内閣府は、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しています。

これは仕事・生活の調和の必要性と、目指すべき社会の姿を示したものです。

転職市場でも、ワークライフバランスが取れた働き方を実現できる職場に入社したいと考える人が増えています。

しかし一方で、「ワークライフバランスが良い仕事はどうやって探せばいいのか」「男なのにワークライフバランスを重視して転職活動をしてもいいのか」などと悩む人も多いです。

そこで今回は、ワークライフバランスがいい職場へ転職したい人に向けて、ワークライフバランスを実現しやすい転職先や選び方を解説します。

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目次
  1. ワークライフバランスを基準に転職活動する人が増えている
  2. ワークライフバランスを実現しやすい転職先の選び方
  3. ワークライフバランスが取りやすい転職先【業界・職種】
  4. ワークライフバランスを重視した企業への転職が向いている人の特徴
  5. 転職によってワークライフバランスを実現するためのポイント
  6. ワークライフバランス重視の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
  7. ワークライフバランス重視の転職を成功させよう

ワークライフバランスを基準に転職活動する人が増えている

近年、労働環境の改善が叫ばれる中で、多くの方がワークライフバランスを重視して転職活動をするようになっています。

特に若い世代を中心に、自分の時間を大切にする働き方を求める声が高まっています。

ワークライフバランスを基準に転職活動する人が増えている
  • ワークライフバランスとは
  • 日本は長時間労働が問題になっている
  • 男性・女性ともにワークライフバランス重視の転職は悪いことではない

ワークライフバランスとは

そもそもワークライフバランスとは、仕事と私生活の調和を意味する言葉です。

ワークライフバランスが取れた働き方は、心身の健康や仕事の創造性・生産性の向上に効果的だとされています。

生活全般の満足度を高めることにつながります。

日本は長時間労働が問題になっている

日本では長時間労働が根強い社会問題となっています。

多くの企業で労働時間の削減が進められてはいるものの、依然として過労死ラインを超える労働時間を強いられる労働者も少なくありません。

この状況に対する反省から、労働者の健康と生産性を守るためにワークライフバランスの重要性が再認識されています。

内閣府も仕事・生活の調和が必要だとして、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しています。

男性・女性ともにワークライフバランス重視の転職は悪いことではない

「男なのにワークライフバランス重視の転職をしていいのか」と不安に感じる人もいます。

しかし男性も女性も、ワークライフバランスを重視して転職することは、決して悪い選択ではありません。

かつて日本では、長時間労働を奨励する文化がありましたが、現代では労働の質と効率が重視されています。

男女問わず、ワークライフバランスが取れた働き方を求めることは、個人の幸福を実現するために重要です。

ワークライフバランスを実現しやすい転職先の選び方

ワークライフバランスを転職で実現したい場合、企業選びには注意が必要です。

理想的なワークライフバランスを実現しやすい転職先の選び方をご紹介します。

ワークライフバランスを実現しやすい転職先の選び方
  • 柔軟な働き方を導入している
  • メンタルヘルスケアを推進している
  • 認定企業を探す
  • 企業文化が自分の価値観と合っている
  • 企業の口コミを確認する
  • 転職エージェントを活用する

柔軟な働き方を導入している

ワークライフバランスを転職で実現したい人は、柔軟な働き方が可能な企業を選ぶといいでしょう。

現代では、柔軟な働き方を導入している企業が増えています。

たとえばフレックスタイム制、リモートワークの推進、時短勤務の導入などです。

これらの制度は、従業員が仕事と私生活をバランス良く維持するのに役立ちます。

フレックスタイム

フレックスタイム制を導入している企業では、従業員が自身のライフスタイルに合わせて、出勤および退勤時間を前後にずらせます。

通勤ラッシュを避けたり、家庭の事情によって出社を遅らせたりすることが可能です。

なお一定の期間内で、「勤務すべき総労働時間」があらかじめ決められており、この総労働時間は守る必要があります。

リモートワーク

リモートワークを積極的に推進している企業では、従業員が自宅やカフェなどのオフィス以外で働けます。

通勤時間が削減されるので、その分プライベートな時間を増やすことが可能です。

また、自分にとって最適な環境で働けば、仕事の効率が上がると期待できます。

時短勤務

時短勤務とは、育児・介護と仕事を両立したい人向けの制度です。

フルタイムで働くのが難しい場合に、1日の勤務時間を通常よりも短縮できます。

勤務時間が短くなる分、収入減は避けられません。

しかし仕事と家庭の両方の責任を果たしながら、キャリアを継続することが可能になります。

メンタルヘルスケアを推進している

ワークライフバランスがいい企業に転職したい人は、従業員の心理的健康をサポートするプログラムや制度が整っているかどうかも確認するといいでしょう。

たとえばカウンセリング、ストレス管理のワークショップなどです。

これらの制度を積極的に導入している企業は、メンタルヘルスを重視していると考えられます。

認定企業を探す

ワークライフバランスや女性の活躍に関連する認定には、次のものがあります。

  • 子育てサポート企業に対する「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」
  • 一般財団法人日本次世代企業普及機構の「ホワイト企業認定」

