保育士として保育園で働いているけど、保育園での人間関係に疲れた…子どもとかかわる仕事は好きだけど、保育園で保護者からの相次ぐクレームにうんざりだし、同僚との関係や園の方針に納得できない!

そんな悩みを抱えらながら保育園で働いていませんか?
人間関係の悩みがあるなら、同じ保育士の資格を活かしてベビーシッターになるという選択肢があります。

これを読めば保育士とベビーシッターの違い、ベビーシッターとしてどれくらいの給料がもらえるのか、ベビーシッターの求人の探し方についてよくわかるので、ベビーシッターへの転職活動をすぐに始めることができます。

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ベビーシッターの仕事内容

保護者が不在となる時間帯の子どもの保育や学習補助

ベビーシッターという名前から、乳幼児の世話がメインになるのでは…と想像する人もいると思いますが、ベビーシッターが担当するのは乳幼児に限らず、就学児も含まれます。

乳幼児から就学児まで、幅広い年齢の子どもをみるという点で、未就学児を専門にみる保育士とは違いがあります。

保護者が仕事や所用で不在の間、子どもの保育を行うのがベビーシッターの仕事ですが、子どもが就学児の場合は学習補助も行います。

子どもの食事のケア

保護者が不在の間に食事の時間が含まれていれば、食事の用意から食べさせるまでの食事のケアを行うのもベビーシッターの仕事です。

子どもがまだ乳幼児の場合、離乳食を手作りして食べさせるベビーシッターもいます。

習い事への送迎

子どもが習い事をしている場合、習い事の場所までの送り迎えもベビーシッターの仕事に含まれます。

ピアノ、そろばん、学習塾、スイミング…複数の習い事をしている子どももいるので、曜日と時間を確認して、車で送迎することもあれば、近所の場合は一緒に歩いて子どもに危険のないように送り迎えをします。

そのため、遠方に習い事に行く必要のある保護者がベビーシッターを募集する場合、「要運転免許」の限定をつけている場合もあります。

ベビーシッターが働く場所

依頼主の自宅

金銭的に余裕のある家庭の場合、依頼主の自宅で働くことが多くなります。
保護者のどちらかが就労していなくても、保護者の習い事や自分自身のケアなどで子どもを自分で見られない時間があるため、自宅に呼んで子どもの世話をしてもらう人がいるからです。

依頼主の自宅の場合、子どもの着替えやおもちゃなど、子どものケアをするのに必要なものはすべて自宅にそろっているので、預ける依頼主側からしても、ベビーシッター側からしても働きやすい環境です。

子どもも日常的に生活している空間ですから、精神的な落ち着きもあり、ベビーシッターの負担も少なくて済むというメリットがあります。

ベビーシッターの自宅

自分の家に他人を呼ぶということに抵抗のある依頼主もいるため、ベビーシッターの自宅で仕事を行う場合もあります。

ベビーシッターの自宅での保育ということになれば、子どもの着替えや宿題、食べなれているお菓子、使い慣れている食器なども持ち込むことがあるので、ベビーシッターよりも依頼主が準備することが多くなります。

しかも、ベビーシッターの自宅に子どもが送られてくることが多く、現場への交通費もかからないため、ベビーシッターの負担は軽減されます。

病院、一般企業、ホテルなどのベビールーム

ベビーシッターの職場は、家だけではありません。
病院の一時預かり、一般企業の企業内保育所、ホテルに設置されているベビールームも含まれます。

病院の場合は子ども連れでも受診できるように(検診センターでも預かり保育を行うところが増えています)、一般企業の場合は保育園待機問題に関係なく職場復帰できるように、ホテルの場合はエステやマッサージなど保護者がつくろげる時間帯を確保するために…ベビーシッターはさまざまなところで活躍しています。

病児保育専門のシッター

子どもが熱を出したり、感染症にかかると、幼稚園はもちろん保育園や小学校にも登園・登校させることができません。
でも保護者はどちらも仕事でどうしても休めない…もう有給が残ってない…!
そんな時に病気の子どもを保育する専門家病児保育専門のシッターです。

病児保育専門のシッターは、子どもの症状をみて的確に対応できるよう、看護師や助産師の資格を保有していることが求められます。

看護師や助産師の資格を持っていなくても、事業所に登録していてシッター活動をしている場合、病児を個別に受け入れることも可能です。
この場合、通常の保育料に上乗せされることが多く、負担も大きいものの給与の額も高くなります。

ファミリーサポート制度

「ファミサポ」の愛称で徐々になじみやすくなってきたファミリーサポート制度によって、援助する側として活躍することもできます。

日本で当たり前になってきた共働き家庭では、特に核家族の場合、子どもの習い事や急病に保護者だけで対応するのが難しくなってきています。

ファミリーサポートでは、そのような家庭に対し、保育施設までの送迎を行ったり、保護者が病気になったときに一時的に子どもを預かったり、保育施設の利用開始時間前後に子どもを預かるという援助を行っています。

