新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活はここ数ヶ月の間で大きく変化しています。
学生たちも、感染拡大を防ぐためにさまざまな対策を取りながら、環境の変化に合わせて必死に勉強に励んでいます。
そのような状況の中、大学生が受けている新型コロナウイルスの影響が大きな問題となっています。
学ぶ意欲のある学生が居場所を失ってしまわないために、今できることは何でしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大で大学生が受けている影響をまとめました。
コロナによって大学生が受ける影響とは?
新型コロナウイルスは、学生たちの学ぶ環境をも奪おうとしています。
オンライン授業の普及、生活のために必要なアルバイトを失う学生たちの増加、休学や退学を余儀なくされる学生たち…。
就活のあり方にも、これまでにない変化が求められています。
対面授業がオンライン授業に
緊急事態宣言が全国で解除され、小中高では対面授業が再開される中、大学では未だにオンライン授業が続いているのが現状です。
小中高に比べ、オンライン授業を行う環境が整っていることも理由として挙げられますが、大学特有の規模の大きさや多方面から集まる学生の多さなども、対面授業をすぐに再開できない理由として考えられます。
家で一人パソコンやタブレットの画面と向き合うだけの生活を送る中で、孤独に陥ってしまう学生も増えています。
友だちがつくれない
入試以来一度も学校に行けていない1年生もいます。
友だちをつくれないままオンライン授業が始まってしまい、授業で分からないところや学生生活の悩みなどを共有できずに孤独になってしまう学生が増えています。
オンライン交流会なども開催されていますが、いきなり画面越しで交流することに抵抗を感じてなかなか参加できない学生もいます。
直接会って話をするのと、画面越しに話をするのとでは、心の距離感をとるのが難しい場合があります。
授業の質が下がる
オンライン授業では、一方通行の授業になってしまうことも多く、フィードバックがないことが学生をさらに不安にさせてしまいます。
質問しても返事が返ってこなかったり、帰ってきても数日後であったりと、内容を理解できていないまま授業だけが進んでしまい、学生の不安や焦りを増幅させてしまうケースが増えているのです。
アルバイトを失い生活が苦しくなる
お店の経営難により、アルバイト収入を得られない学生も大勢います。
中にはアルバイト先を失ってしまうケースもあるのです。
実家から自立して、アルバイト収入で生活している学生にとって、アルバイトを失えば生活できなくなってしまいます。
学費の支払いなども重なり、意欲はあるのに中退せざるを得ない学生たちも増えています。
親の収入減で休学や退学せざるを得なくなる
新型コロナウイルスは、“コロナショック”という言葉が生まれたほどに、経済にも大きな影響を与えています。
失業者や収入減少者が多発し、家庭への負担も大きくなっています。
子供の学費を支払うことが難しく、それゆえに休学や退学せざるを得ない学生も大勢います。
オンラインでインターンや就活を行う
3密を防ぎ、人との接触をなるべく避けるためには、これまでのインターンや就活の形も変える必要があります。
働き方を工夫する企業も多く見られ、会社に行かなくても(むしろ行かない方が)効率よく仕事ができるという人もいるほどです。
インターンや就活の形は、今後ますます変化していくことも考えられます。
一方で、オンラインだからこそ、
- 表情が伝わりにくい
- タイムラグが生じてしまう
- コミュニケーションの取り方が難しい
といった課題も見られます。
慣れない形での就活に戸惑う学生を、どうサポートしていくのかといったことにも目を向ける必要があります。
内定をもらっていたのに取り消しになる
コロナショックによる企業の経営難から、求人数の大幅な減少や決まっていた内定の取り消しなども問題となっています。
「今後どうすれば良いのか分からない…」
「この先本当に就職できるのだろうか…」
さまざまな不安を抱えながら、慣れない状況下で学生たちは就活に励んでいます。
新型コロナで孤独な大学生の現状とは?なぜ対面授業が再開しないのか
コロナによって影響を受けた大学生に対する支援がある
今回の新型コロナウイルス感染症拡大により、コロナの影響を受けた大学生に対する支援の動きも見られるようになってきました。
特に、生活困窮に陥っている大学生への奨学金や給付金支援、大学生を対象としたカウンセリング等を受けられる場所が増えてきています。
誰もが経験したことのない状況です。
一人で抱え込まず、支援の力を借りるという選択肢を持ってください。
生活困窮に陥った大学生への奨学金や給付金
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、日本学生支援機構(JASSO)をはじめとするさまざまな団体で、大学生への奨学金や給付金支援を行っています。
地方自治体や各大学、民間の財団などでも支援活動を行っています。
各団体のホームページや在学校の学生支援課などで情報を集めてみましょう。
コロナの影響で生活に困っている、大学を辞めなくてはならないかもしれないと一人で悩んでいる人は、ぜひ、早めに相談してください。
■参考URL
日本学生支援機構の給付型奨学金↓
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』~学びの継続給付金~↓
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/mext_00686.html
不安や辛さを感じている大学生へのカウンセリング
コロナの影響は、大学生のメンタルヘルスにも大きな影響を及ぼしています。
- 強い不安感がある
- 辛い、苦しい
- 眠れない
- 気分の落ち込みが続いている
- 身体に不調が見られる
先の見えない状況や、学生が家で孤独に陥りやすい環境から、以上のような悩みを抱える学生が増えています。
「言ってもしょうがない」「話したところでどうにもならない」という気持ちもあるかもしれませんが、声に出して吐き出すことで、自分の悩みを客観視できる場合もあります。
自分の辛さを無視せずに、しっかりと目を向けてあげてください。
まずは、在学校の学生相談室や健康支援センターなど、問い合わせてみることをおすすめします。
「コロナ退学」を決める前に読んで!今後の大学の対応や相談先まとめ
コロナの影響でお金がない・精神的に辛いときはすぐに相談を
新型コロナウイルスは、想像以上に私たちの心身に大きなストレスを与えています。
お金がなくて困っている、見通しが立たなくて不安、辛いけれど辛いのはみんな一緒だから弱音を吐いてはいけない…。
もしそんな思いを抱えているのであれば、迷わずに周りの人の力や支援の力を頼ってください。
すぐに解決できないことも沢山ありますが、相談することで何か小さな変化があるかもしれません。