学生コラム

雇用保険に加入する学生の条件は?知っておくべき保険の種類ついてわかりやすく解説!

雇用保険に加入する学生の条件は?知っておくべき保険の種類ついてわかりやすく解説!

労働者にとって、切っても切り離すことのできない「保険」。

アルバイトをしている学生にとっても、それは同じです。

一口に保険と言っても、その種類や内容は様々。

学生のみなさんは、ご自身に適用される保険の種類とその内容について、正しく理解できていますか?

保険は働く人にとっての大切なセーフティーネットです。

この記事では、学生である今、そして社会人になってからも覚えておきたい「保険」について解説していきます。

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学生が加入する可能性のある保険は3種類

数ある保険のうち、学生が加入する可能性のある保険は主に3種類です。

この項ではこの3種類の保険でもある、「雇用保険」「社会保険」「労災保険」の概要と加入する学生の条件を解説していきます。

雇用保険とは

雇用保険は、国が行っている社会保険制度のひとつです。

雇用保険は主に“雇用安定事業”と“能力開発事業”、この二つの事業内容で成り立っています。

“雇用安定事業”では、雇用の安定と就職促進のため、失業者や教育訓練受講者を対象に失業給付等を行っています。

また労働者の生活を守るという観点から、中高年の求職者に対する再就職支援や若者・子育て中の女性に対する就労支援、事業主に対する助成金支援なども行っています。

“能力開発事業”では、失業予防・雇用状態の是正・雇用機会の増大・労働者の能力開発及び向上・労働者の福祉増進などが主な事業内容です。

労働者の能力を伸ばし雇用状態を安定させることが、経営者や企業に利益をもたらすだけでなく、労働者の生活の安定にもつながっていくと考えられています。

雇用保険に加入する学生の条件

雇用保険における被保険者の要件は、

『雇用保険の適用事業所に雇用されている者であり、原則として一週間の所定労働時間が20時間以上かつ、31日以上引き続き雇用される見込みのある者』

とされています。

しかし、学校教育法第一条で規定されている学生及び生徒は、雇用保険の適用事業所に雇用されていたとしても雇用保険適用外となるので注意が必要です。

これは、学生の本業は「学業」であり、アルバイトなどの就労であっても臨時内職的な雇用として判断されるためです。

退職しても学業に専念している状態であるとの判断から、基本的に学生は雇用保険の加入対象外となります。

ただし、以下に当てはまる学生は雇用保険加入対象者となる場合があります。

  1. 卒業見込み証明書を有し、卒業後も引き続き同じ事業所で勤務する者
  2. 休学中、または出席日数を課程修了の条件としていない学校へ在学している者

夜間学生や定時制課程の学生も加入対象者となるケースがあるため、注意が必要です。

社会保険とは

生活する中で起こり得る万が一の事態(病気、ケガ、老齢、失業、労働災害、介護など)に備えるための公的な保険制度が社会保険です。

社会保険は広義と狭義に分けて考えられています。
広義の社会保険とは、

  • 健康保険
  • 年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

以上の5つを指します。このうち、

  • 健康保険
  • 年金保険
  • 介護保険

が狭義の社会保険です。狭義の社会保険である健康保険、年金保険、介護保険が全国民対象なのに対し、雇用保険と労災保険は労働保険として労働者対象の保険となります。

介護保険は40歳以上が負担することになっており、健康保険料にプラスして介護保険料も徴収されるため、年金保険と介護保険はまとめて考えられることもあります。

社会保険の財源は、被保険者や事業主が負担している保険料や、国や地方公共団体などの国庫負担金です。

社会保険は人と人との支え合いにより成り立っているということが分かりますね。

社会保険に加入する学生の条件

平成28年9月30日まで、社会保険加入対象者は「所定労働時間が週30時間以上の人」と決められていました。同年10月1日からは、これまでの条件あるいは、

  1. 所定労働時間が週20時間以上
  2. 月額賃金が8.8万円以上
  3. 勤務期間に1年以上の見込みがあるもの
  4. 学生は除外
  5. 従業員501名以上の企業規模であること

