1日とはいう限られた時間であっても、「インターンに参加する」ことは、今後の就職活動を有意義なものとして進めていく上で欠かせません。
貴重な就業体験の機会を有意義な時間にするのは、前日までに済ませておく入念な準備があってこそです。
インターン参加が決まってから当日まで、どんな準備をしておけばいいのか…わかっているようでわかっていない学生が意外に多いです。
そこで今回は、「1dayインターン」への参加が決まったときにする準備について解説していきます。
1dayインターンの形式
1dayインターンに参加するときの準備について解説する前に、「1dayインターン」の形式について簡単に触れておきます。
ワーク・ショップ型
「ワーク・ショップ型」の1dayインターンは、学生参加型の企画を催したインターンです。
【催しの内容】
- 企業側から提示されたテーマに沿ったグループディスカッション
- 企業事業に関わる課題にグルーブで取り組む
- 企業側が「学生」のことを知るために、自己分析を行わせる
などがあります。
「ワーク・ショップ型」の1dayインターンは、主に大手企業が行っており、1回当たり数百人単位の学生が参加します。
そのため、社員との交流が少なく、企業内部の事情に触れる機会そのものがありません。
ただし、グループディスカッション・グループワークを通して、その企業への入社を志す仲間を作れます。
見学・体験型
「見学・体験型」の1dayインターンは、社内を見て回って、そこで働く社員の姿、仕事の雰囲気、簡単な業務を体験できます。
主にエンジニア、クリエイティブ系の職種に属する企業が行っています。
実際にものを作ることで社員の仕事っぷりを目と肌で感じたり、簡単な業務に触れることで、業界に対する創造と現実のギャップをなくせます。
「見学・体験型」の1dayインターンへの参加可能人数は、少数という限られた人数で行われます。
そのため、社員と交流をする機会が多く、社風や内情を知る機会が多いです。
講義・セミナー型
「講義・セミナー型」の1dayインターンは、「会社説明会」に近い形式をとった座学中心のインターンになります。
インターンの内容は主に、業界・企業が取り組んでいる事業内容・今後の経営活動に関する講義・セミナーを中心に行っています。
またインターンの進行は歳が近い若手社員が務めることが多く、企業の内情や仕事をしていく上で気を付けていることや働き方などを詳しく知ることが可能です。
ただし、「講義・セミナー型」の1dayインターンは、形式上「会社説明会」に近いこともあり、時間は約2~3時間ほど、ごく短時間で終了します。
加えて形式の都合上「受け身」で終わることが多く、満足いくインターンになることが少ないです。
1dayインターンの参加に備えて準備すること
ここからは1dayインターンに参加することが決まった日からインターン当日まで済ませておく「準備」について解説します。
当日持っていくもの編
まずはインターン当日に持っていくものです。
【インターン当日持参物】
- 筆記用具(ボールペン)
- 就活用メモ帳・スケジュール帳
- 腕時計
- 学生証などの身分証明ができるもの
- 名刺ケース
の5点を用意しておきましょう。
持ち物①筆記用具(ボールペン)
インターン当日に持っていくアイテム1つ目は「筆記用具」です。
講義・座談の内容、グループディスカッションの進行や書記などを務めるときなど、情報を書き出すときに必要不可欠なアイテムです。
筆記用具は、「黒のボールペン」を基本とします。
シャーペンや鉛筆でも構いませんが、書き間違ったとき、癖で消しゴムを使ってしまうとゴミが出てしまい、会場を汚す恐れがあります。
また「フリクション」など消せるボールペンを使用するのもありです。
ただし、正式な書類にサインするときは使用できませんのでご注意ください。
持ち物②就活用メモ帳・スケジュール帳
インターン当日に持っていくアイテム2つ目は「就活用メモ帳・スケジュール帳」です。
インターンで得た情報を書き残す時や今後のインターンの日程などを問われた時の確認として、「就活用メモ帳・スケジュール帳」は必須です。
