能力や経験のある人がキャリアアップ転職をする際には、転職エージェントを活用することでより有利になります。では、転職エージェントはどのように選び、どのように活用すればよいのでしょうか?
転職エージェントもいろいろあります。
一口に転職エージェントと言っても、その特色はさまざまです。業界別の得意分野だけでも
- 幅広い職種をカバーする総合型エージェント
- IT系に特化したエージェント
- 外資系求人に強いエージェント
- 営業に特化したエージェント
- 製造系エンジニアに強いエージェント
- 金融業界に特化したエージェント
- 広告、マスコミ業界に強いエージェント
- 医師・薬剤師に特化したエージェント
- web業界に強いエージェント
- ゲーム業界に強いエージェント
- アパレル業界に強いエージェント
- マーケティング業界に強いエージェント
- 不動産業界に特化したエージェント
- 保育士に特化したエージェント
- 看護師・介護士に特化したエージェント
- 飲食業界に特化したエージェント
- コンサルタントに特化したエージェント
- フリーランスに特化したエージェント
などがあります。
また、特定の都道府県に強いエージェントや海外の求人に強いも存在しますし、女性求人に強いエージェントと言うのもあります。
転職エージェントを選ぶ際はまず、そのエージェントに自分の希望職種、希望地域の求人がどのくらいあるかを見ます。また、零細中小のエージェントの中には悪質なエージェントも存在しますので、なるべく大手を選ぶと安心です。
転職エージェントの主なサービス内容
転職エージェントも様々で、どこも同じようなサービスを無料で提供していますが、その内容はエージェントによってそれぞれ異なります。概して、多くのエージェントでは以下のようなサービスを提供しています。
- 担当のキャリアアドバイザーが付き、転職希望者の希望業種・職種をヒアリングした上で、希望に合った求人を紹介
- 最新の転職市場動向の情報提供
- 転職に必要なノウハウ等の情報提供(採用/社内情報・レポート等)
- 応募書類(履歴書・職務経歴書)の添削 (Webで簡単に作成するツール等)
- 模擬面接などによる面接対策(面接対策イベント等)
- 希望職種・業種に強いキャリアアドバイザーからのアドバイス
- 転職希望先企業との面接日調整や年収交渉
- 退職の手続きなどのサポート
- 転職後のアフターフォロー
- 転職希望先企業との年収交渉や勤務形態の交渉、日程調整
以上、転職エージェントは、上記のような転職活動における幅広いサポートが受けられる心強い存在です。ただ、担当のキャリアアドバイザーに関しては、性格的に合う・合わないといった相性の問題も生じてきますし、エージェントの運営方法・システムについても向き・不向きがあるので、まずはエージェントの公式サイトで具体的なサービス・サポート内容について確認したり、口コミ・評判も1つの判断材料にするとよいでしょう。
転職エージェントは複数利用しよう
次に、転職エージェントの活用法について触れましょう。まず、念頭に置かなければならないのは「エージェントによって持っている求人が違う」と言うことです。転職エージェントと企業との関係はビジネス上のものではありますが、
結局のところは採用担当者とキャリアアドバイザーと言う、人と人との繋がりで築き上げられるものです。ですので当然、エージェント、あるいはキャリアアドバイザーによって得意な企業が違えば、企業の情報をどの程度持っているかも違います。
エージェントAで紹介された求人について、エージェントBではより詳しい情報を持っていることもありますし、エージェントAで公開している求人をエージェントBが公開していないこともあります。
また、転職エージェントを利用する際はキャリアアドバイザーとの相性も大変重要になります。エージェント経由での転職は、担当者の働きに賭かる部分が大きく、担当者の職務能力は勿論のこと、性格やフィーリングが極端に合わないと多大なストレスになるばかりか、転職そのものに悪い影響が出ないとも限りません。
ですので、転職エージェントは複数利用すべき、と覚えておきましょう。複数のエージェントを利用することで、それぞれの長所を活用できますし、短所は他のエージェントで補うことができます。
エージェントの方も登録者が複数のエージェントを掛け持ちすることは想定していますので、複数利用すること自体は問題ありません。ですが担当者も人間ですから、礼節はわきまえましょう。もしかしたら、別の機会にお世話になることもあるかもしれません。
メインの転職エージェントは相性で選ぶ
複数の転職エージェントを利用した方がよいことはわかりました。では、どのエージェントをメインに使えばよいでしょうか?
