会社側から何の予告もなく、給与明細を見たら、突然給料が下がっていた!という経験はありませんか?
前触れもなく突然給料が下がった時、もしかしてクビになるのか…はたまた会社が倒産する前兆なのか…と不安になりますよね。
そこでこの記事では、突然給与が下がる理由、給料の下がらない会社を見分ける方法について紹介します。
こんなことってあり?突然給料が下がったのはなぜ?
給料が突然下がる理由
会社の業績不振
突然月給の金額が下がってしまった給与明細を見ると、自分の働きが悪かったのではないか、何か悪い噂でも流れているのではないかと不安になりますよね。
しかし、突然給料が下がったことの理由として最初に考えられる理由は、会社の業績不振が挙げられます。
大きな会社だと、IR情報が外部に公開されているため、社員が知らないうちに業績が著しく悪化していたということは起こり得ません。
しかし、企業規模が小さくIR情報も共有されていない会社だと、社員が知らなかっただけで、実は泥沼経営だったということもあり得ます。
少しでも延命措置をとるために、社員の給料を突然下げてしまったのかもしれません。
個人の業績不振
会社の業績不振の次に考えられるのは、個人の業績不振です。
内勤で事務職などの場合には、このケースが当てはまることは少ないものです。
このケースに該当するのは、営業部などのいわゆる「直接部門」と呼ばれている職種に限定されるでしょう。
営業のノルマを達成できない月が続いた、大きな契約を打ち切られたなど、会社の業績に直接ダメージを与えてしまうような仕事ぶりに心当たりがある場合は、個人の業績不振による給与ダウンも考えられます。
それ以外にも、勤務態度が悪くて無断欠勤が複数回続いていたり、就労規則に違反するような態度が見られた場合にも、給与ダウンになる可能性があります。
残業手当がつかなくなった
突然給与が下がった理由として考えられるのは、基本給が下がったのではなく、それまで支給されていた残業代が支給されなくなり、手取りが下がっている可能性もあります。
給与明細を確認してみて、基本給の金額に変更がなければ、残業代(時間外手当)がついていないのかもしれません。
本来、時間外手当をつけることは労働基準法によって定められていますが、会社の年度変わりに契約内容が変更になっていて、年俸制で残業代込、年俸を月割りで支払うかたちに変更になっている場合には、給与が下がる可能性はあります。
突然の減給は労基・労働契約法違反
契約内容を変えるなら、労働者の合意が必要
ここまで給料が突然下がる理由について考察してきましたが、そもそも突然給料を下げることは、労働契約法に反する違法行為です。
労働契約法の第9条には、「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」という記載があります。
あなたに給与が下がった理由に心当たりもなく、給与が変更されることに同意した覚えもないのであれば、立派な労働契約法違反に該当します。
給与が下がるなら事前に周知しなければいけない
さらに、何かの理由があって給与を下げるといった場合にも、事前に社員に周知しなければ、労働基準法違反になります。
労働基準法第106条には、「法令の要旨、就業規則、各種労使協定等を掲示、備え付け、書面の交付等によって労働者に周知しなければいけない」とあります。
あなたが会社側から給与金額のダウンを知らされることなく、突然下がったのなら、この周知が行われていなかったことになり、労基法違反に該当するのです。
突然給料が下がったら相談しておくべき機関
会社の労働組合
あなたの勤務先に労働組合がある場合には、従業員の賃上げや労働環境の向上のために機能している組織ですから、まずは労働組合に相談してみることをおすすめします。
賃上げどころか突然給料が下がったとなれば、会社の上層部に掛け合って、その理由を聴きだし、改善の余地がないか掛け合ってくれるでしょう。
労働局の企画課:労働契約法の管轄
労働契約法違反と、労働基準監督法違反では、管轄が異なるため、相談先が異なります。
労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできないという労働契約法違反について相談する場合、労働局企画課が対象となります。
働き方改革の推進に関することなどを担当している企画課は、労働契約法に関する違反行為が認められた場合の相談先にもなっています。
給料が下がる前と、下がった後の給与明細を持って、相談に行きましょう。
労働基準監督署:金銭の請求は出来ない
事前に社員に対する周知がないままに給料を下げられたことで相談する場合、労働基準監督署が相談先として挙げられます。
ところが、労働基準監督署では、会社に対し労基法違反などで是正勧告を求めることはできても、突然下げられた分の給料など、金銭の請求をすることはできません。
是正勧告を受けた会社は、法的拘束力を持たない勧告を無視して、低い給料を払い続ける可能性もあります。
そう考えると、かなり長い目で見ても、労基署に相談するのは、のれんに腕押しだといえるでしょう。
生活できないから転職したい!給料の下がらない会社を見分ける方法は?
良い会社と悪い会社を見分ける方法
会社の業績をチェック
企業の業績悪化のせいで給料を突然下げられてしまったということがないようにするために、転職前にあらかじめ転職先の業績を詳しく調べておきましょう。
企業の業績については、会社四季報や、会社の公式WEBサイトからIR情報ページを見れば、わかります。
業績が悪化している様子が見られたら、転職先として選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
会社のHPで具体的な仕事内容が書かれているか
転職した後の仕事内容が具体的に書かれていれば、突然給料が下がるリスクを多少おさえることができます。
仕事内容が不明瞭な求人は、仕事内容の変更によって給料が変更になることもあるため、避けたほうがよいでしょう。
仕事内容が明確で、なおかつ異動の可能性が低ければ、異動や仕事内容の変更による給料の変動も起こりにくく、突然給料が下がるリスクは低くなるでしょう。
従業員の平均年齢、離職率をチェック
従業員の平均年齢が高く、離職率が低い企業では、給料が上がることはあっても、突然下がるようなことは起こりにくいものです。
従業員の平均年齢を公表していない企業の場合は、会社見学などで会社を直接訪問し、自分の目でどの年齢層の従業員が多いのか確認しましょう。
平均年齢が高いということは、年齢を重ねても満足できる条件(給与含む)だということが予測されます。
離職率の低さも、給料が下がるリスクが低いことと関連があります。条件がよく、居心地がよいからこそ離職率が低いのです。
この双方の条件が整っていれば、突然給料が下がることもないでしょう。
転職エージェントで会社の情報を効率的にチェック
転職先として候補に挙げている会社が、本当に突然給料を下げるようなことがないかどうかは、実際に働いてみなければ分からないこともたくさんあります。
しかし、転職前に会社内の詳しい事情を把握するのは困難です。このような場合は、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントのキャリアコンサルタントは、企業の採用担当者などとのつながりがあるため、会社の内情に精通しているのです。
転職前に会社の内情について事前に聞いておくと、業績などが安定している会社なのかの判断が付きやすく、給料が突然下がるというリスクを軽減できます。
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まとめ
あなたが一生懸命働いたにもかかわらず、ある日突然給料が下がってしまった場合、泣き寝入りしてはいけません。
給料を下げるからには、会社側には事前に周知する義務、そしてあなたの合意を得ることが求められるからです。
労働組合や、労基署などに相談してみてもらちが明かない場合は、給料が下がるリスクの少ない企業に転職した方がよいでしょう。
その場合は、会社の業績がよく、会社のHPに具体的な仕事内容が記載されていて、なおかつ従業員の平均年齢が低すぎず、離職率の低い企業を選ぶことをおすすめします。
離職率や社員の平均年齢が分からない場合は、内情に詳しい転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。