法務の仕事にチャレンジしたいけれど、未経験からの転職は敷居が高いイメージがあります。
ここでは法務の仕事の内容や将来性、未経験から法務に転職する方法についてまとめました。未経験から失敗しない法務の仕事の選び方についても紹介しているので参考してください。
法務の仕事内容・年収・将来性は?
企業活動を法的にサポート
法務は企業の活動全般に関する法的な処理をおこなう部署です。トラブルを未然に防ぎ、起こってしまった問題の解決を目指して業務をすすめます。法務の仕事は企業が扱っている商品やサービスによって仕事内容が大きく変わるという特徴があります。
・取引契約締結・契約書管理・・・新規の取引を結ぶ際に契約書を作成し管理する
・コンプライアンス業務・・・コンプライアンスに関する規則を作り社内教育をする
・紛争対応・・・弁護士を雇用し連携して紛争の解決を目指す
・株主総会対応・・・(株式会社のみ)株主総会の運営を行う
管理部門の中では高収入
企業内での法務職についている人の平均年収は約500万円~600万円です。弁護士や司法書士、行政書士といった国家資格を持っている人はさらに年収があがります。法務は管理部門の中で比較的高収入を得られる仕事です。
デスクワーク中心で土日休み
法務の働き方はどの企業でも日勤の時間帯で働くのが一般的です。社内でのデスクワークが中心となり、身体的負担が大きい仕事ではありません。比較的定時で帰りやすい仕事ですが、新規の取引先と契約を結ぶときや、紛争が持ち上がってしまった場合は残業が続くこともあります。
法務の人材の需要は拡大中
法務部を新設する企業が増えている
コンプライアンス意識の高まりや企業の海外進出の増加の影響で、企業の法務部の人材を強化する流れが続いています。いままで法務部を置いていなかった中小企業やベンチャー企業でも法務専門部署を立ち上げる会社が増加中です。今後は総務部や人事部のようにどの企業にも不可欠な存在となり、一定の求人が見込める職種として定着しそうな職種です。
中途採用の求人も増える見込み
今のところ法務の求人を出しているのは大手企業が中心で、福利厚生が整い高い水準の収入が確保されている傾向がみられます。今後は中小企業やベンチャー企業でも法務の経験者の中途採用をおこなう企業が増える見込みです。
ステップアップが見えやすい法務のキャリアパス
法務スタッフからスタート
法務の仕事に未経験で働き始めると、まず法務スタッフとして簡単な契約書の作成をおこないます。テンプレートに基づいて契約書作成や締結の補助を担当します。スタッフとして一定の経験を積むと、今度は事業部門と一緒に取引先に同行し、契約交渉をおこないます。紛争や訴訟が発生すると企業弁護士とともに問題処理を担当することもあります。
法務部長や役員職に昇進
順調にキャリアを積んで法務部長に昇進すると、企業の代表として紛争処理にあたり、重要課題について経営者や役員にアドバイスを行います。法務の管理職が経営役員に着任するケースもあります。
転職市場は実務重視
得意分野を磨きキャリアアップ
法務は専門的な知識とスキルが要求される仕事です。一度法務の仕事に就くと、転職の際に経験者とみなされ即戦力として採用されやすくなります。法務の仕事は多岐に渡りますのでM&A業務や株主総会のとりまとめなど実績を積んでおき、得意分野を持つことで自分の市場価値をあげることができます。
ミドル層でも転職しやすい
経験が重視されるため、他の仕事では転職が厳しくなるミドル層以降でも転職がしやすいのが特徴です。
未経験者は法務アシスタントから
転職市場では圧倒的に経験者が優遇されることが多いので、法務の仕事が未経験の場合、まず法務スタッフやアシスタントのポストの求人を見つけて応募するのがおすすめです。経験を積みできるだけ早いタイミングで自分の目的とする企業に転職することでキャリアアップがのぞめます。
未経験から法務に転職するのに求められるものは?
