得意な英語を活かせること、人に教えることが好きなことを活かし、英語教師になった人の中には、やりがいが感じられなくなった、激務過ぎるなどの理由で教師を辞めたい…と考えている人もいるでしょう。
この記事では、英語教師のスキルを活かせる民間の転職先と、年収を下げない転職方法について紹介します。
安定した収入が得られる教師の仕事を辞めることに躊躇している人も、この記事を読めば自分の可能性に気が付き、転職意欲がわいてくるでしょう。
英語教師を辞めたい理由は?
生徒のモチベーションが低くてやりがいがない
今の時代、有名大学進学を考えている生徒ほど、メインの学習の場は塾で、学校が学習補助の場所だととらえていることが多いものです。
また、進学に対して熱心ではない生徒の場合、そもそも英語学習の意味を感じていない場合が多く、どちらにしても英語学習に対するモチベーションが低くなっています。
教師側がどれだけ時間をかけて授業準備をしても、生徒側にその期待に応えるだけのモチベーションがなければ空振りしてしまいます。
空振りが続けば続くほど、「自分はどうして教師をしているんだろう…」と、教師としての自分の存在意義についても懐疑的になってしまうでしょう。
自分の英語スキルを磨く暇がない
中学でも高校でも担任クラスがある場合は、学生ひとりひとりの対応、成績管理、出欠管理、校務分掌、授業準備などで忙しく、翌日の授業準備も精一杯の自転車操業に陥っている教師も多いでしょう。
ただでさえ時間がないのに、職員会議が入れば数時間単位で時間をとられ、自宅に帰ってからも宿題の採点と、仕事に追われがちな日々を過ごしている教師もいます。
英語教師になったからには、自分自身のスキルアップもしていかなければならないと考えているのに、仕事の目白押しでそんな時間もなく、研修会で情報収集するのが関の山…という状態に納得できず、教師を辞めたいと思う人が多いのです。
特殊な性格の先生が多くて職員室の居心地が悪い
教師の中には個性が強い人がいることも多く、熱血で口出しをしてくるタイプの教師や、無口で何を考えているのかわからないコミュニケーション困難なタイプの教師、お局的な存在ですべての情報を掌握したがる教師など、個性が豊かすぎる学校もあります。
授業以外の時間帯は、基本的に職員室で過ごすことが多い教師にとって、このような個性が特殊な教師の多い職員室に長時間いることで苦痛を感じる人もいます。
校務分掌でどうしても苦手な先生と関わらないといけなかったり、学年が同じで学年会議を定期的に行う必要があったりと、避けたくても避けられない中、ストレスを感じながら勤務している教師もたくさんいるでしょう。
特に学生の長期休みには職員室にいる割合が高くなり、苦痛のあまり転職を考えるようになってしまう人も多いのです。
英語とは無関係の部活の顧問に任命される
中学や高校で英語教師をしていると、ただでさえ忙しいのに、さらに部活の顧問を割り当てられることがあります。
たとえば英会話クラブなどの顧問の場合は、自分のスキルも活かせ、生徒にも指導できるので納得できますが、若いから…などの理由で英語とはまったく関係のない部活の顧問に任命されることがあるのです。
運動部の所属経験が皆無なのにテニス部の顧問になった人もいれば、絵を描くことが苦手なのに美術部の顧問になった人もいます。
興味・関心のない部活動の顧問になれば、放課後や土日も部活動でつぶれることがあり、そのたびに「辞めたい…」と強く思う教師が多いのです。
教師は教師にしか転職できない?
教師の民間転職は難しい
「先生=プライドが高いのに仕事はできない」のステレオタイプが一般化
企業側から見た教師のイメージ像には、「先生はプライドばかり高くて、実務経験がないから仕事ができないだろう」という共通のステレオタイプがあります。
教師になる前に民間企業に勤めた経験があれば、まだその傾向は薄れますが、新卒でそのまま英語教師になった場合はやはり実務経験のなさがネックになってしまうのです。
企業側からすると「先生」と呼ばれてきた人が「さん」付けで呼ばれ、「教える側」だった人が「教わる側」になることに抵抗を感じるだろうと推測されてしまいます。
講師からの転職だと「本当は先生になりたかった」と誤解される
教員免許はとったけれど、採用試験に合格できずに講師生活を続けてきた場合でも、講師生活が長ければ長いほど転職活動が難航する可能性があります。
履歴書に職歴を記載した時点で、企業側からは「先生になりたいけど、なれなかったからココ(企業)に来た」と思われてしまうからです。
自分でも気持ちに区切りをつけて転職したい!と心から思って転職活動をしていても、企業側に上記のようにとられてしまったら、採用の道は遠のいてしまうでしょう。
教師としての専門性は民間企業での汎用性は低め
英語のスキルは別として、授業を行うスキル、授業デザインを考えるスキル、学級運営のスキルなどは、民間企業で活かしにくいスキルです。
教育関連職に転職するならまだしも、まったくの異業種に転職を希望する際、簿記検定や秘書検定などの資格を持っていても、実務経験が伴わなければ新卒と同レベルで扱われてしまいます。
学校関連の専門性は、学校以外の場面では活かしにくく、企業側も採用のメリットを感じにくいのです。
事務能力や語学力を生かせば転職も可能
教師としての専門性を活かすことは、業種や職種が限られてきますが、教師の業務内容に含まれる事務のスキルや、英語スキルを活かすことで異業種転職の可能性は拡がります。
教師というと教壇に立って指導しているイメージが強いものですが、実際は出欠管理や保護者へのおたより作成、学校公式webサイトでのブログの更新など、事務作業もかなりの多さです。
そのため文書作成などのPCスキルをアピールすることができれば、事務職への転職も可能です。
また、英語教師の場合は汎用性のある英語スキルが高いことが教員免許によって証明されているわけですから、英語スキルが求められる仕事全般への転職も可能です。
英語教師から民間に転職、おすすめの転職先は?