インターンは座りながら実施するものもあれば、立ちながら行うものもあります。
よって、片手で持ちやすいA5、A6サイズのものを使用するといいでしょう。
また、「就活用メモ帳」の代わりにルーズリーフを用いる場合は、バインダーをセットで活用するといいでしょう。
持ち物③腕時計
インターン当日に持っていくアイテム3つ目は「腕時計」です。
インターン参加中は原則スマホを開けません。加えて会場によっては、壁掛け時計がないことが多いです。
セミナーや座談会中は時間を気にする必要はありませんが、グループディスカッション・グループワークなどの場で「タイムキーパー」を任されることを想定して持っておくといいでしょう。
また「ビジネスパーソン」として腕時計の携帯が必須だと考える方もいます。
着用する腕時計は、派手過ぎず、リクルートスーツに合うデザインのものを選び、着用しましょう。
持ち物④学生証などの身分証明ができるもの
インターン当日に持っていくアイテム4つ目は「身分の証明ができるもの」です。
インターンの中には、会社受付で身分証の提示をお願いしていることがあります。
自分が何者であるかを証明する上でも「学生証」や「保険証」「運転免許」など、自己を証明できる身分証を携帯しておきましょう。
持ち物⑤名刺ケース
インターン当日に持っていくアイテム最後は「名刺ケース」です。
インターンに参加して終了間際に実施される社員交流会などでは、その会社で働く社員から名刺を頂くことがあります。
これを想定してスーツの胸ポケットに名刺ケースを入れておく、その場で頂いた名刺を保管できます。
「名刺ケース」は、アルミ製のものよりもレザーや革製のものを持参するのが望ましいです。
身だしなみ編
インターン参加の準備は、筆記用具などの持ち物の他に、身だしなみも整えておく必要があります。
【インターン当日までに整えておくこと】
- 頭髪
- スーツ・ジャケット
- シャツ・ブラウス
- バッグ
- 靴
- ひげ(男子大学生)
の6点を整えておくことです。
身だしなみ①頭髪
インターン当日までに整えておくこと1つ目は「頭髪」です。
大学生になれば、頭髪を茶や金などに染めてオシャレを楽しむ学生が多いです。
しかし、インターンに参加するときは、頭髪の色を「黒」に戻すのが無難です。
「頭髪の色を戻すお金がない」という学生は、1dayタイプの黒染めを使用しましょう。
また頭髪が伸びすぎている、寝ぐせ立っているなどもNGです。
頭髪が長い方は前日までに散髪してスッキリさせましょう。
女学生で髪を伸ばしている方は、ゴムひもで1本に束ねるのがいいでしょう。
身だしなみ②スーツ・ジャケット
インターン当日までに整えておくこと2つ目は「スーツ・ジャケット」です。
インターン参加の服装に「服装自由」などの文言がない限り、身の丈に合ったスーツ・ジャケットを着ていくのが無難です。
この時、スーツ・ジャケットの表面に糸くずやふけが付いている場合は、自宅で落としてから参加しましょう。
身だしなみ③シャツ・ブラウス
インターン当日までに整えておくこと3つ目は「シャツ・ブラウス」です。
シャツ・ブラウスの色は水色やピンクなど様々な色がありますが、インターン生や就活生が着ていく色は「白」が一般的です。
また当日着ていく物はシワが付いていない物を着ていくようにしましょう。
たとえ、スーツ・ジャケットなどのアウターを上から着て1日過ごす場合でも、アイロンがけをしてシワを伸ばしておきましょう。
特に襟、袖口、前身頃は入念にシワを伸ばしておきましょう。
身だしなみ④バッグ
インターン当日までに整えておくこと4つ目は「バッグ」です。
インターンに限らず、就職活動を行うときは、黒色のビジネスバッグを使用するのが無難です。
また「服装自由」などの文言で「カジュアルスーツ」でインターンに参加する場合は、革製のトートバッグ、女学生の場合はハンドバッグで行くのがいいでしょう。
身だしなみ⑤靴
インターン当日までに整えておくこと5つ目は「靴」です。
