税理士になれば安泰ということも今は昔で、士業を極めても実は通常業務に追われて残業の日々というのも珍しくはありません。特に個人事務所で働いている人は、業務の割に年収が低いことを悩んでいることも少なくないことでしょう。職場環境は悪くないものの、このまま在籍しても将来がないと悲観に暮れ、転職活動をする余裕すらないのが現状といえます。そんな税理士でも残業が少なくて手当も充実している職場を探すことはできます。
ここでは個人事務所で働く税理士が、どうして残業に追われてしまうのかという理由と、今よりもより良い環境で働ける場所を探す方法を紹介していきます。
税理士事務所で残業が多い理由
一人あたりの担当件数が多い
個人の税理士事務所ではどうしても一人あたりの担当件数が多くなります。一つの案件に複数のスタッフが付けばいいのですが、人員も少なくて、自分の担当は自分でやるという暗黙の環境がそうせざるを得ない状況を作っています。
これには顧問先の対応に常に追われていることも要因としてあります。何でもやってもらおうとして、顧問先が税理士に押し付けてくることもあります。得意先となる場合は、断りづらいこともあるでしょうが、すべては担当するスタッフが少ないことが元凶といえます。
また、税理士事務所は職員の入れ替わりが激しいこともあって、退職した人の仕事の引継ぎまでこなさなくてはいけません。そのため、多くの仕事を抱え込んでしまうことになり、定時ベースでは通常業務だけで処理しきれずに、残業が多くなってしまいます。
企業の決算期以外は閑散期もあるはずだけど・・・
税理士の繁忙期は、年末調整から確定申告、決算期といえます。この時期は残業が多くなり、なかなか仕事が終わらないこともあります。もちろん、担当する会社によっては決算期が異なることも考えられます。とはいえ、繁忙期以外の通常の時期でも残業が多い場合は、経営的にも危険が伴います。
例えば残業時間が多い事務所の場合、税理士には裁量労働制が適用されます。平均で80時間を時間外の賃金として決めていると、経営者的には月単位の支出が把握しやすくなります。しかしながら、月の残業時間で80時間というは過労死ラインとなります。残業時間が年中80時間を超えるなどの事務所は、人材が手薄過ぎることやブラックな経営をしているため、さらに人手が減ってしまい経営的に危険な状態といえます。
税理士資格を活かして残業の少ない会社に転職するには?
残業が少ないホワイト会計事務所の見分け方
多少残業があっても、税理士が複数名所属しているような事務所であれば、手当や賞与がしっかりとしている可能性は高くなります。個人事務所で代表が高齢の場合は、マンツーマン指導も対応してくれますし、必要以上の仕事を受けないこともあるので、残業なしも期待できます。 そのため、資格取得を目指したい人や将来的に独立して事務所を構えたい人には向いているといえます。
しかし、このようなホワイト事務所は地方に多く存在し、昔ながらの付き合いや地元企業の顧問税理士だったりする場合が多いことが挙げられます。出世意欲があり、仕事にやりがいを求めるタイプの税理士には向いていないことといえます。
税理士経験はどこでも大歓迎!一般企業なら残業少なめも期待できる
節税対策を練り、利益を確保したいためにどの企業も税理士を必須としています。顧問として契約していくよりも、自社で税理士資格を有している社員はかなり重宝することがうかがえます。
このことからも、仕事で資格を活かす上であえて税理士事務所に所属するのではなく、一般企業に就職して活躍することも考えていくべきでしょう。特に超過勤務が問題となっている昨今、どの企業も過度の残業には厳しい目でみています。
さすがに残業ゼロの企業を探すのは難しいといえますが、担当する案件によって仕事量にバラつきがある会計事務所よりかは残業時間が少なる傾向になります。
中小企業の経理なら企業経営に直接関われる
どの士業にもいえることですが、税理士資格を持っていれば転職に大きく有利となります。中小・零細企業は、外部の税理士事務所に顧問契約しているケースが多くありますので、顧問料を払い続けるよりも、税理士業務の経験者を自社で抱えた方が毎日相談できますし、安心して経営に専念することもできます。
また、転職する税理士にもメリットがあります。中小・零細企業の場合は、残業も税理士法人のサービス残業と比べるとかなり少なくなります。大手企業よりもコンサルティング的な仕事を任されることもあり、経営に携われることもありますから、やりがいある仕事内容といえます。
もちろん、大手企業のように年収面では大幅アップを期待できませんが、その分仕事の幅が広がり、スキルは身に付いていきます。
税理士が残業なしの求人を探すなら転職エージェントがおすすめ
毎日に忙殺されてしまう税理士の方には、満足のいく転職活動ができません。税理士事務所に所属しながら残業なしの求人を探すのは、通常業務の傍らに自分で行うのは限度があります。
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まとめ
個人事務所に勤めている税理士は残業時間が多くなり、一人あたりの仕事量が多く、年収にも不満を持っている人も少なくありません。確かに繁忙期に忙しいのは仕方ないにしても、通常業務に時間をとられ過ぎて、年中残業がある事務所もあります。
手当も充実してホワイトな転職先を探すなら、税理士資格を活かして中小・零細企業に応募するほうが即戦力として採用されます。大手企業よりも年収面では劣りますが、その分残業も少なく、コンサルティングなど経営に携われることもありますので、スキルは身に付き、モチベーションも上がりやすくなるでしょう。
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