就職・転職で後悔している人に多いのは、「求人情報に書かれていたのと条件が違う」「実態を知っていたら応募しなかった」というパターンです。特に、ブラック企業は求人情報でも言葉巧みに嘘の待遇や条件を書いて来るので、騙されないよう細心の注意が必要です。

ブラック企業に騙されず、確実に残業が少ない会社に転職する方法をご紹介するので、転職を考えている人はぜひ、参考にしてください。

ブラック企業の求人に多い要注意ワードや、残業が少ない会社に転職したい人が利用すべき転職エージェントなど、役立つ情報満載でお届けします。

30代で残業が少ない会社に転職したいときに気を付けることは?

ブラック企業の求人の要注意ワードに騙されない

残業が少ない会社に就職するためにも、ブラック企業は絶対に避けたいところです。しかし、ブラック企業は劣悪な条件にもかかわらず、言葉巧みに働きやすい条件であるかのように見せ掛けるのが得意です。

ブラック企業への転職を回避するには、ブラック企業の求人によく見られる要注意ワードを知っておくことも大切です。ブラック企業の求人に多い、騙されやすい要注意ワードとその実態をご紹介します。

「残業なし」

日本の求人は世界一嘘が多く、「残業なし」は、「残業代は出ないがサービス残業はある」という意味であることが多いです。しかも残業時間が極端に長いケースが多く、注意が必要です。

また、「残業時間なし」であっても、無理矢理職場を退出させられているだけで、仕事を家に持ち帰っている人も多いのが現状です。求人に「繁忙期に多少の残業あり」と書かれている場合には、入社してみたら毎日が繁忙期だったというパターンもあります。

労務に適当な会社はごまんとあり、大中小企業に関わらずきちんと会社を選んで転職しないと、残業の多い会社に入ることになってしまいます。

本当に残業がない会社に転職するには、求人情報や面接で言われている残業時間を鵜呑みにせず、あらゆる方面から情報を収集し、慎重に選ぶことが大切です。

「みなし残業」

特に避けた方がよいのは、営業・小売・販売などの職種で「みなし残業」がある会社です。「みなし残業」とは本来、研究職など実際の労働時間が把握しにくい職種などの報酬を計算しやすくするための制度で、適用してよい職種が法律で限定されています。

通常、残業代は残業した時間に応じて支払いますが、みなし残業の場合は実際の残業時間の長短にかかわらず、あらかじめ取り決めた通りの時間分の残業代を支払います。みなし残業の制度自体は、その方がやりやすい職種もあるので悪いものではありません。

しかし、みなし残業の制度を悪用したり曲解するブラック企業もあります。特に営業・小売・販売など、労働時間を容易に把握できる職種はみなし残業の適用対象ではないため、注意が必要です。

「年収例」が極端に高い

求人広告などに年収例が掲載されていることがあります。基本給に対して、年収例が極端に高い場合は要注意です。このような会社は、賞与分だけではなく、日々の残業代が膨れ上がっている可能性もあるからです。

インセンティブが少なめの職種で極端に高い年収例が書かれている場合は、特に注意が必要です。

残業が少ない業界・業種は?

残業が多い業界ワースト5

業種・職種によっても残業時間の長さが異なります。残業がいやなら、残業が多い業界や職種を知っておくことがもっとも大切です。特に残業が多い業界と1ヶ月の残業時間は、以下の通りになっています。

第1位:コンサルティング、シンクタンク(83.5時間)
第2位:広告代理店、PR、SP、デザイン(78.6時間)
第3位:建築、土木、設計、設備工事(70.8時間)
第4位:放送、出版、新聞、映像、音楽(66.1時間)
第5位:不動産関連、住宅(64.8時間)

傾向としては「締切」が存在する業界は残業時間が長いです。残業の少なさを重視したいなら、これら5つの業種は避けた方がよいでしょう。

残業が少ない業界・業種

ショップ販売員

アパレルショップや雑貨店と言った、店舗を構えるタイプの物販サービス業も残業は少ないです。閉店後に締め作業があるため、帰宅時間は遅めですが、残業時間自体は短いです。ただし、棚卸のときなど、まれに長時間の残業が発生することがあります。

スポーツジム

営業時間は長いですが、シフト制で遅番と早番を設けていることが多く、残業は比較的少ないです。ただし、夜遅くまで営業しているため、遅番の日は帰宅が遅くなります。ジムによっては24時間営業の場合もあるため、深夜のシフトになる可能性もあります。また、休日のジムは稼ぎ時なので、世間一般の人が休んでいる土日に休みを取ることが難しいです。

クリニック・処方箋薬局

入院施設のないクリニックや処方箋薬局は残業が少なく、終業時間も早いです。フルタイムだと1日の拘束時間は長めですが、昼休みが長いので就業時間はそれほど長くありません。しかし、個人のクリニックでは医師の裁量によって残業や仕事量が変化します。働きたいクリニックには事前に調査しに行くと、そのクリニックの労働状態が分かるので安心です。

