新型コロナウイルスの感染広がりを受け緊急事態宣言が出されると、Twitterでは「東京脱出」というハッシュタグも拡散されるなか、都市圏では、アルバイト・パート、契約社員などの失業が増え、実際に地元へ疎開・帰省がはじまっている。正社員も、コロナ倒産や仕事が無くなるかもしれないと不安を抱えていて、Uターン転職を考えている人も増えているようです。
今回は、Uターン転職の志望動機の実例を紹介したいと思います。
Uターン転職の志望動機を考える
Uターン転職を希望している人が悩むのが志望動機です。人それぞれ事情はありますが、「コロナ感染が怖いから」「地元に戻りたいから」「家族の介護が必要になったため」など、プライベートな事情を志望動機にしていいのでしょうか?。それとも、本音と建前は使い分けるべきなのでしょうか。
こちらでは、Uターン転職をするときの志望動機について、NG例なども含めて実例を交えて、転職活動中の人が知っておきたい情報をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
Uターン転職を目指すそれぞれの事情
地元に帰って転勤のない会社に転職したい
全国転勤の可能性がある会社に勤務している場合、数年ごとに転勤があります。独身時代や結婚して夫婦二人のころはまだ良いですが、子どもがいる場合、転勤は大きな負担になります。そのため、子どもが小さいうちに地元へ帰って転勤のない会社に転職しておきたい、という考えを持つ人も少なくありません。
転勤がない会社に転職したい、というのは志望動機になり得ます。ただし、条件面だけでなく、それがその会社でなければならない理由も併せて持っておく必要があります。
まだまだ根強い「長男」の地元志向
地方では、まだまだ長男に対する固定観念が強くあります。独身のうちは都会に出してもらえていても、長男ならいずれは地元に帰って家を継いでほしい、というものです。本人にその気がなくても、「コロナ感染が心配だから」と、親が地元で転職先を探して「仕事はあるから戻ってこい」というケースもあります。
もちろん、本人の意志でUターン転職をするなら問題ないですが、実家の両親に説得されて、という理由ならあとあと後悔しないよう気を付けてください。
Uターン転職の志望動機の実例
「前職の経験を活かすことができる職種だった」「自分の得意なコミュニケーション能力を発揮できると考えた」など、具体的な理由を述べ、これらを中心に伝えることがポイントです。
「Uターン転職を考えた時、これまでの自分の経験を生かせる業種であった御社の求人を拝見しました。これまでの経験を活かし、御社で○○に取り組むことで売り上げに貢献し、結果的に地元を元気にできる魅力的な仕事だと考え志望いたしました。」
というイメージで、「Uターン転職をしたい→その会社でやりたいこと→こんな面で貢献できます」と、順序立てて考えるとわかりやすいです。
Uターン転職の志望動機でNGなこと
採用担当者は面接のプロ
過疎化や少子化に悩む各地方自治体は、大都市でUターン転職の面接説明会を行うなど、Uターン・Iターンを積極的に受け入れています。
そうとは言え、事前準備をきちんとしていないうわべの志望動機はすぐに見抜かれてしまいます。「地元で働きたい」だけの漠然とした志望動機はNGです。その会社である理由が明確になっていないので志望動機として成り立たちません。
また、「東京ではこうだった」「前の会社ではこうだった」と前職の成績を自慢するのも印象が悪く、NGです。
また、「家族の介護が必要になったため」と言う理由も多いですが、これは素直に伝えるべきかどうか迷う理由です。面接官によっては「何かにつけ家族を優先して業務に支障が出ないか?」といった印象を持ちます。
本音と建前はうまく使い分ければよいので、家族の介護が必要になったことは、あくまでも付け加える感じで伝えれば、家庭の事情を優先しているのでは?という面接官の誤解を防ぐことができるはずです。
Uターン転職で覚悟するべきこと
都会と地方との収入格差は大きい
Uターン転職に迷う原因の一つが、年収です。地方企業の給与水準はどうしても都会に比べて低く、Uターン転職による年収ダウンの可能性は高くなります。希望の転職先を見つけ、面接にこぎつけても、いざ年収を提示されて面食らう、というケースもあります。都道府県別の平均年収でも、やはり緊急事態宣出地域の関東・関西地区が上位を占めています。
ですので、年収ダウンは覚悟しておくべきです。地方の平均年収は、大都市圏に比べて低いのが現実です。しかし、地方では物価も都会に比べて安いため、年収ダウン分がすべて生活に影響してくるとは言えません。家賃や交通費など考えても、都会に比べると生活はしやすくなるはずです。
また、実家が近くて野菜やお米をもらえたり、レジャーは一緒に出掛けたりなど節約できる面もあります。また、奥様がパートに出るなど共働きが可能かどうかもあらかじめ家族で話し合っておくべきです。
一つ気を付けておきたいのは、車がないと生活できないケースが多いことです。都会のように公共交通機関が発達していないので、車を購入する必要がある場合は一時的な出費と維持費が必要になります。
また、家族を持っている人なら、奥さんとの共働きが可能かどうかも考えておく必要があります。保育園も、都会ほど入るのが難しいことはありません。
それでも年収ダウンを避けたいなら、公務員を目指すのもおすすめです。しかし、年齢制限もありますし、競争率が高い難関です。いずれにせよ、Uターン転職は地域によって求人数に大きなばらつきがあるので、地元の友人などにも頼んで、事前に情報収集をしてイメージをつかんでおくのがコツです。そうすれば、いざ面接の段階になって年収を聞いて面食らう、ということもなくなるはずです。
Uターン転職は焦らないこと
大学を出てなんとなく都会で就職したけれど、新型コロナウイルスによる不況で将来のことを考えるとこのままでいいのかな、とふと思うことはありませんか?地元には友人や両親もいる、結婚や子育てのことを考えると若いうちに地元にUターン転職をした方がいいのではないか、でも今キャリアを中断するのはもったいない気がする・・と迷っている人もたくさんいます。
感染が収まり不況から回復すれば今の仕事やプライベートが充実しているときは今のままがいいと思うし、不況が長引きリストラが合う可能性もあると弱気になってUターン転職を考えてしまうこともあるはずです。
両親の介護など差し迫った問題がなく、迷っている気持ちが大きいなら、焦って帰る必要はありません。新型コロナウイルスのち療法・ワクチンが開発され感染のピークがすぎれば急速に景気は回復すると予想されています。
都会への未練を断ち切れるか?
