建設関連の転職は、手に職を付けられるということから安定した人気があるジャンルです。そのため、他の業界で働いていた人が、新たに建設の仕事にチャレンジしてみたいと考えるケースも多く見られます。とはいえ、業界全体で求人の増減があれば、働きたくても難しいということもありえます。
そこで、2024年の建設関連の業界の転職市場がどんな状況となるのか予測を見てみましょう。その上で、これから転職をするに当たって気を付けたい点をチェックすることができます。
2024年の建設業界の転職市場の予測とは?
2024年の建設業界全体の転職市場の予測をするに当たっては、2021年から2023年における実情を把握しておく必要があります。2021年は建設業界において、大きな節目となる年でもありました。この年には東京オリンピックが行われ、大規模な建設ラッシュが続いていたからです。
新型コロナウイルス感染症の影響でオリンピックは1年延期されましたが、感染症対策などのため施設設備の変更が生じました。そのため、2021年になっても需要が大きかったのです。
中には、オリンピックが終わった後には建設業界が落ち込むのではないかという見方もありました。また、長引くコロナ禍の影響で、業績が落ちてしまうという予測もありました。しかし、実際にはそのようなことはなく、影響は他の業界と比べると最小限にとどまっています。
住宅設備関連・リフォームなど好調
むしろ、住宅リフォームや設備関連など、一部の企業では業績を伸ばしているところさえあります。これは、新型コロナウイルス感染症の影響で、いわゆる「お家需要」が増えたことや、テレワークの推進で自宅にいることの重要性が高まったからです。リフォームをしてより快適かつ機能的な家づくりをしたり、郊外に移転して新居を構えたりする家族が増えたことは、建設業界にとってプラスとなっています。
また、ガス給湯器を始めとする設備の部品の供給不足で販売が滞り、需要に対して供給が追い付いていない状況も見られます。そのため、コロナ禍が明けることで、大きな需要と供給の波が訪れることが予測されています。
こうした建設業界自体の好調、もしくは安定的な動きに伴って、2024年の転職市場は好調に推移すると考えられています。もともと、建設業界は大きな人材不足が生じ始めている状況でした。そのため、未経験者であっても積極的に採用して育成していく企業が多くなっています。
これは中小企業だけでなく、大手企業についても同じで全体として採用のチャンスが広がっています。もし、建設業における技術や経験があるなら、そのチャンスはさらに高くなり、好待遇での転職も期待できるでしょう。
2024年の建築・土木エンジニアの転職市場予測
建築・土木エンジニアは好調
建設業界全体の好調は、建設作業員の転職を有利にするだけでなく、建築・土木エンジニアについても同じことが言えます。たとえば、重機オペレーターなどは、多くの企業で需要が高まっている割には、人材が少ない状況となっています。
関東圏都市部でも大型の建築プロジェクトが複数計画されていますし、関西地方では万博開催のために大きな需要が生じています。こうしたプロジェクトには、多数のオペレーターが求められますので、2024年にかけて転職市場は活発化していくことになります。
土木関連でも、日本各地で災害が発生していることから、河川や道路、山林などにおける土木工事が非常に多くなっています。予防的な措置や災害後の復旧や改修といったものが、従来のプロジェクトに加えて行われているからです。土木工事では特に重機オペレーターの存在が必須で、好条件での採用かつ求人数自体の増加が見込まれます。
土木に関係した求人では、都市部に限定されることなく、日本全国各地で増加傾向にありますので、地元での転職を考えている人にも有利な内容となっています。
建築エンジニアは未経験若手も歓迎
他にも、CADを使った設計や作図ができる人材の需要も上がっています。やはり建築プロジェクト自体の数が増えれば、それだけCADエンジニアの数も増えるからです。通常、CADエンジニアは経験があり、すぐに図面を引ける即戦力が求められる傾向がありました。
しかし、この分野における高齢化が進んでいることや、比較的簡単にツールを操作できるようになっていることから、未経験者でも歓迎する企業が多くなっています。建築士の資格がなくてもできる作業に限定されるとはいえ、作図などの研修を行い若手を育成していくことで、将来の人材確保につなげるという考えです。
そのため、他の業界での経験しかないとしても、新たに設計や作図をしてみたいという人には朗報です。2024年にかけてもこの傾向は続くものと予測されますので、転職を検討してみると良いでしょう。
リモートワークで設計や作図
もう一つの建築・土木エンジニアの動きとしては、リモートワークが進んでいるということです。今までの建設業界では、ごく一部しかテレワークは行われていませんでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響によって、特にCADエンジニアなどではオフィスに縛られない働き方ができるようになっています。
企業によっては、採用の段階からテレワーク、もしくはサテライトオフィスによる業務としているところもあります。条件によっては、通常通っていたオフィスまで遠いところに住んでいる人でも転職できることになり、職場候補の範囲が広がります。
転職を成功させるために心がけたいこと
今まで見てきたように、建設業界全体に転職市場の好調が見られ、2024年においてもそれが続くと予測されています。そのため、前向きな気持ちで転職活動に臨むことができるでしょう。より転職の成功率を高めるためには、今のうちからスキルを学んでおくということです。
未経験者は意欲や積極性を重視
やはり一般建築でも土木でも、技術がある人や実務経験がある人を優遇する傾向が強いです。人材不足によって未経験者を積極的に採用している企業であっても、スキルを持っている人がいれば、その人を優先的に採用することには変わりがありません。そこで、活動を本格的に始める前に、時間を有効活用してスキル習得の努力をすることが肝心です。
もちろん、1級建築士のような資格は、大学に通うなどの厳しい条件があって難しいです。しかし、したいと思っている仕事に関係して、独学でも学べるスキルがあるはずです。また、たとえ資格取得ができないとしても、勉強をしているだけでも転職には有利となります。
というのも、未経験者を積極的に採用している企業は、その能力だけでなく意欲や積極性を重視して選考しているからです。まだ資格を持っていないとしても、スキル向上のための具体的な努力をすでにしていると分かれば、その意欲を買うわけです。
このように、転職活動ではいかにして自分の良いところをアピールできるかが、成否を分けるカギとなります。また、実際に転職を果たして業務に就いた時に、多少なりとも準備をしているのとそうでないのでは、仕事への慣れのスピードがかなり違います。より早く一人前と認められて責任ある仕事をもらえるようにするためにも、今できることを始めるというのはとても大事なことなのです。
同じように、希望する業種や企業の情報をしっかりと集め研究するようにしましょう。そのリサーチによって得られた情報を基にPRポイントを強調することができますし、面接などでも自信を持って応答できるようになります。こうした準備によって採用のチャンスを高められるのです。
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