契約社員よりも正社員の方がランクが高いと考えている人も少なくありません。
しかし、正社員から契約社員になる人も存在します。
厚生労働省の「平成15年就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」によると、労働者のうち正社員は65.4%、契約社員は2.3%という結果でした。
「正社員の方が安定しているのに、どうして契約社員になりたがるの?」と思われがちですが、契約社員には正社員にはないメリットがあります。
また、契約社員のメリットが大きい人の特徴や、正社員と契約社員の違いなども紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 専門業務に集中できる
- 責任の範囲をコントロールしやすい
- 原則として転勤がなくなる
- パートやアルバイトよりは給与が高い
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正社員から契約社員になるメリット
正社員から契約社員への移行は、キャリアを特定の方向に集中させたい場合や、働き方の自由度を重視したい場合におすすめです。
また、プライベートの時間を重視する人や、特定の地域で生活したい人にも適しています。
ここでは、正社員から契約社員になるメリットについて解説します。
- 専門業務に集中できる
- 責任の範囲をコントロールしやすい
- 原則として転勤がなくなる
- パートやアルバイトよりは給与が高い
専門業務に集中できる
契約社員には、あらかじめ決められた特定の業務に専念できるといったメリットがあります。
正社員と異なり、契約社員は広い範囲の業務を任されることは少なく、限られた範囲内で仕事に取り組むのが一般的です。
自分が希望する領域の専門技術や知識を深められるでしょう。
また、パートやアルバイトよりも、専門的な責任ある仕事を任せてもらいやすい点も契約社員の強みといえます。
責任の範囲をコントロールしやすい
契約社員は正社員と比較して、責任の範囲が狭いです。
そのため、仕事のプレッシャーを適切に管理できるでしょう。
仕事で管理職に就きたくない人や、プレッシャーに弱い人でも、働きやすいといえます。
原則として転勤がなくなる
契約社員は、原則として転勤がない点もメリットです。
正社員は基本的に勤務地が限定されておらず、会社から転勤を命じられたら、応じなくてはなりません。
しかし、契約社員の場合、転勤が伴うことは少なく、長期に渡り同じ地域で働けます。
そのため、家族との時間を大切にしたい人や、通勤時間を固定したい人、特定の地域で働き続けたい人に適しているでしょう。
パートやアルバイトよりも給与が安定しやすい
契約社員は時給制で働くパート・アルバイト・派遣社員と違って、固定給である点が魅力です。
また、基本的にフルタイムで有給休暇も取得できるため、収入にばらつきが生じにくく、パートやアルバイトよりも安定した収入を期待できます。
正社員から契約社員になるのではなく、パート・アルバイト・派遣社員などの働き方を検討している人もいるでしょう。
契約社員はワークライフバランスを重視したい人、経済的な安定を望む人に向いている働き方といえます。
正社員から契約社員になるデメリット
正社員から契約社員になると、自由度が向上したり、特定の業務に集中できたりといったメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
メリットだけではなくデメリットも理解し、本当に正社員から契約社員になるべきかを十分に検討しましょう。
以下では、正社員から契約社員になるデメリットについて解説します。
- 雇用が不安定
- 無期契約社員になれるとは限らない
- 給与や福利厚生が正社員より劣る場合がある
- 社会的信用度が低い
雇用が不安定
契約社員は「非正規雇用」のため、雇用が不安定になる点がデメリットです。
正社員と違って、契約社員は雇用期間が限定されています。
雇用期間が満了を迎えた場合、雇用者が契約を更新しなければ、その職場で働くことはできません。
また、契約更新されるかどうかは、雇用者次第のため、長期的なキャリアプランニングや、安定した収入の確保が困難になる場合があります。
1回の契約期間の上限は、基本的に3年です。
高度専門職もしくは満60歳以上なら、5年の契約が認められています。
契約社員の不安定な雇用状況は、生活の質や心理的な安定にも悪影響を与える可能性があるでしょう。
無期契約社員になれるとは限らない
契約社員は、同じ企業で通算5年の有期労働契約をこなした場合、無期労働契約への転換を希望するのも可能です。
しかし、すべての有期契約社員が無期契約に移行できるわけではありません。
契約社員の無期雇用を避けたいと思っている企業は、契約が5年を迎える前に、契約更新を終了する可能性があります。