答えは「担当者と相性がよいエージェントをメインに使う」です。
相性のよい担当者とは
- こちらの希望や事情などをしっかりと聞き、理解してくれる
- 話しやすいと感じる
- 連絡の文面などの感じがよい
- 説明やアドバイスがわかりやすい
このような担当者であれば、相性の良い担当者であると言えるでしょう。
担当者がいまいちのエージェントAで、希望に合う求人を紹介してもらったとします。その時は、相性がよい担当者が別のエージェントにいれば、その担当者に同じ求人がないか訊いてみましょう。公開していなくても、その求人を持っていたり、企業と懇意で話を通せる場合があります。
また、相性のよいエージェントの方が親身に応じてくれやすいため、細かい疑問点なども相談しやすいですし、条件交渉をお願いする際にも応募企業など他の人に言いにくいことも伝えやすくなります。
メインに使うエージェントがはっきり決まった後も、他のエージェントの担当者に失礼な態度を取らないよう気を付けます。その担当者が応募企業と親しい場合もありますし、合わないと思う担当者が、後になって力になってくれる場合もあります。
他のエージェントから紹介された求人について別のエージェントに相談する時も、「転職サイトで見つけた」など自分で探したことにしておくのが無難です。直接応募できる求人を、エージェント経由にしようと言うことであれば、エージェントにとっても悪い話ではありません。
また、転職エージェントを利用する際は、事前に大手の転職サイトで求人の傾向を見ておくのがおすすめです。自分の能力や経験だと、どのくらいの企業や条件で採用してもらえるのか、おおよその傾向を知っておくと話がスムーズです。
転職エージェントを利用した年収交渉の方法
転職での年収交渉 まずは目標額の設定
現状よりもさらなる待遇改善を求め、転職を検討する人も少なくありません。転職の際、最も気になる項目の1つは年収でしょう。実際、転職経験者の約半数は、転職活動中に年収交渉をするというデータも報告されています。ただ、面接で年収に関しては自分からは切り出しにくく、どのように交渉すればよいのか戸惑う人も少なくありません。
そこで今回は、年収交渉の際に注意しておきたいポイントや注意点について以下に紹介します。
具体的な希望年収(目標額)の設定
漠然と「給料アップをしたい」と思っているだけでは、年収アップにはつながりません。まずは、具体的な目標希望額を予め決めておきましょう。
また、転職ではほとんどの場合、現在の年収額を基準に、本人の希望額にスキル・能力を考慮した額を企業側が設定します。つまり、現職の年収はできるだけ高く申告した方が年収アップに有利です。このため、給料額に表示されていない交通費や家賃補助など申告できるものは全て上乗せして提示することがポイントです。
面接の年収交渉で注意すべきポイント
面接の際の年収交渉で、最も気を付けたい点は「最低年収」についての質問です。面接官から「最低年収」について質問されたら、迷わず自分の年収希望額を最低ラインとして面接官に伝えましょう。切り出しにくいからといってその辺を曖昧に回答すると、たとえ内定を貰えても、結局は年収アップできていないといったことにもなりかねません。失敗を恐れず、希望額をはっきりと伝えることが年収アップ成功のポイントです。
年収希望額を客観的に説明できるようにしておく
ただ一方的にこちらの希望年収額を伝えるだけでは、面接官に悪い印象を与えてしまいかねません。そこで、事前に客観的な自己分析をして自分の能力・スキル・経験などに見合った妥当な年収額をきちんと算出しておく必要があります。そして、面接の際、なぜこの希望年収額なのかという根拠について明確で説得力のある説明をできるようにしておきましょう。
年収交渉で成功率を確実に高めるために
転職で年収アップを成功させるために、上記のポイントを踏まえつつ、臨機応変に交渉をすすめていく必要があります。ただ、年収交渉は上記のように自分1人で行う方法だけとは限りません。転職エージェントを通じて交渉する方法は非常に有効な手段です。
転職のプロでもあるエージェントは、企業と転職希望者との橋渡し役として、転職希望先企業の稀少な内部情報もたくさん保有しています。また、担当のキャリアアドバイザーとのカウンセリングでは、プロの視点で客観的な分析をしてもらえるので、自分の市場価値を知ることもでき、現在の自分のキャリア・能力に見合った年収を算定するための参考材料にもなります。
このため、単独で年収交渉するよりも、エージェントの力を借りて無難に年収交渉を進めたいという方には、転職エージェントの活用がおすすめです。
エージェントを利用する場合、予め担当のキャリアアドバイザーに希望年収額(最低限度額)を伝えておけば、年収交渉はすべてエージェントがやってくれるので、非常に安心感があります。
使えない転職エージェントに当たったときの対処法
使えないキャリアアドバイザー、その特徴は?
