残業続きの毎日を送って、ほとほとイヤになり退職したものの、残業代が支払われていないことに気が付いて、焦りや怒りを感じている人も多いのではないでしょうか。
汗水たらして残業したのですから、せめてその対価は、退職後であっても取り返したいところですよね。
そこでこの記事では、残業代はどれくらいの期間にさかのぼって請求できるのか、未払いの残業代を請求する4つの方法、残業代をきちんと支払ってくれる会社に転職する方法について紹介します。泣き寝入りなんてしたくない、働いた分は支払ってほしいと考えている人は必見です!
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残業代もらってなかった!!どれくらいの期間の残業代が請求できる?
退職後でも未払い残業代は請求できる!時効は2年
残業代を請求できるのは基本的に2年前の分まで
もう既に退職してしまったのだから、残業した分は取り戻せないだろう…とあきらめていませんか?実は、退職後であっても、未払いの残業代を会社に請求することができます。
労働基準法第115条によると、請求権は2年と定められているため、2年前の分まではたとえ退職していようが、従業員は会社に請求する権利があるのです。さらに、労働時間を管理する義務を怠ったなどの不法行為による損害賠償請求権の時効は3年となっています。
会社が法定労働時間を越えた残業を強制していたり、そもそも上限なく残業を強いている時点で、時効は3年に延長されます。
未払いの期間に応じて請求できる額もアップする
借金があると、返済までの期間に金利が上乗せされていくように、未払いの残業代も支払が長く遅れた分だけ多く従業員の手元に返ってくるという性質があります。
残業代未払いの期間が長期にわたる場合、「遅延損害金」が請求できるのです。この遅延損害金は、まだ会社に在籍している場合と、退職後の場合とで割増率が異なります。
会社に在籍していながら残業代が未払いの場合は6%割り増し、退職後になっても未払いの場合は14.6%割り増しになります。
たとえば月給が25万円だった場合で、30日間の残業代未払いがあった場合は、25万円×0.14×30日(1か月分)÷365=2877円が割り増しとして残業代に上乗せして請求できるのです。
残業代の計算方法
残業代の計算には残業時間、1時間あたりの賃金に関する情報が必要
残業代を正しく計算するためには、残業時間を正確に把握する必要があります。労働基準法によると、1日8時間、1週間で合計40時間の法定労働時間を超えて働いた部分が、全て残業時間となります。
上記で算出した残業時間に加え、さらに1時間あたりの基礎賃金を算出します。ここでいう1時間あたりの基礎賃金は、「月の基礎賃金の額÷1か月間の労働時間」の計算式で算出できます。
時間外労働には割り増し賃金がつく
さらに時間外労働の手当は割り増し賃金になるため、割増率も把握しておかなければいけません。
法定労働時間を超える残業には、1.25倍の割増賃金が発生します。さらに法定休日に残業した場合は1.35倍、法定休日以外の休日に残業した場合には1.25倍の割増賃金、深夜帯の残業にはさらに0.25倍を加算することになっています。
これらを踏まえて残業代を算出すると、「残業代=残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」という計算式になります。
未払い残業代の請求方法4つ。弁護士は最終手段にとっておく
①自分で会社に請求書を送って交渉
請求書を送る前に直接交渉する
残業したのにその対価が支払われていない場合、すぐに実行できる方法は、自分自身で会社に支払い請求の文書を送付することです。ただし、請求に関する文書を送付する前に、当事者であるあなた自身が、会社側に直接交渉してみることも大切です。
交渉を試みても、残業代を支払う姿勢が見られなかったら、会社宛てに請求文書を送付しましょう。
請求書を送付する時は内容証明郵便で
請求書を送付する場合は、郵送方法に注意しましょう。普通郵便で送付すると、何らかの事故によって郵送したはずの請求書が届いていないことがあります。
また、会社側が「受け取っていない」と嘘をつく可能性もあるのです。
このようなことにならないよう、大切な請求書は内容証明郵便で送りましょう。日本郵便によると、内容証明とはいつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便が証明する制度です。
(参考:https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/)
通常の郵送料金に加えて440円が加算されますが、440円で企業に請求書を送付したことが客観的な記録に残るのですから、これを利用しない手はありません。
直接交渉、請求書送付を自分でするなら費用はほぼかからない
お金の絡む問題には弁護士などの法律の専門家を間に入れる場合もありますが、請求書の作成や、会社側との交渉を自分自身で行う場合、ほとんど費用がかかりません。
弁護士を依頼するとなると、何万円もかかるところ、自分でやれば内容証明の430円や、郵送料金など、かかる費用はかなり少なくて済むというメリットがあります。
直接交渉、請求書送付によって会社とトラブルになることも
しかし、自分自身で残業代請求のための交渉、請求書送付といった手続きをすると、交渉が決裂した場合、最終的には弁護士等を間に入れなければならず、費用がかさむかもしれません。
また、あなたが退職後ではなく在職中に残業代の請求を行った場合、会社側との関係が気まずくなり、働きにくい雰囲気になる可能性もあります。
②労働基準監督署に申し出る
労働基準監督署に申告する場合は申請書を作成する
残業代が支払われないというのは、労働者の身に起こる不都合ですから、労働基準監督署に会社側の不実を申告することで、会社側に残業代を支払うように要求できます。
まずは「労働基準法違反事件申告書」などのタイトルをつけて、時間外労働の手当が支払われていないという旨の書類を作成します。
