養護教諭とは、いわゆる学校の「保健の先生」で、子どもが好きな方や、看護師の資格を活かした看護師の次のステップとして興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
ただ、正直なところ転職を考える際に、「看護師から養護教諭に転職すると、お給料の差はどのくらいあるのだろう」と給与面も気になりますよね。
年収だけ見ると、看護師の平均年収よりも養護教諭の方が年収が高いという報告がなされています。
ただ、看護師からの「転職」となると養護教諭の初任給からのスタートとなるので、実際のところ看護師として働き続けた方が給与が高い可能性もあります。
今回は、看護師と養護教諭の給料を比較し、転職した場合の年収の差について詳しく解説します。
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看護師と養護教諭の給料を比較
令和二年地方公務員給与の実態「職種別職員の平均給与額」小中学校教育職を参考に、看護師と養護教諭の年収にはどのくらい差があるのか一覧で見てみましょう。
平均月収 | 平均年収 | |
看護師 | 33.8万円 | 492万円 |
養護教諭 | 40.9万円 | 669.1万円 |
平均月収や平均年収を比較すると、看護師よりも養護教諭の方が高いという結果が出ています。
しかし、看護師から養護教諭に「転職する」と、手取り収入は少なくなってしまう場合がほとんどなので注意が必要です。
看護師から養護教諭への転職では給料が下がりやすい
一見養護教諭の方が平均年収が高くて良いように思いますが、データの中には長年勤めている職員や校長なども含まれています。
基本的に教職員の給与は勤務年数や年齢によって上がっていくため、未経験からのキャリアチェンジではデータのような給料には当てはまりません。
10年、20年と長く勤めて、少しずつ昇給していく必要があるので、看護師から養護教諭へ転職した場合は初任給からのスタートということになるため、看護師の時よりも給与が下がる可能性の方が高いです。
看護師から養護教諭への転職で給料が下がりやすい理由
養護教諭は看護師の資格を活かせるとても魅力的な職業ですが、転職するときは「給料が下がる可能性がある」ということを把握した上で活動をするべきでしょう。
ここでは、看護師から養護教諭へ転職すると給料が下がりやすいのはなぜか、理由について解説します。
- 養護教諭の給料は勤務年数に応じて上がるから
- 養護教諭は倍率が高いから
養護教諭の給料は勤務年数に応じて上がるから
養護教諭の給与は、一般的に勤務年数に応じて段階的に上がっていく仕組みになっています。
教員は経験や能力が年々向上していくことを評価し、給与に反映させています。
平均年収で見ると養護教諭の方が給与が高く感じますが、「経験ゼロからの転職」となると一番低い給与からのスタートになるので、特に長年勤めてきた看護師の場合は、給与が下がってしまう可能性の方が高いです。
ただし、勤務先の学校種別や地域によって、給与体系は異なるため、事前にしっかりと情報収集しておきましょう。
養護教諭は倍率が高いから
養護教諭の採用試験は一般的に倍率が高く、競争率が激しい傾向にあります。
養護教諭の採用試験の倍率は都道府県によってばらつきがありますが、一般の教員採用試験より高く3倍程度で、年によっては18倍になるところもあります。
人気の理由は、多くの人が子どもたちに関わる仕事に魅力を感じ、養護教諭を目指すためです。
養護教諭は子どもの健やかな成長を身近でサポートできたり、全校児童生徒みんなの先生になれたりするという魅力があります。
ただし、倍率が高いということは、採用側が比較的有利な立場に立つため、給与交渉が難しく、希望通りの条件で採用されない可能性も考えられます。
看護師が養護教諭への転職で給料を上げる方法
看護師が養護教諭に転職すると給料が下がりやすいですが、条件によっては同等だったり、看護師の時よりも給料が高くなる可能性があります。
転職先を選ぶ際に確認しておくと、給料が上がるかもしれません。
ここでは、看護師が養護教諭へ転職する際に給料をあげる方法について解説します。
- 高校を狙う
- 東京や大阪といった都市部の養護教諭になる
高校を狙う
高校の養護教諭は、中学校や小学校の養護教諭と比較してより高度な専門性が求められる傾向があるため給料が少し高めの設定です。
小学校と中学校では給料の差はほとんど見られませんが、比較して高校は約48万円高くなります。
高校は大学への進学を控えた生徒が多く、進路相談や心のケアなど、専門的な知識やスキルが必要とされる場面も多いため、専門性を高めることでより高い収入を得られる可能性も期待できます。
東京や大阪といった都市部の養護教諭になる
東京や大阪といった大都市圏の養護教諭は、地方と比較して給与が高い傾向にあります。
養護教諭などの教員は、地方公務員に分類されるため地域ごとに給与が決定されます。
大都市圏と地方では差が大きいところで80万円以上違うところもあるので、もし通勤が可能だったり引越しができるのであれば、転職を機に検討をしてもいいかもしれません。
大都市圏の募集は、物価が高いことや、人材の需要が高いので給与も高めの設定になっています。
ただし、大都市圏の養護教諭の採用試験は、倍率が高く、競争が激しいので相応の対策が必要となってきます。
給料が下がるとしても看護師が養護教諭に転職するメリット
転職をすると給与が下がってしまうリスクはありますが、給与が下がったとしても看護師が養護教諭に転職するメリットは多いです。