英会話スクールの講師
英語スキルと、教えるスキルの双方を活かせる英語教師の転職先といえば、英会話スクールの講師です。
英会話スクールではクラスを持ち、その生徒数で収入が変動する給与体系のところが多くなっています。
そのため、公務員では給与が年齢や勤務年数に応じて上がっていくのを待つしかない一方、自分が頑張った分だけ収入がアップするという民間ならではのメリットがあります。
また、生徒は高校生や大学生の場合もありますが、多くは社会人であり、自分で学費を支払っていることから、モチベーションが学校現場よりも全体的に高い傾向にあります。
生徒のモチベーションがなくてやりがいを感じられなくなった…という人にもおすすめの転職先です。
英会話スクールのクラスは学校と異なって単発であることも多く、教室運営に時間をかけなくても、英語スキルの教授法研究や、自分自身のスキルアップに時間をかけることができるというメリットもあります。
貿易事務
貿易事務は、商社やメーカーなどで商品の取引を事務的な面からサポートする仕事です。
諸外国との取引の際には、公用語である英語が用いられることが多く、英語スキルを存分に活かし、メールや電話で英語を使用して海外企業とコミュニケーションをとる必要があります。
そのため、インプットの時間がとれないという悩みのある英語教師にとっては、ナマの英語を体感しながらスキルアップできる機会でもあり、英語が好きな人にとっては非常にやりがいを感じられる仕事です。
英語スキルが求められることから、事務職の中でも比較的給与水準が高く、教師の年収と同程度支給している企業も多くあります。
外資系企業
英語教師は辞めたいけれど、収入が今よりも下がることはどうしても避けたいという場合、高い英語スキルを活かして外資系企業に転職するという方法もあります。
外資系企業では転職面接の段階で英語が用いられたり、転職の応募書類として提出を求められるレジュメも英語で作成することを求められることが多くあります。
外資系企業は昇給の幅は狭く、実力にともなった給与アップが発生する以外は、賃金が固定されやすくなっています。
その代り初任給から一般的な日系企業よりも給与水準が高く、中高の英語教師の平均年収を上回る企業も少なくありません。
学校のように規律があり、業務も固定されていないため、自由に働きたい、自分で目標を持って、自分の裁量で仕事をすすめたいという人にはおすすめの転職先です。
海外勤務のある営業職
英語のスキルと、教師としてのコミュニケーション能力を活かせるのが海外勤務のある営業職です。
日系企業に勤務し、海外の営業先へ出向するパターンが多くなっています。
また、海外で技術を習得して日系企業にその技術を営業してまわるというスタイルもあります。
いずれにしても、アメリカやタイ、ベトナムでの勤務が多く、英語スキルが活用できるとともに、本当に英語が好きな人にとっては、海外で生きた英語を学び直せる機会を得ることもできます。
英語教師から民間に転職、年収を下げない求人の選び方
現在の年収を維持したまま異業種転職するためには、キャリアと求人のマッチングが最重要課題です。
英語教師としての今までの経験やスキルと、転職先が求める条件がマッチしてないと、単なる未経験転職と見なされ、年収が大幅にダウンする人もいます。
特に教師からの異業種転職の場合、教師以前に民間企業で働いたことがない人にとっては転職活動が初めての経験で何から始めたらよいのか分からないことも多いものです。
したがって求人サイトなどで自力で探すよりも、転職エージェントのキャリアカウンセリングを受けて、自分のキャリアにマッチする求人を紹介してもらう方が安全だといえます。
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まとめ
英語教師から民間企業に異業種転職するためには、自分のスキルやキャリアと求人とマッチングさせた上で、以下のような転職先がおすすめです。
・英語スキルと教えるスキルがそのまま活かせる英会話スクールの講師
・英語の読み書きスキルが活かせる貿易事務
・教師時代の給与を上回る可能性が高い外資系企業
・海外で英語スキルを高められる海外勤務のある営業職
ただし、上記の転職先を転職経験のない教師が自力で行うと、キャリアと求人のマッチングができない可能性があるため、転職エージェントを活用してマッチングがしっかりした求人を紹介してもらうことで、今よりも年収が下がらずに転職成功に近づけるでしょう。