総務省統計局の調査によれば、2019年時点で転職者数は過去最多を記録していて、中でも「より良い条件の仕事を探すため」に前職を離職した転職者が多いという結果が出ています。
※参考:総務省統計局「増加傾向が続く転職者の状況 ~ 2019 年の転職者数は過去最多 ~」
ただ、転職してみたものの、新しい職場がイメージと違った…、元の職場に戻ってやり直したいけど、出戻り転職ってやっぱり気まずいかな…と、元の職場への出戻り転職を考える方も少なくありません。
そこでこの記事では、出戻り転職の実態とメリット・デメリット、出戻り転職を成功させる方法と出戻りができない場合の対処法についてまとめましたので目を通してみてください。
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転職失敗後に出戻りはできる
転職が失敗した時に、別の新しい転職先を選ぶのではなく、元いた職場に戻りたいと考える人は少なくありません。
出戻りを希望する理由は様々ですが、待遇に魅かれて大手企業に転職したけれど、自分には中小企業の方が向いている、など新しい職場になじめずストレスを感じている人が、元の職場へ戻りたいと感じているケースがほとんどです。
- 出戻り社員を再雇用した事がある企業は67%
- 外資系企業では出戻りを積極的に受け付ける傾向にある
出戻り社員を再雇用した事がある企業は67%
出戻り社員を再雇用したことのある企業は全体の67%となっています。
一見高い数値のように思えますが、出戻り社員を再雇用する企業の規模は業種によってバラつきがあり、一概に高いとは言えません。
また、67%というのは出戻りを希望した人全員に対する採用率ではないので注意しましょう。
企業が社員の再雇用制度を設けている企業は全体のわずか12%に留まっているので、出戻り転職は決して簡単ではなく、誰でもいつでも再雇用してもらえるわけではないため、慎重な判断が必要です。
外資系企業では出戻りを積極的に受け付ける傾向にある
外資系企業では出戻り転職の比率が高いというデータがあります。
外資系企業は実力主義の企業が多く、元々人の出入りが盛んです。
年功序列制をとっていないことが多いので、一度退職した人が戻ってきても、実力でポストや待遇が決定し、社内が混乱することがあまりないのが理由の一つです。
転職失敗後に出戻りするメリット
出戻り転職なら再び安定した環境で働くことができるだけでなく、以前の経験を活かして即戦力として貢献できる点が魅力です。
ここでは、出戻り転職の具体的なメリットについて詳しく見ていきます。
- 会社とのミスマッチが少ない
- 即戦力になる
- 以前の人間関係を活かせる
会社とのミスマッチが少ない
以前勤務していた会社に出戻りする場合、仕事の内容や社内の雰囲気、企業文化などが既に分かっているため、ミスマッチが少ないのが特徴です。
新しい企業に転職する場合、実際に働いてみないと分からないことが多くありますが、出戻り転職ではそのリスクが大幅に軽減されます。
企業の良い面も悪い面も理解した上での選択となるため、適応がスムーズです。
即戦力になる
出戻り転職の最大のメリットは、即戦力として活躍できる点です。
既に仕事内容や業務フローに精通しているため、研修期間が短縮され、すぐに実務に取り掛かることができます。
また、以前の経験を活かすだけでなく他社で培ったスキルや知識を持ち込めることで、会社に新たな価値を提供することも可能です。
以前の人間関係を活かせる
以前の同僚や上司との人間関係が復活することも、出戻り転職の大きなメリットです。
既に築かれている信頼関係があるため、コミュニケーションが円滑に進み、仕事がスムーズに進行します。
また、転職先で新たに築いた人脈も活用できるため、業務の幅が広がる可能性があります。
以前の会社でのネットワークが再び活かせることは、大きな強みとなります。
転職失敗後の出戻りは後悔する?出戻りのデメリット
転職失敗後の出戻りを検討する際は、メリットだけでなくてメリットも把握した上で決定しましょう。
出戻りした後悔しないためにも、慎重に判断する必要があります。
- やめ方によっては歓迎されない・気まずい
- かつての部下が上司になることもある
- 以前とは環境が変わっていて後悔する可能性がある
やめ方によっては歓迎されない・気まずい
退職した理由に関係なく、一度その会社を辞めることを決断した人を、必ずしも温かく迎えてくれるとは限りません。