転職エージェントを利用する場合、転職活動がスムーズにすすめられ、転職に成功できるか否かは、キャリアアドバイザーの質や能力によるところが非常に大きいです。ただ、不運なことに、質・能力の低い使えないアドバイザーに当たってしまう可能性もあります。
そこで今回は、質・能力の低いキャリアアドバイザーの特徴・共通点を以下にピックアップしてみたので、是非参考にしてみてください。
①アドバイザーとしての能力が低いタイプ
- 希望業界・業種の知識や認識が低く、求人内容を把握していない
- 職務経験が浅いため自分の希望条件と合った企業とのマッチングができない
- 頭の回転が悪く理解力も乏しいため、こちらの要望や意図を理解できない
- 不採用が続いているのに、ひたすら案件を紹介するだけで、「なぜ失敗したのか」についてのフィードバックや打開案の提供がまったくない
②アドバイザー性格・人間性の問題
- 連絡が遅れがち、あるいは来ない
- 確認しておくべきことができていない等、基本的なビジネスマナーがなっていない
- 態度が悪く(横柄や冷たい態度など)、気配りができない
- 求職者の希望を理解せず、アドバイザーの早とちりで見当違い(希望とは違う業界・業種など)の案件を大量に送付してくる
③自分の成績を最重視して、都合のよい案件ばかり押つけてくるタイプ
- 自分の薦める会社を褒める一方で、他のエージェントが紹介する企業・求人をけなす
- 職務経歴の内容や面接で嘘をついても誇大表現するように勧める
- 紹介された案件を受けなかったり内定を辞退すると、怒りを露わにする
- 現在の職場での在籍期間が短いのにムリに転職を促す
以上、キャリアアドバイザーも多種多様で、人間性や能力、スキル全てにおいて優れている人もいれば、質・能力・性格ともに「この人に任せて大丈夫?」と不安になるような人まで様々です。ただ、同じことを言われても受け取り方は人それぞれなので、一概には言えないのですが、②や③のケースのように中には明らかに質・態度の悪いアドバイザーは存在しています。本人も自分の欠点に気が付いていないことが多いので、あまりにもひどい場合はエージェントにクレームを申し立て、アドバイザーに反省を促すのもよいでしょう。
また、上記の3つの中でも特に利用者が注意するべき点は、①の「アドバイザーとしての能力が低いタイプ」のアドバイザーが担当についた場合です。
例えば、あなたが希望する業界・業種についての知識不足や求人内容が把握されていないと今後すすむべき方向性が定まらず、結局希望の職場への転職へと導いてもらえません。
また、希望先企業への応募をはじめ、面接対策、内定時・内定後のアフターフォロー等、その時々に適切なアドバイスを受けられないことで転職力はかなり下がり、転職成功の妨げともなります。
上記のような実損が出た場合、キャリアドバイザーが数多く在籍している大手の転職エージェントであれば担当者を変更してもらうことも可能です。一方、中小規模のエージェントの場合、キャリアドバイザーのチェンジができないケースもあるので、そういった場合はきっぱりと他のエージェントへ変更されることをおすすめします。
キャリアアドバイザーをはじめサービス重視でエージェントを選ぶのであれば、やはりおすすめは大手企業が運営する転職エージェントです。概して知名度が高く、転職成功実績数や求人数(公開求人・非公開求人共に)も豊富で、キャリアドバイザーの数や質・サービスもそれなりに充実しています。
ただ、優良エージェントは複数あり、それぞれ求人検索システムや求人初回までの流れ、アドバイザーの対応もまちまちなので、まずは複数のエージェントへの登録・利用をしつつ、比較をした上で最終的にメインとして利用するサービスを厳選しましょう。
転職エージェントに断られる理由と解決策
転職エージェントに登録を断られた、登録はできたが連絡なし、相手にされない、と言う経験をお持ちの方もいるでしょう。やみくもにあちこちに登録して持ち駒を減らさないために、断られる理由と解決策を伝授します。
なぜ、転職エージェントに登録を断られてしまうのか?
これは一言で言えば、「紹介できる求人がありません」と言うことです。紹介できない、あるいは紹介できる求人が非常に少ない理由として、以下のものが挙げられます。
- 転職回数が多い
- アルバイトなどが長く、職歴が短い
- 年齢に見合ったスキルがない
- 年齢が高すぎる
- 不景気で、エージェントが抱えている求人が少ない
- 登録者のキャリア、希望職種がエージェントの紹介対象でない
単純にエージェント側の理由によるものもありますが、登録を断られる理由のほとんどは、登録者の経験不足または年齢によるものです。また、転職エージェントが抱える求人はほぼ、ホワイトカラー職種に限定されるため、美容師や調理師などの専門職やマスコミ関連などは扱っていません。
登録できたのに連絡が無くなるのは、どうして?