コミュニケーション能力
法務の仕事は社内の他部署と連携して進めていくことがほとんどです。社外の弁護士とのやり取りの窓口となり、紛争の相手に連絡を取ることもあります。仕事をスムーズに運び、問題を早期解決に導くために法務では高いコミュニケーションスキルが要求されます。
語学力
企業によっては、英語や中国語などの語学力を法務社員に求めるところもあります。その場合は法的なやりとりが可能なビジネスレベル以上の高いスキルが必要なことがほとんどです。グローバル化やM&A対応のため語学力が求められる法務職はますます増える見込みです。
文書作成能力
法務は契約書や社内文書・法務文書をはじめ、ビジネス文書を作成する機会が多い仕事です。難しい法律用語を正しく理解し使う能力、論理的で分かりやすい文章を作成する能力が求められます。
役に立つのはビジネス法務関連の資格
法務に転職するために絶対に必要な資格は特にありません。ですが未経験から法務に転職する場合は、持っておくと有利になる資格があります。
・ビジネス実務法務検定試験・・・ビジネスで必要な法律の知識を学ぶ
・法学検定試験・・・法学に関する学力を客観的に評価する試験
・ビジネスコンプライアンス検定・・・ビジネスで必要なコンプライアンス知識を学ぶ
実務経験がない場合は法的素養をアピール
法務の仕事では法律の理解が不可欠になります。転職市場では実務経験が最重要視されますが、未経験者の場合は全く法律に触れたことのない人より、大学の法学部卒や法科大学院修了生の方がやや有利になります。
未経験から法務に転職、失敗しない転職先の選び方
選んではいけない求人の見分け方
紛争が絶えないブラック企業
日常的に従業員を長時間働かせている企業は、紛争や訴訟が多く問題も長期化しています。必然的に法務社員の業務量とストレスが多くなりますので、いわゆるブラック企業は避けましょう。
引継ぎなしのワンオペ法務
また法務の社員の数は社内で限られており、好待遇に魅かれて転職すると、社内に仕事を教えてもらう人がおらず後から大変な苦労を負うことになります。法務部の人員層の厚さや引継ぎの有無を応募前に確認することが必要です。
おすすめの法務求人とは
法務の人材を育てる企業
法務の求人の多くが経験者を歓迎するものですが、第二新卒など若い転職者を法務専門の社員をして育てる大企業の求人もあります。法務の仕事は法律だけでなく扱う商品の知識も問われるので、今いる業界の大手企業の法務部の募集がないかチェックしてみましょう。
未経験OKかつ条件の良い法務の求人を見つける方法
未経験から自力で求人を見つけるのは難しい
法務をはじめとする管理部門の仕事はもともと求人数自体が少ないため、ハローワークや転職サイトから未経験から条件のいい求人を見つけられる可能性は低めです。
転職エージェントの非公開求人が狙い目
転職エージェントに登録すると、非公開求人の中から応募可能な法務の求人を紹介してもらうことができます。キャリアコンサルタントに求人を探してもらうことで、職探しにかかる時間を短縮でき、未経験からの転職も効率良く進めていくことができます。
転職エージェントを利用するとコンサルタントから職場の雰囲気など気になる転職先の内部情報を聞くことができるので、転職後のミスマッチがおこりにくくなります。
弁護士ドットコムキャリア
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専任のキャリアアドバイザーが求人紹介から面接日時設定、条件交渉などを転職者に代わって行ってくれるので、はじめての転職でもスムーズに進めることができます。応募先に沿った応募書類の添削や面接サポートなど充実したフォローが充実しているので、未経験を含む幅広いキャリアの転職者から支持されています。
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まとめ
法務の仕事は専門性が高く高収入が見込める職種で、法務職の求人も増えています。転職市場では経験者が優遇されますが、未経験から法務職を目指す場合は、
・コミュニケーション能力・語学力・文章作成能力をアピール
・ビジネス実務法務検定試験・法学検定試験・ビジネスコンプライアンス検定の取得
・法学部卒など法律に関する基本的な理解のアピール
が有効です。
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