出戻りに不快感を示す人もいるかもしれません。
出戻り経験者の中には、気まずい雰囲気や居心地の悪さを感じたことのある人が少なくありません。
かつての部下が上司になることもある
出戻りした際に、必ずしも退社時のポジションや待遇が保証されているわけではありません。
かつての部下が自分の上司になっているケースもよくあります。
お互いにやりにくさを感じることがあり、そのやりにくさが結果的に自分の評価に影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
以前とは環境が変わっていて後悔する可能性がある
その会社にいなかった間、トップの人事異動や企業の方針転換で出戻り先の社内環境が大きく変わっていることがあります。
経費削減で以前より少ない人員で仕事をまわしていたり、評価制度が変わっていたりすることもよくありますので、戻る前に今の様子が戻りたい環境のままなのか確認する必要があります。
転職失敗後に出戻りを成功させるポイント
転職に失敗し元の勤務先への出戻りを検討している場合、成功させるためにもいくつかのポイントを押さえておきましょう。
出戻り転職は、新たな環境で再スタートすることに比べて有利な面もありますが、注意すべき点も多いです。
ここでは、出戻り転職をスムーズに進めるための具体的なポイントについて解説します。
- 出戻りしたい理由をまとめておく
- 以前の勤務先の人とは良好な関係を維持する
出戻りしたい理由をまとめておく
出戻り転職を成功させるためには、まず「なぜ出戻りしたいのか」を明確にすることが重要です。
自分のキャリアや生活において、元の会社に戻ることが最適な選択である理由をしっかりと整理しておきましょう。
具体的な理由を持つことで、面接時に説得力のある説明ができ、採用担当者にポジティブな印象を与えることができます。
以前の勤務先の人とは良好な関係を維持する
元の勤務先に出戻りするためには、以前の同僚や上司との良好な関係も非常に重要です。
退職後も定期的に連絡を取り合い、良好な関係を維持しておくことで、出戻りの際にサポートを受けやすくなります。
信頼関係があると、出戻りしたい旨を相談した時に前向きに受け入れてもらえる可能性が高まります。
転職失敗後に出戻りする方法
転職に失敗した後、元の勤務先に出戻りするためには具体的にどうすればいいのかを解説します。
- 以前の勤務先の求人に応募する
- 以前の勤務先の上司・先輩・同僚等に出戻りの相談をする
以前の勤務先の求人に応募する
まず一つ目の方法は、以前の勤務先での求人に応募することです。
会社の採用情報を定期的にチェックし、自身のスキルや経験に合ったポジションがあった場合応募しましょう。
履歴書や職務経歴書には、他社での経験や新たに得たスキルを強調し、元の会社にどのように貢献できるかを具体的に記載します。
以前の実績と新たな経験をアピールすることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。
以前の勤務先の上司・先輩・同僚等に出戻りの相談をする
もう一つの方法は、以前の勤務先の上司や先輩、同僚に直接相談することです。
退職後も良好な関係を維持している場合に特に効果的です。
出戻りを考えている旨を率直に伝え、サポートを依頼しましょう。
内部からの推薦があると、出戻りできる可能性が高まります。
また、社内の現状や新しいプロジェクトについての情報を得ることもできるため、面接時に役立つ情報を事前に収集できます。
転職失敗後に出戻りしやすい人の特徴
出戻り転職が成功しやすい人にはいくつかの共通した特徴があります。
以下の特徴を持つ人は企業側からも歓迎されやすく、再度の雇用がスムーズに進む可能性が高いです。
ここでは、出戻り転職がしやすい人の具体的な特徴について解説します。
- 実績があり信頼されていた人
- 円満退社した人
- 退職後も元の職場の人間と仲がいい
実績があり信頼されていた人
出戻り転職がしやすい人の一つ目の特徴は、在職中に実績があり信頼されていたことです。
以前の勤務先で高い評価を受けていた人は、再びその実績を活かして会社に貢献できると期待されます。
また社内の人間から信頼されていることは、企業側が安心して再雇用を決定するための後押しとなります。
円満退社した人
二つ目の特徴は、円満に退職した人です。
トラブルなくスムーズに退職した人は、会社との関係も良好であるため出戻り転職がしやすくなります。
