「SIerってどんな仕事をするの?」
「未経験からSIerってなれるの?」
このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
SIeに興味があっても自分がSIer勤務に向いているのか、平均年収はいくらくらいなのか、どんな業務内容なのかなど不安に感じることもありますよね。
そこで今回は、SIerへの勤務を考えている人が知っておくべきことをわかりやすく解説していきます。
SIerへの就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
本当に役立った転職エージェントおすすめランキング12選を紹介
SIerとは
SIerとは、システムインテグレーターの略称で、「SI」はシステムインテグレーションの略、「er」は〜する人という意味です。
ちなみにシステムインテグレーションとは、クライアントの事業を理解・分析し、システムの設計、開発、運用といった一連の業務を請け負う企業のことを指します。
SIerは、顧客が求めるシステムを作るために、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど、必要なITリソースを組み合わせて一つのシステムとして開発します。
ビジネスプロセスの理解、システムの設計と開発、プロジェクトマネジメント、システムのテストと導入、運用・保守といった業務が含まれます。
SIerとSEの違い
SE(システムエンジニア)は、システム開発の現場で直接設計やコーディングなどを行うエンジニアの役職を指し、SIerは一つの企業や組織として、顧客企業のITシステム全体を設計、開発、運用する役割を担います。
具体的には、SEはプログラミング言語を用いてソフトウェアを作成したり、システム設計を行う一方で、SIerは顧客のビジネス要件を理解し、その要件に最適なシステムを設計し、必要なソフトウェアやハードウェアを選定・導入し、システム全体が問題なく動作するようにします。
また、SEは主に一つのプロジェクトやシステムに対して働くのに対し、SIerは企業全体のIT戦略を考慮に入れた上で、複数のシステムやプロジェクトをまたいで動くことも。
このように、SEとSIerはそれぞれ異なる視点と役割を持ちつつも、企業のITシステムを円滑に機能させるために共同して働く存在と言えます。
SIerの種類
一言にSIerといっても様々な種類があることをご存知でしょうか。
以下では、SIerの種類について紹介します。
- メーカー系SIer
- ユーザー系SIer
- 独立系SIer
- 外資系SIer
メーカー系SIer
メーカー系SIerとは、主に大手のIT企業や電機メーカーが母体となるシステムインテグレーション(SI)企業のことを指します。
これらの企業は、ハードウェア製造からスタートし、その後ソフトウェア開発やシステムインテグレーションにも事業を広げてきました。
大手メーカー系SIerの強みは、その安定した技術力と大量のリソースです。
これらの企業は長年の経験と確固たる技術力を持ち、大規模なプロジェクトでもその知識と経験を生かし、クライアントに対して信頼性の高いサービスを提供します。
また、メーカー系SIerはハードウェアとソフトウェアの両方に精通しているため、一元的なソリューションを提供することが可能です。
これにより、クライアントは一つの企業から包括的なサービスを受けることができ、プロジェクトの管理がしやすくなるというメリットがあります。
ユーザー系SIer
ユーザー系SIerは主に大手の金融機関や通信会社等が母体となっています。
これらの企業は自社のITシステムを自前で開発・運用する経験を元に、システムインテグレーション事業に進出しました。
深い業界知識と自社のビジネスニーズを理解したシステム提案が可能です。
独立系SIer
独立系SIerは特定のメーカー系、ユーザー系の企業に属さない、独立したSIerです。
これらの企業は柔軟な提案力と幅広い技術力を武器に、多様な業種のクライアントに対応します。特定の製品や業種に縛られない視点から最適なソリューションを提案できます。
外資系SIer
外資系SIerは海外の大手IT企業が母体となっています。
グローバルに事業を展開しており、国際的な視点や最新の世界標準技術を駆使したソリューションが特徴です。
大規模で複雑なプロジェクトや海外展開を考えている企業にとって有用なパートナーとなり得ます。
SIerの業務内容
以下では、SIerの主な業務内容を紹介します。
- 要件定義・設計
- 開発・構築
- テスト・保守・運用
- プロジェクトマネージメント
要件定義・設計
システムインテグレーター(SIer)の最初の業務は、クライアントのビジネスニーズを理解し、それを技術的な要求に変換する要件定義です。