身軽な独身の場合、Uターン転職をするかどうかは自分の気持ち一つで決められることが多いものです。いつか結婚して子どもが生まれて、子育てをする環境を考えて今のうちに地元に帰っておこう、という考えもあります。
今のキャリアだけでなく、刺激も多く、なにをするにも便利な都会暮らしを完全に捨てることができるのか、迷いが生まれるのも仕方ありません。
一度地元に戻ると、また都会に出るというのはなかなか難しいものです。後悔しないよう、将来のビジョンをしっかり持つことが大切です。
コロナ転職・Uターン転職に限らず、転職を目指す理由には、本音と建前があるものです。嘘をつくのはいけませんが、伝えていい本音、使うべき建前もあります。家庭の事情については、最初から細かいことを言いすぎる必要はありません。聞かれれば答えればよい、くらいに考え、まずはその会社で働きたい理由を考えます。
応募書類の添削や面接指導を行ってくれる転職エージェントもあるので、プロの目でチェックしてもらうのもおすすめです。
志望動機の書き方や面接対策など、コツをつかんで、Uターン転職を成功させて下さい。
Uターン転職をしたことを後悔してしまうケース
子どもが学校になじめなかった、家族の介護の厳しさ
家族がいる場合、Uターン転職で地元に戻ることは自分だけの問題ではありません。子どもがいれば「転校」がつきものです。子どもにとってみれば、慣れ親しんだ「地元」を離れ、知らない土地でゼロからのスタートになります。Uターン転職してから子どもが新しい学校になじめなかった、ということがないよう、事前に家族としっかり話し合って子どもの意志もきちんと確認しておくことが必要です。
また、Uターン転職の理由に多いのが「家族の介護」です。両親などに介護が必要になり、考える時間もあまりなくUターン転職をせざるを得ない場合、いつか後悔してしまいそうな不安に駆られることがあります。自分の意志を再確認し、ブレない気持ちを持つ強さも必要です。
地元に戻ってから職探しをしたが、思いのほか仕事がなかった
Uターン転職するのに遠方からでは転職活動が不利になると思い、まず今の会社を退職したが、いざ地元に帰ったら思いのほか仕事がなくてなかなか転職できなかった、というケースも聞かれます。
地元にいる友人や家族を頼って、事前に地元の情報を集めてもらうと早めに様子がわかって良いです。また、Uターン転職を中心にサービスを展開している転職サイトやエージェントを利用するのもおすすめです。
Uターン転職を失敗しないために
Uターン転職の壁、物理的な距離をどうするか
できれば在職中に転職活動をしたいが、物理的な距離があり難しい場合はどうすればよいでしょう。書類選考は郵送やメールなどで応募することが可能なので、特に問題はありません。しかし、面接まで進むと物理的な距離が課題になってきます。
一時面接なら、応募先企業に支店がある場合は、現在の勤務先から近い場所で面接を行ってくれる場合もありますが、役員や社長との面接になると本社所在地まで出向く必要があります。
退職して地元に戻ってから転職活動をする方が心理的な負担は少ないですが、経済面などリスクもあります。転居を伴うUターン転職の場合は、よく話し合って家族の同意を得て、協力してもらうことも必要です。
Uターン転職におすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
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Uターン転職というのは不安が付きまとうものです。業界最大手という安心感は転職活動を行う上で欠かせません。
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Uターン・Iターンでの転職決定後に、提携先の地元不動産会社を通じての転居先に至るまで手厚くサポートしてくれるので安心です。
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まとめ
Uターン転職を考える理由は人それぞれ、感染リスク、コロナ不況の将来不安、地元や仕事に対する思いもそれぞれです。Uターン転職に成功しても、都会と地方の給与相場は違うので収入ダウンしてしまう人も多く、これでよかったのかな、と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、Uターン転職で享受できるのは、経済的なメリットよりもメンタルメリットです。
Uターン転職は、さまざまな迷いが生まれやすいものです。自分で決めたことに責任を持つこと、万が一後悔したくなっても、前向きに考えるスイッチも大切です。自分が決めたことは後悔しない、という強い気持ちを持ってUターン転職に取り組む覚悟が必要です。