これらの認定を受けている企業を確認し、その中から興味のある転職先を探す方法もあります。

企業が従業員に対して優れた労働環境を提供している証拠となるため、転職活動においては参考になるでしょう。

企業文化が自分の価値観と合っている

ワークライフバランスがいい企業に転職したい人は、企業文化が自分の価値観と合致しているかどうかも確認しておきましょう。

具体的には、年功序列か、成果主義か、といった部分です。

ワークライフバランスがいい企業に転職したいと思っているのに、成果主義で皆がバリバリ残業している体育会系企業に転職すると、職場での満足度を高めるのは難しいかもしれません。

企業の口コミを確認する

転職では、ライトハウスや転職会議といった口コミサイトが知られています。

実際にその企業で働いている、または働いたことがある人たちからの口コミは、企業の実態を知る上で貴重な情報源です。

特に、ワークライフバランスの実際の状況や職場の雰囲気についての詳細を得るためには、口コミが役立ちます。

ネットの口コミがすべて正しいとは限りませんが、目を通すようにはしたほうがいいでしょう。

転職エージェントを活用する

転職エージェントの利用は、ワークライフバランス重視の効率的な転職活動において有効です。

転職エージェントのメリット
  • ワークライフバランスを重視したい事情(育児や介護、自分の価値観など)をキャリアアドバイザーに話し、今後のキャリアプランを相談できる
  • ワークライフバランスを重視するならどんな職場がおすすめか聞ける
  • 転職エージェントは企業とやり取りしているため、企業の内情に詳しい。ワークライフバランスがいいかどうか、入社前に判断しやすい
  • ワークライフバランスがいいおすすめの転職先を紹介してくれる。
  • 転職エージェントは内定後に企業との交渉も代行してくれる。労働条件や待遇の改善につながることも少なくない。

転職エージェントは、求職者のスキルやキャリアプランに合った求人を紹介してくれるサービスです。

応募書類のブラッシュアップや面接対策など、一連の転職活動をサポートしてくれます。

またエージェントを通じて、一般には公開されていない非公開求人にアクセスすることも可能です。

ワークライフバランスが取りやすい転職先【業界・職種】

職場によっては、働き方が柔軟で、従業員の私生活を尊重する文化が根付いていることもあります。

ワークライフバランスを重視する求職者にとって、転職先の業界や職種選びは、非常に重要です。

以下では、ワークライフバランスが取りやすいとされる主要な業界と職種を紹介します。

ワークライフバランスが取りやすい転職先【業界・職種】
  • 日本の大手企業
  • 大手メーカー
  • 医療・福祉業界
  • 複合サービス業界
  • 金融・保険業界
  • 大手SIer
  • インターネット業界
  • 自由な働き方ができる職種

日本の大手企業

日本の大手企業では、業務の担当が細かく分かれています。

1人1人の業務量が比較的少ないため、ワークライフバランスが取りやすいです。

安定した経営基盤を持つ企業は、従業員ひとりひとりをガツガツ働かせる必要がないという傾向も見られます。

また日本の大手企業の中には、従業員の働き方改革を積極的に進めているところも多くあります。

たとえばフレックスタイム制度の導入や、リモートワークの普及などです。

大手メーカー

日本の大手企業といっても、さまざまな業界・業種が存在します。

中でも大手メーカーは、年間休日数が多い傾向です。

多くの企業が従業員の健康管理や福利厚生の充実にも力を入れています。

医療・福祉業界

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、医療・福祉業界はもっとも所定外労働時間が短い業種です。

医療・福祉業界の所定外労働時間は、7.0時間(前年比10.0%増)でした。

ただし医療・福祉業界では、夜勤があったり土日休みではなかったりする職場もあるので、その点は注意が必要です。

複合サービス業界

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、複合サービス業界の所定外労働時間は9.5時間(前年非7.7%増)です。

複合サービス業界も残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすい傾向が見られます。

たとえば郵便局、農業、漁業などが複合サービス業界に含まれます。

金融・保険業界

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、金融・保険業界の所定外労働時間は9.6時間(前年比15.9%増)です。