養護教諭は主に学校に所属し、教員ですが特に担任や部活動の担当を持たないので規則正しい生活ができたり、公務員なので給与が安定しているという点で転職を考える人は多いです。
ここでは、看護師の時から給与が下がったとしても養護教諭に転職するメリットについて解説します。
- 看護師免許を持っていると有利
- 土日・祝日休みで長期休暇もある
- 夜勤がないので生活リズムが安定する
- 産休や育休を取得しやすい
- 定期的に昇給する
- 人の命を預かっているプレッシャーが少ない
看護師免許を持っていると有利
一般的に、養護教諭として働くために必要な養護教諭免許状には、大学で4年間かけて取得する一種免許状、短期大学で2年の短い期間で取得する二種免許状、大学院で取得する専修免許状の3つがありますが、看護師免許を持っている場合は、文部科学大臣が指定する養護教諭養成機関で1年在籍し、単位を修得することで養護教諭の免許を取得できます。
さらに、病気やケガをした生徒への応急処置や健康相談など、看護師としての経験と知識は養護教諭としての仕事で活かすことができます。
感染症への知見もあるので、例えばインフルエンザなどの流行時には、看護師としての知識を活かして、学校全体への感染拡大を防ぐための対策を立てたり、生徒や教職員への指導を行ったりすることもできます。
土日・祝日休みで長期休暇もある
養護教諭は、学校に基本的に学校に所属するので、土日祝日が休みで、夏休みや冬休みなど、長期休暇も確保されています。
看護師のように夜勤やオンコールがないため、プライベートな時間を充実させることができます。
例えば、家族との時間を増やしたり、趣味に打ち込んだり、自分のスキルアップのための勉強をするなど、様々なことに時間を費やすことができます。
夜勤がないので生活リズムが安定する
看護師は、入院施設がある病院であれば夜勤があることが一般的ですが、養護教諭は学校勤務なので夜勤がありません。
看護師の資格を活かして仕事がしたいが、夜勤で体を壊したり健康面を維持しやすい環境で働きたいと考えている方にはピッタリです。
夜勤がないと一般の仕事の人たちともスケジュールが合いやすくなるので、周りとのコミュニケーションもとりやすくなるでしょう。
産休や育休を取得しやすい
養護教諭は、産休や育休を取得しやすいというメリットがあります。
教員ではありますが、クラス担任を持ったり部活動の顧問になったりすることもないので、比較的産休や育休を取りやすい職業と言えます。
- 緊急性の低い業務が多い: 養護教諭の業務は、看護師と比較して緊急性の低いものが多くを占めます。そのため、産休・育休中に急な対応が必要になるケースは比較的少ないと言えます。
- 代替要員の確保してもらえる: 学校によっては、養護教諭が産休・育休を取る際には、非常勤の養護教諭を雇用したり、他の学校から応援を依頼したりするなど、代替要員の確保に努めているケースもあります。
定期的に昇給する
養護教諭は公務員なので「年功序列制度」を導入しており、特に問題がない限りは定期的に昇給します。
教員は、経験や能力が年々向上していくことを評価し、給与に反映させるという考えに基づいているため、長期的な視点で見ると、安定した収入を得ることができます。
一方看護師は、医療機関によっては能力で判断することもあるため、安定しにくい場合もあります。
- 看護師: 看護師の昇給は、年功序列制を導入している医療機関もあれば、能力主義を導入している医療機関もあります。資格取得や専門研修の受講など、自己研鑽の成果が評価されることもあります。
- 養護教諭: 養護教諭は、基本的に年功序列制が採用されています。毎年、一定額の昇給が期待できますが、評価によっては昇給額が変動することもあります。
人の命を預かっているプレッシャーが少ない
看護師は、患者の命を預かっているという大きな責任を感じながら働いていますが、養護教諭は生徒の健康管理を主な業務とするため、看護師ほど大きなプレッシャーを感じることはありません。
もちろん、生徒の安全を守ることは大切ですが、看護師のように生死に関わるような場面に遭遇することは少ないため、より穏やかな気持ちで仕事に取り組むことができます。
養護教諭を目指す看護師におすすめの転職サイト・転職エージェント
看護師免許を持っていると、指定の教育機関で1年在籍し単位を修得することで養護教諭の免許を取得できます。
免許をとった後、実際にどのように転職活動を行ったら良いかわからない方も多いのではないでしょうか。
養護教諭になるための「転職理由」「自己PR」「スキル説明」「価値観」など多くの質問に対して対策しなければなりません。
特に現職を続けながらの転職活動は、経済的にも精神的にも余裕がないので、1人では挫折してしまう可能性もあります。
そこで今回おすすめしたいのは、看護師専門の転職エージェントです。
転職について知識を備えたアドバイザーに相談すれば、悩ましい志望動機や自己PRなど転職準備をサポートしてくれるので、無料登録をして相談してみましょう。
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看護師が養護教諭に転職すると給料は下がるが他のメリットは大きい
今回は看護師が養護教諭に転職する時の、給料の差やメリットについて解説しました。
平均年収は養護教諭の方が高いですが、看護師が養護教諭に転職すると初任給からのスタートになるので給与が低くなる可能性があります。
ですが、養護教諭は「夜勤がない」「産休・育休が取りやすい」「給与が安定している」など転職するメリットは大きいです。
養護教諭は看護師の資格を活かすことができ、子どもたちの健康を守る魅力的な仕事ですので、看護師の次のキャリアとして検討してみましょう。