将来が不安で転職を考えたとき、履歴書に書ける資格が欲しいと思うITエンジニアも少なくありません。
特にアピールできるような専門スキルが無いIT技術者なら、まずはITパスポートでもとろうと思うかもしれませんね。
とはいえ、ITパスポートの資格的な価値って、どうなのでしょうか?
取得すれば転職活動に有利になるのでしょうか? まさか逆に不利という噂も・・・
ITパスポートを取得することの意味や転職市場での価値について、情報をまとめました。
- 職種
- ITエンジニア
- 公開求人数
- 19,030件
- 対応地域
- 東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・福岡
- おすすめ年代
- 20代から40代
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ITパスポートとは?
ITパスポートは初級シスアドと同等?
2009年に統合されたIT資格
ITパスポート試験とは、2009年4月からスタートした情報処理技術者試験の改革で創設された国家資格で、基礎レベルのIT試験です。
以前の初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)に変わると言うよりも、実際のレベル的には更に基礎的な資格です。業種や職種を問わずITを活用するための基礎知識であり、全てのオフィスワーカーに保有して欲しい内容となっています。
IT社会の常識レベル
10年前なら自慢になったインターネット知識やPCスキルも、今ではIT常識となっていますね。小中学生の方が親よりもネットに詳しく、スマホ操作に長けていたりする時代です。
今の子供たちに馬鹿にされないレベルの、正しい基礎知識と言えるかもしれませんね。
経済産業省が認定する国家試験ではありますが、幅広い分野の本当に基礎的な知識を確認するIT常識程度で、国家資格ですが決してハイレベルな資格ではありません。
ITパスポート試験は広く浅く
出題分野としては、ストラテジ系(経営戦略)、マネジメント系(情報管理)、テクノロジ系(情報技術)と幅広く、100問を165分でスピード感を持って解答していきます。
職業人として必要な情報セキュリティや企業コンプライアンスから、ITネットワークやデータベースの仕組みなど、広く浅く出題されます。
情報処理分野の入門編の試験であり、レベル1のファーストステップ的な試験です。
IT知識の基礎の基礎
必要なのは資格ではなく、知識とスキル
IT系企業の社員なら、事務職や営業系であっても保有しておくべき最低レベルの知識であり、知らないのは無知とされてしまうような共通認識といえるでしょう。
できれば、学生のうちに取得しておきたい資格であり、大手企業では入社前の取得を義務付けていたりします。IT系で無い一般企業でも、ITリテラシーを学ばせる為に、新卒時の研修期間中に全員必ず取得させるという企業も少なくありませんね。
必要なのはITパスポートという資格ではなく、ITパスポートレベルの知識なのです。
新卒の就活には有効かも?
新卒就活においては、ITパスポートやMOSがあれば、とりあえずベーシックなPCスキルと基礎知識は持っているという証拠になります。
数年前にまでは、ネットでの調べものやレポートはパソコンで作成するのが普通でしたから、大卒ならPCは使えて当然でしたが、最近はそうでもありませんよね。
スマホやタブレットしか使わない学生や、パソコンは苦手で実は使えないという学生も増えています。入社後にPCが苦手な新入社員の指導に困っている企業も多々ありますね。
ITパスポート資格は、PCが普通に使えるという程度のアピール要素になります。
主婦の再就職やガテン系からの転職にも可
子育て後の主婦の再就職など時代的なブランクがあるケースや、飲食業やガテン系など日常的にPCを使っていない職種から、オフィスワークを目指す場合には有効です。
企業にとってはPC初心者や不慣れな人材を採用することは、指導の手間だけでなく、リスク管理の意味からも、マイナス面が大きい賭けになります。セキュリティやITリテラシーの甘い社員を雇用するのは、企業にとっても大きな不安要素になりますからね。
ITパスポート資格は、企業にとって採用ハードルを下げるための証明にはなるでしょう。
ITパスポートの資格的な価値とは?
ITパスポートはレベル1の価値
ITパスポートはIT系資格としてメジャーな「情報処理技術者試験」の最初の段階で、エントリー試験とも呼ばれています。つまり、基本情報技術者試験(旧二種)以上の試験を受けるには、まずは通過しなければならない登竜門です。
情報処理技術者試験
レベル1がITパスポートで、レベル2が基本情報技術者試験、レベル3が応用情報技術者試験とランクアップしていき、レベル7まであります。
レベル1 = エントリー試験(ITパスポート試験)
レベル2 = 基本情報技術者試験(旧二種)
レベル3 = 応用情報技術者試験(旧ソフトウエア開発技術者試験、旧一種)
レベル4 = 各種上級試験(旧テクニカルエンジニアなどの上級試験)
レベル5~7 = 面接と業務経験により判定
ITエンジニアのスキルとしては、レベル2やレベル3以上は欲しいところですね。
レベル4以上は各種上級試験と業務経験も加味される、難易度の高い試験になります。
汎用性の高いIT系の資格
ITパスポートは「職業人なら誰にでも必要なIT系基礎知識」であり、きわめて汎用性の高い、ベースとなるものです。国や地方公共団体、大手企業などでは、積極的に新人に教育していますので、公務員を目指す若年層なら保有しておくべき基礎資格と言えるでしょう。
つまり「PCが使える」「PC知識やスキルがある」という証明のようなものですね。
ITエンジニアのプログラム技術とは無関係なので、IT技術者が取得して自慢するような資格ではありません。
IT転職ではITパスポートは意味が無い?