給与や福利厚生が正社員より劣る場合がある
契約社員は、パートやアルバイトよりも給与水準が高めですが、正社員と比較すると低いことも少なくありません。
また、福利厚生の範囲も、正社員と比較して限られていることがあります。
一般的には、賞与や退職金がありません。
社会的信用度が低い
正社員から契約社員になると、以下のような場合に社会的信用度が低いと感じる可能性があります。
とくに、以下のような場合には社会的信用を得にくくなるでしょう。
- 金融機関からの融資の承認
- 賃貸物件の契約時の審査
- 一般的な職業評価
契約社員ではなく正社員のまま働き続けるメリット
正社員としての働き方は、金銭的な安定と余裕をもたらします。
また、正社員の地位は、社会的信用を確保するのにも役立つでしょう。
以下では、契約社員ではなく正社員として働き続けるメリットについて詳しく解説します。
- 無期雇用で安定している
- 勤務地や業務内容の変更が可能
- 給与や福利厚生の面で契約社員より有利
- 社会的信用度が高い
無期雇用で安定している
正社員は無期雇用契約で働くため、安定した雇用が保証されています。
そのため、従業員は雇用の不安を感じにくく、将来に向けて計画を立てやすくなります。
安定した雇用により、長期的な成長を目指し、生活の質を高められるでしょう。
勤務地や業務内容の変更が可能
正社員であれば、会社の内部で異動や昇進が可能なため、多様な職務経験を積むことができます。
そのため、正社員はスキルアップしたい人や、キャリアの幅を広げたい人に向いている働き方といえるでしょう。
また、「今の職場の人間関係が苦痛」と感じた場合でも、勤務地の変更や異動によって解決できる可能性もあります。
給与や福利厚生の面で契約社員より有利
正社員は契約社員に比べて給与水準が高く、福利厚生も充実しています。
健康保険、厚生年金、雇用保険などを享受できるほか、契約社員と違って賞与や退職金制度などの対象にもなります。
社会的信用度が高い
正社員は、社会的信用度が高く、一般的に社会的地位も高いです。
金融商品の審査、住宅ローンの申請、その他多くの社会的取引において正社員の地位は有利に働きます。
また、社会的信用度が高いと、職場内外での信頼と尊敬を確保しやすくなります。
正社員から契約社員にならずに働きやすさを実現する方法
契約社員にならなくても、正社員のままで働きやすさを向上させる方法はあります。
近年、働き方改革の進展により、多くの企業が従業員のワークライフバランスの向上に注力しています。
以下では、正社員から契約社員にならずに働きやすさを実現する方法について解説します。
- 時短勤務にする
- リモートワークにする
- 異動を申し出る
時短勤務にする
フルタイムの勤務時間より短い勤務時間を設定する「時短勤務」は、特に家庭と仕事の両立を図りたい人にとって有効な選択肢です。
子育てや介護などの私生活の要求に対応しつつ、キャリアを継続できます。
リモートワークにする
リモートワークは、自宅や選んだ場所で仕事ができるのが魅力です。
通勤時間を削減しプライベートな時間を確保できるため、仕事と私生活のバランスが取りやすいでしょう。
異動を申し出る
異動を申し出ることも、働きやすさを向上させるための1つの方法です。
例えば、ストレスの少ない部署や、ライフスタイルに合わせた勤務地への異動ができれば、仕事の負担を軽減し、労働条件を改善できるでしょう。
正社員から契約社員になるとメリットがある人
正社員から契約社員への転換は、特定のライフスタイルや働き方を望む人にとって、メリットがあります。
しかし、デメリットもあるため、本当に正社員から契約社員になるべきか迷ってしまうでしょう。
以下では、正社員から契約社員になるとメリットが大きい人の特徴について解説します。
契約社員になるかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 私生活を重視したい人
- 頑張りすぎて心身の調子を崩しそうな人
- いろいろな企業で働きたい人
私生活を重視したい人
私生活の時間を重視する人にとって、契約社員は魅力的な選択肢です。
とくに、家族との時間を大切にしたい、趣味や副業にもっと時間を割きたいと考えている人には、フレキシブルな勤務体系が用意されている契約社員のポジションが適しています。
個人の時間管理がしやすくなり、生活の質の向上も叶うでしょう。
頑張りすぎて心身の調子を崩しそうな人
仕事のプレッシャーやストレスにより、心身のバランスを崩しがちな人にも契約社員はおすすめです。
契約社員は、責任の重さを調整し、オーバーワークを避けられます。
メンタルヘルスを維持し、持続可能なキャリアを築けるといった点が魅力です。
おすすめ記事:仕事がきついのは普通のこと?きつい状態で働くリスクと辞めたいと感じた時の対処法を徹底解説!