これは具体的なシステムの仕様を詳細に描き出す設計フェーズに続きます。
システムアーキテクチャを計画し、データベースの設計、ユーザーインターフェースの設計などを行います。
開発・構築
設計フェーズの後は、具体的なシステムの開発と構築が行われます。
SIerのエンジニアは、定義と設計を元に、コーディングやソフトウェアのカスタマイズを行い、システムを構築します。
必要に応じて、外部のソフトウェアやハードウェアも統合されます。
テスト・保守・運用
システムが完成したら、機能とパフォーマンスを確認するためのテストフェーズが始まります。
バグの修正や最終的な調整が行われた後、システムはクライアントに引き渡され、SIerはシステムの保守と運用を行い、必要に応じて改善やアップグレードを提供します。
プロジェクトマネージメント
これらすべてのプロセスは、プロジェクトマネージメントの下で行われます。
プロジェクトマネージャーは、予算、期限、品質を管理し、リスクを評価・軽減するだけでなく、ステークホルダー間のコミュニケーションを担当し、全体のプロジェクトがスムーズに進行するようにします。
SIer勤務に有利な資格
SIerで働く上では、必ず必要な資格はありません。
ただし、資格を取得しておくことで、仕事の幅が広がるだけでなく、就職・転職に有利になったり、企業によっては資格手当がもらえるなど多くのメリットがあります。
以下では、SIer勤務に有利な資格を紹介します。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ITパスポート試験
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT業界で働くための基本的な知識を問う国家資格です。
ITの基礎知識やアルゴリズムの理解、プログラミングの基礎などを評価します。
SIerにおける様々な業務を理解し、遂行するための基本的な知識と技術が必要とされるため、基本情報技術者試験の取得は有利となります。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、ITの専門知識を深く理解し、現場で即戦力となる能力を問う試験です。
プロジェクトマネージメントやシステム開発の経験が評価されるため、特に経験者にとっては高い評価を受ける資格となります。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITとビジネスの基本的な知識を問う資格試験です。
システムの企画・提案やプロジェクトマネジメントなど、ビジネスの現場でITを活用するための知識が必要となるため、この資格の取得は有利となります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、マイクロソフト製品を効率よく使いこなすための資格です。
ビジネスの現場ではOffice製品が頻繁に使用されるため、そのスキルを証明するこの資格は、効率的な業務遂行に対する信頼性を高めます。
SIer勤務に必要なスキル
以下では、SIer勤務に必要なスキルを紹介します。
- ITスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- 論理的思考力
ITスキル
SIerで働くには、基本的なITスキルが必須です。
プログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、様々なITの領域についての基本的な理解が求められます。
また、具体的な技術や言語についても、業務に応じて習得する必要があります。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルもSIerで働くには欠かせません。顧客やチームメンバーとの円滑なコミュニケーションはプロジェクトを成功させるために必要です。
要件定義の段階から、顧客の要望を正確に理解し、それを具体的なシステム設計や開発へと繋げるためには、良好なコミュニケーションスキルが必要となります。
マネジメントスキル
プロジェクトのマネジメントスキルも重要です。
プロジェクトの進行管理、リスク管理、スケジュール管理、品質管理など、一つのプロジェクトを円滑に進めるための各種スキルが求められます。
また、チームメンバーの意欲や能力を最大限に引き出すための人材マネジメントのスキルも重要となります。
論理的思考力
システムを設計、開発するには、論理的思考力が必要です。
問題を明確に理解し、それを解決するための最善の策を考え出す能力が求められます。
また、システムの動作を論理的に理解し、エラーや問題が起きた時に原因を特定し解決する能力も重要となります。
SIerからのキャリアステップ
以下では、SIerからのキャリアステップを紹介します。
