難しい試験をパスしてようやくなれた公認会計士。監査法人で働きだしてみたものの、残業と休日出勤が多すぎて自分の時間がまったく取れない。仕事もミスが許されず、ストレスでもう限界。
公認会計士の仕事が激務である理由と、残業が少なめの資格を活かして働けるおすすめの転職先についてまとめました。年収ダウンを回避する秘訣も紹介していますので、ワークライフバランスを優先した転職を考えている人は参考にしてください。
高い難易度を乗り越えた選ばれし公認会計士!なのに現実は吐血寸前?
激務の理由①下積みが長い
公認会計士の仕事は資格を取るのも大変ですが、合格後の下積み期間が長いことでも有名です。監査法人ではスタッフとして膨大な雑務を残業しながらこなすことがキャリアのスタートとなります。仕事がどんなに多くてもミスは許されず、出世のためにはどんな上司とも上手く付き合うことが求められるので、ストレスに耐え切れず心身の健康を損ねる人がたくさんいます。
激務の理由②会計ソフトの台頭
公認会計士の仕事が増えた理由には無料のクラウド会計ソフトの台頭が背景にあります。会計処理のルーティンワークを自動化するソフトが出回ったことによって、企業の公認会計士への依存度は大きく下がる傾向にあります。
顧客をつなぎとめるために税務顧問料の値下げを決める監査法人も多く、同じ報酬を得るために以前より多くの仕事をこなすことが公認会計士に求められるようになりました。
激務の理由③大手監査法人不祥事の影響
監査法人が受けたダメージ
公認会計士の激務に追い打ちをかけたのは、オリンパスや東芝の不正会計処理問題でした。大手の監査法人が関与していたため、監査法人や公認会計士に世間から厳しいチェックの目が向けられるようになりました。
深刻な公認会計士不足
金融庁の指導の元、会計処理の手続きは厳密になり仕事量は大幅に増えたのに、会計士のイメージダウンの影響で優秀な人材が公認会計士を目指さなくなり、資格試験合格者は減少し、深刻な人手不足が続いています。
もはや母子家庭・・・VERY的暮らしに憧れる妻にも悪態をつかれる日々
労働環境の悪さが家庭内問題に発展
繁忙期だけでなく慢性的な残業や休日出勤のため疲労しているのは、公認会計士本人だけではありません。毎日帰りが深夜になる夫に頼ることができず、家事と育児をワンオペでこなさなければいけない公認会計士の妻の負担も見過ごせません。監査法人の労働環境の悪さが、別居や離婚といった家庭内問題に発展するケースも多いのが現状です。
年収のキープも難しい
どんなに忙しくても仕事に見合う高い年収がもらえていたため、監査法人はこれまで社会的ステータスの高い人気の就職先とみなされていました。
ですが2006年試験制度が大幅に簡素化された時に一時的に公認会計士が急増したため、金融庁は合格者数を絞り、監査法人の給与削減にふみきりました。公認会計士の合格者が激減した現在、人員不足・仕事の煩雑化・給与マイナスという三重苦にみまわれ、公認会計士の監査法人以外の働き方を見出す動きが顕著となっています。
公認会計士が資格を活かせる残業なしの職場とは?
独立すれば自分のペースで仕事できる?
自宅開業でプライベートと仕事が混同
残業の多さに疲れた公認会計士が目指しがちなのが独立開業ですが、多くの公認会計士が経費の問題から自宅開業からのスタートや、自宅近くのレンタルオフィスからのスタートになりがちです。結果プライベートと仕事が混同しがちになる傾向があります。
顧客獲得などの営業に時間を取られる
独立開業をすると顧客の獲得のための営業が仕事の大きな割合を占めます。自分のペースで仕事ができる反面、新規開拓の営業や、顧客の接待に時間がとられることが多くなります。そのためワークライフバランスが監査法人時代より崩れるリスクが大きくなります。
異業種だが資格を活かせる会計ソフト企業への転職
会計ソフト企業で活躍する公認会計士
公認会計士が活躍できる残業の少ない転職先には一般企業があげられます。苦労してとった資格を活かせる仕事で、ユニークなものに会計ソフト企業への転職という選択肢があります。
会計ソフト企業は繁忙期が監査法人時代と重なりますが、監査に直接携わるわけではないので残業は軽減されます。クラウド系の企業は無駄を省き、自動化できることは自動化するなどの意識が浸透しているので、上司が残っているから自分は仕事がないのに残業、といったしがらみから解放されます。
会計ソフト企業転職のリスク
会計ソフト企業への転職は、公認会計士の資格をダイレクトに生かせる現場でやりがいもあります。ですが公認会計士の募集が常にあるわけではなく、求人があってもエンジニア経験者が優先で採用される可能性が高くなります。また年収が監査法人時代より大幅に下がる可能性もあります。
一般企業の経理職は大歓迎!でも年収は・・・
企業から歓迎される公認会計士
一般企業の経理職でも監査経験のある公認会計士は非常に歓迎されます。企業内公認会計士を置く企業は大企業が多く、監査法人よりもはるかに残業時間をはじめとする労働環境が整備され、福利厚生の充実も期待できます。仕事の面でも、これまでの経歴をそのまま活かせるという魅力があります。
年収ダウン可能性も
一般企業の経理職の場合、ワークライフバランスの面での改善は期待できますが、年収については、監査法事の方が全体的に年収が高いためこれまでの収入をキープできないこともあります。
年収ダウンが譲れないなら、ホワイトな同業他社への転職が最も安全
年収にこだわるならやっぱり監査法人
監査法人出身の公認会計士の転職市場での価値は高く、選択肢はたくさんあります。異業種転職でこれまでの好待遇をキープするのは至難の業で、一度監査法人の高年収を経験した人にとって年収ダウンはやはり受け入れがたく再転職で監査法人に出戻りする人も少なくありません。監査法人からより労働環境のよいホワイト監査法人への転職がおすすめです。
ホワイト同業他社に転職する注意点
これまではビック4と呼ばれる大手監査法人にさえ入れば安泰、という考え方が根強くありましたが、企業の不祥事に巻き込まれるリスクもあり、ネームバリューや今勤務している監査法人の横のつながりに頼った転職は危うさがあります。転職するには信頼できる企業情報を仕入れることがまずは先決となります。
良い条件の求人は会計士専門の転職エージェントに紹介してもらう
信頼できる転職先の情報集めには、会計士専門の転職エージェントの活用がおすすめです。業界に精通し、監査法人や企業の内情を多く知るコンサルタントから応募前に残業時間など確かな情報を効率よく収集することができます。
入社後のポストや年収に関してもコンサルタントを介して転職先と交渉できるので 、自力で転職するより条件が良く働きやすい職場に転職できる可能性が高くなります。
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まとめ
監査法人の公認会計士は、もともと下積み期間が長く、そこに無料会計ソフト普及の影響や
大手監査法人不祥事によるダメージが重なって、残業時間が大幅に増えたため、過酷な労働環境に置かれています。
残業が少ない公認会計士のおすすめの転職先に
・会計ソフト会社
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をあげることができます。
転職先に関する情報を会計士専門の転職エージェントを活用して入手し、ワークライフバランスを回復できる求人を見つけ応募することが転職を成功させるカギとなります。