いろいろな企業で働きたい人
多様な職場体験を求める人にとって、契約社員は理想的な選択です。
契約期間が終了するごとに新しい職場に転職できるため、異なる業界や異文化の環境での経験を積み重ねられます。
そのため、キャリアの幅を広げ、専門的なスキルや見識を深めたい人にとって、大きなチャンスとなるでしょう。
正社員から契約社員になる方法
正社員から契約社員になる方法は、現職での雇用形態の変更や新たな職場への移行など、複数のアプローチがあります。
以下では、正社員から契約社員になる方法について詳しく解説します。
- 現職で雇用形態を契約社員に変更する
- 退職して契約社員になる
現職で雇用形態を契約社員に変更する
現在の職場で正社員から契約社員への変更を希望する場合は、まずは人事部門や直属の上司へ相談しましょう。
契約社員への変更が自分のキャリアにどのような影響を与えるか、また具体的な条件(給与、勤務時間、職責の変更等)について、しっかり確認することが大切です。
企業によっては、この種の変更を受け入れるための明確なポリシーが設けられていることもあります。
退職して契約社員になる
別の会社で契約社員として働きたい場合は、現職を退職し転職するのも1つの方法です。
転職し契約社員として働くと、新たな業界で経験を積み重ねたり、同じ業界内での新しい職務に挑戦したりするのに役立ちます。
正社員から契約社員になるときに確認すべきこと
正社員から契約社員への転換を検討する際は、契約社員としての雇用条件を事前に把握し、将来のキャリアプランにどのように影響するかを慎重に評価しましょう。
以下では、正社員から契約社員になるときに確認すべきことについて解説します。
- 契約社員になったときの仕事内容
- 契約期間と更新の有無
- 勤務時間
- 給料や福利厚生
契約社員になったときの仕事内容
契約社員になったときの具体的な職務内容や責任の範囲を確認しましょう。
契約社員は正社員とは違い、特定のプロジェクトや業務に限定された役割を担うことが多いです。
具体的な仕事内容をしっかり確認することで、後々の誤解や不満を抱えるリスクを避けられるでしょう。
契約期間と更新の有無
契約社員は、契約期間が定められています。
契約がどのように更新されるか、更新の基準は何かといった具体的な条項を確認し、理解しておくことが重要です。
また、契約が更新されない場合の条件や、早期終了の条項についても確認しましょう。
勤務時間
契約社員としての勤務時間を確認し、自分のライフスタイルと調和が取れるかどうかを確認しましょう。
勤務時間外の業務が発生するか、またその際の手当がどうなるかも確認しておくべきです。
給料や福利厚生
ボーナスの有無、健康保険や退職金制度を含む福利厚生の詳細を確認することが大切です。
そして、これらの要素が自身の人生計画や期待に合致しているかどうかを評価しましょう。
また、必要に応じて、交渉の余地があるかどうかも事前に把握しておくのがおすすめです。
ワークライフバランス重視の正社員転職におすすめの転職エージェント
ワークライフバランスを重視する人にとって、理想的な働き方を支援する転職エージェント選びが非常に重要です。
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正社員から契約社員になるときはメリット・デメリットを十分に比較しよう
正社員から契約社員への転職を検討する際は、それぞれの雇用形態のメリットとデメリットを十分に理解しましょう。
なお、契約社員がおすすめな人の特徴は以下の通りです。
- 私生活を重視したい人
- 頑張りすぎて心身の調子を崩しそうな人
- いろいろな企業で働きたい人
契約社員へ移行する場合は、自身のキャリアと生活にどのような影響を与えるかを綿密に検討する必要があります。
長期的なキャリアの安定性や、福利厚生の充実を求める場合は、正社員が適しているかもしれません。
しかし、柔軟な働き方を希望する場合や、特定の特化したスキルを磨きたい場合は、契約社員の方が有利な可能性もあります。
契約社員への移行が長期的なキャリアプランにどのように影響するかを考慮し、納得のいく形での職種変更を目指しましょう。