信用金庫に勤めているけれど、待遇やノルマに不満を感じ、このまま信用金庫で働き続けるメリットを感じないから辞めて転職したい、と考えている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、信用金庫からの転職でおすすめの転職先と、おすすめできない転職先についてまとめています。
また、信用金庫を辞めたい理由についても解説しています。
信用金庫からの転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
信用金庫を辞めたい人が続出。その理由は?
信用金庫は、銀行とは根本的に違う組織です。設立の理念が異なり、営利目的の団体ではありません。相互扶助・非営利を基本理念とし、会員や地域住民のために貢献することを理念に掲げている共同組織です。地域の企業や住民の理解や協力があってなんぼ、というところがあるので、自己犠牲の精神が求められる部分もあります。
営業職も窓口もノルマが多い
非営利とは言え、現実的には収益を挙げないと組織が成り立ちません。仕事内容は銀行と大きく変わらず、ノルマもあります。ノルマを達成するために、お年寄りや企業にやむを得ず押し売りの営業をせざるを得ない状況もあり、矛盾を感じずにはいられません。
窓口担当も銀行と同じく預金ノルマがあるうえに、避けられないクレーマーに対して頭を下げ続ける日々を送ることもあります。営業職は、雨でも雪でも自転車やカブを乗り回し、小銭の回収をしながらノルマをやっつけていかなければならない、厳しい現実があります。
お金は自分よりも大事。という風土がある
金融機関ですから、お金が1円でも合わなければ、合うまで永遠に帰ることはできないのは当然です。しかし、そのプレッシャーは相当なもので、窓口業務も精神をすり減らしながらの仕事です。そのくせ無意味な事務規定が多いため、事務作業は煩雑で面倒で時間を取られます。
減点主義の人事評価でヤル気が上がらない
どんなにがんばって獲得した新規顧客でもあっさり稟議で否決され、その失敗がいつまでも人事評価にまとわりつき、出世競争から落脱してしまう営業も少なくありません。一度のミスが命取りになり、挽回ができないので精神的に疲弊してしまいます。
男性は異動があるので、割り切って今目の前にある仕事に没頭できますが、女性は異動のスパンがあまりないため、ヤバい職場にハマったら最期です。最初に配属される営業店が担当する経済環境次第、というところがあるので運も大切です。
ヒエラルキー最底辺の待遇でヤル気が上がらない
金融機関には、日本銀行>都市銀行>地方銀行>第二地方銀行>信用金庫という明確なヒエラルキーが存在します。信用金庫の給与や待遇は、残念なことに設立理念をそのまま反映したものになっています。
信用金庫は、周りが思っているほど給料も待遇も良くないのに仕事内容は銀行と一緒、という厳しい現実があります。銀行は年収レンジが高い業界なので、さらにその格差を感じずにはいられません。
信用金庫を信用出来なくなった人におすすめの転職先
メーカーの営業職
信用金庫の営業は足で稼ぐ、と言われるように地道な外回りや声掛けによって、地域に根づいた信頼関係を築くことが基本です。その強みを活かせるのは、業種は違ってもやはり営業職です。
地元企業であれば、地域密着型の信用金庫にいた強みでつながりがあるので転職しやすいです。メーカーやルート営業などは、営業の中でもノルマが比較的緩いので、営業職の経験を活かしたいが、ノルマが厳しいのは嫌な人におすすめです。
不動産営業職
金融業界と似ているので信用金庫での営業経験を活かせる職種ではありますが、今以上に厳しいノルマやサービス残業を課される可能性が高いので、転職先としては積極的にはおすすめできません。
ただし、待遇は信用金庫より良い場合が多いので、年収アップを第一に求めるなら選択肢にも入ります。
経理・総務・事務職
信用金庫で窓口・事務を担当しているなら、経験を活かすことができるのが経理や総務などの事務職です。経理などお金に扱う仕事は、正確な事務仕事ができる経験が重宝されます。
事務職は基本的にノルマがなく、ルーティンワークなので、ワークライフバランスを重視したい人におすすめの職種です。
資格を取得しているなら士業への転職もあり
信用金庫では、厳しいノルマや残業の合間に必死で勉強してたくさんの資格を取得している人も多いはずです。資産運用や税務はもちろん、不動産や相続など幅広い金融知識に係る資格を持っているなら、せっかく取得した資格を活かせる職種に転職するのも得策です。
既にある知識や資格を元に、公認会計士や不動産鑑定士などの難関資格にチャレンジしてみるのも一つの方法です。士業なら、独立開業も視野に入れることができます。高給で休みもしっかり取れ、キャリアアップできます。
本気で転職するなら転職エージェントを活用しよう
求人を転職サイトでストックしつつも、本気で転職したいと思ったら、転職エージェントも活用するのがおすすめです。転職エージェントに登録することで、専任のキャリアコンサルタントが担当につき、転職サイトには出てこない非公開求人を紹介してもらえます。
さらにキャリアコンサルタントには応募前に履歴書や職務経歴書をチェックしてもらったり、面接で企業がどんな質問をしてくるか事前に情報を得られるので、選考通過率が格段に上がります。
リクルートエージェント
全ての業種に幅広いコネクションを持っているので、大手から外資企業まで紹介される求人数が多いです。また、業界最大手だからこそ企業からの信頼も厚く、転職希望者に有利な選考や年収交渉をすることができます。
さらに、各業界に精通したアドバイザーが多数在籍しているので、自分の条件に合う求人も紹介してもらえます。
拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。
JACリクルートメント
30代から40代のキャリア志向のビジネスマン向けの転職エージェントです。外資系企業や日系企業のグローバルポジションに強みを持っています。
登録者と求人企業を一人のコンサルタントが両方担当しているので、双方の情報をスムーズに伝えられ、マッチングの精度が高いです。そのため、企業を熟知しているコンサルタントから親切丁寧な対応で細かいサポートを受けることができます。
金融業界向けの転職エージェントをまとめています。年収アップ転職におすすめの転職エージェント、金融業界への未経験転職におすすめの転職エージェント、金融業界から異業種に転職したい人におすすめの転職エージェントを紹介しています。
信用金庫からの転職、逆におすすめできない転職先
都市銀行
金融業界ヒエラルキーでも信用金庫の上を行く都市銀行は、年収レンジが高いのは確かですが、激務であることは否定できません。また、全国に支店があるため全国転勤で、転勤の回数も2~3年ごとにあるという点もハードです。ノルマも相当厳しいことを覚悟しなければなりません。
厳しいノルマがあっても大きな仕事をしたい、仕事に見合う給料がほしい、という高い意識を持った人でないと務まりません。
生命保険会社営業職
生命保険の営業職は、信用金庫での営業職の経験も人脈もそのまま活かせる職種なので、転職しやすいのですが、代理店も含めノルマ地獄に苦しめられることになります。
資格試験漬けで、数字を取れないと、家族・友人を売るはめになるのが関の山です。信用金庫からの転職でおすすめできる業界ではありません。
まとめ
金融業界の中でも信用金庫の待遇は下位にあたり、ノルマの多い仕事量に対する待遇の悪さが原因で転職を考える人が多いです。
信用金庫から転職するのにおすすめなのは、
・メーカーの営業職
・不動産営業職
・経理・総務などの事務職
・取得している資格次第では士業
反対に、おすすめできないのは
・都市銀行
・生命保険会社営業職
と、なっています。
転職サイトや転職エージェントのサポートを上手に利用して、効率よく転職活動を行いましょう。