以上の5点が加入条件に加えられることになります。

そして平成29年4月1日から現在では、➀~➃の条件に加え、⑤については、

  • 民間企業は労使合意に基づき適用の拡大が可能
  • 国や地方自治体にも適用可能

以上の2点も加えられています。

➃にもあるように、社会保険においても基本的に学生・生徒は適用対象外です。

ただし雇用保険と同じく、

  1. 卒業見込み証明書を有し、卒業後も引き続き同じ事業所で勤務する者
  2. 休学中、または出席日数を課程修了の条件としていない学校へ在学している者

以上に当てはまる場合は加入対象者となることもあります。

労災保険とは

正式名称を労働者災害補償保険といい、労災とも呼ばれています。

勤務中や通勤時に起きたケガや病気、障害、死亡などに対し、給付金が支給される制度です。

労働者やその遺族を守る社会保険として、雇用形態に関わらずすべての労働者が対象となります。

健康保険との違いは、労災保険では業務や通勤が要因となったものだけが対象となるという点です。

労災保険の補償対象になると、療養費の自己負担がなくなるだけでなく、休職時の手当ても健康保険の傷病手当てより手厚いものとなります。

労働者を雇用する側である企業には、どんな雇用形態であっても労災の加入義務が発生します。

保険料の全額、事業主の負担となります。

万が一失業した場合にも、生活補助や再就職支援のための一定額の給付金を受け取ることができます。

労災保険に加入する学生の条件

前述したように、労災保険は雇用形態に関わらず、すべての労働者の加入が義務付けられています。

学生のアルバイトであっても、労災保険には必ず加入することになります。

学生が雇用保険に加入するメリット

学生が雇用保険に加入する場合の最大のメリットは、やはり失業時に給付金が受け取れるという点ではないでしょうか。

失業時に給付金を受け取れる

失業中は当然ながら収入がなくなります。

貯蓄を切り崩しながら次の仕事を探すのは、想像以上に大変です。

精神的に追い詰められてしまうこともあるでしょう。

そんな時に給付金を受け取れるのは、生活の面でも気持ちの面でも安心感がありますよね。

失業中、職業訓練に通う場合に負担額の一部を国が援助してくれる「教育訓練給付」、育児休暇を取った場合の「育児休業給付」、介護のために休業する場合の「介護休業給付」など、様々な給付金が受け取れる点も雇用保険に加入する大きなメリットです。