銀行、消費者金融、クレジットカード会社、保険関連企業などが含まれます。

ワークライフバランスを重視する人に適しています。

大手SIer

IT関連の仕事をしたことがない人にとって、SIerは聞き慣れない言葉かもしれません。

SIer(エスアイヤー)とは、クライアントの要望に応じて、システム開発や運用、コンサルティングなどを請け負うIT企業のことです。

大手のSIerは、上流工程を担うことが多いので、ワークライフバランスが取りやすくなっています。

反対に下流工程を担うSIerでは納期が厳しく、残業が頻発することもあるので、SIerならどこでもワークライフバランスが取りやすいというわけではありません。

とはいえIT企業では、リモートワークやフレックスタイムが広く導入されており、技術者は柔軟な働き方を実現しやすいです。

インターネット業界

インターネット業界では、その性質上、場所を選ばずに仕事ができます。

ワークライフバランスが取りやすい業界の一つです。

残業時間や業務量は会社によりますが、スタートアップ企業を含む多くの会社が、創造的な働き方を奨励しています。

自由な働き方ができる職種

自由な働き方ができる職種もワークライフバランスを重視して転職したい人におすすめです。

たとえばフリーランスのデザイナーやライター、エンジニアなどがあります。

これらの職種では、プロジェクトベースで仕事を選び、自分のライフスタイルに合わせて仕事量を調節することが可能です。

自己管理がしっかりとできる人なら、理想的な働き方が実現できるでしょう。

ワークライフバランスを重視した企業への転職が向いている人の特徴

ワークライフバランスを重視した企業へ転職したいと考える人は多いです。

しかし「ワークライフバランス重視」を転職の軸にしていいのか、バリバリ働いてキャリアアップやスキルアップを目指す働き方のほうがよいのではないか、と悩む人も見られます。

ワークライフバランスを重視した企業への転職が向いている人の特徴は、次の通りです。

ワークライフバランスを重視した企業への転職が向いている人の特徴
  • 効率的に業務を遂行できる
  • 趣味や家族との時間を大切にしたい

効率的に業務を遂行できる

効率よく業務を遂行できる人は、ワークライフバランスを重視する企業に転職すると、働きやすいと感じるでしょう。

ワークライフバランスを重視する企業では、限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮することが求められます。

だらだら仕事をするのではなく、仕事を効率化し、集中して取り組める人に向いています。

趣味や家族との時間を大切にしたい

趣味や家族との時間を充実させたいと考える人は、ワークライフバランスを重視する企業の働き方と相性が良いです。

休日をしっかりと取り、自分の時間を大切にすることで、リフレッシュし、仕事へのモチベーションを保つことができます。

転職によってワークライフバランスを実現するためのポイント

転職を成功させ、理想的なワークライフバランスを実現するためには、事前の準備が非常に重要です。

転職によってワークライフバランスを実現するためのポイント
  • スキルやキャリアの棚卸しで自分の市場価値を把握する
  • 自分にとって理想のワークライフバランスを言語化する
  • 理想の生活をイメージする
  • 希望条件に優先順位をつける
  • ワークライフバランスを全面的にアピールすることは避ける

スキルやキャリアの棚卸しで自分の市場価値を把握する

転職時にはまず、自身のスキルとキャリアを整理しましょう。

そのうえで求人を見て、自分がどの程度の市場価値を持っているのか、把握することが重要です。

具体的には、どのようなポジションを狙えるのか、年収はどの程度期待できそうなのかなどを把握します。

自分にとって理想のワークライフバランスを言語化する

自分にとって理想的なワークライフバランスを具体的に言語化し、それを転職の目標とすることが重要です。

「どれだけの労働時間を望むのか」「休日はどれくらい欲しいのか」などを転職活動のガイドラインとして、求める条件に合う職場を選ぶことができます。

理想の生活をイメージする

理想のワークライフバランスを言語化するのが難しいと感じたら、まず理想の生活をイメージしてみましょう。

将来どのような生活を送りたいのか思い描き、その実現のためには収入と余暇がどれくらい必要なのか、逆算して考えます。

希望条件に優先順位をつける

転職活動では、自身の希望条件に優先順位をつけることが効果的です。

全ての条件を満たす理想の職場は、なかなか存在しません。

どの条件を最も重視するかを決定し、それを基準に求人を選んでみましょう。

例えば、給与よりも労働時間の短さを優先するなど、自身にとって最も大切な要素を明確にすることが大切です。

ワークライフバランスを全面的にアピールすることは避ける

転職面接でワークライフバランスを重視する姿勢を過度に前面に出すことは、避けた方が良いです。

そのような態度は企業に対し、誤った印象を与える可能性があります。

あくまでプロフェッショナルとしてのスキルや、貢献できることを強調し、働き方の希望は適切なタイミングで伝えましょう。

ワークライフバランス重視の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント

ワークライフバランスを重視した転職活動を行う場合、転職サイト・転職エージェントの活用が有効です。

以下に、ワークライフバランスに配慮した求人を多く扱っている、おすすめの転職サイト・転職エージェントを紹介します。

ワークライフバランス重視の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
  • doda
  • type転職エージェント
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ワークライフバランス重視の転職を成功させる鍵は、自分自身のニーズと目標を正確に理解し、それに最も適した企業を見つけることです。

入社してから内情を知って後悔しないために、企業の入念な調査をして転職を決定しましょう。

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