事務職、秘書などの事務職

事務職、秘書、翻訳、貿易業務などの事務職は、事務作業を主に担当するため、顧客のトラブルや新規開拓、ノルマなどに追われる心配がありません。勤務時間外に対応しなければならない仕事はほとんどなく、定時で上がれる可能性が高いのが大きなメリットです。

ただし、秘書は上司より先に出社しなければならないため、出社時間が早いです。上司がすぐに仕事に取り掛かれるよう準備しておかなければいけません。

給料はあまり高くなく、残業も少ないので年収は低くなりますが、プライベートを確保したい人にとってはベストな職種と言えます。特に女性は求人も多いのでおすすめです。

工場の作業員

工場の作業員は基本的にみなし残業制度を適用することができないので、残業代は満額出ます。その分、残業時間に比例して人件費がかさむため、企業は作業員の残業を減らす傾向にあります。

また、工場は労働組合が強い傾向もあるので、他の職場に比べてブラックになりにくいです。納期前などに残業が発生することはありますが、働いた時間分はきちんと残業代が支払われるのが一般的です。

ただし、変則シフト制の会社の場合は、休みの曜日がバラバラになります。

B to Bルート営業

B to Bルート営業とは、法人向けルート営業のことです。法人向けルート営業は、すでに営業先が開拓されているので新規営業の必要がなく、仕事をルーチン化することができます。そのため残業が少なく、営業職の中ではもっとも労働時間が少ないです。

特に医療機器メーカーの営業は就業時間自体が短く、休日日数も多いです。医療機器メーカーの営業は直行直帰型の勤務スタイルが多く、病院の診療時間に合わせて働くからです。

残業が少ないのに給料が高い会社は?

残業が少ないのに給料が高い会社

いくら残業が少なくても給料が安すぎては生活できませんし、給料が高くても残業が多すぎて過労死してしまっては最悪です。転職するなら、残業が少ないのに給料が高い会社を選ぶのがベストです。

参考までに、平均年収700万円以上の会社で残業が少ない会社トップ10の情報を掲載します。

順位 社名 月平均の残業時間 平均年収
1 エレマテック 1.36時間 707万円
2 ディジタルメディアプロフェッショナル 2時間 734万円
3 丸井グループ 3.12時間 709万円
4 クレオ 3.22時間 712万円
5 メディパルホールディングス 3.33時間 788万円
6 第日本住友製薬 3.36時間 840万円
7 J.フロント リテイリング 4.46時間 810万円
8 極東貿易 5時間 741万円
9 サトーホールディングス 5.12時間 765万円
10 スクウェア・エニックス・ホールディングス 5.34時間 1,402万円

残業が無い・少ない企業の特徴

能力によって判断してくれる企業

特に外資系企業に多い傾向ですが、能力重視の企業は残業に対する考え方も古い体質の日系企業とは違い、「残業する人=スケジュール管理能力が低い、仕事の段取りが悪い人」と考えられています。

彼らにとって残業は仕事ができない人がすることなので、無能な上司に合わせてダラダラとムダな残業しなければならない風潮もありません。

また、トップやボスが欧米人の場合は家庭を大事にする意識も高いので、合理的に働いてプライベートも充実させたい人には非常に働きやすいです。

フレックスタイム制度が導入されている企業や、在宅勤務が認められている企業など、自分で目標を設定して行動できる企業は残業が少ない傾向が高いです。

組合が強い企業

労働組合の存在や発言権が強い企業では、残業代がしっかり支払われていたり、残業をさせないようにしようという流れが生まれていたりするところがあります。残業以外のことについても、労働者の不利益が改善されやすいです。

ただし、労働組合の集まりへの参加がほぼ強制の企業もあります。

残業が少ないのに給料が高い会社に転職できない人はどうすべき?

ワークライフバランスの見直しをしている会社を選択肢に入れる

「残業が少ないのに給料が高い会社」は約80社程度しかないため、そういった会社に転職できる人数も限られて来ます。そこで、第2の選択肢として「ワークライフバランスの見直しに積極的な会社」も視野に入れておく必要が出て来ます。

そうすると、ワークライフバランスの見直しに真剣に取り組んでいる会社がどのくらいあるのかも気になるところです。その辺りを探るべく、まずは国の動きと社会の状況を整理してみましょう。

現状では仕事に就けない人が多く出てしまう

社会の実態として、「安定した仕事に就けず、経済的に自立できない」「仕事が忙しすぎて心身の健康を害してしまう」、「仕事と育児や介護の両立が難しい」といった人が増えています。

定年年齢の引き上げや年金支給開始年齢の引き上げなどを受け、高齢者の労働者も増え続けることも確実です。しかし、長時間勤務を前提とした働き方のままでは、高齢の労働者は仕事に就くことが難しくなってしまいます。

「勤務時間インターバル制度」が注目されている

長時間勤務が難しい人も多いという現状を受け、厚生労働省でも「勤務時間インターバル規制」と言う制度が議題に上っています。「勤務時間インターバル規制」とは、「休息期間をきちんと確保しよう」と言う趣旨の制度です。