昼間学生は「労災保険」「社会保険」だけ知っておけばOK

前述してきたように、基本的に学生は保険加入の対象外となる場合がほとんどです。

特に昼間学生の方は、アルバイトで雇用保険に加入することは基本的にないと考えて良いでしょう。

そのため、昼間学生は「労災保険」と「社会保険」、この二つについての知識を持っておくことをおすすめします。

労災保険の保険料は会社が支払うため気にしなくて良い

労災保険の概要項目でもご説明しましたが、労災保険の保険料はアルバイト先である会社が支払うことになっています。

そのため、支払いに関しては気にしなくて良いでしょう。

契約書などで、きちんと労災保険に加入しているかどうかの確認はしておきましょう。

社会保険はすでに親が加入している

社会保険は、すでに親の扶養で加入している場合がほとんどです。

社会保険において気を付けたいのは、パート・アルバイトは一定の収入を超えると社会保険料が変わるということ。

税金が増えないように働くことがポイントです。

税金が増えないように働くということはつまり、「扶養控除の範囲内」で働くということです。

扶養控除の範囲外の働き方をしてしまうと、住民税や所得税といった納税義務が発生するだけでなく、給料の中から厚生年金や健康保険料を負担することになります。

年間103万円以上稼ぐと、親の負担額が増えるため注意

前述したように、学生のみなさんの多くは、親の被扶養者としてすでに社会保険に加入している場合がほとんどです。

しかし、アルバイトで年間103万円以上稼いでしまうと、被保険者の支払う保険料が増えてしまいます。

つまり、親の負担額が増えてしまうということです。

年間で稼ぐ金額には特に注意しましょう。

年間130万円以上稼ぐと、自分で社会保険に入ることになるため注意

年間で130万円以上稼ぐ場合にも注意が必要です。

130万円を超えてしまうと、これまで親の被扶養者として社会保険に加入していた人も、自分で社会保険に入ることになるからです。

自分で社会保険に入るということは、その保険料が自分の稼ぎから引かれるということです。

勤務時間を増やす場合など、自分が加入している保険についても考慮しながら働き方を考える必要がありますね。

休学中・夜間・定時制などの学生は「雇用保険」に加入する可能性がある

昼間学生は基本的に雇用保険に加入することはありませんが、休学中・夜間・定時制などの場合は加入する可能性があるため注意が必要です。

雇用保険に加入する条件を把握しておこう

昼間学生以外の方は、雇用保険に加入する条件を必ず把握しておきましょう。

加入条件は雇用保険の概要項目で述べましたが、自分が加入対象者になるのか分からないという方は特に、アルバイト先である企業に確認することをおすすめします。

学生が雇用保険に加入するデメリット

学生が雇用保険に加入する際のデメリットについても確認しておきましょう。

雇用保険の最大のメリットは、失業時に給付金が受け取れるということでした。

生活の安定や精神面の安定において、給付金の存在はとても大きいですよね。

しかし、保険に加入するということは保険料を支払うということでもあります。

保険料を支払う必要がある

保険に加入するということは、保険料を支払うということ。

当然のことながら、雇用保険も同様です。

雇用保険に加入すると、その保険料は毎月給与から天引きされます。

労働者負担は業種によって異なります。

労働者と事業主で保険料を折半することになり、労働者の負担額は0.3%~0.4%と認識しておくと良いでしょう。

学生が雇用保険に加入する際に注意するべきこと

この項では、学生が雇用保険に加入する際の注意点をまとめます。

主な注意点は、

  • 雇用保険に加入できるのは1社のみ
  • 労働時間が変われば雇用保険の対象から外れる

以上の2点です。

アルバイトを掛け持ちしている場合、雇用保険に加入できるのは1社のみ

学生の皆さんの中には、複数の企業でアルバイトを掛け持ちしているという方も多いのではないでしょうか。

この場合、雇用保険に加入できるのはどちらか一社のみとなります。

両方の企業で雇用保険に加入することはできないので注意が必要です。

アルバイトを掛け持ちしている場合、どちらか一方でしか雇用保険の加入条件を満たしていない場合がほとんどです。

仮に両方の企業で加入条件を満たしている場合には、給料の高い企業で加入するのが一般的です。

また、アルバイトを掛け持ちしていても、労働時間の合算はできないので注意しましょう。

労働時間が週20時間未満になると雇用保険の対象から外れる

例えば、今月までは週20時間以上働くけれど来月以降は週20時間未満で働くという場合、今月までは雇用保険の対象ですが、来月以降は対象外となります。

普段週20時間未満で働いている人が、繁忙期だけ週20時間以上勤務した場合も、保険対象外です。

雇用保険の対象に当てはまるかどうかは、勤務時間によって変わるということを理解しておきましょう。

長期インターンは社会保険に加入する必要がある?雇用保険・労災保険について

学生が知っておくべき保険は「雇用保険」「社会保険」「労災保険」の3つ

数ある保険の中でも、特に学生の皆さんが知っておくべき保険は、

  • 雇用保険
  • 社会保険
  • 労災保険

以上の3つです。

以上の保険に関する知識は、社会人になってからも持っておきたい知識です。

保険と聞くと複雑で分かりにくいと感じてしまいがちですが、学生である今のうちに、自分の万が一に備える保険についての知識を深めておきましょう!

インターンの保険って入るべき?種類やメリットを解説!

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