理由は大体、3つの内のどれかです。
- 単純に忘れていただけ
- 途中で、紹介できない何らかの理由ができた
- 紹介できないことはわかっていたが、その場ではっきり伝えることができなかった
忘れていて連絡をしない、と言うのは本来あってはならないことですが、エージェントの担当者は人によって、同時に数十人の登録者を担当することもあります。そのため、スキルが高いなど優先順位の高い登録者のサポートに追われる内に、企業からのニーズが低く優先順位の低い登録者のことを忘れてしまうケースがないとも言い切れません。
また、登録者に紹介しようと思った求人が、企業側の採用見直しなどがあり、募集が中止になる、他の候補者に内定が出そうになり、保留にしなければならなくなる、などが起こることもあります。その場合はその旨を連絡するのが筋ですが、いい加減な担当者がいないわけではありません。
エントリーの段階でキャリアなどに問題がなかったが、実際に面談してみたら企業への紹介が難しいと感じる場合もあります。コミュニケーション能力や態度に問題がある、紹介しにくい事実が判明した、などです。企業に紹介しにくい事実と言うのは例えば、精神疾患歴がある、などです。
他にも、登録者のスカウトをする人間が別にいるために、紹介が難しい人を呼んでしまう、登録者の情報をきちんと読まずにスカウトメールを大量送信する、と言うケースもあります。
いずれにしても紹介できないとわかった段階でそれを伝えるべきではありますが、登録者に暴力的な雰囲気を感じるなど、紹介できないと伝えることでリスクが生じる可能性がある場合はフェードアウトを狙うこともあります。
断られてしまったときは他のエージェントや転職サイトへ
一つの転職エージェントに登録を断られても、別のエージェントでは紹介を受けられることもあります。ですので、登録を断られてしまったときは他のエージェントへの登録や、転職サイトの利用を検討しましょう。
ですが、断られた理由が自分に原因があるものの場合は、まずその理由を潰すことが先決です。別のエージェントでも同じ理由で断られますと、その分、無駄に持ち駒を失うことになるからです。
フリーターの時期が長かったなど、職歴で能力を不安視される人の場合は、マネージメント経験があればエージェントに紹介を受けられる可能性が高くなります。マネージメント経験と言うのは、特定の肩書を持つものに限りません。
アルバイト先で後輩に仕事を教えていた、なども含まれます。ここで重視されるのは必ずしも仕事の内容の重要度ではなく、他人の仕事の面倒を見ることができるかどうか、です。
もし、そのような経験があれば、エージェントや企業が魅力を感じられるように表現を工夫して、何をどのくらいの期間やっていたか伝えましょう。
スキル不足、経験不足の場合には、転職エージェントよりも転職サイトの利用がおすすめです。転職エージェントよりも求人のハードルが低く、未熟であっても内定を得やすいためです。出来れば大企業を狙うのではなく、規模の小さい企業でスキルを積んでおくと、後々キャリアアップしやすくなります。
待遇面などは大企業より劣ることが多いものの、企業全体を見渡す目を養いやすく、経営者や責任ある立場の上司のそばで仕事ができるため、さまざまなノウハウやスキルを吸収することができるからです。
企業が求めるスキルは保有資格など職務能力に直結するものもありますが、実は最も重視されるのは人間性です。協調性と意欲があり、コミュニケーション能力が高く、謙虚な人が好まれます。マネージメント経験があると有利であると前述したのも、そう言う側面もあります。
最終的にどの様な仕事をしたいのか、それにはどのような仕事を経験する必要があるのかを見極めた上で、転職サイトと転職エージェント、今の自分に合うものを上手く活用しながら着実にキャリアを積んでいってください。
転職サイト・エージェント | レビュー |
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まとめ
初めての転職では分からないことも多い思うので、スムーズに転職するためには、転職のプロのエージェントを利用しましょう。応募書類の添削や面接対策、日程調整や年収交渉などの転職活動におけるさまざまなサポートをしてくれます。書類選考や面接選考の通過率を上げるためには転職エージェントの活用は必須と言ってよいでしょう。
しかし、どの業界・職種にも対応している転職エージェントはないので、複数のエージェントを併用しましょう。
転職が初めての人は、大手総合型と、年齢や適正に合ったサポート重視型の組み合わせが良いです。専門性が高い職種に転職する場合は、業界特化型エージェントもプラスしましょう。
転職エージェントの登録・利用は無料なので、まずは登録してキャリア面談で分からないことは何でもアドバイザーに相談してみましょう。