ベンチャーキャピタルという名前は聞くけれど、具体的にどんな業務をしているのか関心がある人は少なくありません。ベンチャーキャピタルとは、成長性が見込める未上場企業に対して投資+経営のコンサルティングを行うことで、アグレッシブにリターンを求める投資ファンドのことです。
ベンチャーキャピタルで働くには、どんな能力が求められるのでしょうか。また、ベンチャーキャピタルには未経験からでも転職できるのでしょうか。こちらでは、ベンチャーキャピタルの仕事内容や求人の選び方、未経験からベンチャーキャピタルに転職する方法などをまとめてみました。転職先の一つに、ベンチャーキャピタルを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ベンチャーキャピタルの仕事内容・年収・将来性は?
ベンチャーキャピタルは企業の将来性を買う仕事
ベンチャーキャピタルとは、基本的に、将来的に上場を目指す会社に対して投資をし、キャピタルゲインの獲得を目的としています。
たとえば事業提携先を紹介したり、出資先の企業の中に入って経営に関与したり、出資するだけでなく経営コンサルティングとしての役割も大きいのが特徴です。
日系・外資系ベンチャーキャピタルの代表的な会社
日系ベンチャーキャピタル
日本では現在、100ほどのベンチャーキャピタルがあります。
日本で最大級のベンチャーキャピタルは、東証プライム上場のジャフコです。野村HDなど野村グループの企業が株主となっていて、新卒採用も行っています。
グロービス・キャピタル・パートナーズは、日本発の本格的ハンズオン型ベンチャーキャピタルです。少数精鋭ながら200億円を超える案件を扱うことも少なくありません。
財源の95%が税金から拠出されている官民出資の投資ファンド、産業革新機構は、2009年に設立されましたが、15年の時限組織です。
その他、伊藤忠商事グループの伊藤忠テクノロジーベンチャーズや、みずほFG傘下のみずほキャピタル、など、金融機関や商社系もたくさんあります。
外資系ベンチャーキャピタル
外資系のベンチャーキャピタルもあります。Googleの経営企画部から生まれたベンチャーキャピタル「Google Ventures」は、元Google社員が多くを占めています。
「Andreessen Horowitz」は、2009年設立と新しい組織ですが、FacebookやSkypeなど今や巨大企業となっている多くの会社に投資したことが功を奏し、アメリカNo.1のベンチャーキャピタルに成長しました。
年収は業績次第で賞与に期待、労働時間は顧客次第
ベンチャーキャピタルに転職しても、最初から多額の報酬は期待できません。成長する会社をサポートする役割なので、役職や給料は成果次第で後からついてくると思ったほうが賢明です。給与は日系と外資系で異なりますが、年収1000万円を超えるケースも少なくありません。さらに、期待できるのは賞与です。ただし、投資が成功して多額のリターンを得られれば、の話です。ベンチャーキャピタルの仕事と同様で、待遇面ではハイリスク・ハイリターンという部分もあります。
労働時間は、サポート対象の顧客の都合に合わせることが多いので、夜や土日のつきあいも多く、プライベートな時間を充実させるのは厳しい業界です。
起業のハードルが下がったことで将来性も期待できる業界
ベンチャーキャピタリストは、基本的に高学歴揃いです。最初はアナリスト採用で、数年の経験を経た後、アソシエイトに昇格するのが一般的なキャリアパスです。
証券会社や銀行などの金融業界でキャリアを積んでベンチャーキャピタルに転職する人も少なくありません。
ベンチャーキャピタルは、将来性のある企業に対して資金的・経営的なサポートをするので、支援を求める団体がいる限り、存在意義があり、将来性も期待できます。ただ、日本国内での案件は金額がそこまで大きくないので、大きな金額のディールをしたいなら外資系への転職をおすすめします。
未経験からベンチャーキャピタルに転職する方法
必須な資格はないが、MBAやTOEICなど持っていて損なし
注目度が高まっているベンチャーキャピタルに転職を考えているなら、何かしらの強みを持っておくべきです。必須の資格はありませんが、経営や経済の知識はあっても資格が無いとそれを具体的にアピールすることができません。
例えば語学(TOEIC)やMBA、公認会計士などの資格があれば、アピール材料にもなるし、実務でも役立ちます。特に、未経験から転職する場合は資格があれば強みになります。
何歳くらいまで未経験転職が可能か?それ以上の年齢で未経験転職するには?