- プロジェクトマネージャー
- フルスタックエンジニア
- ITコンサルタント
- 自社開発企業への転職
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、全体のプロジェクトを統括し、計画、進行管理、品質管理、人員管理などを担当します。
SIerでの経験があれば、プロジェクト全体の流れを理解しているので、このポジションにステップアップすることも可能です。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンドまで、システム開発の全範囲にわたるスキルを持つエンジニアを指します。
SIerで複数のプロジェクトに携わり、各種技術を学ぶことで、フルスタックエンジニアへの道を目指すこともできます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントへの道も開かれています。
SIerでの経験を生かして、クライアントのビジネス課題解決のためのIT戦略を提案し、その実現をサポートします。
ビジネスとITの両面から深い理解を持つことが求められます。
自社開発企業への転職
SIerから自社開発企業への転職は、製品開発により深く関わりたい、あるいは自分の専門スキルを深めたいと考える人にとって、良い選択肢と言えます。
自社の製品やサービスに専念できるため、より深い知識とスキルを磨くことが可能です。
SIerの年収
システムインテグレーター(SIer)の年収は、企業の規模、勤務地、経験年数、役職などによって大きく変わることがありますが、300万円〜500万円が平均となっています。
新卒採用の場合、初任給は一般的に月給20万円~25万円程度となることが多く、 経験者の場合、年収はその経験年数やスキル、業務内容によって大きく変動しますが、平均的な年収としては400万円~700万円程度と言われています。
特に高度な技術を持つエンジニアやプロジェクトマネージャーなどは、それ以上の年収を得ているケースも多くあります。
また、マネージャーやディレクターなどの役職者は、更に高い年収が見込め、1000万円を超えることも少なくありません。
ただし、これには大規模プロジェクトの成功など、高い業績を上げることが求められます。
これらはあくまで一般的な傾向であり、具体的な年収は個々の企業や職種、業務内容によるため、就職活動を行う際には、しっかりと企業情報をリサーチすることが大切です。
また、給与だけでなく、教育制度や福利厚生、働き方など、多角的な視点から企業を評価することも重要です。
未経験でもSIerで働ける?
SIerは、未経験からでも十分働けます。
ただし、未経験からでも働ける業界ですが、IT関連の基本的な知識やスキルは必要となります。
特にプログラミングの知識やスキルは、システム開発の基本となるため、あらかじめ習得しておくと良いでしょう。
また、ネットワークやデータベースの知識も、システム設計・開発に欠かせないスキルとなります。
さらに、IT業界の動向や最新の技術トレンドを理解することも重要です。
業界の課題やトレンドを理解していることは、業務を通じて提案力や問題解決力を高めることに繋がります。
多くのSIerは、新卒者や未経験者を対象とした研修制度を設けています。
これにより、未経験者でも一定の知識やスキルを身につけた上で、実務に就くことが可能です。
そのため、まずは転職サイトで情報収集から始めていきましょう。
SIerへ転職を考えている人におすすめの転職サイト比較一覧
会社名 | レバテックキャリア | doda | Green |
---|---|---|---|
対象地域 | 全国 | 全国 | 全国 |
求人数 | 22,023件(2023/07/24時点) | 238,393件(2023/07/24時点) | 約30,000件(2023/07/24時点) |
SIerへ転職を考えている人におすすめの転職サイト
以下では、SIerへ転職を考えている人におすすめの転職サイトを紹介します。
- レバテックキャリア
- doda
- Green
レバテックキャリア
- 対象地域
- 全国
- 求人数
- 22,023件(2023/07/24時点)
ITエンジニアが利用したい転職エージェントでNo.1に選ばれた「レバテックキャリア」。
IT・Web業界に特化した転職エージェントで、利用者の90%以上がアドバイザーの業界知識が豊富と回答しているほど、業界知識が豊富なアドバイザーが揃っている点が特徴的です。
また、レバテックキャリアでは、企業へ年間7,000回以上もヒアリングを実施しているため、企業の雰囲気や働きやすさなども踏まえて、自分におすすめの企業を紹介してくれる点が魅力的。
完全に無料で利用できる転職エージェントのため、SIerへ就職・転職したい方は今すぐチェックしてみましょう!
