「民間企業から公務員に転職したいけど、もう31歳だから厳しいのではないか」と心配する人は多いです。
また、もし中途採用で公務員に転職できたとしても、年収や給与がどの程度もらえるのか心配だという声も上がっています。
結論、31歳でも公務員に転職できます。
近年では、各自治体で公務員試験の年齢の上限が緩和されているからです。
本記事では31歳でも公務員に転職できることの詳細や、31歳で公務員に転職した場合の年収・給与について、わかりやすく解説します。
- 31歳でも公務員に転職できる。35歳まで公務員試験を受験可能な自治体が増加している。
- 経験者枠では59歳まで受験可能な場合が多い。実質、年齢制限がなくなっている。
- 31歳で国家公務員に転職は難しい。ほぼ30歳が上限。
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関連記事:30代から公務員に転職する方法!公務員の詳しい待遇と試験内容・狙いめのポイント
31歳でも公務員に転職可能
31歳でも公務員への転職は可能です。
なお公務員に転職するには、国家公務員も地方公務員も、公務員試験に合格する必要があります。
公務員試験には年齢制限がありますが、最近は年齢の上限を緩和している自治体が増えており、31歳でも挑戦できるのです。
31歳が地方公務員に転職する2つの方法
都道府県や自治体の市役所・区役所・町役場などで働く「地方公務員」になるには、各自治体の公務員試験に合格する必要があります。
31歳の社会人が地方公務員に転職する場合、次のいずれかの採用枠で試験を受けることが一般的です。
- 社会人枠
- 一般枠
「社会人枠」とは、民間企業等での職務経験がある方を対象とした試験です。全都道府県・政令市の80%以上が経験者採用枠を設けています。
年齢制限は市区町村によりますが、59歳以下であれば受験できる場合が多いです。実質的な年齢制限がなくなっています。
一方、「一般枠」とは、各省庁や自治体が定める30歳前後までの年齢条件を満たしている人なら、誰でも受験できる公務員試験です。
新卒だけではなく、「年齢要件を満たす既卒者・社会人」も受験できます。
20代までしか応募できない自治体も多いですが、最近は35歳まで地方公務員試験を受験可能な自治体が増えています。
31歳で公務員に転職する場合、「社会人枠」か「一般枠」に応募することになるでしょう。
「一般枠」だと年齢制限に引っかかって応募できない自治体もありますが、自治体によっては応募できます。
31歳で国家公務員に転職は難しい
国家公務員試験では、ほとんどの職種で、「30歳まで」の年齢制限があります。そのため、31歳で国家公務員に転職は難しいでしょう。
たとえば令和5年(2023年)国家公務員試験(院卒者・大卒程度)では、国立国会図書館の総合職・一般職のみ、34歳まで受験可能でした。
なお国家公務員の職種には、他にも国家総合職、皇宮護衛官、衆議院総合職などがあります。しかしこれらの仕事には、31歳だと応募できません。
関連記事:31歳で転職3回目は多い?厳しいと言われる理由や30代の平均転職回数・成功のコツを解説
31歳から公務員に転職した場合の年収・給与【中途採用】
31歳で公務員に転職したときの年収・給与も知っておきましょう。
30代公務員の平均年収は約377万円
総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、30代大卒の市役所職員の平均年収は、約377万円です。
また、30代高校卒の平均年収は、約319万円となっています。
以下の表は、年齢別に大卒・高卒の30代市役所職員の平均年収をまとめたものです。
- 28~31歳(大学卒)
- 約385万円
- 28~31歳(高校卒)
- 約372万円
- 32~35歳(大学卒)
- 約432万円
- 32~35歳(高校卒)
- 約419万円
- 36~39歳(大学卒)
- 約484万円
- 36~39歳(高校卒)
- 約477万円
31歳で公務員に転職すると、大卒であれば約385万円、高卒であれば約372万円程度の年収が期待できます。
特別年収が高いとは言えませんが、公務員は退職金を受け取れます。さらに福利厚生も充実している点や、倒産やリストラのリスクが低い点が魅力です。
31歳で公務員に転職後の年収・給与は職歴加算で決まる
31歳から中途採用で公務員に転職した人の給与は、「職歴加算」を加味した上で決まります。
公務員の「職歴加算(前歴加算)」とは、これまでの経歴が、公務員として中途採用された後の給与に反映される制度です。
具体的には、民間企業や他の公官庁で働いてきた年数に、「換算率」を乗じて計算されます。
たとえば新卒の22歳から31歳までの9年間、換算率が1.0の民間企業で働いていた人がいるとします。
この人の場合、公務員として採用されると、その市役所や区役所で9年間働き続けてきた職員と同水準の給与となります。
公務員と関係ある仕事なら換算率は約1.0
中途採用の公務員の給与に適用される換算率は、各自治体によって異なります。
公務員の仕事に直接関係する仕事をしていたなら、換算率は1.0である場合が多いです。
大きく給与を下げずに転職できる可能性があります。
公務員と無関係の仕事なら換算率は約0.8
一方で公務員の仕事に直接関係ない業務をしていた人には、0.8程度の加算率が適用されます。
転職前よりも給与が下がってしまう可能性があるでしょう。
31歳から公務員に転職する難易度
31歳でも公務員試験は受けられますが、実際のところ難易度は高いのでしょうか。
※参考:人事院の経験者採用試験(係長級(事務))
※参考:試験選考実施状況|試験選考情報|東京都職員採用
公務員試験の倍率は高い
令和5年度に東京都で実施された「キャリア活用採用選考」では、受験者301人、最終合格者は104人でした。
つまり倍率は4.0倍です。公務員試験の難易度は高いので、事前にしっかりとした対策が求められます。
妻子持ちや子持ちでも難易度は変わらない
31歳は、家庭を持っている人も少なくありません。「妻子持ちや子持ちであることが、公務員試験でマイナス評価につながるのではないか」と心配する人もいます。
しかし妻子持ちや子持ちでも、公務員転職の難易度は基本的に同じです。
公務員は産休や育休などの福利厚生が充実しており、職場復帰もしやすい環境であることから、子持ちの31歳の転職先としても注目されています。
関連記事:31歳で2回目の転職は厳しい?30代前半転職の現実や注意点・成功のコツを解説
31歳から公務員に転職を目指そう
31歳から公務員に転職できる地方自治体は多いです。
31歳で公務員に転職すると、大卒の人は約385万円、高卒の人は約372万円程度の年収が期待できます。
公務員になるには、公務員試験に合格する必要があります。公務員試験は難易度が高いので、しっかりとした対策が必要です。