企業の責任者、いくら請求するのか、労働の実態(どの部分が労働基準法違反にあたるのかを詳しく書く)、何をもって不正を証明するのか(タイムカードや第三者からの陳述書が有効)について記載しましょう。
匿名で会社に申告してくれるというメリット
労働基準監督署では、依頼すれば正しい残業代を計算してくれます。自分では細かい計算が苦手、正直残業しすぎていくらになるのか検討もつかないという人にはおすすめです。
それだけではなく、会社の誰が申告したのかを匿名にしたまま、会社側に労働基準法違反(残業代の未払い)をしていないか調査してもらうことができます。
まだ会社にいたいけど、残業代は払ってほしいという人には、大きなメリットになるでしょう。
必ず支払われるとは限らないというデメリット
労働基準監督署の性格として、労働基準法に違反している部分を改善するよう指導することが勤めであるため、労働基準監督署が直接会社に残業代を請求するということはありません。
なぜなら、労働基準監督署は、賃金(未払いの残業代)を支払うように「勧告」するだけだからです。勧告は、法的拘束力を持ちません。そのため、会社側は勧告を受けても、必ず残業代を支払うとは限らないのです。
③労働審判で請求
労働審判は労働に特化した法的解決方法
未払いの残業代をできるだけすぐに支払ってほしい場合には、労働に関する問題を素早く解決できる労働審判がおすすめです。
裁判所によると、労働審判とは、個別労働紛争を、原則として3回以内の期日で審理し、調停による解決に至らない場合には、事案の実情に応じた柔軟な解決を図るための労働審判を行うという紛争解決手続です。
(参考:http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_02_03/)
地方裁判所に申し立てを行うことで、労働審判を起こすことが可能です。
法律に詳しくない場合は弁護士を雇う必要あり
「裁判所」「申し立て」…このような言葉にしり込みしてしまいますよね。実際はやってみると法律の知識がそれほどなくても、手続き自体は行えるのですが、不安な場合は弁護士などの法律の専門家に相談・依頼することになるでしょう。
その場合は、時給、成果給、さまざまな支払方法がありますが、いずれにしても相談料・依頼料がかかってしまうというデメリットがあります。
極めて短期間で問題解決が可能
弁護士をたてずに自分で申し立てを行う場合には、必要な費用は申立手数料と郵便切手代くらいのものです。
手数料は申立する金額(残業代)によります。もし未払いの残業代が10万円以下なら手数料はわずか500円、100万円請求するとしても手数料は5,000円です。
(参考:http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf)
費用面でも負担が少ない上に、労働審判はわずか3回以内の期日で決着がつくというスピーディーさがあります。
しかも残業代を支払うことになった場合、労働審判の結果は法的拘束力を持つため、ほぼ確実に残業代を会社に支払わせることができます。
④通常訴訟を起こす
弁護士に依頼して訴訟に持ち込む
労働審判を起こしてもなかなか会社側が残業代を支払う姿勢を見せない場合、訴訟を起こして会社に未払いの残業代を支払わせることができます。
この場合、弁護士に相談・依頼をして、訴状の作成から、残業代が発生した証拠、また未払いがそれまで続いている証拠など、企業側の不実を立証するための証拠をそろえてもらい、裁判を起こすのです。
残業代の支払いに法的拘束力を与えられる
訴訟を起こしてあなたの正当性が立証されれば、残業代の支払いに関して法的拘束力を持ちます。
さらに、未払いの残業代に加えて、前述した遅延金を請求することができ、最終的な請求額とほとんど同じくらいの付加金の支払いを裁判所が命じることもあるのです。
弁護士に依頼して訴訟を起こせば、あなた自身が難しい書類を作成することはほとんどなく、気まずい思いをして会社側の人間に会う必要はゼロに近いというメリットがあります。
残業代をきちんとくれる会社に転職するには?
残業代をくれないブラック企業の特徴をつかむ
転職後にまた残業代未払いで悩まないよう、以下のような企業や求人は避けることをおすすめします。
・裁量労働制ですでに残業代が給与に含まれているのをいいことに長時間労働を強いる
・定時になると強制的にタイムカードを切らされて、その後はサービス残業
・休日出勤が多発しているのに代休が発生するだけで手当てがつかない
・「人柄重視」はブラック企業で離職率が高く人手不足の可能性あり
転職サイトなどで見かける求人票に以上のような傾向が見られる場合、残業が多く、さらに残業代を支払わない可能性が高いのです。
企業の実態を転職サービスを利用して把握する
できることなら転職先が残業代を支払う優良企業かどうか、転職前に企業の内情を把握したいところですが、現実的には転職前に求人票や企業情報だけで把握することは困難です。
このような場合、転職サービスを無料で提供している転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは企業の採用担当などとつながりがあり、企業の内情に詳しいのです。そのため、あなたの希望条件に合う優良求人を紹介してくれるので、安心して転職活動を進めることができます。
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まとめ
残業代が未払いの場合、直接会社側に交渉し、それでもだめなら、労働基準監督署に相談しましょう。
しかし、このような手続きは法的拘束力を持たないため、企業が未払いの残業代を支払う姿勢を見せないなら、労働審判を起こすか、訴訟を起こす手続きに入ることをおすすめします。
労働審判も、訴訟も、弁護士に相談しなければいけないという費用面のデメリットはあるものの、判決内容には法的拘束力があるため、未払いの残業代を会社側に確実に支払わせることができるのです。
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