ITエンジニアならレバテックが正解[キャリア/エキスパート/クリエイター/フリーランス]
doda
テレビやネットCMでもお馴染みの転職エージェント「doda」。
dodaは、豊富な求人数が特徴的で2023年7月24日時点で約23万件以上の求人が掲載されているため、気になる企業がきっと見つかるでしょう。
またdodaでは、それぞれの業界に特化したアドバイザーが在籍しているため、より具体的な転職ノウハウを聞きつつ転職活動が可能です。
さらに、サイト登録であなたのことが気になる企業からのオファーが届く機能も好評で、自分では気がつけなかった会社と出会うチャンスが豊富にあります。
完全に無料で利用できるため、気になる方はチェックしてみましょう!
doda転職エージェントの評判は?2chの口コミ評価をまとめてみた
Green
- 対象地域
- 全国
- 求人数
- 約30,000件以上(2023/07/24時点)
IT・Web業界に特化した転職サイト「Green」。
サイトに登録するだけで、企業の人事担当者から直接スカウトがくる点が特徴的です。
また、企業と直接やり取りも可能なため、エージェントを活用せずに自分のペースで転職活動を行いたいという方にもおすすめ。
他にも企業へ「気になる」登録をして、マッチングすると「カジュアル面談」ができたり、登録企業は複数枚の写真を掲載しているため雰囲気がわかりやすいなどメリットが多くある転職サイトです。
もちろん最後まで完全無料で利用できるだけでなく、採用が決まると「お祝い金」ももらえるため、SIerへの転職を考えられている方はチェックしておきましょう!
SIerに関するよくある質問
以下では、SIerに関するよくある質問を紹介します。
- なぜSIerはやめとけって言われているの?
- Sierの将来性は?
- 経験からでもSIerへ就職できる?
なぜSIerはやめとけって言われているの?
「SIerはやめとけ」と言われる理由は、激務であることや、新規開発よりも既存システムの保守・運用業務が主体となる場合が多いため、技術的なスキルアップが難しいと感じる人がいるからです。
また、プロジェクトごとに様々な人と共同作業をするため、人間関係のストレスが生じることもあります。
Sierの将来性は?
SIerの将来性は、デジタル変革(DX)が進む現在、一層求められています。
企業が自社の業務を効率化したり、新しいビジネスを創出したりするためには、情報システムの導入や改善が欠かせません。
そのため、高度な技術力を持つSIerの需要は衰退しづらいと考えられます。
未経験からでもSIerへ就職できる?
未経験からSIerへの就職は十分可能です。
多くのSIerでは、未経験者向けに研修制度を設けており、ITの基本知識やプログラミングスキルを学ぶことができます。
しかし、競争が激しい職種なので、基本的なITスキルを持つこと、自己学習の意欲があること、チームワークを大切にできることなどが求められます。
未経験からでもSIerへ就職はできる!
今回は、SIerの業務内容、おすすめの資格、必要な能力、おすすめの転職サイトなどSIerを目指す人が知っておくべき内容を紹介しました。
企業が自社の業務を効率化したり、新しくビジネスを作るためには、システムの導入・改善が欠かせません。
そこで活躍する企業の1つがSIerです。
技術の発展や、企業のIT導入の傾向が高まっている現代ではSIerは非常に重要な仕事の1つと言えます。
SIerは、充実した研修を用意している企業が多くあるため、未経験者でも活躍できる業界の1つです。
SIerに興味のある方は、転職エージェントや転職サイトに登録してどのような企業があるのかなど情報収集から始めてみましょう。