あくまでも“援助”ですから、時給は800~1000円ほどです。
これをメインの収入として考えるのは難しいですが、生活にある程度のゆとりがあって、保育の仕事でお小遣いを稼ぎたい人にはちょうどよい仕事でしょう。

ベビーシッターの給料

どの企業・団体に所属するかによってベビーシッターの給料は幅がありますが、時給にすると1300円〜2500円です。

1日4時間(朝・夕2時間ずつの預かりの場合)として、週5日働いたとしたら、時給2500円の場合、月収20万という計算になります。

保育士の平均月収が18万円ですから、保育士より月給が増えることもあります。
これは、託児費用が保育園よりも割高なので、ベビーシッターへ支払われる給与も高くなるという背景があります。

しかも保育士が9時間働いているところ、たったの4時間で保育士の月収を上回り、さらに面倒なカンファレンスなどもないわけですから、かなりねらい目のお仕事といえます。

副業でベビーシッターをやる人も

本業で保育士をしていて収入が足らず、副業でベビーシッターをしている人もいます。
保育士の低賃金問題はかねてから叫ばれていますが、あまり改善のきざしは見られません。

そこで、本業で稼げないなら休日や空いた時間(夜間の一時預かりを行うなど)で副業としてベビーシッターをすることによって生活費にゆとりをもたせる人がいるのです。

本業は週5日勤務し、休日になるはずの残りの2日(もしくはそのうちの1日)にベビーシッターとして働くことで月収18万円のところ、月収23万円ほどに底上げできます。

資格①「認定ベビーシッター」

認定ベビーシッターとは?

社団法人 全国ベビーシッター協会が認定団体を務める民間資格です。
国家資格ではないため、難易度は高くありません。

さらに受験資格は学歴に関係なく満18歳以上という1項目のみのため、受験へのハードルも低いのが特徴です。

資格を取得するためには全国ベビーシッター協会の研修を受講・修了していることが求められます。
資格の取得後は、1度だけ更新が必要です。

資格取得方法

認定ベビーシッターの資格を取得するためには、指定の養成講座に通う必要があります。

養成講座を受講したうえで、年に1度行われる試験(毎夏7月に実施)に合格することで取得できます。
試験ときくとハードルが高い印象を受けますが、合格率は90%以上のため、養成講座をきちんと受講していれば、試験自体はそれほど難しいものではありません。

また、特定の大学や専門学校で、ベビーシッター資格取得指定校の制度があります。
大学なら4年間、専門学校なら最短2年で保育士と認定ベビーシッター、両方の資格が取得できることになります。

資格②「チャイルドマインダー」

チャイルドマインダーとは?

チャイルドマインダーは少人数保育の専門家であることを示すことができる民間資格です。
イギリスでは国家職業資格であり、アメリカやフランスなど、海外でも認知度の高い資格です。
日本ではジャニーズの「嵐」全員がチャイルドマインダーの資格を持っていることで有名ですね。

自宅で開業する人が多く、利用者宅を訪問する訪問型もあります。
どこかの企業に所属するのではなく、最初から独立・経営できるため、「人に使われる側にまわるのはもうイヤ」という人にもおすすめの資格です。

チャイルドマインダーは少人数の家庭的な保育をモットーとしているので、子どもの「個」を重んじるという特徴があります。
日本の幼稚園や保育園のような集団保育も社会性が身につくというメリットがありますが、チャイルドマインダーは子どものペースを尊重します。

チャイルドマインダーが保育できるのは、0歳児なら2人、1歳児なら3人、2~4歳児なら4人までとかなりの少人数です。
そのため1人で30人程度みることもある保育士に比べて、チャイルドマインダー自身の負担も軽減されます。

資格取得方法

チャイルドマインダーの資格を取得するためには、指定された養成講座受講した後、試験に合格する必要があります。

チャイルドマインダーの合格率は、養成講座の母体によって異なりますが、70~95%と差はあるものの、それでもかなり高い合格率となっているため、試験のハードルはそれほど高くないといえます。

チャイルドマインダーの給与

施設勤務しているチャイルドマインダーの場合、時給1000円~と、他の飲食店などのアルバイトとそんなに変わりません。

利用者の自宅に訪問する訪問型の場合は、時給1500円~と、施設勤務よりも少し待遇がよくなります。
訪問型の場合は、だいたい8時間勤務となるため、週5日勤務したとして24万円にもなります。

さらにチャイルドマインダーとして開業している場合は、 3人を保育、11時間勤務で月給30万円にもなります。

たくさん稼ぎたい!という人は、自宅などで開業するのがよいでしょう。

ベビーシッターと保育士の違い。人間関係は楽って本当?