未経験からIT業界を目指すなら有効
大手一般企業や地方自治体、公共団体などの就活対策として、学生が資格取得しエントリーシートに記載するのはアリです。まったくのIT業界未経験の人が、IT業界を目指すための最初の一歩としてはITパスポートも有効に働きます。
IT技術職としては無意味でも、IT企業での会話やコミュニケーションには困らないレベルの基礎知識はあるという証明にはなります。IT業界でのバックオフィス系職種やIT営業職、カスタマーやサポート職などを希望する場合は、プラスになる知識です。
ITエンジニアの転職には不利かも
初心者レベルでは価値が無い
ITパスポートはIT技術職には入門編であり、ファーストステップのレベル1資格なので、ITエンジニアとしては初心者レベルです。
履歴書にITパスポートが明記されていると、それ以上の資格は保有していないという意味になり、技術職としては自慢にならず恥ずかしいかもしれません。
資格取得するなら、入門的なITパスポートだけでなく、もっと上の資格までおさえておくべきでしょう。
営業職のビジネスマナー程度
ITパスポートはIT常識レベルなので、社会人としてのビジネスマナーと同等と言えます。
例えば、新入社員には名刺の渡し方、TELでの対応、敬語の使い方、エレベーターや階段の立ち位置、会合や車内での席次など、多種多様な教育をします。新卒なら評価されますが、中途採用の営業マンなら当然身についている常識であり、バリバリの営業職はわざわざビジネスマナーのアピールはしませんよね。
ITエンジニアの転職なら、せめてレベル2以上の基本情報技術者を書きたいですね。
ITパスポートだけなら、とらない方がマシ
スキルに自信のあるITエンジニアなら、一切の資格取得はしていな人も多いですね。
プログラマーやエンジニアであれば、知っていて当然の基礎知識ばかりなので、実際わざわざ取得する資格ではないです。「とらない方がマシ」と明言するIT技術職も居ますね。
IT業界内でのエンジニアの転職なら、飾りにもならない資格かもしれません。
取得するのなら、最低でも基本情報技術や応用技術者試験くらいは欲しいところです。
ITエンジニアの転職に有効なのは?
IT転職はスキルが命です
IT技術職の転職は、資格よりもスキル重視です。
IT業界は免許制ではないので、飾りのような資格よりも実際に使えるスキルの方が評価されます。資格など持っていなくても、できる人なら充分なのです。
つまり、ITパスポート止まりでは無くもっとマシな資格を取っておくか、あるいはサクッと転職して更に上のレベルの実務経験を積んだ方が、将来のためには有益です。
ITパスポートより転職エージェント
まずはキャリアプランを検討
将来が不安なITエンジニアなら、あまり自分のスペックやスキルに自信がない人が多いかもしれませんね。ITパスポートを取得しようかと迷うレベルの技術者だとすれば、確かに現状のままでは10年後、20年後は不安です。
勉強して資格をとっておくよりも、まずはITに詳しいキャリアコンサルタントのキャリアカウンセリングを受けて、将来の方向性を相談してみてください。
長期的な戦略をもって転職する
一度転職して終わりではなく、更に数年後のキャリアアップを目指すためのステップアップのための転職先を検討してみましょう。
今の職場から転職すれば、一生安泰と限らないのが、厳しいITエンジニアの世界ですよね。
不安なく、技術者人生を確実にステップアップするための、長期的キャリアプランと戦略が重要です。資格取得よりも、IT系に強い転職エージェントをおすすめします。
リクルートエージェント
転職成功実績No.1の国内最大手、総合型の巨大転職エージェントです。
IT転職に専門特化した転職エージェントではありませんが、メジャーなリクルートブランドからの知名度で、圧倒的な数の求人案件があります。
IT業界の非公開求人案件も、とにかく大量に保有していますので、20〜30代のITエンジニアなら初回の登録面談時からボリュームある求人案件の紹介が受けられるでしょう。
豊富な求人数は選択の余地にもつながり、より良い転職活動には欠かせないポイントですね。最新IT事情に精通したキャリアアドバイザーの履歴書や職務経歴書のまとめ方など書類添削やWEB面接対策も実践的です、転職イベント・企業セミナーなど無料セミナーも充実しています。
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IT・Web業界の転職におすすめの転職エージェント・転職サイト30社を比較してランキング形式で紹介しています。ITエンジニアとして年収アップ転職したい人、IT業界から異業種転職したい人、未経験でIT業界に転職したい人それぞれおすすめの転職エージェントを紹介します。
まとめ
ITパスポートは、ITの基礎知識をはかるための国家試験です。
汎用性が高く、IT系企業でない一般の会社や公共団体などでも積極的に取得が望まれる、ITの基礎の基礎的な入門資格です。つまり一般企業での評価はソレナリにありますが、ITエンジニアにとっては自慢にはならないレベルです。
わざわざ取得するメリットはありませんし、IT転職において評価されるような資格ではありません。転職のために取得するなら、もっとレベルの高い資格を目指してください。
ITパスポート程度の資格であれば、わざわざ取得する必要はありませんし、技術力があるエンジニアでも持っていない人は多いです。
若手ITエンジニアなら、まずは実務経験でスキルアップする方がキャリアにもなりますし、将来のためにもおすすめです。資格取得のためにムダな勉強期間を費やすよりも、まずは自らの技術力を上げられるような転職先を見つける方が成功への近道になります。
スキルアップできる転職先を探すなら、転職エージェントの活用が一番ですね。
ITエンジニアとして生きていくためには、将来を見据えたキャリアプランが必要です。
現状に甘んじたままでなく、安易な資格取得にすがるよりも、まずは転職のプロに相談してみましょう。
IT系に強みのあるキャリアコンサルタントに、しっかりカウンセリングを受けて、目を覚ましてください。
資格の勉強よりも、転職エージェントの方がITエンジニアのスキルアップに有効ですよ。