活はマイペース」で行うことです。周りがしているから、親の目が気になるからなどの理由を立てて行ってはなりません。あくまで「就活」は、今後の自分の人生を左右する大きな転機です。それゆえに周りがしているから自分もしないといけないという義務はありません。しっかりと計画と志望する業界の情報を武器にしてから望むことで功を成します。

次に「就活」は「企業側に自分という個を認めてもらうための活動」として行うのではなく、「自分と企業のマッチング活動」別の言い方をすると「お見合い」のようなものです。「面接や書類で落ちてしまったから自分は社会不適合者なんだ」と、劣等感を抱くのではなく、「この企業と自分は合わなかった」だけと前向きに考えて、自分が理想とする働き方ややりたいこと、やってみたいことを軸としてここはマッチングしそうだなと思う企業を選びましょう。

5.まとめ

新型コロナウイルスの影響で、「オンライン就活」という現代の様式に適した形へと変化しました。その変化は会社説明会から選考面接に至るまでそのすべてがオンライン上で実施されるようになりました。

その背景には「コロナウイルス感染防止」対策が絡んできています。この対策は就活のみならず学校生活から課外活動にも影響しています。よっては、「ガクチカ」に答えられない学生が増加している傾向にあります。しかし、「ガクチカ」で問われているのは「結果」ではなく経験を通して得た「経験」や「取り組んだという姿勢」といった「プロセス」です。
「ガクチカ=課外活動」に固執せず、経験を通して「得たもの」があるならばそのすべてが糧となります。

コロナ禍で行う就活は先が見えず、その都度状況が変わってしまうため不安になるのは無理もありません。しかし、就活は自分のペースで行うものです。周りに合わせず臨機応変に対処してコロナ禍における就活を乗り切りましょう。

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