就職活動を行っている大学生の方は、「少しでも就活で有利になりたい」という思いがあるのではないでしょうか?
もしそう考えているのなら「資格取得」を目指してみるという方法があります。
ですが闇雲に数多くの資格を取得すれば良いわけではありません。
自分にとって最適で就活で有利になりやすいおすすめの資格を選ぶことで、企業へのアピールが可能となるのです。
もしかしたらこれから皆さんの取得する資格が、就活の結果を左右することだってあり得る話ですよ。
実際に資格を重視する企業は多くはない
もし資格取得を何よりも重要と考えているのなら、行動に移すのは少しだけ待ってください。
実は「就活生の資格取得状況」は、企業にとって重要なポイントでは無いのです。
そんな風に言われてしまうと資格を取ることが無意味に感じてしまうかも知れませんが、決してそんなことはありません。
重視されないとしてもアピールポイントとして利用可能であり、上手く活用できれば就活を有利にできる期待はちゃんとあるのですから。
資格が重視されない理由と持っていて得られる効果を知ってから、焦らずに行動を開始することをおすすめします。
資格が重視されない理由
資格は「スキル・知識」を証明する材料となります。
ですが多くの企業が新卒大学生に求めているのは、即戦力になるかどうかではなく「将来性」です。
数年後に一人前になってくれれば良いというスタンスで、長期的な教育計画を考えている企業が増えており、資格を取得しているから即戦力になるという期待自体をあまりしていないのです。
ですから数多くの資格を手にしている就活生が、多くの企業から引く手あまたになるという考えは持たない方が安全です。
企業が資格より重視するポイント
リクルートキャリアが公表した「就職白書2018」では約92%の企業が採用基準として「人柄」を重視するという結果が出ています。
その後に「入社への熱意」、将来性とも言える「今後の可能性」と続きますが、取得資格については8%ほどの企業しか重要視していません。
資格よりも基礎学力やアルバイト経験、所属クラブ・サークルなどの方が評価されているほどであり、企業は資格よりも「性格や将来性」を大きく重視していることがわかります。
これまでの経歴と絡めて資格を取得することで評価アップ
資格を持っているだけでは高い評価を得ることができないとしても、これまでの経歴に絡めた資格を取得しておけば、大学で専攻した分野に対する真剣味や向上心などをアピールできる可能性があります。
つまり資格そのものが評価されるということではなく、前向きに努力するタイプの人材であると思ってもらえることに効果を発揮するということです。
向上心の高い方は入社後も自ら学ぼうとする姿勢が期待できますし、自己啓発などを積極的に行いドンドンと成長していくことが考えられますので、企業側が評価したくなるのもわかりますね。
一部の業界や即戦力を求めている企業に対しては有効
例えば英語力が問われる海外向けの営業職やIT関係のプログラマーなどは、入社時からある程度のスキルを持つ人材を求める傾向がある様です。
誰しもが身につけられるわけではなく資質が求められる職種の場合、資格取得者は苦手意識がなく成長しやすいとも考えられ内定に向けて有利に働く場合があります。
また成長段階で人手不足の企業や、働くのに資格が必要な仕事では即戦力としての期待も持たれます。
一から人材を育てるという人材育成方針を持つ企業以外では、適した資格を取得していることが大きなプラスになることもあるのです。
資格が内定と不採用の決め手となることも
就活において性格や姿勢が重視されることが多いのは事実ですが、資格が重視されないとしても決して「評価されない」わけではありません。
複数の就職希望者について甲乙付けがたい状況となった時に、たった1つの資格があるか無いかで内定と不採用に別れてしまうことだってありえない話では無いのです。
就活に有利になりたいと思い、やれることはやっておこうと考えているのなら、資格を取っておくのもその1つとなるはずです。
就活で有利になりやすいおすすめ資格
自分が目指す業界などが決まっているのなら、その仕事で役立ちそうな資格を選んで取得するのが得策です。
ですが、まだそこまで進むべき道が決まっていないのであれば、これからご紹介する「就職で有利になりやすい資格」から選ぶのもおすすめします。
TOEIC
「英語力」を求めている企業は依然として多く、特にグローバル企業ではTOEICで高得点を得ている方は高い評価を得られる可能性が高くなります。
企業側にアピールするのであれば700点以上、できれば750点以上を目指したい所です。
逆に600点以下の点数の場合は逆効果になりかねませんので注意が必要です。
就職後の昇進や転職時にも影響する可能性がある資格ですので、できる限り挑戦してみることをおすすめします。
TOEFL iBT
海外留学する際などの英語力を証明するのに、TOFELはよく利用されています。
それだけ実践的な英語力が問われる試験であり、出題内容も幅広い分野を対象としています。
TOEICに比べると知名度も低めであり、受験している人数もまだまだ多くはありません。
これは逆に言えばTOFELで好成績を残していれば、企業の採用担当の目に止まりやすいということに繋がります。
英語力に自信があるのならば、TOEICだけでなくTOFELも受験してみてはいかがでしょうか?