インターンや就職活動の時に履いていく靴は、黒を基調とした「革靴」または「ビジネスシューズ」を履いていくのが無難です。
女学生の場合は「黒のパンプス」を履いていきましょう。
靴を選ぶとき、気を付けるべき点が2つあります。
それが
- かかとのすり減り
- 色あせ
の2点です。
徒歩での移動が多いインターンや就職活動では、かかとのすり減りが早いので、最低でも2足交互に履くようにしましょう。
また革靴やビジネスシューズを履き終えたら、定期的に手入れを行いましょう。
色あせやカビの繁殖を招いて靴そのものをダメにする恐れがあります。
身だしなみ⑥ひげ(男子大学生)
インターン当日までに整えておくこと、最後は「ひげ」です。
オシャレを意識してひげを伸ばしている学生もいますが、ひげを伸ばしたままインターンに参加するのは控えましょう。
参加する当日の朝にひげを剃っておくと、清潔にしていると相手から見られます。
参加の心構え編
最後はインターン参加の心構えです。
【準備・確認しておくこと】
- 会場の場所・公共機関の時刻表
- インターンのプログラム内容
- 参加目的の再確認
- 自己紹介
- 企業への質問
の5つです。
心構え①会場の場所・公共交通機関の時刻表
インターン参加の心構え1つ目は「会場の場所・公共交通機関の時刻表」の確認です。
インターンに参加する上で万が一遅刻するのは、予定していたプログラムの進行そのものを遅らせる行為になるだけではなく、企業側にマイナスの印象を持たれます。
参加を決めたら、会場の場所を確認して、自宅から現地到着までにかかる時間、利用する公共交通機関の時刻表を確認しておきましょう。
特に週末や祝日、交通機関の特別ダイヤ適用期間中に実施される場合は、乗車時間に注意しましょう。
心構え②インターンのプログラム内容
インターン参加の心構え2つ目は「インターンのプログラム内容」の確認です。
インターンの募集要項や参加メールの概要に、当日の進行プログラムが記載されている場合があります。
参加当日、自分がどう行動していきたいかをイメージしておくと、当日落ち着いて行動できます。
心構え③参加目的の再確認
インターン参加の心構え3つ目は「参加目的の再確認」です。
自分がこのインターンに何を「目的」として参加するのかを、今一度確認しておきましょう。
目的や理由の再確認をしておけば、気が引き締まって有意義なインターンになります。
【再確認する内容】
- 参加目的
- どういう風に成長したいか
- その業界で何を得て、学びたいか
心構え④自己紹介
インターン参加の心構え4つ目は「自己紹介」です。
「1dayインターン」の中には、自己紹介を求められることがあります。
突然当てられてもいいように、前もって自己紹介を用意しておきましょう。
なお、ここでいう「自己紹介」をよく「自己PRの場」としてはき違える学生がいますが、「自己紹介」とは本来そういう場ではありません。
【自己紹介の内容】
- 自分の名前
- 所属大学・学部
- 趣味や今熱中していることなど
の3つを軸に自己紹介の内容を考えてみましょう。
心構え⑤企業への質問
インターン参加の心構え最後は「企業への質問」です。
事前に企業研究や業界のあり方を研究していっても、業界の動きで気になることや分からないことが出てきます。
インターンでは、全プログラム終了後に質疑応答の時間を設けています。
その時間を活用して、自分が知りたい業界・企業のことを質問して解決していきましょう。
質問事項は、メモ帳の隅に書いておくのがおすすめです。
1dayインターンに参加した先輩が言う「これは準備しておいた方がいい」こと
ここからは、現在社会人として活躍されている方が、学生時代を振り返り、インターンに参加するとき、「これは準備しておくべきだった」という失敗談です。
『メールの文面』
就活サイトに記載されている例文を真似て、企業にメールを送っていたが、この本文で問題ないだろうか、毎夜不安だった。
インターン参加以前から、ある程度の書き方は学習しておけば、不安に思うことはないと思う。
――2018年卒・女性