日本の商習慣を鑑みれば勤務時間インターバル規制の導入は容易ではありません。しかし、仕事に就けない国民が多いと言うことは、国の税収も確保できなくなることを意味します。

しかし、長引く不況の中で企業努力に任せるだけでは、ワークライフバランスの改善が困難な状況でもあります。現状を打破するには行政の介入が必要なことは明らかである以上、何らかの形でワークライフバランス改善の国策が実現されるものと考えられます。

コンサルタント会社を利用している会社を狙う

企業レベルでも、長時間勤務を見直し、従業員が仕事と生活を両立できるようにしようと考える動きが出て来ています。一般的に残業が多いと言われる業界の中にも、ワークライフバランスの改善に積極的な企業もあります。

例えば、「株式会社ワーク・ライフバランス」のような、ワークライフバランスの改善を図りたい企業のためのコンサルティング会社を利用している会社は、残業が少ない可能性が高いです。

カルビーやセブン&アイ・ホールディングス、日本通運などの有名企業や地方自治体などの大手企業も利用しています。

アフター5を楽しめる企業に転職するためにおすすめの方法は?

転職エージェントを利用して志望先に実態をリサーチする

ワークライフバランスの改善のためにコンサルティングサービスを利用しているというのは、残業が少ない可能性の目安になります。ですが、改善に取り組み始めたばかりなどの場合もあり、必ずしも残業が少ないことが保証されるものではありません。

転職サイトや企業ホームページの情報を鵜呑みにするのは禁物です。残念ながら、企業規模を問わず労務に関しては多くの会社がかなりずさんで、求人情報を読んでも嘘が多くて当てにならないからです。

求人情報に書かれている条件に騙されず、求人内容を正しく見極めるには、応募先の企業の内部事情を必ず事前にリサーチすることが重要です。その企業で実際に働いている人に直接話を聞ければベストですが、この方法はかなりのコネが無いと難しいです。自分で調べるにしても、自分ひとりの力では限界があります。

転職エージェントからなら正確な情報が得られる

応募先の実態を正確にリサーチするなら、転職エージェントに登録し、内部事情に精通したキャリアアドバイザーから情報収集するのがもっとも効率的です。

転職を考えている人の多くが転職サイトで求人を探していますが、転職サイトは人手不足になりがちな営業や小売業、販売業の求人ばかりな上に、残業の有無を曖昧にされていることがほとんどです。掲載の基準が甘いので、ブラック企業の求人も掲載されています。

エージェントなら事前審査でホワイト企業のみ厳選

転職エージェントの求人なら、エージェントが厳しい基準で事前に審査して、実際の残業時間や職場の人間関係なども詳しく知っています。転職エージェントが保有する職場情報を有益に使って転職に役立てることで、残業が少なく働きやすい職場に転職できます。

転職エージェントは誰でも無料で利用でき、スキルの棚卸や面接対応、条件交渉などのサポートも受けられます。

また、転職エージェントは非公開求人も含めた中から、希望条件と能力に合った求人を選んでくれます。事前の情報収集によって求人の嘘に騙されるリスクを減らした上で、残業なしの会社に転職すれば、残業なしのメリットを最大限活かせます。

利用することで、自力で応募するよりも有利に転職活動を進められます。

正社員で残業がない仕事に転職したい人におすすめの転職エージェント

リクルートエージェントは求人数がダントツトップ

リクルートエージェント

リクルートエージェントは業界最多の求人を保有しており、非公開求人だけでも約20万件もあります。取扱い求人数が多いと言うことは、それだけ多くの会社の情報を持っていると言うことです。残業が少ない会社をリサーチするためにも、必ず押さえておくべきエージェントと言えます。

また、求人数の多さは、幅広い求職者に対応できる求人を保有していることも意味します。営業力に優れた会社なので、内定を勝ち取るためのノウハウを熟知しており、面接対応も充実しています。交渉力にも優れているので、年収アップ転職なども実現しやすいでしょう。

拠点も全国主要都市に19箇所あり全国を網羅しており、転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも利用しやすいです。

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Spring転職エージェント

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世界シェアNo.1のアデコが運営する転職エージェントです。これまでの経験の有無にかかわらず必ず面談してくれるエージェントなので未経験転職に最適です。

大手転職エージェントに比べると知名度は低いですが、大手よりも登録者が少ないため、1人1人の求職者への転職支援が丁寧です。また、アデコ運営なので、日本全国の幅広い求人へのコネクションがあり、求人数も豊富です。

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まとめ

残業が少ない会社に転職したいなら、残業が多い業界がどこかを知っておくことが大切です。また、ブラック企業の求人の嘘に騙されないよう、頻繁に使われる要注意ワードも知っておきましょう。

残業が少なくて給料が高い会社に転職できるのがベストですが、好条件の求人は競争倍率も高くなります。そこで、ワークライフバランスの改善に積極的な会社も候補に入れつつ、志望先の実態をしっかりリサーチすることが必要になります。

志望先の実態を探るには、転職エージェントから情報を得るのがもっとも確実です。残業が少ない会社に転職したい人には、リクルートエージェントとtype転職エージェントの2つに登録するのがおすすめです。