iBTはパソコンを使って、インターネット上で受験ができます。
日商簿記
事務職で特に経理や財務関係の仕事を目指しているのであれば、日本商工会議所主催簿記検定試験(日商簿記)の取得がおすすめです。
エントリーシートなどへ記載して評価されるのは2級以上と言われていますので、まずは2級の取得を目指しましょう。
もし公認会計士や税理士を目指しているのであれば、将来的には1級の取得が目標の1つとなるはずです。
MOS
現在は事務職だけでなく多くの仕事でExcelやWordなどを利用する機会があり、社会人として活躍するにはある程度のPCスキルが必要となります。
MOSは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略であり、PowerPointやAccess、Outlookを含めたオフィスソフトを一定上使いこなせることを証明してくれる資格です。
WordとExcelについてはスペシャリストとエキスパートの2つの試験レベルが選択でき、エキスパートレベルを取得していれば高度な機能が使いこなせるという証明となります。
ITパスポート
ITパスポート(iパス)は、「ITに関する基礎知識」を持っていることを証明してくれる国家試験です。
セキュリティやネットワークなどのITの知識だけでなく、AI・ビッグデータ・IoTやアジャイルなど幅広い分野の知識を学べるので、就活においても幅広い業界で評価されやすくなります。
逆にIT分野については基礎的な内容以上ではありませんので、IT業界への就活にはあまり大きな影響は期待できません。
FP技能検定
ファイナンシャルプランナーとしてのスキルを学べる「FP技能試験」は、金融業界などお金に関する仕事を目指す方は取得しておいて損のない検定です。
この検定の学科と実技の両方をクリアすることで「技能士」を名乗れる様になります。
ただ3級は難易度が低く合格率も高いため、取得しても就活で有利になることは期待できません。
エントリーシートなどへの記載を考えるのであれば、難易度は高くなりますが2級以上の合格を目指すべきです。
宅建
宅地建物取引士(宅建)の資格を取得すれば、幅広く不動産関係の知識を得ていることが証明されます。
宅建は不動産業界だけでなく、金融業界でも評価されやすい資格の1つです。
資格を取得する難易度は決して低くはありませんが、この資格を活かせる業界を目指すのであれば努力するだけの価値があるはずです。
秘書検定
秘書技能検定(秘書検定)は名前から秘書を目指す方以外には不要と思われがちですが、実際にはビジネスマナーを学ぶのにも役立つ検定です。
この検定(特に準一級以上)を取得していれば、社会人として一定以上のマナーを理解していると判断されるはずです。
受付やオフィスでの勤務を希望されるのであれば、この検定は就活においても有利に働くことが期待できます。
運転免許
どの様な職種を目指すかにもよりますが、運転免許も時として就職活動に役立つ可能性があります。
運転免許証が就活で有利に働きやすいのは、営業など社外に出る機会の多い職種です。
もちろんバイクではなく普通自動車が運転できる免許である必要があります。
現代社会では生活する上でも必要になる場面が多いので社会人の多くの方が免許を取得していますが、就活前に取得しておくことで、少しかも知れませんが有利になれる可能性があります。
日経TEST
「経済知力」を高める機会となるのが日経TESTです。
日本経済新聞社が主催しており、時事問題などを通してビジネス基礎力を高めていくことができます。
テストは100問で構成され満点は1000点となっていますが、企業に対してアピールしたいのであれば500点以上を目指したいところです。
経済に関する知識をしっかりと持っているのは、就活でのアピールポイントの1つとなり得ます。
公認会計士
数ある国家資格の中でも難易度が高いと言われる公認会計士の資格を取得していれば、就活だけでなく昇進や転職にも有利になる可能性があります。
それだけ難しい試験ということですが、働き始める前の方が勉強時間は作りやすいかも知れません。
企業の経理やコンサル会社・証券会社を目指す方にとって、取得することでかなり就職が有利になる資格です。
資格より実績を積みたいならインターンがおすすめ
資格取得に使う時間を「実績を積む」ことに使い就活に活かしたいのであれば、「インターン」という選択肢もあります。
インターンは1day・短期(数日から2週間程度)・長期(数週間から数カ月)と期間で3つの種類に分けることができます。
その中でも短期か長期であれば、参加することで就活で評価されやすくなります。
特に長期の場合では企業の中に入り実際に勤務する有給インターンも多く募集されており、実務経験を積みたい方にもピッタリです。
就活でインターンを行うメリット
- 企業情報が収集できる(1day・短期・長期)
- 自己アピールの場として利用できる(短期・長期)
- 職務経験を積むことができる(有給)
- 就活に対する真剣さを評価されやすい(1day・短期・長期)
インターンに参加することで、上記した様なメリットを得ることができます。
どれも就活に役立つものばかりですので、資格取得と併せてインターンへの参加を検討するのも良い考えです。
実際、現在では7割上の就活生が何かしらのインターンに参加しており、就活においてインターンへの参加は普通のこととなってきています。
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重視されなくても取得した資格は無駄にはならない!
取得した資格そのものが就活で大きく評価されることはなくとも、資格取得を目指した行動力や姿勢が評価されることもあります。
また就職した後に、思わぬところで持っていた資格が役立つかも知れません。
就職活動に直接大きな影響を与えられなかったとしても、皆さんが取得した資格は無駄になることはありませんよ。