『ネクタイの結び方』
就職活動、インターンではネクタイを締める機会が多いので、高校時代の制服が学ランだった学生はなおのこと練習しておいた方がいい。
早く結べるようになるだけでも、時間に余裕が持てるし、見栄えも変わってくる。
――2019年卒・男性
『自己紹介の準備はしておくべき』
インターン当日の進行プログラムを頭に入れていても、急に自己紹介をするように言われた瞬間、誰だって頭が真っ白になって何を話したらいいのか分からなくなることがある。
言い終えた後、支離滅裂なことを言ったんじゃないかって反省することもあるので、参加前日までに「自己紹介」のテンプレを作っておくのがいい。
テンパることなく、スラスラ話をすることができるし、頭の中も整理できる。
――2017年卒・男性
『参加先の事業内容や取り組み内容をあらかじめ把握しておくこと』
企業研究の一環で触り程度の情報を武器に参加したのが仇となりました。
インターン参加者の皆が皆、自分以上に業界・企業のことを研究していて、質疑応答の場では自分だけ質問できず、インターンを終えてしまったことが今でも悔しい。
参加する以上は、触り程度じゃなく、しっかり業界・企業のことを調べたうえで参加するのがいいのかもしれない。
――2020年卒・女性
オンラインインターンに参加する場合
2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、ZoomやSkypeなどのコミュニケーションツールを活用した「オンラインインターン」を実施している企業が増えてきました。
自宅から参加する「オンラインインターン」は、会社や会場に赴いて実施される「オフラインインターン」とは少し勝手が違います。
「オンラインインターン」に参加するときにする準備は、主に
- 使用ツールのインストール・使い方
- 回線状況の確認
- 背景設定
の3点です。
確認事項①使用ツールのインストール・使い方
インターン参加前日までに、インターン先から指定されたコミュニケーションツールのインストールとその使い方を学んでおきましょう。
当日初めて使用する場合、もたついてなかなか入室ができなければ、進行そのものに遅延を招くほか、他の参加者、司会者に迷惑が掛かります。
この事態を避けるためにも、前日まである程度の使い方は学んでおく必要があります。
【インストール・使い方で確認しておくこと】
- インストール作業
- 初期設定(アイコン・ネームなど)
- 使い方
確認事項②回線状況の確認
次に回線速度です。
速度が遅いと大切な情報を聞き逃してしまったり、声が聞き取りにくいなど、お互いにストレスに繋がりかねない状況を作ってしまう恐れがあります。
回線状況があまりにも悪いと、あなたの魅力・アピールしたいことが相手に伝わらず、インターンを終えてしまいます。
せっかくの機会を不意にしないためにも、事前に回線状況の確認を行いましょう。
確認事項③背景設定
最後に背景設定です。
背景はなるべく「白壁」にするのが無難です。
万が一部屋が汚いと、「雑な仕事をしかねない」「配慮に欠けている」などの印象を相手に持たれてしまいます。
また相手が背景に気を取られた会話に集中できないこともありますので、背景はなるべく「白壁」にするのがおすすめです。
もしくは、「背景設定」から「ぼかし」や「バーチャル背景」を設定するなどの工夫を凝らすのもいいでしょう。
ただし、機種によって設定できない場合がありますのでご注意ください。
まとめ
以上が、「1dayインターン」への参加が決まったときにする準備でした。
「1dayインターン」は、1日かけて実施されるものもあれば、ごく短時間で終わるものがあります。
しかし、参加する以上は入念な準備をして参加するのが望ましいです。
準備することで、突発的事象に対応できるほか、落ちついて自分らしさを企業にアピールできます。
また今回ご紹介した「準備」は、1dayインターンに限らず、長期・短期インターンでも一部応用が利きます。
インターンに参加すると決めたら、当日までに入念な準備してから望みましょう。