現在は違う仕事に就いているものの、経営コンサルタントとして認定される唯一の国家資格である中小企業診断士の資格をとって手に職をつけて働きたい!と考えていませんか?

この記事では中小企業診断士の仕事内容や年収未経験からでも中小企業診断士として転職する方法失敗しない転職先の選び方を紹介します。

中小企業診断士の資格を持っている人も、これから取得するという人も、これを読めば中小企業診断士としての転職成功を実現することができます。

中小企業診断士の仕事内容・年収・将来性は?

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士の主な勤務先は、一般企業、コンサルティング会社、税理士事務所、独立した中小企業診断士事務所などです。

よって中小企業診断士の仕事内容は、その勤務先によっても差がありますが、コンサルティング業務を中心に幅広く活躍することができます。

経営コンサルティング業務

中小企業診断士は、中小企業診断協会の定義によると、本来「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」です。

中小企業支援法第11条に基づいて、国家資格として認められています。

そのため、主な仕事内容は、中小企業の経営コンサルティングということになります。コンサルティング会社に所属したり、企業内中小企業診断士として、企業の経営状態を良好に保つ、もしくは経営が傾いている原因を突き止め、経営を立て直すための策を考え、助言をすることが主な業務です。

企業(民間)と行政(公的機関)の橋渡し

中小企業診断士として独立すると、特に国が行う政策がスムーズに実行できるようにするために、各自治体の中小企業支援センターなどから企業に対する指導・支援を行うという業務もあります。

この時、商工会議所や役所などと中小企業の橋渡し役として、両者の調整を行っているのが中小企業診断士です。

また、企業の経営状態を診断したうえで、貸付審査業務などを行うことも業務の一部です。

企業(民間)と各種専門家の橋渡し

中小企業の経営を診断したうえで、経営立て直しのために必要だと思われる専門家が出てきます。それは場合によっては弁護士であったり、税理士であったり、ケースによってさまざまです。

中小企業ではこのような専門家とのつながりがないところが多く、中小企業診断士から各種専門家への橋渡しを行うことも業務のひとつです。そのため、普段からこのような各種専門家とのつながりを築いておく必要があります。

中小企業診断士の年収

中小企業診断士の年収は、独立している開業診断士か、企業に所属している企業内診断士かによって差があります。もちろん、開業診断士でも年収は営業力や開業場所などによってピンからキリまでありますが、開業の場合は年収800万円~1,000万円の場合が多くなっています。

一方、企業内診断士の場合はその所属している企業の経営規模に収入が左右されます。中小企業診断士を企業内に常勤で置くという時点で、ある程度の余裕のある企業だということが予測できますが、企業内診断士の場合は年収600~800万円となっています。

中小企業診断士の将来性

中小企業診断士は税理士や社会保険労務士などの独占業務がある士業と違って、独占業務のない中小企業診断士は、将来性がないのではないか…という人もいます。

しかし、独占業務がある他の士業にしても、ただ資格があるから食べていけるというわけではありません

中小企業診断士としての将来性は確固たるものではありませんが、たとえば企業内診断士ならその経営状況によりますし、開業診断士なら自分の事務所経営によって、将来性は左右されることになります。

さらに独立中菱企業診断士の場合、国の予算でやりくりしていくため、その時の財政や政権によって左右される部分が大きく、事務所の経営力に加えて自分ではアンコントロールな国の状況に左右されることになるのです。

