「楽しくできていた仕事なのに最近はかどらない」「調子が悪いし集中力も続かないし、もう仕事に行きたくない」
こういった、気分の落ち込み・自信低下・気力がなくなるなどの症状は燃え尽き症候群の可能性があります。
ここでは、燃え尽き症候群のセルフチェックリスト、燃え尽き症候群になりやすい人や職業についてまとめました。もう今の仕事は退職したほうがいいのかと悩んでいる人は、辞める前に記事を参考にしてみてください。
燃え尽き症候群の症状は?セルフチェックリスト
燃え尽き症候群の症状
燃え尽き症候群(バーンアウトシンドローム)はその名の通り「精神のエネルギーが燃え尽きてしまうこと」を言います。これは目標を達成するために努力した結果が報われなかったときや、物事を成し遂げたときに起こります。
心理的ストレスが溜まり、現れる症状としては、疲労感、急に無気力になる、個人的達成感の減少、心身の不良、情緒の枯渇、脱人格化などが挙げられます。
燃え尽き症候群になると人柄も変わってしまう
「完璧に対応したはずのお客さまからクレームをもらった」「大きなプロジェクトが成功し無事に終わった」「一生懸命に身を削ってやっていたことが中途半端に終わり思っていた結果が出せなかった」などの場合に燃え尽き症候群になり、脱人格化して冷淡な対応をするようになってしまいます。
燃え尽き症候群を放置していると、引きこもり・うつ・依存症につながることもありのでしっかりと対処していく必要があるでしょう。
燃え尽き症候群のセルフチェックリスト
燃え尽き症候群は病気の前兆などと違って、自分にとって分かりやすい変化はあまり起こりません。気分が落ち込む、モチベーションが上がらないといった小さな前兆は、ただの体の不調や自分の甘えとして捉えてしまうことが多いです。
しかし、その予兆を見逃すと深刻な事態になってしまいます。燃え尽き症候群の予兆として起こりやすい症状をまとめたセルフチェックリストで燃え尽き症候群の予兆を知って、自分がそれに当てはまるかどうかを確認しておきましょう。
①集中力がなくなる
人は短期的なストレスにしか上手く対応できないようになっているため、長期間ストレスを抱え続けると、視野が狭くなって注意力が散漫になります。周囲に注意を払う余裕がなくなるので、いつもはしないミスも繰り返すようになって、更にストレスを抱えるという悪循環になります。
②仕事がはかどらなくなる
集中力が欠如することで仕事がはかどらなくなり、仕事がいつまでも片付かないという状況になってしまうことが多いです。いつもなら終わっている、同僚はもう同じくらいの仕事を片付けている、といった罪悪感や焦燥感から残業をして片付けるようになり、ハードワークになってしまいます。
③抑うつ状態になる
燃え尽きてしまうと感情にも鈍くなり、達成感が感じられなくなります。また、情緒が不安定になって疲労感も抜けなくなり、脱人格化する人も多いです。離人症や抑うつなどの症状が現れるようになります。
④人を避けるようになる
抑うつや情緒不安定のせいで、人との距離感が遠くなったように感じてしまいます。そのことに更に落ちこんで、自分を恥ずかしいと思う悪循環です。ちゃんと仕事ができていない、周りにどう思われているか分からない、そういった焦りや不安から、他者と距離を置くようになります。
⑤飲酒量が増える
燃え尽き症候群の人は、ストレスや不快感から逃れようと、お酒を飲む量が増える人が多いです。なんとか気分を上げるためにアルコールを摂取しようとしている、前よりもお酒の消費量が増えたという人は、燃え尽き症候群の前兆です。
燃え尽き症候群になりやすい人や職業
燃え尽きるほど自分を燃やしてしまう人の特徴
燃え尽き症候群になりやすい人には共通点があります。燃え尽き症候群のセルフチェックツールに、アメリカの社会心理学者が考案したMBI(Maslach Burnout Inventory)というものがあるので、当てはまる項目が多ければ利用してみるのもよいでしょう。
