営業職と言えば、無理なノルマを課せられたりサービス残業を強いられたりする、いわゆるブラックのイメージが強いです。実際、営業職は離職率が高い傾向にあります。

働き方改革やワークライフバランスの重要性が話題になっていますが、まだまだブラック企業、ブラック営業は存在しており、できることならそのような企業とかかわりを持つのは避けたいです。

ブラック企業の定義

そもそも何をもってブラック企業と認定するのでしょうか。厚生労働省では、労働者に極端な長い時間で働かせたりノルマを課すこと、残業の賃金不払いやパワハラの横行など企業のコンプライアンス意識が全体で低いこと、こうした環境で労働者に過度な選別をする企業といった定義をしています。

長時間労働やサービス残業について触れてはいますが、具体的な数字や線引きが無く、政府が厳しく取り締まりを行えていないのが現状です。

ブラック企業が出す募集要項の特徴

募集要項の確認はブラック企業を避ける方法の1つです。世間一般でブラック企業に認定されている企業には、共通した特徴があり、あからさまなブラック企業は、募集要項を見ただけでブラックだと分かることもあります。その特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。

仕事内容があいまい

労働条件や給与のこと、もしくは「未経験可の誰でもできる仕事です」というようなことばかり詳しく書かれていて、肝心な仕事の内容については詳しく明記されていない募集要項は要注意です。過度な重労働や、理不尽な条件下での仕事を任される場合があります。

「こんなことさせられるなんて聞いていない」と会社に問い詰めても、別に会社側は嘘をついてだましているわけではないので、従業員側はどうすることもできません。

未経験可なのに好条件すぎる

「未経験可」「初心者大歓迎」という記載があるにもかかわらず、給与がやけに高かったり、すぐに正社員にしてもらえたりするなどの好待遇があったら、ブラック企業の可能性があります。未経験でもできる仕事にもかかわらず、ここまで好待遇にしないと誰もやりたくない仕事です、と言っているようなものです。
また、経験のある人なら選ばない仕事であるということも考えられます。

給与に残業代がすでに含まれている

記載されている月収例がやけに高いと思ったら、残業代も含められていたということは良くあります。まず、残業代を引いた給与額が自分の望んでいるものであるかを確認しなければなりません。また残業をするのが当たり前、という社風であることも考えられます。

手当がやたらと多い

育児・介護休暇制度、家族手当、住宅手当などの手当てがいくつもリストアップされ、強調されている求人は、少し疑ってかかったほうが良いでしょう。このような募集要項の書き方をする企業は、手当の数で良さをアピールしていると言えます。

普通、手当よりも職務内容や労働環境、基本給、休暇制度のほうが重要なのに、それらを記載するスペースを削ってまで手当を強調するということは、それ以外にアピールできるところがない、という可能性があります。また、このような手当ては、存在しているだけで実際に機能していないことも多々あります。

記載されていた育休を申請しようとしたら却下された、実際に育休を取った人は今までに1人もいないらしい、という話は珍しくありません。

募集している期間が長い

同じ求人を何カ月も出している、もしくは何度も求人サイトに戻ってくるという企業はブラックである確率が高いです。もうすでにブラック企業リストに載っていて、誰も寄り付かないために、いつまでも人が集まらないということが考えられます。また何度も戻ってくる求人は、離職率の高さを示しています。

アットホームアピール

「和気あいあいとした職場です」「家族のような職場でのんびり働きましょう」といった、アットホームアピールも危険サインです。アットホームという言葉は、閉鎖的を良く言い換えただけという可能性があります。そのような職場は、社長や現場リーダー、年長者が支配しており、新入社員は息苦しい思いをする可能性が高いです。

またアットホームな雰囲気を利用し、サービス残業やボランティアの休日出勤を「お願い」されることも考えられます。

ブラック企業の職場の特徴

募集要項はしっかりしていたけど、いざ入社したらなんだか怪しい、という場合は以下のブラック企業の職場の特徴が無いか観察してみましょう。

精神論を口にする人が多い

「根性でどうにかしろ」
「気合いが足りないんだ」
「やる気が感じられないんだよ」
などという根性論を口にする人がいたら、黄色信号です。1人2人なら良いのですが、会社全体がそういった精神論を振りかざす雰囲気だと問題です。精神論の何が問題かと言うと、論点をぼやかすことに利用される、ということです。

例えば、月のノルマを達成できなかった場合に「お前らのやる気が足りないからだ。根性みせろ。」というような精神論を叫び、実際の問題にアプローチすることを避ける人がいます。これは自分の実力不足を隠すため、もしくは問題解決をめんどうくさがっているために起こす行動と考えられます。そのような習慣のある会社はブラック企業と言っていいでしょう。

上司の言うことは絶対

上司には絶対服従、という古臭いトップダウンスタイルの職場は、その時点でブラック企業に認定していいでしょう。次世代の意見を取り入れることが出来ない組織は衰退していくだけですし、いまだに年上が偉いという古いデータが更新されていない会社は、ワークライフバランスや男女平等などの価値観も古い傾向にあります。

休日に連絡をしてくる

従業員の休日を侵害する会社は完全にアウトです。優秀なビジネスパーソンほど、休みのクオリティーが、仕事のクオリティーにどれほど影響するかを理解しています。休日に仕事の連絡をよこし、従業員の休みのクオリティーを下げるような会社は、仕事のクオリティーにも無頓着であると言えます。

怒鳴る人が多い

怒号が飛び交うような職場はまずホワイトではないでしょう。1人2人そのような人がいる分には問題ないかもしれません。しかし1人の怒号に対して怒号で応える人がいたり、またそれが野放しにされていたりすると、それは会社全体の問題になります。怒鳴り声をあげる人がいたら、その人に対して周りの人間がどう反応しているかを観察してみましょう。

ブラック営業の特徴

営業職にはブラックが多いと言われます。ブラック企業の営業職、いわゆるブラック営業にはどんな特徴があるのでしょうか。

営業のやり方が古い

とにかく電話をたくさんかける、足で稼ぐ、テンプレート化されたセールストークなど、過去の遺産である営業方法を使っている会社はブラック企業である可能性が高いです。やり方だけでなく、ワークライフバランスやコンプライアンスの感覚まで古い可能性が大いにあり、パワハラ、モラハラ、男女差別を野放しにしている傾向が強いです。

経験の少ない社員に無理な営業を強いる

実践主義と称して、無茶な営業を新人に強要する会社もいい会社とは言えません。1人で飛び込み営業をさせたり、道行く人と名刺交換させたりという、成果が出づらい上に精神的な負担になる作業を強いる会社は、人材を大切にしないブラック企業候補です。

達成不可なノルマがある

営業に対して、明らかに達成不可なノルマを課してくる会社はたいていブラックです。ありえないノルマを達成できなければ維持できない経営にも問題がありますし、高すぎるノルマは従業員のモチベーションを下げるだけということを理解していません。

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