未経験から中小企業診断士に転職する方法

未経験なら中小診断士の国家試験は必須

未経験から中小企業診断士として働くためには、中小企業診断士という国家資格を取得する必要があります。

そのためには、「経済学・経済政策」や「経営情報システム」を含む7科目から構成される第1次試験合格後、次の2つのうち、いずれかを選択することが求められます。

1つめは、中小企業診断協会が実施する第2次試験合格後、実務補習を修了するか、もしくは診断実務に就くことです。

2つめは、中小企業基盤整備機構もしくは登録養成機関が実施する養成課程を修了することです。

このように何段階かに分かれて行われる試験は、1次試験と2次試験を併せてストレートでパスできる合格率はわずか4.2%ほどであり、難関の国家資格だといえます。

さらに取得した後も5年刻みで資格更新を行う必要があり、この更新時に一定の要件を満たしていなければ資格失効となってしまうのです。

中小企業診断士に求められるスキル

文章能力

民間企業や公的機関、一般の顧客など、多くの人を相手に文章を作成する仕事がある中小企業診断士としては、読み手によって読みやすい文章が書けるスキルが求められます。

一般の顧客に対しては、かみ砕いてわかりやすく、公的機関にはかたい文章で専門用語をふんだんに使用するなど、文章を書きわけることができるスキルが必要です。

コミュニケーション能力

独立診断士になると、多くの顧客を獲得し、今いる顧客との関係の継続に加えて、新たに取引をする顧客との関係形成も大切な仕事です。

初対面の人の緊張をほぐして、求めていることを引き出すためにもコミュニケーション能力は必要です。

また、診断士のセミナー後には他の診断士との懇親会があったり、弁護士や税理士などの専門職を交えた交流の場が設けられることもあります。専門職とのパイプ作りをしっかりとしておくためにも、コミュニケーション能力が求められるのです。

未経験でも開業診断士としてなら年齢制限はない

平成29年度に中小企業診断士の試験を受験した人の中には、70代以上の人が13名もいました。また、60~69歳の受験者214名のうち、17名が実際に合格しています。

そもそも中小企業診断士には受験資格として年齢も学歴も制限されておらず、自由に受験することができるのです。

ただし、企業内診断士となると、企業としての年齢制限(若年層キャリア育成のためなどの理由がある場合)があれば、その年齢制限が実質企業内診断士としての年齢制限にもなります。

逆説的に考えると、企業側からの年齢制限内であれば、元々キャリア育成のために採用しているのですから、資格取得後実務未経験でも採用されやすいのです。

一方で、開業診断士の場合は無制限ですから、資格を取って、実務経験があれば、何歳からでも転職可能だといえます。

未経験から中小企業診断士に転職、失敗しない転職先の選び方

選んではいけない求人の見分け方

中小企業は大企業に比べて残業が多め

体制が整いにくい中小企業に診断士として入社すると、その体制を整えるところから業務の一環となり、結果として中小企業診断士が犠牲となって残業時間が増加するという本末転倒の事態が起こることは珍しくありません。

中小企業の中でも立ち上げてからまだ時間の浅い企業などは、やりがいととらえる人もいるかもしれませんが、業務内容が増え、労働時間が増加する傾向にあります。

求人サイト・求人誌などにいつも求人が掲載されている

開業診断士の個人事務所などで、補助として中小企業診断士を募集しているところもありますが、このような求人が「いつ見ても載っている」場合は注意したほうがよいでしょう。

もちろん欠員補充で思ったように人が集まらないから…という理由の可能性もありますが、ほとんどの場合は所長であるメインの中小企業診断士との相性が悪かったり、指導態度に問題があるケースが多いものです。

おすすめ求人の特徴

大企業の企業内診断士は労働環境がよいことが多い

一方大企業ではノー残業デーやプレミアムフライデーなどの労働環境改善の取り組みを積極的に行っているところも多く、中小企業に比べて残業時時間が短いと考えられます。

基本的に対企業での仕事の多い中小企業診断士の場合、企業の休みに合わせて時間外労働が少ない傾向にあります。

未経験ならアシスタントとして勉強させてもらえる事務所もおすすめ

中小企業診断士の資格もまだ持っておらず、これから勉強して取得しようと考えている未経験の人におすすめなのは、実務経験の豊富な診断士のもとで勉強させてもらえるアシスタント業務がある求人です。

独学で中小企業診断士の資格を取得する人は、試験受験者のうち約半数を占めますが、実務経験を積みながら勉強できれば、非常に生きた知識を働きながら身につけることができるというメリットがあります。

未経験OKかつ条件の良い中小企業診断士の求人を見つける方法

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まとめ

未経験から中小企業診断士として転職するためには、まず中小企業診断士の国家試験に合格し、実務経験を積む必要があります。さらに資格取得後に失敗しない転職先を選ぶためには、以下のことに気をつけましょう。

立ち上げ当初の中小企業労働時間が長いので避ける
いつも求人が載っている企業や事務所人間関係が良くない可能性あり
大企業福利厚生も手厚く労働環境もよいのでおすすめ
無資格で未経験ならアシスタントとして中小企業診断士の仕事を見て盗む

未経験OKの求人が見つからない場合は、転職エージェントを活用して、応募書類の添削や模擬面接など、未経験では不安なところをカバーしてもらうという方法もあります。