一般的にベンチャーキャピタルは、少人数で組織されている事が多いので、即戦力を求める傾向があります。人材を育てるコストも考えると、未経験からベンチャーキャピタルに転職する場合、20代後半~30代前半までなら可能性があります。
もし、30代後半以降で未経験転職を考えているなら、自分が持っているスキルを活かせる専門ベンチャーキャピタルの求人をピンポイントで探すことをおすすめします。
若い年齢でチャレンジすることが一番
ベンチャーキャピタルは多くの場合即戦力となる人材を求めるため、基本的に中途採用です。未経験から転職するなら、将来性を見てもらえる若い年齢でチャレンジするのが最良です。自力で未経験OKの求人を探すのは限界があるので、転職エージェントなどプロの力を借りて求人を探すのが効率的です。
未経験からベンチャーキャピタルに転職、失敗しない転職先の選び方
選んではいけないベンチャーキャピタル求人の見分け方
ベンチャーキャピタルに転職したものの、ブラック企業並みの激務や想像以上のハイレベルな仕事内容についていけず、早々に辞めてしまう人も少なくありません。
ベンチャーキャピタルの場合、経営者と対等にコミュニケーションを取れることが大前提なので、未経験OKといってもそれなりの学歴や学力レベルが求められます。その基準を曖昧にしている求人も要注意です。
未経験OKの求人は、一歩間違うとブラックの可能性があるので、事前にそのベンチャーキャピタルについてリサーチすることが大切です。
詳細な仕事内容を明示している求人がおすすめ
ベンチャーキャピタルは、大きく分けて「経営関連」と「ファイナンス関連」とに分かれます。詳細な仕事内容を記載している求人は、必要なスキルや資格がクリアになるので、イメージしやすくなります。求人の中でも、求める人材や能力を具体的に明示しているものがおすすめです。
未経験OKかつ条件の良いベンチャーキャピタル求人を見つける方法
ベンチャーキャピタルの求人は、ハローワークや求人サイトで見つけることはできますが、未経験可の優良求人を見つけるのは難しいのが現実です。
公開されている求人は限りがあるので、非公開案件を豊富に扱う転職エージェントに登録することをおすすめします。未経験からの転職は不利になりがちですが、転職エージェントでは、キャリアコンサルタントにサポートしてもらえるので、転職活動を効率良く進めることができます。
さらに、エージェント経由で転職先の情報を得ることもでき、転職後のミスマッチを防ぐこともできるので一石二鳥です。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界トップの求人数と成功実績を誇る転職エージェントです。
サポート面では面接対策に力を入れていて、蓄積している豊富なノウハウを活かして事前準備をしっかりできます。
第二新卒やUターン転職など、他のエージェントではなかなか求人の選択肢が少ないような状況でも、リクルートエージェントのコネクションを強みに求人が見つかることがある、と評判です。幅広い業界と職種を扱っていて、非公開求人の取扱数も多いので、はじめての転職や狙い目の公開求人が少ない場合でも登録をおすすめします。
拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。
金融業界向けの転職エージェントをまとめています。年収アップ転職におすすめの転職エージェント、金融業界への未経験転職におすすめの転職エージェント、金融業界から異業種に転職したい人におすすめの転職エージェントを紹介しています。
まとめ
ベンチャーキャピタルは、これから成長する企業を見極めて資金援助や経営コンサルティングを行いながら一緒に成長していく、夢のある仕事です。投資銀行業務や証券会社などでの業務経験があれば有利です。
ただし、未経験からの転職は簡単ではありません。未経験からの転職を考えるなら、遅くても30代前半までの若いうちに転職することがポイントです。
高い知識レベルや学歴も求められるため、全くの未経験から誰でもチャレンジできる業界ではありませんが、必要条件が揃っているなら転職エージェントなどを活用する方法もあります。さまざまなツールを生かして、ベンチャーキャピタルへの転職を成功させてください。