同僚がいないので人間関係に悩まない

ベビーシッターの中でも、依頼主の自宅や自分の自宅で保育を行う場合、基本的にひとりでの対応になります。

保育園でありがちな同僚や先輩とのイヤな人間関係に悩む要素はゼロなので、自分のペースで仕事ができます。

今保育園で働いていて、「同僚からのマウンティングがめちゃくちゃストレス」「先輩からのいびりがキツすぎる」という悩みから解放されるわけですから、ストレスもかなり軽減されます。

大勢の保護者と対応することがない

保育園に勤務していると、在園児の保護者総勢100名超を相手に日々奮闘しますよね。
連絡帳を書いたり、送迎の際に話しかけられてクレームや雑談に付き合ったり…。

ベビーシッターは少人数保育ですから、対応すべきは依頼主のみです。
1度に見る子どもの数が5名なら5名の依頼主との対応が上限(きょうだいで預ける依頼主もいるので、そうなるともっと少なくて済みます)ですから、気分的にも仕事的にもかなりラクです。

ただし、ベビーシッターとして生計を立てるには、依頼主にはリピーターになってもらう必要があります。
そのため、依頼主との信頼関係は必要です。

少ないからこそきめ細やかな依頼主(保護者)対応を行い、安定した収入につなげましょう。

保育する子どもの人数が少ない

ベビーシッター1人で見る子どもの人数は1~2人です。
そのため、子どもと密接にかかわることができます。

保育園ではひとりひとりに向き合った保育は到底無理ですから、その面でもベビーシッターは子どもとかかわりたい!という熱意を持って保育士になった人には向いている仕事といえます。

プライベートと両立できる

ベビーシッターは、保育園のように早番・遅番などのシフト制ではないため、自分の時間を確保しながら働くことができます。

依頼主からの依頼があれば、その時間帯に合わせて働くので、早朝や深夜になることもありますが、長時間の保育になれば、その分の保育料は割増で支払われますから、保育園のようなサービス残業はありません。

金銭的にも時間的にも余裕を持って働けるので、空いた時間でプライベートと両立できるのがベビーシッターの大きなメリットだといえます。

ベビーシッターの求人に応募するには?

未経験OK、資格なしでも働ける

育児経験が重視される

ベビーシッターは国家資格である保育士の資格がなくても働くことができます。
無資格の場合、重視されるのは、ベビーシッター自身に子育ての経験があるかどうかです。

資格がなくても、「3児の母」という肩書きがあれば、「この人になら子どもに慣れているだろうから、安心して預けられそう」というイメージを依頼主に与えることができます。

保育士資格、幼稚園教諭免許、実務経験ありなら有利

無資格でもベビーシッターになれるとはいえ、やはり国家資格を持っているとハクが違いますよね。

中でも保育士、幼稚園教諭などの幼児保育・教育の資格があって、なおかつ実務経験があると安全性が確認できて依頼主も安心して子どもを預けてくれます。

保育士や幼稚園教諭として保育園・幼稚園に勤務しているなら、それだけでベビーシッターになれる資格は十分にあるということになります。

近年は英語や楽器ができると有利

働く女性が増えたことで、依頼主の望みとしては「ただ子どもの世話をしてくれるだけじゃなくて、プラスαがほしい」という人が増えています。

食事やトイレの世話はベースとしてあって、さらに英語教育やピアノといった習い事を兼ねて依頼できるベビーシッターは大変人気があります。

もちろんその分利用料金も割増となるので、ベビーシッターにとっても依頼主にとっても損なことはありません。

「大学でTOEIC700点以上のスコアをとった」「大学までピアノを習っていた」などの経歴をアピールすれば、顧客の拡大にもつながります。

ベビーシッターの派遣会社へ登録

ベビーシッターの求人は、派遣やパート、アルバイトが多いというのが現実です。
そのため、ベビーシッターの派遣会社に登録する必要があります。

最初は派遣やパートから始めて、十分なスキルがついてきたら自ら独立していく人もいます。

まとめ

ベビーシッターは保育園で働く保育士と違って、拘束される時間が短く、時給制であることが多いのですが、その時給が高いので、場合によっては保育士よりも月給が高くなります。

さらに固定の職場で働くのではなく、自分や依頼主の自宅での保育が多いため、保育園のようなわずらわしい同僚・先輩・保護者との人間関係に悩むこともありません。

無資格でも働けますが、現役の保育士なら、その国家資格と実務経験があればすぐにでも採用され、即戦力になれます。

そのためにも、正社員雇用の少ないベビーシッターですから、ベビーシッターの派遣会社に登録してみましょう。