円満退社だったかどうかは再雇用時の重要なポイントとなり、企業側の印象に大きく影響を与えます。
前向きに受け入れてもらうためにも、企業退社する際は失礼の無いよう適切な対応することが大切です。
退職後も元の職場の人間と仲がいい
最後の特徴は、退職後も元上司や同僚と良好な関係を維持している人です。
頻繁に連絡を取り合っていて良好な関係を維持していることは、出戻り転職において非常に有利です。
これにより内部推薦を受けられる可能性も高まり、再雇用のプロセスがスムーズに進みやすくなります。
転職失敗後に出戻りしにくい人の特徴
出戻り転職が難しいとされる人にもいくつかの共通点があります。
以下の特徴を持つ人は企業側から再雇用をためらわれることが多く、出戻りが困難になる可能性が高いです。
ここからは、出戻り転職がしにくい人の具体的な特徴について解説します。
- 円満退社できなかった人
- 勤務年数が浅いうちに辞めた人
円満退社できなかった人
出戻り転職がしにくい人の一つ目の特徴は、円満に退社できなかった人です。
退職時にトラブルがあったり、会社に不満を残して辞めた場合、企業側は再雇用に対して消極的になることが多いです。
円満退社できなかったことは、再度の雇用に際して信頼を損ねる要因となりやすいです。
勤務年数が浅いうちに辞めた人
二つ目の特徴は、勤務年数が浅いうちに辞めた人です。
短期間で退職した場合、その会社で十分な実績や信頼関係を築くことができていないため、再雇用を考える企業は少なくなります。
再雇用しても即戦力にはならないと判断されることが多く、出戻りが難しくなる要因となります。
転職失敗後に出戻りできなかった場合の対処法
転職失敗後に出戻りしたいと思っても、なかなか叶わない場合も多いです。
出戻りできなかった場合にどのように対処すべきか、その対処法について解説します。
- 出戻り転職しないことのメリットを知って切り替える
- 転職エージェントを利用して効率的に転職活動する
出戻り転職しないことのメリットを知って切り替える
出戻り転職が叶わなかった場合でも、新しい環境で得られるメリットを知ることが重要です。
新たな職場では、これまでのしがらみから解放され、フレッシュなスタートを切ることができます。
また、異なる業界や企業文化に触れることで、自分のスキルや視野を広げるチャンスにもなります。
出戻りができないことをネガティブに捉えず、ポジティブな視点で次のステップに進むことが大切です。
転職エージェントを利用して効率的に転職活動する
出戻りができなかった場合、転職エージェントを利用するのも一つの方法です。
転職エージェントは、求人情報の提供だけでなく履歴書の書き方や面接対策など、転職活動全般をサポートしてくれます。
エージェントのネットワークを活用することで、自分に合った企業を効率的に見つけることができます。
プロのアドバイスを受けながら、次のキャリアに向けた準備を進めましょう。
転職失敗後に出戻りできなかった人におすすめの転職エージェント
転職失敗後に出戻りできなかった人におすすめの転職エージェントを紹介します。
出戻りできなかったとしても、それを引きずることなく新たなキャリアに向けて前向きな一歩を踏み出しましょう。
- doda
- ビズリーチ
- 就職Shop
doda
求人数
約260,000件
対応地域
全国47都道府県
料金
無料
公式サイト
https://doda.jp/
運営会社
パーソルキャリア株式会社
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ビズリーチ
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転職失敗後に出戻りしやすいのは会社への貢献度が高かった人
転職に失敗して元いた企業に出戻りする場合、即戦力で働けて人脈を活かせるというメリットがありますが、戻っても必ず歓迎してもらえるとは限りません。
出戻りならではの気まずさややりにくさを感じることも少なくありません。
出戻り転職を成功させるには、円満に退職した、自分に企業から歓迎されるような実績がある、今でも前の会社の人と交流があるなどの条件を満たしていることが望ましいです。
もし出戻りできなかった場合は、転職エージェントを利用するなどして自分に合った企業を見つけて新たなキャリアをスタートさせましょう。
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