責任感があり完璧主義
責任感が強く完璧を求める人は燃え尽き症候群になる可能性があります。会社に貢献しようと努力し続け、仕事量が多くてもそれをこなそうと思うため、知らないうちに自分を追い込んでしまいます。
そして、完璧を求めるあまり「理想」と「現実」のギャップをすりわせることができなくなります。「まあ、こんなものだろう。よくやれたほうだ。」「仕方ないこともある」と思えないと、現実を目の当たりにしたときにギャップに耐えられなくなります。
誰にも頼らない
仕事に限らず、自分一人でどうにかしようと抱え込んでしまう人も燃え尽き症候群になりやすいです。作業量が増えることで、生活リズムが乱れて休息時間が取れず、プライベートでも十分なストレス発散ができないことが原因です。
燃え尽き症候群を引き起こす可能性のある職業の特徴
労働環境や人間関係が悪い
勤務時間や仕事量によるストレスを受け続ける環境も原因の一つとして考えられています。また、上司や先輩からのパワハラ、周囲から疎外されて孤独感を感じるような人間関係にある職場でも注意が必要です。
ヒューマンサービス業
ミスの許されない緊張状態の環境に長時間いるヒューマンサービス業の人は注意しておくとよいでしょう。医療職(正看護師、オペ看護師)、介護職(ケアマネージャー)、福祉職(福祉課職員)、教育職(教師)などがあげられます。
燃え尽き症候群を克服するには?仕事を続けるべきか退職すべきか
まずは十分に休養を取ること
燃え尽き症候群は心身がオーバーワークになり疲れ切っていて、もう燃料がない状態です。自分の努力が足りないせいだからと思い、自己啓発セミナーへ新たに足しげく通いつめ能力開発本などを読み漁っても改善していきません。
今の自分を受け入れて心身共に休養を十分にとり、いつもと違うストレス発散方法を試すことが良いとされています。
燃え尽き症候群のことをよく理解して産業医・カウンセリングや心療内科で先生とよく相談することも欠かせません。
また、近年燃え尽き症候群や過労死が問題となり、社員のメンタルヘルスに積極的に関わっていく企業も増えています。会社内でもメンタルトレーニングの研修などがあった場合、それに参加することが燃え尽き症候群の予防になります。
急に仕事を辞めると悪化する人もいる
燃え尽き症候群になってしまうと仕事がつらくて仕方ないと思いますが、中には仕事が生き甲斐である人もいます。そういった場合に、心身の不調から辞めてしまうと逆に燃え尽き症候群を悪化させてしまうこともありますので、すぐに辞めてしまうのではなく有給や休職制度を利用し休養するのがベターです。
新たに情熱を燃やせる仕事を見つける
会社を休んで休養を取りながら、新しい仕事を探すのも1つの手です。燃え尽き症候群は会社の環境によって起こることもあるので、そういった場合には復帰したところでまた症状が出てしまう可能性もあります。
新しい仕事を探すことで、「この仕事なら頑張れそう」という意識が生まれる場合もあるので、休養期間で時間があるうちに転職サイトを見てみるのも良いです。
今すぐ転職する気はなくても、良い求人を見つけるにはタイミングが重要なので、早め早めにチェックしておいた方が良い求人に出会いやすいです。希望条件なども含めて登録して、新着求人のお知らせがメールで届くようにしておくと楽に探せます。
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まとめ
燃え尽き症候群は、努力した結果が報われなかったときや、達成したときに起こります。放置しておくと、引きこもり・うつ・依存症などに繋がることもあります。燃え尽き症候群の前兆としては、
・集中力がなくなる
・仕事がはかどらなくなる
・抑うつ状態になる
・人を避けるようになる
・飲酒量が増える
などの症状があります。仕事が嫌になったからと退職すると悪化してしまう場合もあるので、まずは有給などで十分に休息を取りましょう。